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昭和30年代主要スクラップ②

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川上家文書佐渡に帰る

 清水薫氏が収集した昭和30年代のスクラップ(新聞などの切り抜き)に「相川鉱山の歴史秘めた川上家文書佐渡に帰る」というタイトルの記事がありました。川上家文書は記事のタイトルのとおり佐渡金山(当時は相川鉱山と呼んでいた)の歴史を識る上での貴重な資料として京都大学で調査研究をしていたのですが、昭和32年の9月に佐渡に返還されたということです。

 ちなみに京都大学の川上教授というのは同大学で水産学の博士として名を馳せた川上太左英のことで川上喚濤の孫に当たる人です。このスプラップブックにはこの他にも昭和30年代の佐渡の風物や政治経済などの記録が収集されていますので、興味がある方はぜひご覧いただければと思います。

昭和30年代主要スクラップ②.pdf ※クリックで閲覧

スクラップ「主要なトキ関係」

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10冊のスクラップブック

 フォトジャーナリストとして島内外で活躍されていた清水薫さんの遺品の中に「主要なトキ関係」とタイトルを付けたスクラップブックが10冊出てきました。スクラップブックというのは言うまでもなく新聞の切抜きを収集したもので殆どが新潟日報でしたが朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の記事も混じっていました。

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野生のトキの写真を手にする清水さん

 流石にフォトジャーナリストが収集したスクラップとなると、私のような凡人が好奇心に駆られてとりあえず興味のあるものだけを切り抜いたものとは違い10冊全部に目を通すと日本のトキが絶滅に向かっていく過程や、最後のトキが死に中国から番(つがい)のトキを借り入れ飼育、初雛誕生、そして野生復帰のための放鳥までの過程がリアルタイムに読み取ることが出来ました。

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トキのミドリ死ぬ

 読んでいくうちにこれはトキの貴重な資料になると思い早速データベース化を試みようと思ったのですが、10冊のスクラップブックはほぼ年代別に分類してはあったものの、その殆どがスクラップブックに挟んだまま未整理の状態だったので、まず記事を分類するところから手をつけることにしました。

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羽ばたくトキ

 日本のトキが残り数羽になり絶滅までカウントダウン状態になった日から日本と中国が国境を越えた協力と現場スタッフの涙ぐましい努力で、ようやく日本の空にトキが戻った日までの様子を新聞というメディアがどのように伝えていたかを振り返るのも興味深いものです。

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「生きるんだトキ」 1977.12.03夕刊読売に掲載

 などと書くと「学芸員でもないお前のような素人が勝手に手を付けるんじゃない!清水先生が集めた資料を台無しにしたらどう責任を取るんだ」と叱られるかもしれないなあと思ったら、どこからともなく「そもそもそのスクラップは行く宛を失って貴方の元に行ったのだから、煮て食おうが焼いて食おうが貴方の好きなようにしたらいいんですよ」という声が聞こえて来たので、その言葉に甘えさせていただいて作業に取り掛かりました。

 冗談はともかく、とりあえず数日かけて私なりにスクラップブックの製本(?)」が出来たので、いよいよ愛用のスキャナーで画像の取り込みを始めました。現在5冊まで完了したのですが、10冊すべてのデータベース化が完了する迄にはもう少し時間がかかりそうです。冬仕事でしなしなやっていこうと思っていますので、もうしばらくお待ちください。
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神蔵惠治

Author:神蔵惠治
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