●ブレが悪くはないと思う。
ただ前2巻と違い読んだ後の清涼感みたいなものがない。
今作は,ヒロインの栞子さんの母親の話題が強く出ている。
それが良くないんだと思う。
今巻では,主人公の五浦と栞子さんという軸と,
栞子さんと母親との軸が,
2つあってブレているような感じにさせるんだと思う。
そのため五浦と栞子さんとの淡い関係というか少し非現実的な感じが,
母親との確執というもののために途端に現実感が出てしまっていて窮屈な感じがするんだと思う。
ビブリオ古書堂での時間の流れがゆったりした雰囲気が好きのなので,それがマイナス感じられる。
あと今回のエピローグとプロローグが妙にラノベっぽくて,
彼女の独白が妙に浅い。
内面と外面が違うというのは分かるんだけど,その表現がイマイチ。
今巻は伏線回多めという事でこんなもんかと。
●作品の完成とはけど悪いところばかりじゃない。
本の関するネタは,この本の分量でうまいこと盛り込んでる。
中でも好きだったのが,宮沢賢治「春と修羅」の話。
宮沢賢治は,坂口安吾の次にくるくらい好きな日本人作家なんだよね。
といっても有名作品を読んでるくらいなんだけど,
これはまだ若輩者なのでご愛嬌ということにしてください。
今回そのネタで示された宮沢賢治の執筆物に関することが興味をひいた。
ある作品がある,出版した作品にも言えることだがその作品は幾多も改稿を重ねたとすると,
その作品の完成といえるのはどこにあるのか,
最終改稿を完成とするのか,作者のもっとも力溢れる時期のものがいいか,
あるいは一番最初のものか。
このことは読書をしていく上であまり考えたことがなかった。
出版される本は常にひとつであり,それ以外は市場に出回ることがあまりない。
それは編集者の采配によるものが大きいのが現状だ。
宮沢賢治は,一度完成させた作品に何度も手を加えているらしい。
ならどこ段階を完成とするのか。興味深い問題だ。
宮沢賢治じゃないけど,このネタ関連で。
「正法眼蔵随聞記」という本がある。
禅に興味があるなら読んで悔いなし。
岩波とちくまのものが有名だけどモトにしている写本が違う。
当時の原典となるものは残ってないらしく,写本が残るのみ。
それを各々口語訳しているのが,今売ってるけどどちらを選ぶかは本人次第。
いつかこの本の感想も書いてみたいな。
そういえば,宮沢賢治の映画「グスコーブドリの伝記」が今放映中。
話題聞かないけどどうなんだろう。
☆☆☆
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- 2012/07/24(火) 18:57:25|
- 本 ☆☆☆
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私もビブリア読んでいます!
そして、ほとんど同じような感想を持ちました。
前2巻の透明感みたいなものが薄れたな〜って思っていたんです。
楽しくは読みましたが、あまり今回の雰囲気を引きずって欲しくないなと。。。
激しく共感しましたので、コメントさせて頂きました!!
また訪問させていただきます♪
- 2012/07/24(火) 19:33:27 |
- URL |
- ゆっらす #-
- [ 編集 ]
> 私もビブリア読んでいます!
> そして、ほとんど同じような感想を持ちました。
> 前2巻の透明感みたいなものが薄れたな〜って思っていたんです。
> 楽しくは読みましたが、あまり今回の雰囲気を引きずって欲しくないなと。。。
> 激しく共感しましたので、コメントさせて頂きました!!
>
> また訪問させていただきます♪
ゆっらすさん
コメありがとうございます。
主要人物の周りがミステリの題材になると,
どうしても神秘的な感じが薄れてしまうんですよね。
「A secret makes a woman woman」コナンくんですねw。
これからも気軽にコメして貰えればうれしいです。
- 2012/07/24(火) 20:58:56 |
- URL |
- ヒメキリン #-
- [ 編集 ]
> こんばんわ。
> ヒメキリンさんは学生さんではなかったのですね。失礼しました。本の感想はなかなか書けなくてすみません。あの頃私は本当に言っていることも
> おかしくて 家族やご近所にもご迷惑をおかけしてしまいました。お医者様は統合失調症ではない。とおっしゃっていましたが、今から思うと片足がはいって(その世界に)いたような気がします。笑っちゃいますけど「日本はもうおしまいだ 美容院に行くとICチップを埋め込まれるかもしれないから行かない」と本気で家族に言ったりしていました。怖くて行けなかったのです。
>
> ヒメキリンさんは本を沢山読んでいらっしゃるのですね。お元気そうでなによりです。
ryouさん
コメントはありがとうございます。
大変そうだったんですね,無理せずに休養なさってください。
読書は,落ち着いてできるいい趣味だと思ってます。
ネットばかりの環境は疲れるんで,こういうオフの趣味を大切にしたいです。
- 2012/07/27(金) 15:46:50 |
- URL |
- ヒメキリン #-
- [ 編集 ]
> ヒメキリンさん、またコメントしてしまってすみません。ホームブログの方は見ると夫におこられてしまいそうで こっそりしか見ることができないかもしれません。 見させていただくのも少し不安です。私気が強いところもあるんです。でもヒメキリンさんの好きなこと続けてください。
>
> 私は確かにおばさんですけどおばさん扱いしないでくださるのですね。
> ヒメキリンさんは心が広いのですね。
ryouさん
コメントありがとうございます。
ブログをする上でコメントってのは,色々指針になることが多いんで歓迎です。
うまくコメントができればいいんですけど,まだこの世界では若輩者で。
じっくり腰を据えてやっていきたいです。
- 2012/07/27(金) 15:49:35 |
- URL |
- ヒメキリン #-
- [ 編集 ]