ミスを見逃さない校閲の技術 フォロー

パソコン入力の時代に「人の間違い」をどう見つけるか

毎日新聞校閲グループ

 毎日新聞の校閲記者たちが、プロの校閲の技と正しい文章への思いをつづる連載「ミスを見逃さない校閲の技術」の第3回は、陥りやすい「ヒューマンエラー」への対応策です。

「誤植」はなくなったはずだが

 日本語の同音・同訓語の多さに泣くのは、校閲記者や受験生だけではありません。

 1978年、キーボードによる日本語入力を史上初めて可能にしたワードプロセッサーを東芝が発表しました。「キシャがキシャした」(記者が帰社した)といった同音異義語の使い分けをどうコンピューターに学ばせるかが開発者の最大の課題であり、「辞書に学習させればいい」という発想で実現に導いたことは、よく知られています。

 それから40年。「教授」が「教援」、「減少」が「滅少」、「法廷」が「法延」にといった誤りに、校閲作業のなかでしばしば出合います。

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毎日新聞は東京に40人余り、大阪に30人余りの校閲記者がいる。原則として広告などを除く全紙面について記事のチェックをしており、いわば新聞の「品質管理部門」。書籍などと比べてかなり短時間で仕事をこなさなければならないのがつらいところ。朝刊の校閲作業は深夜になるため生活は「夜型」である。