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    菅代表に捧ぐ、基礎からわかる経済学 (労働市場編)

    どうも御無沙汰してます。下山後色々と情報をチェックして思索にふけっていた今日この頃です。
    山籠り前の予想は残念ながら外れてしまいましたね(´・ω・`)ショボーン円高は一時93円台まで進行しましたが、日経平均は9000円前後をしぶとくうろうろしています。政局不安定で方向感の乏しい市況ですがとりあえず代表選が終わるまでは今みたいな状況が続くんかな?まぁどっちが代表になっても先行きは暗いけどorz

    ということで先行き暗いついでに、この前の菅代表のありがたくないお話を紹介したいと思います。
    まぁニュース等ですでに知っている人も多いかと思いますが、あまりにも耳を疑う衝撃の内容だったので今一度おさらいしておきましょう。
    時間がない人にはこちらの記事が参考になるかと思います
    →池田信夫ブログ http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51475571.html

    時は20xx年、9月1日。日本は、菅の妄想に包まれた…。

    民主党代表選に立候補した菅直人代表は、小沢前幹事長との共同記者会見の場で以下のような発言をしています。

    「私は、まずやるべきことは、1に雇用、2に雇用、3に雇用だと考えます。つまり、仕事がないということは人間の尊厳にかかわることでありまして、仕事があることによって尊厳が保たれ、安心な生活になってまいります。少し具体的に申し上げますと、この雇用を生み出せば、経済の成長につながります。また働く人は、税金を払っていただいて、財政の再建にもつながります。」


    僕はこれを聞いた時、不覚にもコーラを吹き出してしまいました。まさか一国の首相ともあろう人間がこんなアホなことを言うなんて全く予想の範囲外で、まるで死角から強烈な右フックでももらったかのような衝撃を受けました。聞き間違いかと思ってその後もニュースをチェックしてみたら、やっぱり確かに仰ってるじゃないですか。1に雇用、2に雇用、3に雇用。雇用が良くなれば経済も成長する。な、なんだってー!?

    菅代表に捧ぐ、小学生からわかる経済学(労働市場編)

    もうね、何を言ってるのか全く意味不明ですよ。わけわかめってなもんですよ。ちょっと考えれば小学生でもわかりますが、雇用を増やせば経済が成長するなんてことは、論理的に言ってあり得ません。なぜそんなことが言いきれるか?少し企業の立場に立って考えてみましょう。

    雇用というのは、企業の労働需要です。労働需要とは、企業がどれだけ労働力を必要としているか=求人の多さと言っていいでしょう。逆に、企業に雇用されている人と求職中の失業者は労働力を提供している(しようとしている)ので、労働供給です。労働力の購入=雇用と労働力の提供=就労が労働市場で調整された結果、現在の雇用環境が成立しているといえます。

    もうおわかりかと思いますが、雇用というのは労働市場の需給が調整された結果、結果として成立するものなのです。どっかの国の首相が勝手に「よし、雇用が多いほうがみんな嬉しいから雇用を増やそう!そしたら景気もよくなるし万々歳だ!」なんて妄想してても雇用は増えません。
    需給の基本原則は以前の記事で確認してもらえるとありがたいですが、重要な原則の一つに「所得が減ると需要曲線は左にシフトする」というものがあります。これは、「収入が減ったら以前よりもモノの購入を控える」と言い換えて差し支えないでしょう。まぁ至極当たり前のことですね。ではこれを労働市場に当てはめて考えてみるとどうなるでしょう?「(不景気等で)経常利益(=所得)が悪化しているから求人(=労働需要)を減らそう」といったところでしょうか。

    つまり現在の雇用情勢が悪いのは、不景気で企業の所得が減って、その結果として企業の労働需要が減少しているからです(また大卒人口が以前よりも増えたことで、大卒者の労働供給が過剰になり労働供給曲線が右にシフトし、大卒者の供給超過になっているという説もありますね。様々な要因があります)。すなわち、景気がよくなって企業の業績が回復しないと民間の雇用は増えるわけがないということです。
    一般家庭と同じで、企業も収入が減れば節約するので、思い付きで「もっと雇用を増やせ!」と言っても増やすわけがありません。「雇用を増やせば経済が成長する」なんてのは、因果関係が全く逆です。本気でこんなことを言ってるとしたら、経済のケの字もわかっていないと言わざるを得ません。お先真っ暗ですね!

    ちなみに強制的に雇用を増やす方法が一つあります。それは、政府が雇用するという方法です。放っておいても民間での雇用が増えないのならば、政府で雇えば雇用は増えますね。
    では政府が雇うとはどういうことか?そう、公共事業をばんばんやるってことですね。もしくは地方公務員の給料を減らして、その減らした分で求職者を雇ってワークシェアリングしてもいいでしょう。

    もしかしたら菅代表は公共事業をばんばんやるために雇用、雇用って言ってるのかもしれないですね。そしてアホな民間よりも優秀な政府が、適切な成長分野で公共事業を行うことで経済成長すると。あれ?それってなんて小野理論…orz

    テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
    ジャンル : 政治・経済

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