2011/7/7のMM総研のリリースから。http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120110707500
2011年度の携帯電話出荷台数は前年比7.6%増の4,050万台となり、2007年度の5,076万台以来4年ぶりの4,000万台超えが見込まれる。2012年度は3,940万台と減少するが、2013年度:4,055万台、2014年度:4,145万台、2015年度:4,130万台となり、今後は4,000万台規模での推移が続くと予測。
2011年3月末のスマートフォン契約数は955万件となり、端末総契約数1億912万件に対するスマートフォン契約比率は8.8%となった。2012年3月末:2,598万件(23.1%)、2013年3月末:3,913万件(33.9%)、2014年3月末:5,124万件(43.4%)、2015年3月末:6,137万件(50.9%)、2016年3月:7,030万件(57.1%)となり、2014年度末にはスマートフォン契約数が過半数を超えると予測。
2011年3月末のスマートフォン契約数シェアはiOS:474万件(49.6%)、Android:386万件(40.4%)、Windows:71万件(7.4%)の順となった。今後もiOS(iPhone)がソフトバンク市場のみであると仮定した場合、2011年度以降のスマートフォン出荷台数に占めるOS別シェアはAndroidが70%以上で推移すると予測。
ネットレイティングスのメルマガNielsen Online REPORTER 2011年6月8日号による。
http://www.netratings.co.jp/hot_off/archives/NNR06082011.htm
Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001
2010年3月より開始したradiko(ラジコ)については既にご存知の方も多いと思うが、これは日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信するサービスでIPサイマルラジオ(Internet Protocol simulcast radio)とよばれているサービスである。弊社では、サービス開始後すぐに訪問者数が100万人を超えたことをいち早く紹介してきた。
ラジオの復権なるか!? radiko.jpへのアクセスが100万人超えhttp://www.netratings.co.jp/hot_off/archives/NNR05102010.htm
スタート時には大きな注目と訪問者数を集めたradikoであったが、その後の訪問者数は図1の通りである。
図1 http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_01.JPG
サービス開始直後はおよそ半月ほどで143万人以上集めたが、その後は徐々に訪問者数が減少し、昨年5月には60万人前後まで落ち込んだが8月以降は増加傾向にある。昨年12月には聴取可能エリアを関東は1都6県に、関西は2府4県に拡大し、訪問者数はさらに増加した。
サイト訪問者数の傾向に大きな変化が見られたのは3月である。3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震への対応として、3月13日より聴取可能エリアの制限を解除し日本のどこからでも聴取可能にするという対応を行った。その結果、訪問者数は急激に拡大し3月時点で164万人まで増加した。3月末には全国どこからでも聴取可能の特別対応が終了を迎えたが、引き続き関東局は全国で聴取可能となっており、訪問者数の減少は見られず、更に4月には札幌、福岡などのエリアで新たに聴取可能となったことにより訪問者数は増加し、179万人となった。
この2期間の訪問者属性をみると、性別では女性の比率が16ポイント上昇している。年齢別にみると、30代の訪問者数が減少し、40代、50代の訪問者数が増加している。
図2 http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_02.JPG
次にオンライン上の口コミの状況を見ていく。実際にradikoを利用している口コミを対象にするために、以下のルールで抽出を行った。
1.ニュース記事の転載などを除くために、行動(使う、使った、聞く、
聞いたなど)と一緒に書かれている口コミを対象とする。
2.Twitterにおいては、震災時単なるリツイート(RT)が増加していたため、
より積極的なツイートを収集することを目的としてRTは対象外とする。
以下が、上記条件の中で集計されたradikoに関する口コミの週ごとのボリュームのトレンドである。
図3 http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_03.JPG
震災時に利用者の声がピークを迎えている。また、震災を境にしてトレンドに違いがみられ、震災後はより高い水準で安定している。震災をきっかけに多くの人に利用されていることが分かる。実際の口コミでは、震災直後に「今日はPCでTOKYO FMの番組を聴き、ニュースの合間に音楽のリクエストがあった。久しぶりに音楽を聴いた」というラジオに癒されたという感想が見受けられた。その後も「全国のラジオが聴けるようになったので初めて大阪FMのラジオを聞いた」などの新しい体験をしたという口コミ、「radikoでオールナイトニッポンを聞いている。」などの口コミが見うけられる。
震災を転機に、インターネットラジオのメリットを再認識した人たちも少なくないだろう。スマートフォンが広く普及し始めている。さらにインターネットでのラジオ配信については、6月2日にはNHKが自社でIPサイマルラジオのサービスをはじめることを発表した。これらの要因が相互に作用し、インターネットによるラジオ放送が我々の生活に浸透していくかどうか今後も注視していきたい。
ネットレイティングスのメルマガNielsen Online REPORTER 2011年5月10日号による。
http://www.netratings.co.jp/hot_off/reporter_archive.html
Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001
震災から約2ヶ月がすぎ、私の住んでいる東京など直接の大きな被害を受けていない地域では、徐々に日常を取り戻しつつあると言える。しかし未だ続く余震の不安や原発の問題、節電のため「街が暗い」といった間接的な影響もあり震災は未だ人々の心に暗い影を落としている。
こうした中、企業にとって大きな関心となっているのが消費者の感情変化である。消費者に受け入れられるために、いつまで自粛をすればよいのか?いつから通常の営業活動を行えばよいか?企業は非常に難しい選択を迫られていることだろう。
そこで、個人の情報発信の場であるソーシャルメディア(*a)から、消費者の感情変化が見えないか分析を行った。分析方法としては、能動的な感情である「**したい」という言葉を100ワード程度ピックアップし、大きく以下の5つのカテゴリーに分類し、震災前と震災後の記事数の変化(*b)を見ていくことにする。
(1)「買いたい」「欲しい」など購買意欲を表す言葉
(2)「学びたい」「上達したい」など挑戦意欲を表す言葉
(3)「食べたい」「遊びたい」など外食・レジャーに関連する言葉
(4)「結婚したい」「抱きしめたい」などの愛情に関する言葉
(5)「休みたい」「癒されたい」など休息意欲を表す言葉
*a)twitterおよびブログを分析の対象とした。
*b)時系列の変化をみるために震災前(1/30~3/12, 6週間)の記事数の平均値(週単位)を100として記事数の単位とした。
■震災後、消費者の購買意欲は明らかに減少している。
まず以下のグラフは、「買いたい」「欲しい」など購買を意識した言葉が書かれた記事数の週別変化である。震災時に大きく減少し、その後2週間程度で震災前の90%程度まで回復しているが、4月末に至っても震災前の水準まで回復していないことが見て取れる。
図1_買いたい欲しいhttp://www.netratings.co.jp/hot_off/20110510_01.png
■外食やレジャーにも関係する感情も減少している。
また、「学びたい」「上達したい」といった感情、「食べたい」「遊びたい」に分類した感情も震災時に大きく減少していることが見て取れる。
”少し様子見しよう”,"落ち着くまで待つ"といった書き込みも多く見られ、この2つの感情共に震災前水準の90%程度で推移している。
図2_学びたい食べたいhttp://www.netratings.co.jp/hot_off/20110510_02.png
■逆に記事数が増えた感情もある
そんな中、逆に記事数が増えた感情も見られた。まず「結婚したい」「抱きしめたい」など愛情に関する感情である。震災の翌々週には2月以降で最高の記事数を記録し、徐々に減少傾向にあるものの震災前よりも高い水準を維持している。
図3_結婚したい
http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110510_03.png
そしてもう一つは休息したいという感情である。グラフからは震災後1カ月間は震災前平均よりも少ないが4月中旬から平均値を超え上昇傾向にあることが分かる。計画停電など震災の影響で緊張した気持ちが1カ月後ぐらいから徐々にほぐれ、癒しを求め始めたのではないかと思われる。
図4_休みたい
http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110510_04.png
■これらの分析から
震災後1カ月間で、ある程度日常を取り戻したと言えるが、買い物や外食、レジャーなどに関しての消費者の感情は、未だ90%程度しか回復していないのではないかと予想できる。自粛ムードもあり、消費者も遊びに行って良いのかなど疑問を持ちながら生活していた結果ではないだろうか。
逆に、愛情や休息などは震災直後から上昇傾向がみられる。4月末の時点ではゴールデンウィークの直前ということもあり、震災前よりも10%程度多くみられた。先行き不安のなかで、安心・安定を求める気持ちが増えているのかも知れない。
このように、過去例を見ない震災はソーシャルメディア上の消費者の感情にも大きな変化をもたらした。ゴールデンウィークは例年並みの人出だったとのニュースもある中、今後、消費者の感情がどう変化していくのか注視していきたい。