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2018年12月27日 (木)

シャープ

 
 
昨日はパイオニアで、きょうはシャープの話です。
 
 
最近、台湾の中華映菅という会社が民事再生になりました。
 
日本ではあまり注目されてませんが、ワタシのようなディスプレイの分野で仕事をするもにとっては大きなニュースです。
なぜなら、中華映菅は、台湾を代表するブラウン管テレビ、液晶テレビのメーカーだからです。
ずいぶん前ですが、有機ELの開発に着手するということで呼ばれたこともありました。
 
 
しかし、
液晶事業で韓国、そして中国メーカーに負け、
こいういう事態になりました。
 
 
台湾メーカーでは、他の液晶メーカーであるAUOなども今や存在感はありません。
 
 
台湾メーカーのダメなところは、研究開発にお金をかけないことです。
これは、もともと日本のメーカーが事業をそっくり台湾メーカーに移転するというやり方で、多くの事業を立ち上げたため、研究開発、大学との共同研究など時間のかかることには全く興味がありません。
 
 
だから、
結局は、韓国メーカーに負け、中国にもやられてしまいました。
 
 
で、
シャープ。
 
ご存知のように、
台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)の子会社です。
 
一応、リストラ等して身軽になって黒字化と言われてますが、
内情は厳しいものです。
 
その親会社であるホンハイが、
実はかなり厳しい状況に追い込まれてます。
 
もともと、
ホンハイは中国に組み立て工場を中国の補助金を使いながら建設し、
安い労働力でiPhoneの組み立てなどを引き受けて急成長しました。
 
 
しかし、
単なる組み立てなら、中国企業もできますので、
今やホンハイには強みをいうものがありません。
 
だから、
シャープを買収したのですが、  
シャープの液晶パネルといっても市場占有率は低く、
しかも肝心の有機EL事業はいまだに立ち上がりません。 
 
なぜなら、
ホンハイのテリー・ゴウ氏は研究開発には資金を投入せず、
とりあえず、製造装置を買えば、有機ELディスプレイを生産できるという安易な考えなので、
シャープの現場では四苦八苦しています。
 
 
このままでは、
ホンハイが苦境に陥った時に、
シャープの事業をどこかのファンドに切り売りしないかと心配するのです。
 
 
まあ、
こういうことはシャープへの支援策が検討された際に、経産省や政府も理解していたでしょうから、今となっては誰にも文句は言えません。
 
 
これも全て、
液晶の次は液晶と言い続けた当時の経営者の責任です。
 
 
有機ELをないがしろにした経営者がいる会社は、すべて滅びるという、恐ろしい言い伝えがありますが、シャープもそんな会社の一つになるのでしょうか。
 
心配ですね。 
 
 
 
 
 
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