アイコン 新日鉄住金名古屋製鉄所また黒煙吹き上げ 今年4度目 大村知事カンカン

新日鉄住金は何やっているのだろうか、電気系統の問題で本年1月2回黒煙を吹き上げ、会社側は、4月に徹底した原因究明を行い問題ないはずだったが、6月23日三たび黒煙を12時間にわたり吹き上げた。
そして7月27日、午前7時すぎ、新日鉄住金名古屋製鉄所で停電が起こり、黒煙が3時間あまりにわたって、周辺に排出された。4回とも電源系統に問題があり、電流が流れなくなったことによる。

これを受け、愛知県の大村知事は、徹底的な原因究明と再発防止を求めるとした上で、「関係者は大いに反省し、業務の再点検を行うべきだ。信頼を取り戻すべく、しっかり対応してほしい」とカンカンになっている。

なお、6月23日の黒煙騒動では、トヨタは、輸出用に近隣の港の自動車積み出し船積み場に置かれていたトヨタ車2万3千台がスス付着の被害にあい、計画通り輸出できず、また、膨大な清掃費用もかかり、新日鉄住金に対して、損害賠償を求めるとしている。

ここまでくれば、大気汚染防止法などにより、へっぴり腰の環境省や経産省が工場を停止させ、本格的に調査しなければ、自社で検査しても、県が調査としてもこの有様であり、問題は解決しない。
 一度あることは二度あり、三度あり、四度もあった。早期工場稼動ばかりに目が行き、まったく根本的な対策がなされていない。このままだと今度は大爆発の可能性もある。

新日鉄住金名古屋製鉄所のリリースより
<1回目>

1月17日)(金)午前11時50分頃、弊社名古屋製鐵所構内において、自家発電所変電室内での異常により、構内で停電が発生しました。その対応として、コークス炉ガスをコークス炉上で燃焼させたため、大量に発煙いたしました。近隣住民の皆様をはじめ、関係各位に多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
<2回目>
1月20日の停電事故は、1月17日の停電事故の復旧過程において、別の電源系統にて過電流が発生し、電源系統の損傷を防ぐ保護回路が自動的に働いたことにより発生した。この停電の影響で1月17日の停電と同様に燃焼放散を行い、その際大量に黒煙が発煙した。

<電事故の原因と再発防止策について>
4月14日、本年1月17日および1月20日に発生いたしました停電事故において、大量の煙が発生し、近隣住民の皆様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。
事故の原因および再発防止策について以下の通りご報告いたします。
なお、本内容につきましては、本日、東海市および知多市に対しご報告を申し上げております。
今後、地域、社会の皆様からの信頼回復に向け、再発防止に全力で取り組んでまいります。
1. 事故原因について
(1) 1/17停電事故
1/17の停電事故は、当所の自家発電所内に設置された遮断器(大型ブレーカー)の一つにおいて地絡・短絡(ショート)が生じたことにより発生しました。この停電の影響でコークス炉ガスを次工程に送るためのガス排送関連設備についても停止したため、コークス炉ガスを無害化するためにコークス炉上で燃焼(燃焼放散)させ、その際大量に発煙いたしました。
その後、弊社および遮断器メーカーにて当該遮断器の分解調査を行った結果、遮断動作用の空気を介して遮断部の絶縁体内面に湿分や異物が付着したことで、絶縁機能が失われ、地絡・短絡(ショート)が生じたとの推定を得るに至りました。
2回目 1/20の停電事故は、1/17の停電事故の復旧過程において別の電源系統にて過電流が発生し、電源系統の損傷を防ぐ保護回路が自動的に働いたことにより発生しました。この停電の影響で1/17の停電と同様に燃焼放散を行い、その際大量に発煙いたしました。
1/17に事故が発生した電源系統への負荷を軽減するため、1/20の停電の原因となった過電流が生じた電源系統には通常より高めの負荷を配分していました。その状態において、事故の復旧過程で大型モーターを起動したところ、設備起動時は通常の稼働時より高い負荷がかかることもあいまって、想定を超える電流が流れました。このことが当該電源系統において過電流が生じた原因となったことがその後の調査のなかで判明しております。
2.再発防止策について
(1)今回の停電原因を解消するため、すでに当所に存在していた空気を用いる同じ型の他の遮断器の操作を禁 止するとともに、2014年度中に上記遮断器を空気を用いない真空遮断器に更新します。
また、設備起動時等において、電源系統の容量を超えないよう負荷電流を確認する運転体制の強化を実施する とともに、電源系統の負荷配分の検討手続きを厳格化しました。
(2)さらに、万が一、停電が発生した場合にコークス炉での燃焼放散による発煙を極力回避するために、2015年度末を目処にコークス炉ガス排送関連設備の電源を2系統化し、一方の系統で停電が発生した場合でもガス排送関連設備の運転継続や短時間での再稼働を可能とする対策を推進します。
(3)日常的には、過去より継続して実施してきた設備等の点検や更新等のハード対策を更に強化・継続していくとともに、社員教育や機器等の操作手順の徹底等のソフト対策についても更に強化を図ってまいります。
(4)また、緊急時における行政機関との連携に関しましては、東海市および知多市との間で情報提供窓口およ び責任者の名簿交換を行い、窓口の明確化を図るとともに、本年3月には東海市安全対策本部運営訓練に参画 させていただき、実際に情報伝達の確認等を行いました。今後、地域の皆様への影響が懸念される事態が発生 するおそれが生じた場合もしくは発生した場合は、上記確認内容に則り、行政機関に対する速やかな情報提供 に引き続き努めてまいります。
<3回目>
6月22日(日)午後2時50分頃、弊社名古屋製鐵所構内において停電が発生しました。その対応として、コークス炉ガスをコークス炉上で燃焼させたため、大量に発煙いたしました。
本年1月の停電に伴う発煙に続き、近隣住民の皆様をはじめ、関係各位に多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
以上、

問題に対する徹底した対策を行わなければ、同じことは繰り返されるという教訓であるが、日本を代表する新日鉄住金で、こうした事態が生じている。これでは日本企業の将来は危ういものと言わざるを得ない。
安全より生産、地域市民より利益、組織の硬直化、いろいろなことが、今回の4連発の黒煙事故により、新日鉄住金に投げかけられている。

[ 2014年7月29日 ]
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