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富士通、IoT向けのセンサー組込ソリューション「ユビキタスウェア」
(2015/5/11 14:02)
富士通は、IoT(Internet of Things)機器向けのセンシングモジュールとミドルウェアをパッケージ化した組込ソリューション「ユビキタスウェア」を開発したと発表した。12月に提供が開始される予定。
同社では、携帯電話やスマートフォンに各種センサーを利用することでユーザビリティを高める「ヒューマンセントリックエンジン」(HCE)を搭載してきたが、ここで培われた技術やノウハウをチップとミドルウェアの形で外販できるようにしたのが、今回発表された「ユビキタスウェア」となる。さまざまなIoTデバイスにコアモジュールを組み込むことで、内蔵する各種センサーから取得したデータをミドルウェア上で解析し、すぐに活用できる形でアウトプットできる。
コアモジュールは、加速度、気圧、地磁気、ジャイロ、マイクといったセンサーにヒューマンセントリックエンジン搭載のLSI、BLE(Bluetooth Low Energy)通信機能をパッケージ化したモジュール。パルスセンサーやGPSなどのモジュールに非搭載の外部センサーと組み合わせて活用することもできる。
ミドルウェアは、人の行動パターンを分析し、転倒などの異常状態を検出する「センシングミドルウェア」、別途設置したビーコン周辺で高精度な位置情報が取得可能になる「ロケーションミドルウェア」が用意される。
富士通では、ユビキタスウェアをパッケージとして外販するとともに、具体的な活用シーンをイメージできるようなソリューションもあわせて販売していく。5月11日からは同パッケージを活用した法人向けのヘッドマウントディスプレイの販売が開始されているほか、12月にはさらに複数のソリューションが登場する予定。
12月より提供が予定されているのは、PDR(移動経路推定技術)によりGPSの利用が困難な屋内での正確な測位が行える「ロケーションバッジ」「ロケーションタグ」、温度や湿度、運動量などの情報から装着者の熱ストレスを推定したり、気圧や加速度の変化から装着者の転倒を検知したりできる「バイタルセンシングバンド」、生活音を音響解析することで異常を検知する高齢者向けの「遠隔見守りステーション」、ペットの活動変化を検知したり、周囲の熱や乾燥といった環境ストレスを検知したりできる「ペット活動センシング端末」「ペット見守りステーション」といったラインナップ。いずれも提供形態や販売価格・利用料金については未定。
同社は5月14日~15日にかけて東京国際フォーラムでプライベートイベント「富士通フォーラム2015」を開催するが、その中で今回発表された新デバイスの試作機が一般公開される。