毎日新聞の校閲記者たちが、プロの校閲の技と正しい文章への思いをつづる連載「ミスを見逃さない校閲の技術」の第3回は、陥りやすい「ヒューマンエラー」への対応策です。
「誤植」はなくなったはずだが
日本語の同音・同訓語の多さに泣くのは、校閲記者や受験生だけではありません。
1978年、キーボードによる日本語入力を史上初めて可能にしたワードプロセッサーを東芝が発表しました。「キシャがキシャした」(記者が帰社した)といった同音異義語の使い分けをどうコンピューターに学ばせるかが開発者の最大の課題であり、「辞書に学習させればいい」という発想で実現に導いたことは、よく知られています。
それから40年。「教授」が「教援」、「減少」が「滅少」、「法廷」が「法延」にといった誤りに、校閲作業のなかでしばしば出合います。
この記事は有料記事です。
残り1160文字(全文1512文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ