つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

目標の置きどころについて

そうこうするうちに、年初に立てた目標を振り返る時期になった。

じつは私の今年の目標は「社労士試験に合格すること」、ではなかった。
私にとって社労士は「大人になってやっと見つけた将来の夢」だった。
30を過ぎて今の会社に派遣社員で入って、そのうち正規登用された後も、未だに「私って『将来』何になるんだろう」と漠然と感じていたから、初めて「社労士を目指す」という選択肢が私の中に落ちてきたとき、パズルのピースがしっくりはまったような感覚がした。

「社労士になること」ですら通過点かもしれないので、試験に合格することはマイルストーンの一番初めであって、目標として大書するのは少し違うと思った。
とはいえ、まったく言葉で意識付けしなかったわけではない。

たとえばこれは「使用目的を明らかにするための宣言」。

このロルバーンダイアリーの中に、毎年そうしている通りに「やりたいことリスト」を作ったが、そこに書いたもので本件にまつわる「目標」は以下のふたつだけ。

  • å¹´é–“800時間以上社労士試験の勉強をする
  • 社労士24ブログに合格体験記を寄稿する

何のことはない、「合格」を意識したくなかったからわざとピントをぼかしたのだろうと言われればそれまでである。
しかし結果、これらはちゃんと達成できたし、合格もできた。だからこれでよかったのだと思っている。

クリアしたい課題はあるけど仰々しく目指すのは何だか気恥ずかしいとか、達成できないと悲しくなるから言語化したくないとか、会社で目標がどうのこうの言われるのにプライベートまで目標設定なんてうんざりだ、とか、いろんな事情で目標から目をそむけたくなる時はあるとおもう。
そんな時、直視しなくても何となく自分が正しく進めるようなところに目標を置いてみるのもいいんじゃないかと思っている。意識してもしなくても、体の向きはまちがってないな、と思える程度の、近くも遠くもない場所に。

今週のお題「今年の目標どうだった?」

社労士試験についての覚書、または合格と不合格のあいだ(後編)

前回書ききれなかった、「不合格から合格までにやってよかったこと」の続きを書く。
学習時点でのスペックや、やってよかったことその1はそちらに書いてあるので、少し長いが(4,000字強)読んで頂けると嬉しい。
kn.hatenablog.jp

ちなみに後半(この記事)も5,000字弱ある。お時間のある時に少しずつ読んでもらえれば……。

よかったことその2. 受験の補助になるような読書をした

1回目の受験の時に安川康介さんのYoutubeを観て、アクティブリコールなどの暗記メソッドを少し参考にしていた。

www.youtube.com
それで1回目の受験が終わった後、氏の動画の中で紹介されていた本を読んでみた。

私は著者が身体を張って書いたノンフィクションが大好きだ。本書もその部類で、駆け出しのライターである著者が記憶術の師に教わり、全米記憶力チャンピオンを目指したというルポルタージュである。記憶装置が発達した現代においても古典的な記憶術を駆使してカードの数字や模様などを覚えようとするひとびと。熱い。

なるほどと思ったのは、文字はあくまでも何かを外部へ記録するための媒体であって、人間の脳は「文字で何かを覚える」ことは不得手であるということ。ヒトの脳で全部は覚えられないから文字で残すのであって、文字は本来なにかを覚えるためのツールではないのだ。
ヒトが狩猟採集をしていた太古の昔から、危険なけもの、安全なねぐら、食べられる植物やそのありかなどの重要な情報はイメージで脳に記憶されてきた。
だから、記号や文字を覚える時にもそれを置き換えたイメージ(できるだけインパクトがあって、強烈に記憶に残るもの)を覚えるとよいらしい。

そこで2年目の勉強では、インプットのときに「イメージで覚える」ことを意識した。イメージはできるだけ具体的な方が印象に残るので、実在の人物などを使う。2つほど具体例を挙げる。

①国民年金第1号被保険者は自営業者などを指すが、私は1号被保険者について学習するとき、たまに行くネパールカレー屋さんの主人をいつも思い浮かべていた。これによって「国民年金には国籍要件なし(外国のひとも対象)」という加入要件も自然に覚えられる。

②安衛法に「定期自主検査が必要な機械の種類」というのがあり、特定機械等やフォークリフトなどが該当する。私はフォークリフトと聞くと出張先の物流拠点で見た、社員のKさんが乗っていた場面を連想したので、かれが定期的にフォークリフトを点検しているところを思い浮かべた。
これは今年の選択式試験で、正解肢「フォークリフト」を選ぶべき問いとして実際に出題された。選択の安衛法は2点分しか出題されないが、そのなかの貴重な1点はKさんのおかげで確保できたようなものだ。いちどしかお会いしたことはないが、ありがとうKさん。

他に読んでいた本としては、2年目のまだ勉強スケジュールに余裕がある頃に読んだこれなど。

たまたま春先に新刊案内で知って読んだ本。開業社労士とひとくちに言っても色々な働き方があると知り、勉強へのモチベーションが上がった。かれらの勉強法についても紹介されていて、少し真似したものもある。

そして社会保障や年金制度については、こちらが試験対策以前の理解の補助になった。

恥を忍んで書くが、私はこれを1年目受験時の6月に読んでいた。いわゆる直前期にこういう方向性の非効率なアプローチをしているので、その年は落ちて当然なのだが、そうしないといけないくらいそもそも私には根本的な理解が足りていなかったのだ。

日本の社会保障の大枠の在り方が本書でだいたい飲み込めたことは、確実に2年目での合格の下地にはなっているので、時期はともあれ読んで良かったとおもっている。

よかったことその3. いったん離れてリスタートした

SNSを見ていると、試験の終了直後から来年の試験に向けて全力で学習を継続しているひとが散見されて、それ自体はすごく立派なことだと思うが、私はそうはなれなかった。
自己採点後、ほぼ望み薄ではあるがもしかしたら救済があるかも……ともやもやしながら2年目の勉強開始!という気分にはとてもなれず、そうかといって無為に過ごして燃え尽き症候群になるのも困るので、何でもいいから(と言っては失礼だけど)今までの頑張りが多少報われるような成功体験が欲しかった。
というわけで、労基・安衛・労災・労一の知識がうっすら生かせてちょっと頑張る必要のある(合格率50%台)、メンタルヘルスマネジメント検定二種(以下、MHM2種とする)を取得した。

10月を丸々学習に充て、11月の最初の週末に試験があった。2回目の社労士試験の通信講座はすでに申し込んでいて教材は手元にあったので、MHM2種の試験の翌週から社労士試験の勉強をリスタートした。
MHM2種の学習内容は会社員生活に役立ちそうなものだったし、社労士試験の内容とまったく分野違いというものでもなく、程よい気分転換が出来たと思っている。

よかったことその4. とにかくコンディション維持を優先した

私が申し込んだ大原のコースには全国統一模擬試験が2回分ついていたが、去年は4回模試を受けたので当初はたった2回?と心もとなく感じ、去年も受けたLECのファイナル模試を別に申し込み、合計3回受けることにしていた。
しかし7月、大原模試の1回目と2回目のあいだで風邪を引いて少し寝込んでしまい、折しも会社などでは感染症も流行っていたため、人との接触機会をいたずらに増やして体調に支障をきたすことがとても怖くなった。2回目の会場受験の模試で、明らかに体調が悪そうな人が受けに来ていたのも気になった。
さいわい大原の2回の模試でそれぞれA判定、B判定が出ていたので、案外もう実戦は必要ないのかもしれないな、と思えたのもあり、せっかく申し込んだLECのファイナル模試は受けないことにして不安要素を削った。

仕事や他のことで何かあると勉強中もそのことを考えてしまい集中力が落ちるので、仕事でのトラブルは早期解決に努め、全部解決しなくてもその日の終わりにある程度目途が立つようにしていた(もちろん、勉強がなくてもそれが出来れば一番よい)。
善行をすると自分のメンタルが安定するので、忙しい時ほど人にやさしく仕事を教えるようにしたり、スーパーでおばあちゃんの米袋をレジ台に載せてあげたりした。そして「あー社労士試験の神様がこれ見てたら、確実に1点は上がったな(笑)」などと考えてにやにやしていた。アホらしいが、やっぱりこういう思考でいたほうがうまくいく気がする。

よかったことその5. よさげなことは(ぶっつけ本番でも)試した

「学問に王道なし」と昔の偉大なひとは言ったけれども、資格試験対策には王道がある。社労士試験でいえば、「年金を得意科目にして、得点源にする」とか「選択式の勉強は択一式の延長線上ととらえる」などがそうだ。詳細なやり方は割愛するが、私はそのどちらも実行できたからこそ今年合格できたのだとおもう。
「8月に入ったらいつもよりむしろ1時間多く睡眠を取る」というのも逆説的だが理にかなっていて、十分な睡眠は記憶の定着に寄与する。1時間はさすがに増やせなかったが、意識して早く就寝しているようにしていた。

先の項目で模試について触れたが、模試の最大の目的は本番の予行練習をすることだ。だからその意味では自宅受験はほぼ意味を成さない。自宅だとどうしても本番さながらの緊張感は醸成できないからだ。
ほかに模試でできる予行練習には時間配分であったり、問題を解く順番などがあるが、私は模試ではおこなわず、本番で初めて試したことがひとつあった。それは「難しい問題を飛ばす」ということだ。

模擬試験では問題の難易度にかかわらず、自分が決めた科目順*1で問1から10まで律儀に1問ずつ解いていたが、模試受験後から本番までのあいだで初めて「難しい問題はいったん飛ばして、あとからじっくり考えればよい」ということを知ったのだった。

社労士試験には基本的に途中退室はない。試験のルールとして可能ではあるが、途中退室をすると問題冊子が持ち帰れないため、大半の受験生は試験終了まで離席しない。そして、たとえば3時間かけて択一式試験の解答を見直しまで終えたとして、あと30分何もしないで終了まで過ごせるほど胆力のあるひとはいるだろうか。たいていは終了の合図があるまでに何度も見直しをすると思う。
これが模試であれば、大抵の人は解き終われば答案用紙を提出してさっさと退出するだろう。それは時間が惜しいからだ。本番に向けての勉強時間はいくらあっても足りないから、私も2時間半から3時間弱で解き終わって退室するのが常だった。
そういう意味では、予行練習としての模試を私は十分活用できたとは言えない。これから受験を考えている人がいるなら、1度だけでも会場受験で最後まで離席せずに模試を受けることをおすすめしたい。最後まで5肢から2肢まで絞り込んでからの2択で迷い、終了直前で解答を変えたくなるプレッシャーと戦ってみてほしい。*2

話が逸れたが、3時間半考え抜くということはとても大変なことで、そういう意味でも序盤でメリハリをつけて問題を取捨選択するのは重要になる。難しい問題はいつやっても難しい。いつ解いても正答を選べる確率が低い問題に正面からぶつかるよりは、思考力が元気なうちに取れる点を取っておいた方が効率がよい。*3
難しい問題はYoutubeの広告を飛ばすように飛ばしてよい、という予備校講師のXでのポストを直前に見ていたこと、それを本番で実行したことはとてもよかった。

これからのこと

正直もっと語ることもできるが、このあたりでやめておく。これからのことはまだ明確には決まっていないが、来年から事務指定講習を受け、受講後は社労士登録を受けたい。講習開始までに取得したい資格もあり、また将来的に取得したい大きめの資格もあるが、会社員生活との兼ね合いをどうするかというのは追々考えなくてはならない。
また、この記事の前半を投稿したあと気付いたのだが、このブログでは社労士関連の記事は需要がない(たぶん)。私はXでもインスタグラムでもそれ用のアカウントを持っているが、やはりまとまった文章をアウトプットする場が欲しい。なので、こことは別に専用の場(別ブログかnoteなど)を開設することも検討中だ。

以上。長文をお読みいただきありがとうございました!

*1:ちなみに私は年金2科目から着手し、健保に戻り、その次は先頭の労基から…という風にしていた。

*2:最初に正答していたのを見直し段階で誤答に変えてしまい、その1点で涙を呑んだという話は枚挙にいとまがない。私もそのために去年と今年の受験で1点ずつ失った。だからこそ基礎固めが大事になってくる。

*3:私の今年の択一式の正誤を、資格の大原作成の難易度分類に当てはめたところ。簡単な問題を確実に、中程度の問題をおおむねカバーすることの重要さが伝わるだろうか。

社労士試験についての覚書、または合格と不合格のあいだ(前編)

はじめに

過去の投稿でも触れたが、今年の社会保険労務士試験で合格することができた。

名前隠しのふせんは科博のグッズです

合格発表から1カ月経ち、成績通知書と合格証の受け取り(これらは例年同送されるらしいのだが、今年は合格発表日の前日に新内閣が発足して厚生労働大臣が変わった関係で、合格証だけかなり遅れて届いた)、教育訓練給付の手続きなど諸々ひと段落したので、ようやく「合格体験記的なやつをいっちょ書いてみるかー」という気になってきた。
本当は前々から着手したかったのだけど、何だか気持ちが入った大長編になりそうで、ちょっと自分への冷却期間がほしかったというのもある。

勉強法を説く人のなかには、まず他人の合格体験記を読むことを勧める向きもあり、私も他の人の努力のあとを読むことそれ自体は好きだ。
好きなのだが、なかにはやはり再現性に乏しいなと感じるものもある。
たとえば、法律系学部の履修経験があり、仕事は社労士事務所で短時間勤務、育児も介護もなく自身の学習時間をたっぷり取れるという人がいるとして(特定の個人をイメージしたわけではありません。念のため)、その人が書いた合格体験記を読むときの私は、女性誌や生活雑誌の節約特集で「家族3人で食費2万円台!」とうたいながら「米と野菜は実家から送ってもらってます!」とネタばらしされた時と同じ顔をしているとおもう。

そして文系学部卒で法律学習未経験、まったく関係ない仕事*1でフルタイムの営業事務という私とて、見る人が見れば「チートじゃん、参考にならないよ」と思われるだろう。

自分で言うのもなんだが、同僚に「積んでるエンジンが違う」*2と評してもらえるていどには、ふだんから周囲には「勉強ができる人」として扱って頂いている。じっさい暗記はもともと人より少し得意な自覚はあるし、文章を正確に早く読むのも得意だ。社労士試験でもとりわけ午後の択一式は3時間半という長丁場だが、そのなかで60ページ以上ある問題冊子の5肢×70問を捌いていかねばならないので、時間はたっぷりあるように見えて全然ない。やはり読解力とそのスピードは明確にこの試験に対する自身の強みだったとおもう。
しかし、暗記に関しては意識してさらに強化したし、試験本番では3時間半集中を持続するための工夫もした。それらがあって初めて合格できたに違いないので、ここではそうした「不合格と合格の差分を埋めるために自身がやったこと」を中心に書こうとおもう。

前提

前述したとおり、私が卒業した大学の学部は法律系ではないため、もしくは/また、かつ/ならびにの使い分けのような条文特有の文法や表現等から勉強することになった(これはこれでとても面白かった)。
しかし、10年以上前に独習でFP2級を取得しており、社会保険、主に年金科目の学習経験はあった。
また、以前から労働法には関心があって自分で書籍を読んだりなどもしていたので、当初は社労士の勉強はそこからの地続きという感覚だった。

水町勇一郎『労働法入門』は旧版を読んだ当初とても感銘を受け、新版も買い直して読んだ。
労基法、労契法、労組法などのポイントもまとまっていて労働判例からの引用も豊富なので、この本を読んでみて扱う内容が面白いと感じた方は、社労士試験の勉強もきっと楽しめると思う。もちろんそこには、本書では扱われない労働保険、社会保険、社会保障関係の諸法令の膨大な暗記と理解ももれなくセットで付いてくるのだが…。

私はここ数年はあまり大きくはない商社で貿易事務・営業事務をしているのだが、労働法面白いよみたいな話をたまに同僚にしていたところ、組合活動に興味があると思われて、誘われるがままに3年ほど支部の役員をしたりもした。
これもその後の社労士試験の勉強にそれほど直結したわけではないが、法改正ごとに労働協約や就業規則の変更などを討議することになるので(近いところでは産後パパ育休など)、テキスト等で見た時「あーあれね!」となったものも多く、やはり学習のハードルは相当に下がったように思う。

基本データなど

私は2回目の受験で合格した。それぞれの勉強時間などは下記の通り。

受験年 2023年 2024年
学習期間 2023/2~8(7カ月) 2023/11~2024/8(10ヶ月)
総学習時間 720時間 980時間
使用教材 市販テキストなど 予備校の通信講座など
模擬試験 4回受験(LEC) 2回受験(大原)

それぞれの受験結果を並べたところ。

某SNSに挙げたものをそのまま載せます

具体的な学習内容については語ろうと思えばいくらでも語れるのだが、ここでは割愛してもいいかなと考えている。
2023年にやったことはいくら字数を費やしたところでしょせんはすぐさま結果にあらわれるものではなかったし、2024年は後述するが教材選びの時点で半分勝ったようなものだと思っていて、私がやったことと言えば推奨スケジュールを愚直に実行しただけだ。
スケジュール管理や調整、それを実行しつづけることへの工夫や苦労はそれなりにあったが、それはいずれ別の記事にすればいいかと思っている。
そういうわけで、これから自分が合格のために決めて/変えてよかったことをいくつか書いていく。

※最初は一つの記事にまとめるつもりだったが、1つめ(下記)を書いた時点で4000字を超えてしまったので、投稿を分けることにする。あまり引き延ばしても何なので、前後編におさめることを目指す。(追記:おさまりました!)

よかったことその1. 独学での合格をあっさりあきらめた

本当に雑で乱暴な括り方をしてしまうのだが、社労士試験に臨む人はほぼすべて「国家資格で人生一発逆転勢」か「そこそこ勉強できる資格エンジョイ勢」のどちらか(あるいは両方)に分類されると私は考えている。そしてそのどちらにも「独学で合格すること」を目指し、それにこだわる人は一定数存在する。
私は後者で、これまで取得したすべての資格は市販のテキストやアプリ等を使った自学自習で何とかなっていたため、社労士試験も何とかならないかなーと考えていた(ならなかった)。

2023年はあと一歩力及ばずで不合格だったので、「このままやれば来年は合格するのでは」と独学を継続することも一瞬考えたが、この数点の当落上におそらく何百人もいること(特に選択式の1点の重みは大きい)を思うと、「このまま同じ勉強をしてもまたギリギリ落ちるだろうな」とおもった。

市販のテキストであっても知の集大成には違いないし、それを考えると「独学」も純然たる独学とは呼べないが、いわゆる予備校の社労士試験対策講座は、当たり前だが、何年も社労士試験を研究し、受講者の合格がそのままビジネスの成功につながる「社労士試験のプロ」によって作られている。
週に40時間弱を仕事に費やし、残りの時間をかき集めて勉強し合格しようとする私一人ではとても実現できないようなメソッドの開発、知見の集積がそこにはあるのだ。
受験の機会は年1回。時間はお金で買えないが、プロの教材を買うことで将来失う時間を節約することはできる。


www.youtube.com

資格の大原の「社労士24+直前対策」コースを選んだのは、1回目の受験時にyoutubeで観た社労士24のお試し版講義がとてもよかったから。
社労士24は「全科目の内容を24時間で講義」がコンセプトのWeb動画(テキスト冊子付属)で、とにかく金沢講師の講義が軽快、明瞭で面白い。ユニークな語呂合わせもかなり良かったのだが、市販のテキストベースの独習ではとりあえず気合いで丸覚えしていたようなことも、背景やしくみを示されて根幹からスッと理解できて、しかもそういうものが一つや二つではなかった。あらためて本教材を購入後に労基法の最初から視聴し始めたとき、冗談ではなく「こんなに分かりやすかったら受講者全員合格するのでは?」と思ったほどだった(もちろんそんなに甘い試験ではない)。

社労士24が付いているコースはいくつかあったが、必要そうなもの(科目ごとのトレーニング問題集(択一・選択それぞれ)、大原全統模試2回、法改正対応テキスト、統計・白書・判例対策テキスト、直前演習等)が最低限ついていて、雇用保険の教育訓練給付の対象である「+直前対策」のコースに決めた。
私は今まで雇用保険の恩恵を受けたことがなく、修了後に受給手続きをするぞと意識することで、制度を身近に感じて学習内容を自分ごとにしたかった。

コースには科目ごとのトレーニング問題集(択一・選択)、模試2回、法改正対応テキストと統計・白書・判例対策テキストも付属していて、問題集の冒頭に書いてある「使い方」や社労士24の配信スケジュールに素直に従い、その通りに勉強した。

後編へ続く。(後日更新予定 → 更新しました)
kn.hatenablog.jp

*1:同期合格者のSlackがあるのだが、メンバーの自己紹介を見る限り、今のところ私と同じ商社勤務の合格者はほかに1人だけだった。

*2:大っぴらには言えないが、この褒め言葉は実はかなり気に入っている。

九月の長い朝と夜

今までの人生で一番長く感じた9月が終わった。
その理由は前の記事でも触れた、資格試験の合否判定待ちの期間だったからだ。
kn.hatenablog.jp

私が社会保険労務士、いわゆる社労士の試験を受けたのは8月下旬で、合格発表が10月初旬。
9月はまるまる、受験を終えた開放感と結果不明のモヤモヤを抱えて過ごすことになる。*1

去年に続き、2回目の挑戦だった。
社労士試験は午前の選択式と午後の択一式の2つから成り、選択式(いわゆる穴埋め問題)は8科目すべてで5点中3点以上、択一式(五肢択一)は7科目すべてで10点中4点以上という基準点を超えることにくわえて、それぞれ65%前後の総得点も要求される。

去年の私は選択式で5点中2点しか取れなかった科目が3つもあったのに、難度によって基準点が下がる「救済」という一縷の望みを捨てきれず、合格発表まで悶々として過ごした。
結果は各予備校予想の通り、救済なし。択一式でも合計で1点足りなかったので、どのみち不合格だったのだが。

救済を待つというのはつまり「他の受験生も自分並みに出来ていないといいな」という、いわば人の不幸を願うような行為で、私は去年のその1ヶ月でずいぶん自分の徳を下げてしまったように感じた。(※個人の感想です)
人の不幸、というような強いことばを使わないまでも、救済のボーダー上で1ヶ月近く過ごすのははっきり言って精神衛生によろしくない。
だから、今年絶対に合格する、しかもただの合格ではなく掛け値なしに良い点を取って、発表まで心安らかに過ごす。などと、不遜な願望をひそかに抱いていた。
逆に言うと、掛け値なしに良い点を取りさえすれば、余裕の9月を過ごせると思っていたのだった。

かくして臨んだ試験の自己採点結果は、選択式が38/40点、択一式が49/70点。科目ごとの基準点割れもなく、まさしく「掛け値なしに良い点」であった。
……であったのだが、こうなると心配なのがマークミスで、試験終了後一週間くらいは本気で怯えていた。今まで一度もマークミスなどしたことないのに、だ。

ささいなことが一々気になってくる。たとえば、選択式の見直しの最中に、問題用紙の真ん中ほどに位置するある科目の設問のひとつでふと熟考してしまい、試験終了の合図で我に返ったこと。あれ以降の科目はちゃんと確認できていただろうか。
たとえば、択一式の見直し途中で解答を変えた設問。あのとき別のマークを修正して、正答をひとつつぶしてしまったのではないか。その科目は自己採点では4点だったから、一つでも回答が違っていると基準点を割ってしまう。大丈夫だろうか。などなど……。

良い点さえ取れれば、9月をもう少し安穏と過ごせると思っていたのに。
人は、というか生き物は、よろこびや幸福のなかにも不安を見出すことに全力を尽くす性質があるのかもしれない。

小人閑居してなんとやら、ではないけれども、頭が暇になればその隙間に不安だとかそういう良くない感情が充填されてしまうので、九月はとにかく全力で暇を埋めた。
これまで平日に朝2時間、夜1時間勉強していたのが丸々空白になってしまったのだから、何となくぼんやり埋まる規模のすきまではないのである。心して埋めねば。

というわけで主に編み物をしていた。

謎に色違いで2色作った。

コットン糸のエコバッグ。一つは半年ほど前のそんなに勉強の強度が高くなかった頃に片手間に編んでいて、糸始末を残すのみだったのだが、今回の暇つぶしで一気に仕上げた。

くるっと折りたためる。かわいい。

レシピはこの本から。

背景になっている深緑のクッションも、同じ本から。去年お尻が痛くなったので、本格的な勉強再開前に編んだ。
全体の8割か9割は家で勉強していたので、このクッションが今年の受験生活を文字通り支えてくれた。

バッグを編んだコットン糸が余ったので、他の色も買い足してスマホポーチを作った。

IGで見かけた猫モチーフを作ってみたかったので。
裏側。糸もチェーンも100均で購入。

モチーフつなぎは経験が浅くて見様見真似。もう少しカドをカドらしくしたかったとか反省点はあるものの、それを措いてもやっぱり自分で作る小物は愛着もひとしおで、ポケット付きの服で外出する時にも携行してしまうほどには気に入っている。

編み物のお供には音楽や動画。辻井伸行さんのピアノはつい聴き入ってしまうので勉強中のBGMには不向きで長らく遠ざけていたが、編み物中に手が止まってしまっても、何も困ることはない。

www.youtube.com
彼の英雄ポロネーズとラ・カンパネラが大好きなのだが、どちらも公式にはなかったので自重。
動画は色々観まくっていたが、長くなるので別の機会に。

読書もした。『自省録』は直前期前のまだ余裕がある頃に中ほどまで読んでいてそのままになっていたのを、最後まで読み終えた。

講談社学術文庫版と迷い、どちらもKindleでサンプルを読み比べて、こちらの岩波文庫版にした。
気に入った箇所の抜き書き。これをやるとあっという間に時間が過ぎる。
受験期間の座右の銘にしていたことば。

社労士試験は運の要素が強い試験だと言われることがあるが、それは範囲の広範さに比して設問数が少ないことに(おそらく)由来する。
”Luck is what happens when preparation meets opportunity” という(大好きな)言葉があるが、「運気を上げる」というのは結局のところ「実現可能性を上げる」ことに他ならない。
「たまたま見ていたところが試験に出た」という人は、要するに日頃からたくさんのところを見ていたのだ。
私は自分のことをどちらかといえば幸運な人間だと思っているが、その楽天的な性質はここでは甘えにつながる気がしたので、「どんなにその日がアンラッキーでも合格するための勉強」を念頭に置き、上記2つの警句をつねに意識しながら取り組んだ。

話が逸れたので、暇つぶしの話に戻す。
夜はこれまで勉強時間捻出のために帰宅後即シャワーを浴びていたのを、湯船にゆっくりつかることにした。

クナイプのバスソルトは基本的にごっついサイズで売っているので、7日分いろいろなアロマを試せるセットを買ってみた。

ホップ&バレリアンとか、ロータス&ジャスミンとかは単体で買ってもいいくらい好みだったけど、着色料そんなにいらんからもう少し安くならんのか?と思わなくもない。
でも、2~3種類買ってローテしたらかなり楽しそうである。2~3種類買うならどれにするか?と考える時点ですでに楽しい。もう少し熟考してから決める。

それからこれも直前期の手前まで『バンオウ』という漫画にハマっていたのだが、自分でも将棋の勉強をしてみたくなった。

8巻完結なので人にもおすすめしやすい。ぜひ。

まずは無料のアプリで詰将棋をぽちぽち解いている。詰将棋は将棋ではないと言われれば返す言葉もないのだが、いかんせん根性がないもので……。

そういうわけで、朝から編み物に没頭し、日中は仕事、昼休みには本を読み週末にそれを書き写し、夜ゆっくり湯船につかり眠くなるまで詰将棋のアプリを解く……という毎日を過ごすうちに、マークミスへの不安はどんどんしぼんでいった。
冷静に思い返せば、選択式も択一式も、最後まですべてマークのチェックは終えていた。択一式の解答を変えた1問は変えたことで正答が誤答になってしまったのだけれど、その前後の問題も元々正答だったから、仮に修正箇所がずれていたとしても4点取れていることに変わりはない。

たぶん大丈夫だろう。そう思えるようになった頃には月が変わって、発表の日となり、私は反芻しすぎて暗記してしまっていた自分の番号を合格者番号一覧から見つけた。

相変わらず画角が決まっていませんが。

ド平日の、しかも月初で業務が多忙な日だったのでゆっくりランチともいかず、その日はとりあえずお昼休みにミルクレープを食べた。
そして週末を迎え、少しずつ書き溜めていたこれを仕上げて投稿しようとしている。
投稿後は、予備校へ投稿するための合格体験記を書きます。本当にうれしい!

*1:ほんの数年前までは合格発表は11月で、受験生は発表まで2カ月強待たなければならなかったらしい。キツすぎる……。

ひとごこち(2024/9/8日記)

久しぶりにはてなブログのトップページを開き、他の人のブログを読みに行ったり行かなかったり、スターを付けたり付けなかったりしながら購読リストを遡上してゆくと、やがてもう何年も更新のないブログばかりが並ぶページに行きつく。
この方たちはどうしているだろう元気でいるかしら、などと思ったりして、それから、かくいう私も1年半以上何も書かずにいたこれを更新するためにページを開いたことを思い出す。

ブログを書く代わりに(といっても元々そんなに更新頻度が高い方でもなかったが…)私がやっていたのは資格試験の勉強で、2023年1月からが一度目の挑戦、そのときは力及ばず、とちゅう小さな成功体験と自尊心の回復*1を挟んで、2023年11月から二度目の挑戦を始め、半月ほど前にその試験を終えた。
結果発表まではあともう少し待たなければならないが、自己採点によればどうにか今年で受験を終えることができそうだ。
2週間前の今ごろのことを思い出すといまだに心がきゅっとなるが、いまは安堵半分、これからの可処分時間へのわくわく半分、それにマークミスへの不安*2と気まずさが少しずつといったところだ。

気まずさというのは、勉強記録用に作ったインスタグラムのアカウントで交流のある同じ受験生に対するそれである。
去年3科目も基準点未達だった午前の試験で今年は高得点が出せたこと、午後の試験では苦手科目を克服して得点源に出来たこと、救済を待たずとも自力で合格基準点に達せたことなどを、ほんとうは狂喜乱舞をもって最大限に喜びたい。
しかしながら私が受けたのは全体の9割以上が不合格になる試験なので(自慢ではなく、ただの統計の話だと思ってほしい)、おのずとタイムラインに流れてくるのはそのような報告ばかりになる。
何よりも私自身、去年の悔しさがまだ生々しく記憶にあるだけに、あまり浮ついた投稿はしたくない。

そう思って、当初は合格発表の日まで沈黙していようかとも思ったのだが、試験の2か月前くらいまでは毎週マメに勉強の進捗を投稿していた当該アカウントなので、合格発表の日までまったく音沙汰なしというのもだんだん不義理に思えてきた。
結局、少し間を空けてストーリーズに採点結果を報告し、それからもぽつぽつと更新したりしている。まれにダイレクトメールで質問をくれる人などもいて、取り組んだ総学習時間、使った教材、それを選んだ理由やメリットデメリット、試験の時間配分や解答を進める順序など、聞かれたことには何でも答えている。
答えるたびに、ああやっぱり私はこれだけこんなにやったしこれをやってよかった、みたいなことを本当は語りたくてたまらないんだなー、などと自覚してちょっと恥ずかしくなる。

…というような、オチも何もなくとりとめのない自意識、不合格以上合格未満の宙ぶらりんな今現在の状況やそれに対して思うこと、そういうのを字数制限なしにどこかにアウトプットしておきたくて、とても久しぶりにはてなブログをひらいたのだった。
ブログはこういう時にちょうどいいなと思う。

10月初めの合格発表までは、積読の消化や中断している手芸の再開など、いろいろと楽しむつもりだ。
おすすめの本や映像作品がある方はぜひ教えてください。

ちなみに『逃げ上手の若君』は先日一気に最新話まで視聴した。
中世日本特有の命の軽さに、読みたかった本を1冊思い出すなどした。

*1:要するに、リスタートするために「合格」の2文字を欲していたので、分野が関連する資格試験を1つ受けたのだった。

*2:冷静に考えるとマークミスなどこれまでしたこともなければ、さほど心配症なたちでもない。それなのに試験から2週間経つ今もうっすら気がかりでいるのは不思議だが、SNSを見ると及第点を取った人の多くは同じ気持ちでいるようだ。

変わっていくことのたのしさについて

数学者、石井志保子さんのインタビューを先日読んだ。

dot.asahi.com

とても面白かったので上記リンクからぜひ全文読んで頂きたいが、私が特に感銘を受けたのがこの部分。

大学院では代数幾何ばかりやっていました。なんか自分自身が変わっていくのが面白かった。下宿先で朝起きてご飯を食べて研究し始め、それで夜にお風呂の中で朝起きたときの自分と違っているような気がしました。

自身が変容すること、それを感じることの喜びやたのしさ。
何かを学ぶ人から、他人がどうやっても奪えないものがあるとすればこれだと思う。

pha.hateblo.jp

年末年始期間中にphaさんのブログで『エロティック×アナボリック』を知って、今まで出ている3巻を買って読んでまんまと影響を受けて、食事のPFCバランスを考えながら筋トレに励みはじめて3週間になろうとしている。

まず、食事のPFCバランスを考えるにあたっては、あすけんの有料プランのひとつである「あす筋ボディメイクコース」に1ヶ月だけ加入した。
1ヶ月という期限を決めたのは、あくまで自分にとっての「無理なく持続可能な3食」を探すことが目的で、あすけんを続けることそれ自体を目的にしないためだ。
「無理なく持続可能な」というのは、金銭的にも、ライフサイクル的にもという意味で、冷凍食品、加工食品、中食などの積極的な活用をいとわない、ということを意味する。
それを見つけたら、あとはただ実行するだけだ。
(固まりつつあるので、いずれ近いうちこれについても詳しく書きたい)

次に筋トレである。
年単位でずっとやってはいたのだが、昨年11月、新型コロナに罹患する少し前からサボり気味になっていたため、社会復帰する頃にはすっかり体がなまってたるんでしまった。
今は週5くらいであちこち部位を変えながらトレーニングをしていて、それに加え、ウォーキングをするなどして週の半分くらいは8000歩以上歩く日を作っている。

中断する前の半年間ほどは、Youtubeなどでの筋トレを手ぬるく感じるようになって『プリズナー・トレーニング』を元にスケジュールを組んで黙々と回数・セット数をこなすメニューを続けていたが、今はその日の気分で動画も観るし、特にこれと決めてはいない。
その代わり、やった内容や量(時間・回数)などは毎日記録するようにして、「胸、背中、お尻、腹筋など毎日部位を変えて鍛えること」「負荷を上げていくこと」の2点には気を付けている。
以前は楽にできていた5分動画などで苦しんでいると失ったもの(筋肉)の大きさを感じるが、みずから手放したものは自力で獲得しなおすしかないのだ。

そのようにして日々を過ごしていくと、自分が変わっていくのが文字通り目に見えて分かる。
お尻が大きく丸くなる。背中が引き締まってくる。腹筋がうっすら割れてくる。大胸筋が張り出してくる。
他の人の目からは確認できないような、見えない部位の微細な変化でも、私がちゃんと知っている。

courrier.jp

Duolingoという語学学習アプリも10年弱ずっとやっていて、ここ1年ほどは『ペリーヌ物語』の影響でフランス語をやっている。
上の記事中にも紹介されている「Match madness」という単語合わせゲームがアプリ内にあって、レベルが進むにつれて制限時間内にマッチさせる単語のペアが増えて行く。
最終レベルであるLv.9は制限時間1:45で160組の英仏単語ペアを完成させねばならず、どうしてもこの最後のレベルだけが長らくクリアできなかった。

しかし、毎週取り組むうちに、ついにクリアできたのだ。
そしていちどクリアできると、何回かに1回はかならず成功するようになった。
(まだお手付きが多くて、毎回とは言えないのが口惜しいところだが)

そのようにして、他ならない自分自身が変わることを私は楽しんでいるし、変わり続けることを望んでいる。
だけどそれは「成長」とか「上昇」を望むこととは必ずしも一致しない。
ただ変わっていくこと。
それを認め、楽しめればそれだけでよくて、それ以上のものは人から求められる義理も、他人に求める筋合いもないのだろう。
そんな気持ちで2023年を過ごしていきたいと思う。

特別お題「2023年にやりたいこと」

2022年の良かったもの・こと

年の瀬恒例の「買ってよかったもの」エントリを書きたいが、正直それを挙げられるほど物を買わなかった一年だったな……と考えているあいだに年が明けてしまった。

よかったもの

・フランスラックスのポニーテールチューブ

前年の「買ってよかった」でTwitterの相互の方が挙げていらしたもの。
今は品切れ中だろうか、Amazonの選択肢からは消えているけれど、私はベージュ×8本セットの物を購入した。
しっかりまとまるうえに、髪が絡まりにくいという評判に惹かれたが、大正解だった。

きっちりまとめても引っ張られる感じがしないので頭が痛くならないし、解く時もするっとほどけて快適。
おまけにデザインもかわいい。
私は髪が太くてコシがあり、毛量も多いタイプなので一般的なヘアゴムだと消耗が早かったのだが、
こちらは2~3本をローテーションで毎日使って、今のところ半年経っても1本もへたれていない。
普通のヘアゴムの3~4倍ほどの値段はするが、長持ちするし使用時のストレスも皆無なので、コストパフォーマンスはかなり良いと思う。
とても良かったので、髪質が似ている妹にも買った。

・NINA RICCIの晴雨兼用折りたたみ傘

ちょっと探したけど同じものが見当たらなかったので、画像は省略。

それまで使っていた別ブランドの傘があちこち不具合が出てきたため、耐用年数(3年)までは頑張って使い、後継を探すことにしたのが9月。
12000円の傘が一般的な耐用年数しか持たなかったことがショックだったので、最初は低予算で探していた。
しかし、ロフト1階に売っているペラペラの傘(骨が5本しかない日傘を私は去年初めて見たけど、けっこうあるんですね)を開いたり閉じたりするうちにすっかり嫌になり、もういいや、前使っていたのと同じ値段までなら出すぞ、と覚悟を決めて大丸に行ったところ、ちょうど夏の売れ残りのワゴンセールをやっていて、図らずも前の傘の半額以下(5500円)で素敵な傘が買えてしまった。

上品な刺繍のふちどりがあって、薄いブルーの無地で、もちろん遮光もUV対策もちゃんとしていて、折り畳みでは大きめな方で、しかし一番気に入っているのは骨が8本あるところ。
傘(特に晴雨兼用傘)を買うなら9月の百貨店に行くべしと学んだことも含め、良い買い物だった。

・ステンレスの排水栓カゴ

備え付けのプラスチック製だとすぐに水カビやぬめりが発生して本当に嫌だったのだが、
同じサイズのステンレスのものを探して取り換えたところ、すごく掃除が楽になった。
たとえばこんな感じのもの。

プラからステンレスに替えるだけでこんなに違うのなら、もっと早く買えばよかった。
賃貸なので、元のプラカゴは原状回復できるように取っておいてある。

・ふるさと納税 富士吉田市の強炭酸水

一口飲んで「いい水だ!」ってすぐ分かるほどすっと入ってくる軟水。
なので、強炭酸ながら割り材でもそのままでもすごく飲みやすい。

ちなみに製造は「スワンサイダー」で有名な友枡飲料の富士吉田工場。
友枡飲料は元々佐賀のメーカーで、同社製品は佐賀県小城市の返礼品でも受け取ることが可能。
5000円で35本もらえるのは嬉しいけど、かなりの重量になるのでもう少し少なめか小分けでもいいな……。

・紅はるか(さつまいも)

こちらは買ったものではなくて、カタログギフトでもらった。
たぶん紅はるかは初めて食べた。甘くてねっとりしていてすごく美味しかった。ほとんどすべて焼き芋にした。
直接リピート注文したいくらいだけど、カタログには千葉県産か茨城県産としか載っていなくて、詳細分からず。

よかったこと

・書きたかった長編ブログ記事が書けた

kn.hatenablog.jp
kn.hatenablog.jp

特にパディントンのことは数年来書きたいと思っていたので、形に出来てよかった。
原書を通読して何年か経つし、当時は難しくて雰囲気で読み飛ばした箇所も少なくなかったと思うので、改めて読む時間を作りたい(とずっと思っている……)。

・はてなブログの日記本に収録してもらえた

note.com
blog.hatenablog.com

こちらのイベントで配布する冊子に収録する日記を募集、という告知を見て、自分のブログを確認したところ、1件だけ応募要項を満たすものがあり、URLをぴっと貼ってさくっと応募したら、ありがたいことに採用していただいた。
これがその日記。
kn.hatenablog.jp

イベント自体には行くことはできなかったが、後日PDFで頂いたので少しずつ他の方のも読んでいるけれど、PDFにはスターを付けられないからやきもきするよね…!
やっぱり紙で入手したかったなー。

・新型コロナに罹患したけど治った

kn.hatenablog.jp
社会復帰してからもしばらくは疲れやすくて、後遺症の倦怠感か…?と思っていたけれど、単に体力が落ちていただけのようで、日中はたくさん歩く、夜は湯船でしっかり温まるということを繰り返していたら徐々に元通りになった。
この年末年始から本格的に筋トレも再開した。健康って素晴らしいなと実感する日々。

・仕事が充実していた

夏ごろに会社の偉い人たちに文章を読んでもらったりお話ししたりする機会があって(いわゆる昇格試験というもの)、その時に話の流れから一般職→総合職への転換を打診され、そういうことになった。
お給料がしっかりめに上がったのはやっぱり嬉しいですね。

なんだかんだ言って、私はスキルを磨いたりひらめきを実践したり、それで自分や周りを良くしたりすることが大好きなので、働くことが向いているんだと思うし、向いていることなら変に斜に構えず、大いにやるべきなんだと思う。
ただ、何事もガーッとのめり込んだ後でどっと疲れが出るタイプなので、そのあたりは上手に自分を操縦していかなければ。

以上です。
今年もよろしくお願いいたします。

※2021年の「買ってよかった」はこちら。
kn.hatenablog.jp

特別お題「わたしの2022年」