ICHIROYAのブログ

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努力と才能と夢と諦念の関係

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 人生は、運で決まると思っている。
 夢なんて半分諦めてしまえ、とも思っている。
 だけど、ちょっと書き足りていないことがある。
 つまり、そう考える前提には、少なくともあとで後悔することがないよう、努力を尽くすということがある。
 この「努力」という言葉は危険だから、なるべく触れずにきた。
 「努力せよ」と言われれば、誰だって鼻白む。
 そして、人生が運や才能で決まると言われれば、努力する気も萎えてしまう。

 で、努力と才能と夢と諦念の関係を、もうちょっと書きたくなってきた。
 
 Brandon Toddというトレーナーをご存知だろうか?
 彼は、身長165cm。
 だが、ダンクシュートができる。(最後の動画をどうぞ)

 

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 彼は子供の頃から、誰よりも早く走り、高く飛びたくて、様々な練習をした。
 毎日200回カーフ・レイズ(ふくらはぎを鍛える運動)をやったらダンクができるようになるよと兄に言われて、その言葉を信じた。
 ついにゴールの枠に飛びついてぶら下がれるようになった時、身長はまだ152cmしかなかった。
 彼は様々な練習方法を試し、ついにダンクシュートができるようになった。


 さて、彼のこの話を聞いて、どんなことを考えるだろうか?

1.「夢」は、高く設定せよ

 身長は低くても、「ダンクをするんだ」という「夢」、「目標」を設定したところが素晴らしい。そもそも、この目標設定がなければ、ダンクができるようにはならなかっただろう。

2.「夢」は、努力すれば叶う


 その「夢」が叶うと信じて、努力を続ければ、「夢」は叶う。

3.しかし、彼の身体的「才能」がそれを可能にしたのであって、潜在能力がなければ、その努力も無駄に終わっていたに違いない

4.それでも、やってみなければ、彼にその潜在能力があったのかどうかはわからない

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 そういうところだろう。
 だけど、もう少し語ることがある。

 彼の本当の「夢」は、なんだったんだろうか。
 彼はバスケットボールのコートに夢を見ていた。
 どこにも書いていないけれど、アメリカでバスケットボールをするすべての男の子たちと同じように、NBAで活躍して、大金と名誉を手にすることを夢みていたに違いない。

 高校時代、1年生のときからレギュラーになって、数々の記録を残した。
 だが、身長のせいで、大学チームのスカウトからはそれほど注目されなかった。
 彼は大学に進学したものの、1年で退学し、彼のおじがトレーナーをやっているメリーランドに行って、フィットネストレーナーの仕事を始めるのである。
 その後、いくつかの大学から誘われて、Muskingum Collegeに入りバスケットボールに復帰。また、素晴らしい記録を残す。

 そして、彼はNBAのプレイヤーにはならず、トレーナーになったのである。

 NBAの平均身長は200cmを超えているという。
 いくらダンクができても、165cmという身長は、NBAでトッププレイヤーになるためには、大きなデメリットなのであろう。


 僕が見た範囲では、「NBAのスタープレイヤーになるのが夢だったけど、それは諦めた」とは書かれていない。
 だから、いま書いたことは、僕の想像に過ぎないけれど、伸びない身長に、どこかで彼はその夢を諦めたのではないかと思ってしまうのだ。


 だが、彼は現在、「身長165cmでダンクシュートのできる」超有名トレーナーであり、「FlytRight」というトレーニング方法を提唱・販売している。
 彼のサイトに詳しく述べられているが、彼のトレーニング方法を実行すれば、最低でも14インチ(35.6センチ)は高く飛べるようになる、という。
 また、FlytRightは、高く飛ぶためだけのトレーニングではなく、身体能力全般のアップに役立つということだ。
 
 彼は、トレナーとして成功し、多くのひとにその新しいトレーニング方法を伝えている。金銭的にも充分なものを手にしているであろう。そして、若いひとたちには、「165cmでもダンクができる。やる気になれば、できるんだ!」という熱いメッセージを送り続けているのだ。
 彼が得たもの、彼が人々に与えているものは、NBAのスタープレイヤーと変わらない。
 

 だから、僕は思うのだ。
 上のメッセージにつけ加えて、こんな風にも考えられるのではないか、と。


5.「努力」しても叶えられない「夢」もあるけれど、その「夢」を諦めても、達成できる大きなものがある

6.「夢」と「努力」は、必ず僕らをどこかへ連れていってくれる。ただし、最初に想像したところとは違うところ、でも、同じように素晴らしいところだ。 

 

 



FIVE/FIVE from chris jurchak on Vimeo.



PS  もしよければ、こちらのエントリーを読んでいただければ、なぜそんなふうに思うか、僕の事例で、もう少し補足になるかも。→ 複合競技のチャンピオンを目指せ