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合併後16年たっても目にする「埼玉県大宮市」の誤り

毎日新聞校閲グループ
2001年5月1日誕生の「さいたま市」=2001年3月撮影
2001年5月1日誕生の「さいたま市」=2001年3月撮影

 地名は不変ではありません。1999年に旧合併特例法改正で合併市町村への財政優遇措置が盛り込まれて加速した「平成の大合併」により、全国で市町村が合併し、多くの「地名問題」が発生しました。

 合併からすでに16年たった今でも「埼玉県大宮市」(現在はさいたま市の大宮区など)という誤りを目にしますし、福岡県の宮田町、若宮町が合併して2006年に誕生した市の名「宮若市」が「若宮市」になってしまう--などなど、校閲記者を泣かせてきました。

 東日本大震災では、東北の地図を毎日載せて被害状況などを詳報しました。ちょうど、その数カ月前に図表を担当するデザイン室と協力し、合併を織り込んだ地図を作製していました。

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毎日新聞は東京に40人余り、大阪に30人余りの校閲記者がいる。原則として広告などを除く全紙面について記事のチェックをしており、いわば新聞の「品質管理部門」。書籍などと比べてかなり短時間で仕事をこなさなければならないのがつらいところ。朝刊の校閲作業は深夜になるため生活は「夜型」である。