ズマール地区カラブ・アシック村の井戸修復
カラブ・アシック村
カラブ・アシック村
JENが武装勢力から逃れた国内避難民や帰還民への支援活動を開始してから、3年が経ちました。現在はアクレ市にあるマミリアン避難民キャンプ、シンジャール地区、ズマール地区、モスル市で支援活動を行っています。
<マミリアン避難民キャンプ>
2014年のキャンプ開設当初から、JENは水衛生分野の支援活動を行う国際NGOとして中心的な役割を担ってきました。活動では主に、敷地内に設置されているトイレの維持管理、上下水道の整備と給水を行っています。
また、水衛生環境をより良く保つために、石鹸や洗剤からなるキットの配布を行っています。人びとに水因性疾患の危険性を周知し、手洗いや健康維持のための個々の衛生意識の向上を目指し、衛生促進活動を行っています。
このキャンプには、設立当初からイスラム教徒とシンジャール地区から逃れてきたシャバック人やヤジディ教徒、併せて約2,500世帯が暮らしていました。2016年以降、武装勢力の動きをメディアの情報から得て、安全になった故郷へ帰還する人が増えたため、キャンプの居住者は徐々に減っています。とは言え、いまだ帰還を果たせていない人がいます。彼らが安心して故郷に戻る日が来るまで、今後も可能な限り、水衛生の環境整備をしていきます。
【マミリアン避難民キャンプから故郷へ帰還する家族】
<西モスルでの給水活動>
モスルがイラクの政府軍によって武装勢力から解放された後、JENは西モスルで給水活動を始め、毎日約80万リットルの水を約8万人に提供しています。
【給水活動は、住民の協力を得て行っています】
<シンジャール市・山の井戸修復>
JENは2014年後半、シリアとの国境に近いシンジャール山に逃れた国内避難民への支援活動を始めました。当時は主に南側のシンジャール市で、武装勢力から逃れた人びとに水と生活物資を提供していました。
同市が2015年に武装勢力から解放された直後、シンジャール市にはわずかの人しか残っていませんでしたが、現在は安全な地域に避難していた多くの人が帰還しています。JENは現在給水設備の修復を行っています。
現在、シンジャール市内の井戸を修復していますが、次はこれに加え、帰還した子どもたちが安心して学業を再開できるように、市内の学校を修復する予定です。
【JENが設置した水タンク(シンジャール山)】
<ズマール地区>
ズマール地区では、95%の家族が村に帰還しています。ここでの戦闘は短期間でしたが、人びとの生活再建に必要な家、水道、学校などのインフラは破壊され、壊滅的な状態です。この地区の主要な水源は、つい最近まで武装勢力が占拠していた地域にあるため、修復は慎重に、完了するにはまだ時間がかかります。そのため、JENは12月中旬まで給水活動を続け、その間に水管理局と共に他の解決策を検討する予定です。
【修復した給水施設の定期点検も重要です】
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武装勢力から開放されたニネワ県西モスルで 帰還する人々の暮らしを支えるため、給水活動を10月1日から開始しました。
最新のニュースレターで、イラクでの活動を詳しくご紹介しています。 ぜひこちらからご覧ください。
3年もの間、武装勢力に制圧されていた、モスル。
2016年10月以降、イラク政府によるモスル解放作戦がスタートし、2017年7月、モスルはついに武装勢力から解放されたのです。そして今、モスル戻る人たち(帰還民)が大量に押し寄せています。
モスル西側に戻ろうとする人びとの姿、壊された橋や、建物...。悲惨な街の様子をJENの国際スタッフが撮影してきました。
JENはモスル西側で、緊急支援活動を開始します。
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【活動地の一つ。シンジャール山】
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JENは、2003年よりイラクでの活動を行っています。
フセイン政権崩壊後、教育環境が悪化の一途をたどる中、現在は社会的に弱い立場に置かれがちな子どもたちへの支援として、校舎と衛生施設の修復および衛生教育事業を行っています。
写真は、バグダッドの小学校。老朽化や紛争の影響で、破損していた水衛生施設をきれいに直しました。今後、この学校では、衛生教育も行っていく予定です。
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CHPグループとの会議を行うJENスタッフ。次回の衛生キット配布日時や、夏が始まるにつれて起こりうる問題と対策などを話し合いました。
会議に参加するコミュニティ衛生プロモーターたち。国内避難民としてキャンプ内に居住する彼らは、自分たちの住む環境が清潔に保たれるようボランティアとして活動をしています。
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【訪問のロールプレイをしている様子。3月に実際の戸別訪問で、住民に公共排水溝と排水パイプにものを捨てないように指導する予定です】
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イラクの情勢が安定しているとはいえず、人々の生活が今日もまた十分なものとは言えない中、さらにもう一つの災いがイラクの人々を襲いました。ずっと前に消えたはずのコレラが、再びイラクに出現したのです。
イラク保健省によると、300人を超える程の感染者と5名の死者もでている模様です。実際の状況はこれよりもずっと悪く、感染者数はもっと多いと思われます。
コレラの発生は、公共の飲料水供給計画の実施が遅れた結果、飲用に適さない水が使われたことが主な原因です。それに加え、埋め立て地がないため、生ごみが通りや居住地区にあふれてしまったことも原因の一つです。
コレラは伝染病の一つで、もし適切な治療を受けないと、感染後数時間のうちに死に至ることがあります。しかし、世界保健機関(WHO)推奨の方法で作られた経口補水塩をすぐに投与すれば、80%の患者が救われます。
衛生的な環境を整えること、とりわけ適切な飲料水と汚染されていない食品を供給することで、伝染病の広がりを抑えることができます。さらに、人々の衛生意識を高めるための衛生教育キャンペーンも不可欠です。
JENはコレラに関する情報を小冊子にまとめ、小中学校の生徒に配布するとともに、衛生意識向上のためのトレーニングを教師や生徒たちに実施しています。
バグダッド・オフィス事務局長
ティクラ.J.エリアス
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シンジャール山に住んでいる約1000世帯の家族にとって、適切な水衛生設備へのアクセスは大きな課題です。
避難民の方々の山中での暮らしは一時的なものという前提なので、トイレやシャワーは地面に浅い穴を掘り、プライバシーを守るためその四方をシーツやブランケットで囲むような簡易なものです。
【シンジャール山のトイレ】
特に降水量の多い冬には、浅い浄化槽があふれかえり、住居スペースの方にも広がってしまう可能性があるので、このようなトイレは深刻な健康上のリスクを伴います。今年はイラクのあちこちでコレラの発生が確認されているので、適切な衛生設備は優先課題の一つです。
中でも、チャイルドフレンドリースペースや山中に3か所設置されたヘルスポストなど、子どもや免疫力が低下している方々などが集まるところでは、水を介した感染症が広まりやすいため、衛生設備の提供は急務でした。
そのため、JENは上記の4か所の施設に深い浄化槽を掘り、仮設トイレを設置する作業を行いました。この作業は、ヘルスポストを統括しているニネワ県の保健省およびチャイルドフレンドリースペースを設置した他団体との調整のもと行われました。また、地域の住民がボランティアとして手伝ってくれました。
【山中に運搬された仮設トイレ】
この仮設トイレが設置されたことで、ヘルスポストとチャイルドフレンドリースペースを使用する1日120人ほどの患者と250人ほどの子どもたちが、清潔で安全なトイレにアクセスできるようになりました。
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7月の気温上昇に伴って、キャンプ内の水使用量は日に日に増加しています。それに伴い、キャンプ内の特定の地域に居住する人びとから「水が足りない」という報告を受けていました。各井戸の揚水量は十分なのに、一部地域では足りていない。その原因は主に水の使用過多によるものでした。
井戸からくみ上げられた水は、一旦地上2メートルのところに設置されている大型貯水タンクにためられ(写真1)、その後水圧で各世帯に給水されるようになっています。住民が水を使用し続けると貯水タンクに水がたまらず、結果水圧が下がり特定地域に水が十分行き届かないのです。
【写真1:井戸の大型貯水タンク】©JEN
この問題を解決するためJENのエンジニア、キャンプマネージメント、井戸管理者で話し合いを重ね、いろいろな方法を試し、井戸に4つあるバルブを1つずつ解放することで、水の配布範囲を狭め、一定地域の水圧を高めるという方法に至りました。しかし、そこで問題になるのは水を受け取る時間の制限です。
この時間制限の問題を解決するため、貯水タンクを各家庭に配ることになったのです。水が行き届いている時間帯に水を貯め、給水がストップする時間は貯水タンクの水を使うようにしてもらうという方法です。
【貯水タンク配布の様子】©JEN
【貯水タンク配布の様子】©JEN
また、住民自身で貯水タンクに水を貯めてもらいそれを使用することで、水の使用量が目に見えてわかるため、節水に対する意識を高めてもらおうという狙いもあります。
JEN、キャンプマネージメント、そして住民一体となり、さらなる避難民キャンプの生活環境向上を目指していきます。
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今年の7月は、イスラム圏のクルド人自治区にとってはラマダンの期間にあたります。ラマダンはイスラム教徒にとって1か月の神聖な断食の月とされており、多くの人が日の出から日没まで飲食を絶ちます。夏の間では、この期間が15時間を超える事もあり、摂氏40度を超えるクルド人自治区の夏のラマダンはとても厳しいものとなっています。
暑さを避けるために、多くの人が日中は休み、夜に活動をしているようで、国内避難民キャンプの普段は人通りの多い大通りもガランとしています。
【人気のない国内避難民キャンプの大通り】
しかしラマダン中でも水衛生支援は続きます。気温の上昇とともに水の使用量も増えている国内避難民キャンプでは、JENスタッフが毎日各家庭に水が届いているかの確認をしています。また、技術者は、断食をしながらも、毎日5件ほどの水衛生補修を行うほか、下水道パイプの交換などの大掛かりな工事も手掛けています。
炎天下の中、長時間汗だくになりながら、水も飲まないで避難民の方々のために支援活動を行うスタッフを見て、一人一人の献身的な努力が、避難民の人びとを支えることにつながっていくのだと実感しました。
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イラクの首都にあるJENバグダッド事務所に勤務する私たち3名の職員が、4月にヨルダンの首都アンマンにあるJENヨルダン事務所を数日間訪問しました。
今回の事務所訪問では、現在イラクで進行中のプロジェクトならびに次に開始するプロジェクトの方向性について議論し意見交換を行ったり、私たちイラク事務所の現地職員のカウンターパートとなっているヨルダン事務所の現地職員との間で、互いの業務上で得た経験を共有するという機会も得ました(ヨルダン事務所は、イラク事業の拠点としても機能しています)。
また、ヨルダン事務所のアレンジにより、私たちはザータリ難民キャンプに丸1日滞在してきました。
キャンプにおけるJENや他団体の活動を視察し、キャンプ内に設置された学校を訪問しました。キャンプ内にある複数の学校の校長先生と、衛生環境や水衛生施設の補修に関して現地で抱えている問題について議論しました。
またキャンプ内では、JENの現地スタッフが衛生意識を向上させ水因性疾患を予防するために衛生教育を実施していますが、実際にトレーニングを受けている家族の皆さんに会うことができました。キャンプ内の貯水タンク施設を視察した際には、タンクの水を利用する家族の姿も見ることができました。
今回のヨルダン訪問は非常に有意義で、滞在中に得た経験は今後私たちが仕事を推進する上で大変貴重なものとなりました。
(バグダッド事務所職員 バシム・ユシフ)
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今年の1月より始まったイラク東部・北部の10校の学校修復・衛生促進事業も、終盤に差し掛かっています。
JENは、最後の学校である女子中学校の学校設備修復をあと少しで完了できる見込みです。
それに伴い、つい先日、校長先生と修復内容についてのミーティングを開き、関心の高い保護者の方々にも参加していただきました。
【ミーティングに参加された保護者たち】
校長先生は修復のレベルに大変満足されていました。掃除担当者が「以前はトイレがとても汚かったが、修復によって設備の状態がとてもよくなり、景観もとても美しくなった」と言っているそうです。
さらに校長先生は、「JENの教育支援活動によって生徒たちの健康状態が改善し、その結果、学校の教育レベルも上がることになる」とおっしゃいました。わたしも、常々、健康は子どもたちが得る最も大切な財産で、かれらの成功への最初の一歩だと考えています。健康でいられることにより、生徒たちは勉強に集中できるのです。
今回のミーティングでは、多くの保護者から感謝の言葉をいただきました。ある保護者は、「以前はきれいな水が無くトイレも悲惨な状況だった。それが今では子どもが『家のトイレよりも学校のトイレの方が好き』というほどです」とおっしゃいました。
特に、衛生教育の一環として行われた掃除道具と衛生キットの配布を喜ぶ方が多く、「子どもたちが、学校だけでなく家庭でも清潔さを保つことの大切さを理解するのに大いに役に立つ」というコメントをいただきました。
学校で学んだことが家庭にも普及しているということを、わたしはとても嬉しく思います。
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イラクにおける校舎・衛生施設の修復および衛生教育事業に対する皆様のご支援ありがとうございます。
JENはこれまで200校を超える小・中学校において、教育環境・衛生環境の改善のための活動を行ってきました。
6月6日に紹介した女子中学校も、JENの支援事業により校内環境が劇的に向上した学校のひとつです。
【改修前】
【改修後】
事前の学校調査の最中、私は多くの女子児童がトイレの使用のために自宅に帰る姿を目にしました。また、自宅まで距離のある児童においては、水のボトルを手に、校舎の周りに設置された柵の周辺で用を足す姿も見受けられました。女子児童が一生懸命にトイレの代わりなる場所を探す姿を目にすることは、とてもつらいものでした。
学校側は県の教育局に何度も施設の改修を依頼しましたが、教育局の財源も限られていたため、このような困難な状況がこれまで長い間ずっと続いていたといいます。
このため、学校長は当初、JENによる施設修復の話をなかなか信じられませんでしたが、JENが行った修復工事により、配電線が整備され、屋根、扉を含むトイレ施設が実際に生まれ変わった姿を目にした時、とても感謝したとのことです。
ヤシン(JENチーフエンジニア)
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2012年12月19日、支援者の皆様そして外務省の協力を得て新しい事業がスタートしました。
今回もイラク中部・北部の小中学校での教育環境の整備と衛生知識を促進する活動です。昨年同様に、バグダッド、アンバール県、バビル県、キルクーク県、ディヤラ県の5県が対象地域です。
対象になった10の学校は、いずれも戦争で崩壊してしまったり、老朽化しているにもかかわらず、国の予算不足で改修が遅れています。少しでも早く安心、安全な学習環境を整備するために、小中学校の水衛生施設や教室設備の修復工事と、教師や生徒への衛生促進活動を行う予定です。
この事業で、教育環境が良くなると想定している生徒の数は、全体で約4500名、教師の数は350名です。学校の環境が良くなり、校内でトイレに行けるようになったり、手を洗うことができるようになったり、壊れた窓ガラスや電気のスイッチでけがをすることがなくなることを目指して、今事業も全力で進めます。
今後もご支援をお願いいたします。
【事業開始前のA学校のトイレ】
【事業開始前のB学校のトイレ】
【事業開始前のC学校の壊れたガラス窓】
【事業開始前のD学校の壊れた洗面所】
【E学校の壊れた電気スイッチ】
現在JENは、イラクの5つの県21校で学校修復と衛生促進事業に取り組んでいます。
壊れて使えなかった水道や汚れていたトイレがきれいになった様子の写真が、毎週バグダッドから送られてきます。
写真からも分かるように、イラクの小学校で使われているトイレは和式トイレによく似ています。ただし、しゃがむ方向は和式トイレとは逆です。
事業でトイレの修復に取り組んでいることもあり、イラクのトイレ事情について調べてみると、気になる記述を発見しました。世界最古のトイレがイラクにあるというのです。
世界最古のトイレは、紀元前2200年頃にアッカド王朝の都市として栄えていたエシュアンナ(現在のバグダッドの北東60km、ディアラ県)のテル・アスマルという遺跡で発見されました。
この約4000年前のトイレは、便座はレンガで「コ」の字状に積み立てられ、座ることができるようになっていたそうです。さらには、配管や下水道も現代に引けを取らないほど整備されていて衛生的であり、下水はティグリス川の支流に流れる水洗式のトイレでというから驚きです。
この水洗式トイレ、宮殿のみならず一般家庭にまで浸透していたとか。
このことから、水洗式トイレ発祥の地はイラクだと考えられているようです。
JENも4000年前のトイレに負けないくらい衛生的なトイレを作っていきたいものです。
====== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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「この修復がなされる前は、トイレの為に帰宅してしまう生徒が数多くいました。
使い物にならなかったんです。
今は立派なトイレだけでなく、ファンや電気も使えます。
お陰で生徒のやる気が湧いてきて、遅刻者が減りました。
また、トイレをこのままきれいに保とうとしてるのがよくわかります。」
これは支援者の皆様と外務省のご協力により修復した学校で、6年生に国語を教えているアブドゥ先生のコメントです。トイレに行く為に家へ帰ってしまうというのは、日本ではなかなか考えられないことかと思います。しかし、ここイラクでは、何も特別なことではないように見受けられます。さらに、学校と家が離れているため、一度帰宅したらその日は学校に戻ってこないようです。
この様な環境が少しでも早く改善されるよう、これからも活動を続けてまいります。
先日、イラクにて保健省、教育省、中央統計・情報技術局、そしてクルド地域の保健省、教育省による「学校保健調査」が行われました。
水質調査などの結果、8州に属する150校のうち48%の学校が衛生環境に問題があり、子どもたちの教育環境として適切ではないとわかりました。さらに、これら対象校のうち65%の学校では、水を公共水道から引いているにも関わらず、63%の学校でその水質を調査する仕組みがないことが明らかになりました。
この調査から、教育機関(学校)の水・衛生設備の修復、そして衛生教育のニーズがまだまだ高いことが確認できました。実際、2007年に保健省によってこの分野への取り組みが見直されて以来、より多くの国際機関やNGOが関わるようになっています。
ジェンは、支援者の皆様そして外務省のご協力を得て、バグダッド市内の小中学校にて、主に水周りの設備修復の支援を行っています。支援対象の学校17校のうち、6校では修復作業がほぼ終わりました。
今後、持続的に使用できるよう、ジェンは修復後に保証期間を設けていますが、「作って終わり」ではなく、引き続きメンテナンスのお手伝いも行ってゆきます。
イラクでは、チグリス・ユーフラテス川から基本的には十分な水を得ることが可能ですが、給水システムが経済制裁による資金難で維持管理ができずに放置されたこと、戦争中に爆撃などによって壊されたことにより、水を得ることが非常に難しくなっています。
JENは、学校修復のなかでも特に水道施設の整備に力を注いでいます。JENの修復している小・中学校では、水道施設がまったく使用できない状況にあったところも少なくありません。そのような学校では、近隣からホースで水を引いてくるしかありませんでした。手洗い場の蛇口がすべてなくなってしまっていた学校もあり、トイレはどこの学校でも入るのを躊躇してしまうような汚さが修復前の写真から見て取れます。
JENは、下水管を取替えるなど排水設備を修復するとともに、断水になっても子どもたちや教職員が水を得られなくて困らないよう水タンクを複数設置するなど上水設備を整えていきます。
この7月に、ジャパン・プラットフォームの協力のもと、バグダッド市内の下水ポンプ設備3ヶ所の修復を無事に完了することができました。
長年の経済制裁によりメンテナンスの予算がなく下水処理場がきちんと機能しておらず、また地域によってはもともと下水処理場がありません。イラク戦争前から、汚水が処理されずに川に直接流されているという状況で、下水処理場の再構築、建設という大きな問題があります。
イラク戦争後、状況がさらに悪化し、下水汲み上げポンプが壊れたままになっており、現在バグダッド市内では、汚水が道路や空き地に溜まっている光景がよく見られます。また気温が50度近くなる夏には、汚水による悪臭がひどく、不衛生な環境が周辺住民、特に子どもたちの健康に悪影響を与えています。雨が降る冬には、汚水が道路一面に溜まり、人も車も通行できなくなる地域もあります。 JENが現在実施しているのは、汲み上げポンプの修復です。この修復事業により、下水と排水が道路や空き地に溜まらなくなり、住民たちの衛生環境の改善に貢献しています。