原さんの「阿部さんは単に企業のためにデザインを提供しているのではない。普通に暮らす人たちが、デザインという概念に触れること、つまり、どういうふうに自分たちの暮らしを昨日よりもよくしたらいいか、それを考え続ける局面で切実に機能している」という言葉に対して、阿部雅世いわく、
そこにしか興味がないですね。もちろん企業からの依頼ならば、その企業の利益になるようには、当然デザインします。でもそれによって最終的に自分たちの生活文化のアップデートにならなければ、本当のデザインにはならないのではないか。だから自分の好きなものをつくるのは趣味として休日に地下室でやれ、と言いたい(笑)。原研哉/阿部雅世『なぜデザインなのか。』
この心意気がいいなーって思います。この姿勢は見習わないと
デザインは、自分たちの生活文化のアップデートのために、です。
企業だって売上をあげるのは目標の1つではあるけど、それ自体が活動の目的のすべてじゃないですしね。社会にどのような価値提供をして貢献していくかを活動の第1の目的に据えている企業だってあると思うし、なかで働く人もそうなんじゃないかな。そう考える企業が阿部さんのような方と仕事をしているのかもしれませんね。
そして、原さんいわく、
デザインの根源的な力は、ものや環境を考える上でのものすごくしなやかでやわらかい合理性を社会全体に浸透させていくエデュケーショナルなものである。原研哉/阿部雅世『なぜデザインなのか。』
と。
「エデュケーショナル」という視点がもてるといいですよね。
この本は読んでて本当に感心することが多いです。
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