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2014.12.15

12/15 総選挙を終えての雑感

総選挙が終わりました。

急に降ってわいた選挙、落選中で秘書が不足して呼び込まれた陣営に力を使い、この間、自治体議員としての仕事がやや手薄になったにもかかわらず、見守ってくださった関係者のみなさまにお詫びと感謝を申し上げます。

選挙があり続ける限り、どちらかが一方的に勝つような結果ばかりではないことを信じて、政治家として政治に関わり続けていきたいと思います。

●政治家ですから、どうしても選挙とその結果には関心を払わざるを得ません。

●脱原発が争点にならなかった。これで再稼働GOへ。都知事選なんて何の関係もない選挙を脱原発の争点にして負けたら世の中終わるかのように言っていた人たちは何をしていたんだろう。
都知事選の脱原発の争点設定は、市民運動家どうしの踏み絵程度の意味しか持たない。本当に大事だったのはこの総選挙だったのだと思います。

●今回の選挙の結果は、
自民党 295→290 ←小選挙区が減った分減、自民党は勝っていない
民主 62→73    ←小選挙区を取り戻したいくつかを上乗せ
維新 42→41    ←変化なし
公明 31→35    ←若干拡大
次世代 20→2   ★壊滅
共産 8→21     ★躍進
生活 5→2      ←民主移籍分を入れれば変化なし
社民 2→2     ←変化なし
無所属他 14→9
ということで、違憲説もある内閣の助言だけで行う7条解散で、何のための選挙かもわからない選挙を、700億円も使って、結果として、維新右派の次世代の党を壊滅させて、共産党を躍進させ、民主党の前回なぜ落ちたと言われた人を当選させた結果となりました。
安倍政権の立場に立って考えても、全く意味のない結果だったと思います。改憲しようにも、手玉に取る維新右派がいなくなったことは、公明党の護憲的路線に従わざるを得ませんが、これはこれでまた集団的自衛権の憲法解釈変更みたいに、憲法解釈の複雑化をもたらすのではないかと危惧しています。
ただ一つ意味があるとすれば295議席の任期の延長。昔あった期流れ定期預金(この技を世間に紹介したのが海江田万里さんだったりしていたのですが)みたいに、有利な取引条件を2年延長させる裏技を使ったような意味しか持ちません。

●1ヵ月間、ほんとうに時間を浪費させられた人も多かったし、国も自治体も役所は予算編成やそれに向けての制度調整に多忙な時期に、判断が一切できない状態におかれたことは、新年度、大変なことになるのではないかと心配しています。

●次世代の党が壊滅したことはひとまず評価してよいのではないかと思います。
典型的な復古主義と、松下政経塾右派的なものが結合した政治勢力に対して、国民は自民党以上に不信感を持っているということはほっとしています。

●共産党の躍進は、いつも野党第一党の大敗との背中合わせにあるので、過渡的な現象だとみています。ただし、民主党が共産党が地道に訴えてきた「小泉構造改革」的な経済政策への批判と問題提起をきちんとやらなければ、しばらく構造改革に問題かある、犠牲を受けたという層で、自民党を支持しない層は共産党に行くと思います。

●野党第一党の民主党が課題です。選挙区選挙ではこの状況下善戦したと思いますが、比例区は近畿・中国・九州ブロックでは惨憺たる結果だったし、北海道・北関東・東京・南関東でも、民主党の底と言われる議席数すれすれかマイナス1の結果だったと思います。野党第一党は「公器」みたいなものですから、信頼を失っている党のブランドをどう取り戻すのか、きちんと戦略を考えて行動してほしいものです。

とくに今回は党首が完全に落選して、党首を辞任することになりました。民主党に心配しているのは、党首選の人事がいつも支持率を下げる行動につながっているということです。
細野幹事長時代にやったことが、その後の参院選でどのような審判につながったのか、思い返すところいろいろです。全体状況として民主党がまずいのに、党首さえ変えれば体質も思想も政策も一新されると信じて、党首選にからめて「あいつがいなくなれば」「こいつがいるから悪い」とやりあうことが多くあります。その結果、民主党の運営に何の責任もない労組や、無任所のベテラン議員をスケープゴートにして批判するところがあります。
ネットウヨじゃありませんが、独特な、熱心な民主党の支持者には、そうした批判が受けるのかも知れませんが、それが国民や、支援団体、スケープゴートにされた労組や議員の後援会の人たちはどのように受け止めるのか、連携する他の野党からどう見られるのか、考えて行動をしてほしいものです。

今回の維新の選挙区での不振を見て、野党第一党のアイデンティティに保守第二党と定義することは、選挙対策として有効でも、長期的な持続性がない、と思ったものです。

●維新が猛威をふるった前回の選挙に恐怖感をもち、リベラルが壊滅して日本は滅ぶ、民主党は終わったなどと言って、未来の党の立ち上げに関わった人が、維新で出ていて、比例区で当選していたことにびっくり。口あんぐりです。

●維新の江田代表の開票直後のコメントの腐り具合に絶句。野党の協力なんて意味がなかった、と。他の野党は、対立候補をバンバン立ててやればよかったのではないか、と思った次第。

●どこの党のどのブロックとは言いませんが、その選挙に力を注いで、当選可能性のある選挙から人を抜くかなぁ、と思ったものです。結果は虻蜂取らず。また自治体議員を大量に転出させたので、この次の手駒も当面事欠く事態に。陣地をきちんと固めて広げていくことをやっていかなきゃ、本当に危機的状況になると心配しています。

●菅直人さんが何とか「しつこい勝ち方」をしましたが、海江田さんが落選、細川律夫さんが落選・引退表明、石原慎太郎さんが引退表明、テレビ報道で見る支援者としての村山元首相の老化など、私の知らない時代に入りつつあるなぁ、と思いましたし、私が政治に関心を持ち始めた頃、彼らが私ぐらいの年齢だったんだと考えると、寂しさを感じることもある選挙でした。

●わが選挙区、NHKの開票速報で3~4番目に当確が打たれたので、大差がついたのかと思ったら、案外そうでもない結果でした(また3区と惜敗争いでした)。自治体議員がこの間民主党から離反するなかで、健闘したのではないかと思いますが、左っぽいところにも容赦なくやってきて、意見交換していく、議員会館に来いと誘う、自民候補の力強さに学んでほしいところはあります。
こんな状況でも、陰ひなたに応援していた人もいたようなので、そうした人たちを大事にしつつ、上田党依存の体質を改善して自民党と違う陣地を築いてほしいものです。

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