2017年11月15日 (水)

【速報・続報】 イラクとイランの国境付近で発生した地震について

 昨夜、JENの現地職員全員(ドホーク事務所、バグダッド事務所)の無事を確認いたしました。安否を気遣うご連絡をくださった方へ、ご心配をおかけしました。

 緊急支援の必要性に関して、引き続き内部で情報収集を行っています。出動の可否に関しては、こちらの公式ウエブサイトで、不定期に発信いたします。

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▼JENのイラクでの活動について、くわしくはこちらから

▼JENの最近の自然災害への緊急支援について、くわしくはこちらをご覧ください。

2017年5月:スリランカ洪水
2016年4月:熊本地震
2015年11月:アフガニスタン・パキスタン地震
2015年4月:ネパール地震

11月 15, 2017 政治、経済、治安緊急支援 |

2017年11月13日 (月)

【速報】 イラクとイランの国境付近で発生した地震について

 11月12日現地時刻21時18分ごろ(日本時間13日3時18分ごろ)、イラク北東部、イランとの国境付近を震源とした大地震が発生しました。マグニチュード(M)7.2、震源の深さは、23.2Km※と言われています。

 JENでは直後より、緊急支援の必要性または可能性について、情報収集を始めました。

※USGS(米国地質調査所)

JENの最近の自然災害への緊急支援について、くわしくはこちらをご覧ください。

2017年5月:スリランカ洪水
2016年4月:熊本地震
2015年11月:アフガニスタン・パキスタン地震
2015年4月:ネパール地震

11月 13, 2017 調査活動緊急支援 |

2017年10月 2日 (月)

モスルでの給水活動、始まりました

武装勢力から開放されたニネワ県西モスルで 帰還する人々の暮らしを支えるため、給水活動を10月1日から開始しました。

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最新のニュースレターで、イラクでの活動を詳しくご紹介しています。 ぜひこちらからご覧ください。

   

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(西モスルの街並み)

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  3年もの間、武装勢力に制圧されていた、モスル。

2016年10月以降、イラク政府によるモスル解放作戦がスタートし、2017年7月、モスルはついに武装勢力から解放されたのです。そして今、モスル戻る人たち(帰還民)が大量に押し寄せています。

モスル西側に戻ろうとする人びとの姿、壊された橋や、建物...。悲惨な街の様子をJENの国際スタッフが撮影してきました。 JENはモスル西側で、緊急支援活動を開始します。



みなさまからの温かいご支援をおまちしております。

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10月 2, 2017 水衛生環境改善国内避難民支援緊急支援 |

2017年7月 6日 (木)

シンジャールとバシーカ・バハザニの印象

【シンジャール】
 シンジャール市やその周辺での暮らしは、まるで地獄のようです。

 シンジャール市が武装勢力から解放されて以来、JENは最初に人々のサポートを開始した団体の一つです。
 初めてJENのスタッフとしてシンジャール市を訪れた時、人々はまるで死体の中に魂が宿っているようでした。ほとんどの家と政府関係の建物が破壊されていました。そこで私たちはシンジャール市の井戸の修復を開始したのです。井戸修復は最も重要なプロジェクトの一つです。なぜなら水は生活必需であり、帰還した人々の一番のニーズでもあるからです。

 シンジャール山は市内よりさらに厳しい土地です。JENはこれまでに何が人々にとって重要かということを何度も調査してきました。そして私たちは公共の貯水タンクとタンカーいっぱいの水を毎日提供しています。

【JENが借りている給水タンカー、山に避難している人々への飲み水配布を決定しました】
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【シンジャール市の井戸修復の様子、貯水タンクの設置、ジェネレーターの配置】
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【バシーカとバハザニ】
東モスルに位置するバシーカとバハザニ村は、2年間武装勢力下にありました。

JENはこの村々に帰還してくる人のために支援活動を行っています。家々は無事でしたが、道路は戦闘によるがれきが積みあがっており、一掃する必要があったため、家庭ごみと道路の清掃プロジェクトを実施しました。また、井戸の修復支援も行っています。村の人々には非常に喜んでいただいているだけでなく、毎週帰還民が増えています。

【バシーカ水道局長、ニネワ県水道局エンジニアとともに井戸管理小屋、貯水タンク、給水ネットワークなどの話し合いをするJENのエンジニア。
 バシーカ水道局長、ニネワ県水道局エンジニアはJENに対し感謝の意を示してくださっています】
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【バシーカ村周辺にある修復した井戸】
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JENイラク
レバー・アリ・メラ

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7月 6, 2017 緊急支援支援物資配布 |

2017年4月 6日 (木)

イラクの難民キャンプ



みなさんご存知のように、JENは2003年よりイラクでの支援を行ってきました。特にここ3年は、イラクのクルド人自治区において、モスルからの国内避難民に対して、彼らの生活での負担を少しでも軽減すべく様々な支援を行ってきました。

そして、サラハディーン県における国内避難民のキャンプを訪れ、彼らの状況やニーズを確認し、厳しい冬の間の気候に耐えられるよう、マットレス、ブランケット等の配布支援を実施しました。

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【大量に届いた支援物資】

家族の構成員名簿を完成させ、物資配布の管理で必要な書類を用意したのち、キャンプに住む1800世帯に支援物資の配布をしました。

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【構成人数と名簿の照らし合わせをするJENスタッフ】

避難民とキャンプ統括の人びとはJENの配布支援に感謝をしてくれています。子どもを含む家族の多くの人びとが、マットレスがないため地面に直接寝なければならなかったと話してくれました。

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【配布したマットレスを持ちかえる人】

多くの子どもたちが、両親を亡くし、孤児となり、あるいは戦争の被害を受けて障がい者となりました。未亡人となった母親は一人で子どもたちの面倒を見なければなりません。実際、どんなに支援を受けたとしても、それは彼らの必要最低限のニーズでさえ満たさず、苦しい生活を強いられます。

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【支援物資をもらって喜ぶ子どもたち】

それでもJENの活動に感謝し、支援が必要な人びとに手を差し伸べられるとき、幸せを感じます。人間愛とはなんたるか、ということを教えてくれます。

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【頼もしいJENの現地スタッフです!】

Bassim Yousif
JEN Baghdad, Iraq

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4月 6, 2017 緊急支援支援物資配布 |

2017年3月30日 (木)

モスル市内に暮らす人びとへ水を届けました

モスル市内の武装勢力から奪還された地域に暮らす人びとを対象に緊急支援を行いました。500mlのお水、42,240本を届けました。

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3月 30, 2017 緊急支援 |

2017年2月28日 (火)

【緊急支援】 モスル解放作戦を逃れ、キャンプに避難した人びとへ、緊急支援を行っています

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 サラハディーン県の「臨時キャンプ」では、2016年10月17日より開始されたモスル解放作戦によりモスル市周辺の自宅を追われた人々や、ニネワ県とサラハディーン県の県境から逃げてきた約1,800世帯(約10,000人)が、建設中の建物内へ一時的に避難しています。
 
 10月以降、国連機関による支援が始まりましたが、避難民の流入は増加の一途で、施設が不足しています。現地は1月に入り最低気温が連日、零度近くまで下がっています。春の訪れまでに緊急の越冬支援が必要です。
 
 避難民が暮らす建物のことを、私たちは「臨時キャンプ」と呼んでいます。難民キャンプではなく、国内避難民キャンプでもなく、本当に急に必要になったために、自然発生的にできたキャンプだからです。
 
 これらは、難民キャンプのように準備が整ってから定員の数の人びとを受け入れる、といった整然とした体制で運営されていません。そのため、たとえば、建設途中の建物や学校などの公共の建物もあります。JENが活動しているキャンプは、建設途中のものなので、窓や内側のドアは完備されていません。
 
 JENは、この臨時キャンプに暮らす人びとへプラスチックのシートを配布し、冬の寒さに対してでも風雨をしのぎ、安心して生活ができるようにします。また毛布とベッドマットレスも配布します。
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2月 28, 2017 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年6月11日 (木)

コミュニティ衛生プロモーターのロゴ決定!

 
JENの活動する避難民キャンプの中には、住民がボランティアで活動するグループが何個かできていました。そこで、JENはその既存のグループに呼びかけて、キャンプ内の衛生促進活動を自発的に行うのを手助けしています。

 4回目になる今回のミーティングでは、この衛生促進活動を行うボランティアが使用するロゴについて特に熱い議論が繰り広げられました。

「真ん中の木はグリーンのイメージだ」
「左端には人を描こう! 色は黄色…いや、ブルーにしよう!」
「ベストの色はグレーがいい」
 などなど…意見がいろいろ出た結果、写真のようなイメージのロゴができました。

【ロゴのイメージを力説する青年】 ©JEN
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 今後、コミュニティ衛生プロモーターたちが、このロゴがプリントされたベストを着て、テントごとに住民の衛生知識向上のための呼びかけを行っていく予定です。

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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6月 11, 2015 衛生教育国内避難民支援緊急支援 |

2015年6月 4日 (木)

水不足対策

 ここクルド人自治区では毎日暑い日が続いています。日中は35度を超え、照りつける日差しはとても強いです。キャンプでは、昼間には外を歩く人の姿がほとんど見られません。

 気温が上がるにつれ、キャンプの水使用量も増えています。そんななか、キャンプのある地域では、地下水が大幅に減少しており、その影響でキャンプ内の井戸の水量も減ってきています。現在の状況を把握し、対策を検討するために、JENは井戸水の供給量を図る専用の機器を設置しました。

 その機器の業者の方がJENの事務所まできてくださったときのことです。会計を担当するスタッフはこの会社の社長にお会いするのは初めてだったはずなのに、なぜか知っている様子。どうして知っているのときいたところ、あの人は正直で有名だからみんな知っているのよ、とのこと。

 なんだか日本の昔話のような話だなあとほのぼのしました。評判通り、この業者さんの仕事ぶりはきっちりしていて、お願いしてよかったなあと思いました。

 JENはこういった現地の業者さんと協力しながら、これからもキャンプでの安定した水供給に取り組んでいきます。



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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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6月 4, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年5月28日 (木)

イラクの国内避難民の児童たち

 学校がない国内避難民キャンプで17か月間暮らしている児童たちがいる一方で、イラクの街中の学校には、もともとその学校に通学していた児童たちよりも多い人数の国内避難民の児童たちが通っています。

 たとえば、キルクークの小学校では、児童数500人に対し、900人の避難民の児童が夜間に学んでいます。キルクークのほとんどの学校は同様の状況で、避難民の児童たちは夜間に学校に行っており、教育局はトイレ、ドア、屋根、電気が不足していると訴えています。

 JENがサマラ市で調査を行った時に、教育長が「市内のすべての学校に、平均してもともとの児童数の1.6倍以上にのぼる避難民の児童たちが通っているので、どこの校舎も受け入れ可能な範囲を超えており、上記のように様々な物が不足している」と語っていました。

 JENは今後も避難民の子どもたちをたくさん受け入れている学校の設備修繕などを通じて、学校に以前から通っている子どもたち、避難民の子どもたち、みながよい環境で学習できるように、支援を継続します。


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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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5月 28, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年5月21日 (木)

石鹸・洗剤の配布を行いました!

 JENが水衛生分野の活動を担当しているキャンプで、石鹸と洗剤の配布を行いました。配布は5つの地区に暮らす住民を地区ごとに順番に集め、各世帯の代表に、世帯人数に応じた数の石鹸と洗剤を配ります。

 キャンプでは日中はすでに30度を超える暑さとなっています。手洗いや衣服・寝具の洗濯が頻繁になる季節に、石鹸と洗剤は必需品です。

 強い日差しが照り付ける中、他の団体やキャンプマネジメント、警察など様々な方の協力を得て、3日間で全地区への配布が完了しました。

 配布が終わったあと、ある住民の方が、石鹸が世帯人数より多く入っていたと言って返しにきてくれました。キャンプという厳しい環境下で暮らしていて、こういうことは簡単にできることではありません。

 そういう方の期待に応えることができるよう、私たちも襟を正して活動を続けていきます。



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5月 21, 2015 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年5月14日 (木)

避難民キャンプでのごみ対策

 先週の支援速報でお伝えした疥癬の問題に続き、国内避難民キャンプではポイ捨てからくるゴミの問題も、衛生や環境に危害を及ぼしています。

 キャンプでは毎日ゴミ収集トラックが家庭から出るゴミを集めていますが、大きなキャンプのため、トラックも1日で回れる場所が1セクターに限られています。そのため、1週間ほどゴミを外に置いておく家庭がたくさんあり、悪臭のもとになったり、病気の媒介となるハエなどの繁殖場所となったりしています。

 また、キャンプでは各家庭に個別のゴミ箱がなく、公共のゴミ箱も設置されていなかったため、住民によるゴミのポイ捨てが増えていきました。特に衛生意識の低い子どもたちの間では、食べているお菓子の包みをそのまま落としていていくなど、ポイ捨てが頻繁に行われています。

 キャンプ内のゴミの散乱を抑えるため、JENは家庭用のゴミ箱を購入し、5月10日から13日の3日間で全家庭を対象に配布を行いました。ふたつきのゴミ箱は、ゴミ収集トラックの回収を待つ間ゴミが野ざらしにされるのを避け、虫の繁殖を抑えることができます。

 さらに、JENは住民内の有志ボランティアを集め、コミュニティ衛生プロモーターとして活動をしてもらうためのトレーニングを行いました。5月初旬に行った1回目のトレーニングでは、ボランティアグループによって、ゴミの問題が優先順位の高い課題としてとりあげられました。キャンプ内を清潔に保つこと、そして住民のゴミに対する衛生意識をあげるため、コミュニティ衛生プロモーターたちは毎月ゴミ拾いの日を設け、戸別訪問を通して住民のゴミ問題に対する衛生意識を高めていくことを提案してくれました。

 JENは新しく発足されたコミュニティ衛生プロモーター達とともに、ゴミ問題に取り組んでいく事を楽しみにしています!

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5月 14, 2015 衛生教育国内避難民支援緊急支援 |

2015年5月 7日 (木)

国内避難民キャンプでの疥癬(かいせん)問題

 JENはクルド自治区内にある国内避難民キャンプの1つで活動しています。そのキャンプには現在約1万3千人の避難民が住んでいます。
 このように、人が混み合った緊急の生活状況では、感染症が発生・蔓延する危険性が高くなります。キャンプでは各テントに1つの個別トイレ・シャワーが割り当てられ、ハード面での衛生環境は整い始めていますが、避難民の中には衛生意識が低く、危険な行為を行う人もたくさんいます。

 最近クルディスタンに所在する国内避難民キャンプで問題となっているのが疥癬の蔓延です。疥癬は小さなダニによって引き起こされる感染性の皮膚病で、発心と激しいかゆみを引き起こします。この病気は一般的に、個人衛生の不足などから起こります。疥癬の治療は適切な薬品があればいたって簡単ですが、皮膚の接触やダニの住み着くマットレスやブランケットを共有することから起こるこの病気は感染性が高く、急速に広まってしまいます。特に、疥癬にかかった人の家族などは感染の危険性が高くなります。

 当キャンプでは現在、生後7か月から60歳まで、150人以上の感染者が確認されています。JENはキャンプマネージメント、UNHCRや医療に携わる他団体と協働で、新しいマットレスやブランケット、薬や衛生キットを感染者のいる家族に配布し、疥癬の蔓延をくい止める運動を行っています。

 また、人々が適切に疥癬や他の一般的な病気から身を守ることができるように、JENは、キャンプのボランティアグループを通して衛生推進活動を始める準備を進めています。




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5月 7, 2015 衛生教育国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年4月30日 (木)

シンジャール山での水供給支援

 シンジャール山はイラク北部にあるニナワ県に位置しています。山のふもとにあるシンジャールの町が昨年8月に武装勢力により占領された際、5万人ほどの避難民がシンジャール山へ避難しました。その中のほとんどの避難民がキャンプやクルディスタンの他の所へと移動しましたが、シンジャール山には未だに約1,000世帯の家族が残っており、過酷な状況の中での暮らしを続けています。山中には数か所に集落が作られており、避難民の方々はブロックで作られた簡単な建物やテントに住んでいます。

 今年1月にJENのローカルスタッフが行った初期調査では、シェルター、食料、水などシンジャール山の避難民のニーズが明らかになりました。
 集落から水タンクや給水場への距離は大変遠く、水へのアクセスを向上させることは特に急を要しました。
 また、当時設置されていた水タンクは古くさびていたため、中に入っている水が汚染されてしまい、水質に関する苦情も多く出ていました。

 そのような過酷な生活状況を改善するため、JENはコミュニティの水アクセス向上に向けた支援を始めました。今年3月にはシンジャール山に点在する避難民の集落の近くに12個の水タンクを設置し、給水トラックによる水の供給も始めました。給水トラックは約1,200世帯を対象に、毎日24,000リットルの水を水タンクに届けています。

 毎日水がきちんと届けられていることを確認するため、水供給のモニタリングもコミュニティの代表と協働で行っています。コミュニティやその代表、また給水トラックの運転手の協力のおかげで、JENは無事に毎日水が届けられている事を確認でき、シンジャール山の避難民に必要な支援を届ける事ができました。



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4月 30, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年4月16日 (木)

ハラブジャの悲劇

 クルド人自治区には、3月と4月に記念日がたくさんあります。そのなかのひとつ、3月16日はハラブジャの日です。

 1988年のこの日、クルド人自治区の南東部に位置するハラブジャで、化学兵器により5000人以上の住民が命を落としました。

 それ以来、25年たった今でも、3月16日の11時には人々は道路に一列に並び、黙祷をささげます。黙祷の間は車も路上にとめられ、サイレンの音だけがひびきわたります。

 クルドの人々は自分たちが経験したハラブジャの悲劇と同様のものとして、広島・長崎の原爆投下のことをよく知っています。黙祷の列に並んでいると、今でも日本では原爆が投下された日に黙祷をしますか?と聞かれました。

 広島や長崎、学校などを除いて、今の日本で黙祷をしている人は多くないと思います。それは、終戦から約70年たち、私たちにとって戦争も原爆投下も遠い昔のことになってしまったからかもしれません。

 一方、ハラブジャの悲劇のあとも、そして今も様々な苦難を経験しているクルドの人々。彼らは、たとえ70年たったとしても、そういった苦難を象徴するハラブジャの日に祈り続けるのではないかと思います。



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4月 16, 2015 緊急支援 |

2015年4月 9日 (木)

越冬支援用バウチャー配布 -モニタリングが完了しました!

 JENの越冬支援用バウチャー配布プロジェクトが終わった後、プロジェクトの成果をはかるためにJENのスタッフにより、配布を行った293世帯のうち、サンプルの93世帯を対象としたモニタリングを行いました。

 このような配布後のモニタリングは今回の支援の長所や短所、また支援対象者にとってのインパクトを知るのに重要な役割を果たします。特に、今回のバウチャー配布は、JENにとって初めての現金補助の試みとなったので、学びを今後の支援に活かすためにも重要となりました。

 全体的に、国内避難民の家族にとって今回のバウチャー配布は良い効果をもたらしました。配布を行った293世帯の全ての家族がバウチャー全額を使い切りました。

 購入したアイテムのうち、最も多かったのが毛布や灯油、冬用衣料でした。一部の家族は、住居を温かく保つために数台のヒーターを購入したこともわかりました。

 ほとんどの家族が、2月中旬にバウチャーを受け取ってから3日以内でお店に向かったそうです。

 モニタリングを行った93家族全員が、「今回の配布支援で購入対象となったアイテムや配布のタイミングは越冬支援に適切だった」と答えてくれました。

 購入対象となった物資についての質問では、89%の家族が「物資の品質が適切だった」と答えましたが、50%の家族は、「配布された金額に比べて物資の値段が高すぎた」と答えました。

 最後に、今回のプロジェクトの全体的な成果について、23%の家族は「大幅に暮らしが改善した」、77%の家族は「適度に暮らしが改善した」と答えました。暮らしがどのように改善したかについては、88%の家族が「以前より暖かい生活を送れる」と答え、76%が「家族の健康が改善された」と答えました。

 また、バウチャープロジェクトに参加した全店舗を対象に行ったモニタリングでは、「この支援によって店舗へ来る国内避難民の方が増えて喜んでいる」「またこのような支援に関わりたい」という声を聴くことができました。

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4月 9, 2015 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年3月19日 (木)

キャンプで安全な水を届ける

 現在、クルド人自治区には24か所の国内避難民キャンプがあります。これほどの数のキャンプを政府だけで運営していくのは難しいため、国連機関やNGOが一部サービスを政府と協力しながら行っています。

 JENも、北部にあるキャンプ1か所で水衛生関連サービスを担当することになりました。このキャンプには1家族に割り当てられるテントごとにキッチン・トイレユニットが併設されています。上下水道も整備されています。それでも、避難民の急増に素早く対応するために急ピッチで建設されたキャンプなので、すべての設備が整っているわけではありません。

 水衛生関連でまず足りないのが、水処理用のシステムでした。そこでJENは県水道局と共同で、塩素処理装置を4基の井戸を設置しました。

 設置をしてくれた県水道局の技術者は、地区内すべての塩素処理装置を設置してきたという大ベテランでした。設置の途中で、給水パイプから水が噴き出すというハプニングに見舞われ、みんなびしょ濡れになってしまいましたが、その甲斐もあって、キャンプに暮らす人々に安全な水を届けることができるようになりました。


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3月 19, 2015 緊急支援 |

2015年3月12日 (木)

越冬支援用バウチャー配布 ―モニタリング編―

 3週間のショッピング期間が終了し、JEN越冬支援用バウチャー配布プロジェクトは終わりを迎えました。3月5日の時点で、JENが配布したバウチャーの全額が、避難民家族が越冬支援用の物資を購入するために使用された事が確認できました。
 プロジェクトの成果を確認するため、JENは配布後のモニタリングを始めました。

 今までで得られた情報では、避難民家族の多くは配布されたバウチャーを使い、ヒーター、冬用衣料や靴、ブランケットなどを優先して購入したことがわかりました。JENスタッフがモニタリングのために未完成の建物を訪問した時も、以前訪問した時に比べて家が温かくなっている事を実感できました。避難民家族の方々も、購入した物資は家族が暖かく健康に過ごすためにとても役に立った、と話してくれました。

 しかし、工事中の建物に住んでいる避難民家族にとっては、建物のオーナーから立ち退きを要求されるケースがあるなど、課題はまだまだ山積しています。避難民キャンプへ移動するプロセスにも時間がかかる上、キャンプもスペースが限られており、全員を移すことは困難です。

 越冬支援用のバウチャー配布プロジェクトは終了しましたが、避難民の方々のニーズに合った支援が提供できるよう、JENは引き続きクルド人自治区での活動を続けていきます。

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3月 12, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年3月 5日 (木)

越冬支援用バウチャー配布 ― ショッピング編 ―

 JENはクルド人自治区に避難してきている避難民家族に対して、ストーブや灯油、ブランケットなどが購入可能なバウチャーを配布しました。

 受け取ったその足で、早速バウチャーが使えるお店に行った方もたくさんいました。バウチャーを配布してから1週間たち、半分以上のバウチャーが使用されています。今のところ、避難民の方々が一番購入しているアイテムは、灯油と子ども服です。

 一時期は春が来たかのように暖かかったクルド人自治区ですが、ここ数日はまた冷え込んできています。JENのバウチャーで購入したもので、工事中の建物のなかででも少しでも快適に過ごしてもらえればと思います。


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3月 5, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年2月26日 (木)

仮設校舎の不足

  イラクの避難民の子どもたちのほとんどは、2014年の時点で学校に通えていません。学校がキャンプから遠かったり、街中の学校では大勢の避難民の子どもたちを受け入れることができなかったりするからです。

 イラクの避難民の半分以上は、クルド人自治区のキャンプで暮らしています。クルド人自治区の地域政府は、スレイマニアで66の、エルビルで46の仮設住宅を学校として使用するよう用意していますが、現時点で、机、黒板、教科書、参考書、教員の手配はできていません。

 これらの仮設住宅では、避難民の生徒たちの15%の受け入れができず、JENはあらゆる人道支援団体とイラク政府に、かれらが通える学校を用意するように呼びかけています。かれらは2年間学校に通えておらず、その状態がいつまで続くのかも分かりません。

 カルバラでは、200の仮設住宅を避難民の生徒たち用の教室として、20の仮設住宅をトイレとして用意するよう、教育省が要望していますが、現時点では、カルバラ郊外に15の学校(仮設住宅)が用意されているのみです。
 ディヤラとナジャフ用に用意されたのは450の仮設住宅ですが、教室用に提供された仮設住宅は80でした。500の仮設住宅がバグダッドの郊外に提供されましたが、教室用は80のみでした。

 避難民の子どもたちのための校舎の不足が深刻になっています。子どもたちが学校に通えるようにするために、世界中の人たちは協力しなければなりません。

 

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 寒さの厳しい今、210万人の避難民たちが一層過酷な状況に置かれており、この冬に入って100人以上の子どもや赤ちゃんが亡くなっています。

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

2月 26, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年2月 5日 (木)

越冬支援用バウチャー配布 -準備編-

 JENは避難民家族に対して、ストーブや石油、ブランケットなどが購入可能なバウチャーを配布すべく、準備を進めています。

 人々に必要な物資を届けるには大まかにわけて3種類の方法があります。1つは、支援団体が物資を購入して、その購入したものを人々に直接配布する方法。もう1つは、バウチャー(引換券)を配布して、そのバウチャーを使って、人々が登録されたお店で特定のアイテムを購入する方法。最後が、現金を人々に渡して、好きなお店で必要なものを購入する方法。

 どの方法を選択するかは、その支援地の状況によります。例えば、自然災害の直後では、お店は機能していないので、バウチャーや現金の配布は現実的ではありません。今回のイラク避難民支援に関しては、人々の必要な物資が家族によって大きく異なることや、避難地の物流および経済が正常に機能していることを鑑みて、バウチャーの配布を行うことに決定しました。

 準備段階で最も重要な活動は、バウチャーを受け取る人の登録と、バウチャーを受け入れるお店との調整です。

 バウチャーを受け取る人の登録では、JENスタッフは、情報収集用のアプリが入ったスマートフォンを使用して、各世帯を訪問し、IDカードや世帯の家族数の確認、現状調査を行っていきます。

 バウチャーを使った売買に承諾してくれた地元のお店に対しては、バウチャーを受け取った人がお店にきたときにどういう手続をとらなくてはいけないかや、決められたアイテムしか販売できないことなどを、一軒一軒説明していきます。

 避難民の方々の家を訪問し、地元のお店の方々と話をするたびに、このバウチャーを使用した越冬支援物資配布方法が、人々のニーズに的確にこたえることができ、かつホスト・コミュニティの経済発展の一助となることを実感しています。

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

ご寄付は、こちらから受け付けております。

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2月 5, 2015 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年1月29日 (木)

日常と非日常

 今年に入り、非人道的な事件が多発しています。

 では、現地の様子はどうなのでしょうか。

 国内避難民支援を行っているチームでは、スタッフの一人は、事業地からの帰り道、母親から頼まれた玉ねぎを毎回買っています(母親によるとそこの玉ねぎはおいしいらしいです)。別のスタッフの親戚は、最近、戦闘で負傷しました。家族がまだモスルにいるため心配だと言うスタッフがいます。親から「早く結婚しろ」、と言われることに辟易しているスタッフもいます。

 2003年から継続して行っている教育支援を担当するバグダッドのスタッフは、不安ながらも支援の手を止めることなく、一生懸命に慎重に活動を続けています。そして、イラクの活動を支えている隣国ヨルダンの女性スタッフは、夜間の外出を控えています。

 今、ここ中東で暮らすということは、日本での暮らしのような日常を過ごしながら、想像をはるかに超える危険と隣あわせで暮らすということです。

 昨年末からJENはイラクの国内避難民(IDP)を対象とした緊急支援活動を開始しています。活動は、IDPの人びとが、避難先でも暖をとり、なんとか厳しい冬を体調を壊さずに越えるための越冬支援です。たとえば、石油ストーブや石油、カーペットなど冬支度に必要な物資を手に入れる準備を進めています。次のレポートでは、よりくわしく、活動の様子をお伝えできればと願っています。

JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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1月 29, 2015 事務所、スタッフ国内避難民支援緊急支援 |

2015年1月15日 (木)

避難民として暮らす -キャンプ編-

 2014年6月以降、クルド人自治区に多くの人々が避難してきて以来ずっと、「避難民に安全な住居を提供すること」が政府そして支援団体の最優先事項でした。同年9月には数か所しかなかったキャンプが、今では23か所開設されています。

 ドホーク県北部に位置するチャミスク避難民キャンプは、11月初旬にオープンした新しいキャンプです。約25,000人の避難民が暮らすドホーク県内でもっとも規模の大きいキャンプの一つです。

【ドホーク県内のチャミスク避難民キャンプ】
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 1家族につき、1つのテントと、レンガ造りの台所・トイレ棟が割り当てられ、政府や支援団体が様々なサービスを提供しています。

 工事中の建物で暮らす避難民は優先的にキャンプへ移動することができますが、今はまだその全員を受け入れられるほどキャンプのキャパシティがないのが現状です。

 一方で、キャンプに移らず工事中の建物に残ることを選んだ人もいます。妻と5人の子ども、そして親類とともにドホーク市内の工事中の建物に暮らす男性は、キャンプに移ることを勧められましたが、移りませんでした。キャンプのほうが生活環境がいいのを承知で移らなかったのは、息子を学校に通い続けさせたかったからです。ドホーク市内にある11か所のキャンプのうち、学校があるキャンプはまだありません。

 必要最低限の支援はそろいつつあるキャンプ。これからは教育分野の拡充が、避難生活が半年以上になる人々にとって必要です。

 子どもたちは故郷に戻る日のために、そしてコミュニティの将来のために、準備しておかなくてはなりません。

【避難民の子どもたち】
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1月 15, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年1月 8日 (木)

避難民として暮らす – キャンプの外編

 2014年6月、イスラム国と呼ばれる組織のモスル制圧に端を発したイラク危機。現在イラク全域で約200万人が国内避難民となっています。ここクルド人自治区は、治安が安定していること、イスラム国が支配する北部イラク、そしてシリアに近いことから、多くのシリア難民、国内避難民の避難場所となっています。クルド人自治区の避難民数は100万人にものぼります。

 避難民としてクルド人自治区にやってきた人たちはどこで暮らしているのでしょうか。ホテル?アパート?親戚の家?もちろんそういう人たちもいます。しかし多くの人々が、当初は工事中の建物や学校、公共施設で暮らしていました。そういった場所は自治区内に約1000か所もあると言われていました。

 新しい避難民キャンプが建設され、キャンプへの移動が行われてきたものの、今でも12万人はそういった場所での生活を余儀なくされています。

【避難場所となっているドホーク県内の工事中の建物】
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 こういった建設中の建物は、屋根があるので雨は防げますが、気温は野外と変わりません。そんな中、自分たちで作った簡易テントを張って、人々は暮らしています。

【カーペットがないので地べたに段ボールを敷き詰めている台所】
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 床はコンクリート打ちっぱなしか土です。足元からくる冷えはひどく、日が差さないので昼間でもきんとした寒さです。支援団体から受け取ったカーペットを敷いている家庭もありますが、それもなく段ボールを敷き詰めている家庭もあります。

 シャワーはもちろんありません。薪やガスコンロでお湯を沸かして、布やレンガで仕切られた一画で体を洗っています。トイレは自分たちで作ったり、支援団体が簡易トイレを設置している場所もあれば、近隣の公共施設のトイレを使ったり、外で用をたしたりしている人々もいます。

 避難民の人々は、それぞれに辛い境遇を乗り越えて、ここにたどりつきました。そして、ここでの生活も楽ではありません。それでも、毎日泣いて暮らしているわけではありません。なるべく快適に故郷での生活に近づけるよう、自分たちでトイレを作ったり、パン焼き窯を作ったり、工夫をして暮らしています。

【土でつくったタヌールと言われるパン焼き窯】
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 夜になると気温は0度近くにまで下がります。野外と同じ環境下で、寒さをしのぐには暖房器具が欠かせません。石油ストーブと石油は今、避難民の方々がもっとも必要としているアイテムです。

 政府や支援団体は、着のみ着のままで避難してきた人々に、食糧や越冬用物資などを配布しています。また、近隣に暮らすクルド人家族も、持っているブランケットや調理器具などをあげたりして支援しています。それでも、いろいろなところに散らばって生活している避難民全員に必要な物資をすべて届けるのはなかなか難しいのも事実です。

 JENは支援者の皆様からのご寄付とジャパンプラットフォームの協力を得て、石油ストーブや石油、カーペットなど冬支度に必要な物資を人々が自分で必要なものを選んで購入できるよう、引換券を配布する予定にしています。



JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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1月 8, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2014年12月18日 (木)

新年に向けて

 イラクでは、依然として政府と武装組織との戦闘が続いており、これに伴い200万人以上の国内避難民が発生しています。

 避難民の多くはクルド人自治区内に流入しており、中部・南部の県にも避難していますが、冬を迎えた今、かれらは厳しい環境に置かれています。凍えるような寒さと冷たい雨の中での生活を強いられ、生活を支える資金は不足し、多くの生徒は勉強を続けることができていません。

 さらに、原油価格の下落と生産率の低下により、イラクの経済状況は急激に悪化しています。また、民兵による誘拐と恐喝が横行しています。

 こうした危機の中でも、イラクの人びとはクリスマスや新年を迎える準備を始めています。万が一に備え、町ではセキュリティを強化しています。

 不安な毎日を送る中、人びとが「年末・年始のお祝い」の準備を行うことは、人びとが今、直面している危機を乗り越え、安定した経済と社会を取り戻そうとする意志の表れと言えます。加えて、これを機に厳しい現状を受け入れ、解決に向けて転換していく機運の高まりを求めていると言えます。

JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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12月 18, 2014 政治、経済、治安文化、生活、習慣国内避難民支援緊急支援 |