2月29日、午後1時から開かれた参議院憲法審査会の審議を傍聴しました。
審議した案件は以下。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査(憲法改正手続法附則における検討事項について)、附則代3条(投票年齢)、附則11条(公務員の政治的行為)
委員会室の大きさは、カザルスホールぐらいでしょうか。(あまり意味のない例示ですね)U字に席が作られています。傍聴席の反対側が議長席で、U字の開いている方が傍聴席側。ただあいてはいないでそこにもテーブルがあります。そこには、総務省や法務省、人事院などの官僚が並んでいました。
今回は、その人たちの意見を聴取するのが一つの目的のようです。
傍聴席は議場よりずいぶん高いところです。下の段は記者席で、3人ぐらいの記者が取材していました。
憲法審査会の委員名簿は参議院のサイトに載っています。メンバーはずいぶん出入りがありますね。
憲法審査会 今回の審議では、主に二つのことが議題でした。
憲法改正の国民投票の投票権を18歳とするとき、今の選挙法では選挙権は20歳からであることをどうするのかを、民法の成人年齢引き下げの議論とも関連させて、官僚の意見を聞く。
もう一つは、一般の公務員の政治活動をどう保障するか、という点です。
難解な法律用語が飛び交うわけではなく、聞いていても十分に分かるものです。「今の若者は20歳といっても幼稚だ」とか「18歳で働いて世帯を維持している若者もいる」など、街の議論でも聞かれそうな発言が続きます。政治も法律も常識の延長であるとすれば当然とも思えます。しかし「結婚できる年齢は、男子が18歳、女子が16歳で、結婚できるということは18歳が昔から一人前と認められてきたあかし」という趣意の発言などもあり、生活保守の感覚も反映されているようにも感じます。
ある議員は、「選挙権を一律に18歳とするのではなく、18歳でも働いて稼いでいる人に投票権を与えるのはどうか」と発言しました。さすがに総務省の官僚は「法の下の平等からみて難しい」と答えていました。
公務員の政治参加については、「勤務時間外で勤務地以外の場所で政党の機関紙を配る行為まで刑事罰を科すこと」を批判する発言がありました。
公務員にも政治活動の権利があることは、どの委員も認めているようでした。
成人年齢の引き下げと、憲法改正国民投票の投票年齢とをなるべく一致させたいが、成人年齢の引き下げは関連法規が多く難しいので、選挙法の改正を先行させたいというのが、一つのポイントのようです。