レビュー
グーグル「Pixel 9 Pro」レビュー 「Pixel 9 Pro XL」とどちらを選ぶべき?
2024年8月29日 00:01
グーグルは、Pixelシリーズ最新モデル「Pixel 9 Pro」を9月4日に発売する。価格はグーグル直販サイトでは128GBモデルが15万9900円、256GBモデルが17万4900円、512GBモデルが19万4900円。そのほかドコモ、au、ソフトバンク各社でも購入可能となっている。
前モデルの「Pixel 8 Pro」は6.7インチのディスプレイを採用したサイズだったが、今季は、そのサイズ感のモデルは「Pixel 9 Pro XL」として登場。Pixel 9 Proは6.3インチのサイズとなっており、「Pixel 9」と数値は同じ約72(W)×8.5(D)×152.8(H)mm。ちなみに、純正ケース(5720円)もPixel 9と共用可能だ。
そのほか各種スペックや素材、デザイン、性能などは、基本的に「Pixel 9 Pro XL」と同じ。すでにPixel 9 Pro XLについてのレポート記事はアップしているので、そちらを参照して欲しい。
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLの差異は、ディスプレイとバッテリー関連。ディスプレイは上記のように6.3インチで解像度は1280×2856ドット。アスペクト比は20:9でピクセル密度は495PPIとなっている。Pixel 9 Pro XLのピクセル密度は486PPIなので、Pixel 9 Proのほうが若干精細。
パネルはOLEDのSuper Actua ディスプレイで、リフレッシュレートは1~120Hzの可変タイプなど、そのほかのスペックはPixel 9 Pro XLと同等だ。
バッテリー容量は4700mAh。充電は最大27Wの急速充電に対応しており、別売の45W充電器を使用した場合、30分ほどで55%までの充電が可能。またワイヤレス充電(最大21W)も利用でき、マグネットも内蔵している。
最大輝度でYouTubeの4K動画を充電100%の状態から再生し続けたところ、約11時間57分でバッテリー残量がゼロになった。バッテリー容量が5060mAhのPixel 9 Pro XLは同様のテスト結果が12時間34分だったので、バッテリーの持ちは容量の大きいPixel 9 Pro XLに軍配が上がる。
ちなみに今回のPixel 9 Proシリーズは画面輝度がかなり向上。そのため明るい屋外でも画面が観やすくなっているが、そのぶん電力も消費する。屋内などでは輝度を下げても十分キレイに見えるので、実際の連続使用時間はもっと延びそうだ。
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは画面サイズとバッテリー以外はほぼ共通。さらにPixel 9もプロセッサーは共通で、本体サイズはPixel 9 Proと同じなため、ユーザーとしてはどのモデルを購入すればいいか非常に悩ましい。
Pixel 9にするか、それともPixel 9 Proシリーズを選ぶかのポイントはカメラ性能。Pixel 9は広角カメラ(5000万画素、画角82度、F値1.68、センサーサイズ1/1.31インチ)と超広角カメラ(4800万画素、画角123度、F値1.7、センサーサイズ1/2.55インチ)を搭載したデュアル仕様。フロントカメラは1050万画素、画角95度、F値2.2となっている。
一方Pixel 9 Proシリーズは背面に広角カメラ(5000万画素、画角82度、F値1.68、センサーサイズ1/1.31インチ)と超広角カメラ(4800万画素、画角123度、F値1.7、センサーサイズ1/2.55インチ)、望遠カメラ(4800万画素、画角22度、F値2.8、センサーサイズ1/2.55インチ)を搭載したトリプル仕様で、フロントカメラは4200万画素、画角103度、F値2.2。
光学5倍の望遠や、インカメラでのセルフィー撮影をする機会が多いならPixel 9 Proシリーズということになるが、さらにカメラアプリにも細かな違いがある。たとえば写真撮影では、プロ設定がPixel 9にはなく、ピクセルビニングを解除した5000万画素での撮影や、RAW形式での保存には対応していない。
動画撮影では、撮影したデータをいったんGoogleフォトへとアップロードして変換処理をするブースト機能がPixel 9では利用できない。そのため8K動画の撮影や、動画の夜景モードはPixel 9 Proシリーズのみとなっている。
カメラの性能や機能に重点を置いてスマートフォンを購入しているユーザーはPixel 9 Proシリーズを選んだほうが満足度は高いと言える。
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLどちらを選ぶかのポイントは、やはり本体サイズだろう。Pixel 9 Pro XLは横幅が76.6mmあり、男性の筆者の手でも片手で操作するのはかなり厳しい。ただし解像度はPixel 9 Pro XLのほうが高いので、Webサイトなどの表示領域も若干ながら広い。
もちろん画面の大きいほうが、動画や電子書籍などもより観やすい。スマートフォンでコンテンツを楽しむ時間が多いユーザーにはPixel 9 Pro XLがオススメだ。
ちなみにPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLともに、フォントサイズと表示サイズを最大にしても、ほぼ同サイズで、画面サイズが大きいPixel 9 Pro XLのほうが大きく表示できるわけではない。老眼がすすんで極力文字を大きくして使いたいケースでは、どちらも同じだ。
ただし片手での操作性などは、コンパクトなPixel 9 Proのほうに軍配があがる。メールやメッセージアプリなどで文字を入力する機会が多いユーザーは、Pixel 9 Proのほうがスムーズに使える。
Geminiを含むGoogleの各種AI機能に関しては、3モデルとも差はない。もしAI機能だけが目当てであれば、比較的低価格なPixel 9を選ぶのもアリだ。ただし現状では英語でのみしか使えない機能もあるため、今すぐ買い替える必要がないのであれば、来年発売されると思われる「Pixel 9a」を待って、Pixel 9との価格差を比較してから購入することも選択肢に入れたい。
以上がPixel 9 Proのポイントと、3モデルの購入ポイント。かなり似かよっているため、実店舗で実機を触ってみて、操作性などを確かめてから購入することをオススメしたい。