BASS |
さて、スクワイアのフレットレス・ベースの調整の様子をレポートしたいと思います。見た目はまさに新品同様です。 |
Squier by Fender
Vintage Modified Series
フレットレス・ジャズ・ベース
ヘッド部。Squier by Fender JAZZ BASSの刻印。ヘッドとネックはラッカー等の塗装はされていない模様。 |
フレットラインは20本。指板はメイプ材のようです。カタログで見てみるとFender JAPANのJB62-77FLはローズウッド。見た目ではSquierの方がエポキシ加工風でいかにも硬そうです。(多分価格的にエポキシ加工まではしてないと思いますが) このベースのネックは正面方向にかなり反ってます。いわゆる「順反り」。調整の必要があります。ちなみに、背面方向に反っているのは「逆反り」です。 |
ボディはバスウッドではなくアガチス材でした。廉価モデルのギターやベースは何本か持ってましたがみんなバスウッドでした。バスウッドは音を吸われてしまい何か”ぬとぬと”いう感じであんまり好きではないです。アガチスはどうなんでしょうね?印象はあまり悪い感じはしません。 ピックアップは、「2-Duncan Designed JB101 Single-Coil Pickups with AlNiCo 5 Magnets」というもの。ダンカンのシングル・コイルでパッシブ回路ですがサウンドは太い感じです。やはり、シングル・コイルが2つなのでジャズベのサウンドがします。 このベースにはフラット・ワウンド弦が張ってありました。普通、フレットレス・ベースにはフラット・ワウンドを張るものと思われがちですが、フュージョンなどでよく耳にする”ミョンミョン”したサウンドはラウンド・ワウンドを使っているのです。 フラット・ワウンドのサウンドは”ポンポン”、”ペンペン”と軽めでサスティーンが短めです。ラウンド・ワウンドはサスティーンが長く”ブンブン”なのでフレットレスでは”ミョンミョン”という感じになります。(なんだか主観の擬音だらけになってすみませんf^^;)
私はフレットレス・ベースにはラウンド・ワウンド弦派なので弦を張り替えることにしました。(もちろん、あえてフレッテッドにフラット・ワウンド弦を張るプレーヤーもいます) |
私の使っているベース弦はダダリオのEXL165です。ダダリオのスタンダードで無難な弦です。ダダリオの弦は立ち上がりが早くブライトなところが好きです。ついでに、Fender
USAのアメスタのプレベも5年ぐらい弦を張り替えてなかったので一緒に替えることにしました。 |
あると便利な「ペグ巻」。ベース用のも存在します。ギター用よりかなりデカい。(笑) 弦を外して、まずはネックの調整。このSquierのネックのロッドはヘッドに付いてるので手間が省けます。Fender USAのアメスタはブリッジ側に付いているのでいちいちドライバーでネジを回してボディからネックを外して調節しなくてはいけないので手間がかかります。(付けたまま付属のレンチで出来ないこともないのですがなんだかちょっと) ネックの反りの調節をするときはロッドに六角レンチを差し込んでするのですが、この時力づくでレンチだけでやろうとするとロッドが馬鹿になったり折れたりする可能性が大きくなってしまいます。まず、楽器を股に挟んで固定してネックの修正させたい方向に手で反らせながらロッドを回すと楽に作業ができます。 そして、弦を張って今度はブリッジの調整。まず、各弦の19フレットでハーモニックスを鳴らし、そのあと19フレットのライン上を押さえて音のズレをチェック。う~ん、このベースは全然調整されてないようです。 ライン上を押さえて出した音がハーモニックスよりかなり低くなっています。この場合はブリッジのコマを指板側に動かして音程を上げていき、最終的にどちらも同じ音程になるようにします。
同時に弦高の調整も行います。弦高が高いとテンションがきつくなり弾きにくくなってしまいます。下げ過ぎると音にビビリが入りやすなります。ドライバーでコマの位置を変えながらレンチで高さも調節していきます。 |
そして、無事調整作業が終わりました。 17フレット付近の画像で比較してみましょう。はじめの状態では弦高が6~7mm位ありましたが、作業後は3mmぐらいになりました。ベースは弦が太く長いので音のビビリが発生しないで下げられる限度はこのぐらいになります。 自分好みに調整したので、このベースめっちゃ弾きやすくなりましたよ。こいつは結構いいかも。いずれ、このベースでの録音などしてみたいと思います。 この楽器の前のオーナーはフレットレス・ベースに興味を持つも、何か想像していたフレットレスの音と違うし、弾きにくいし音程も狂っていて早々と手放したのかもしれませんね。 楽器を購入した時点の状態がその楽器のベストコンディションとは限りません。やはり、演奏するのは自分なのですから自分に合うように自分自身でカスタマイズ出来た方がいいと思います。(私は必要があればノミ入れも辞しません、f^^;) |