普段から効率よく答えを見出せる準備をしておかないと、いざという時に最低限のアウトプットさえ出せません。
では、どうすれば、普段から可能な限り効率よく答えを見つけられるようになるか。
人それぞれ、独自のやり方があると思いますが、僕自身はそのための準備としてこんなことをしています。
1.普段から問題を設定し、構造化しておく
いつどんな答えを求められるかわからない状況に対処できるようにするには、普段、なんでもないときにでも、自分でさまざまな問題設定をしておくことが大事だと思っています。自分と付き合いがある人からどんな問題が出てきてもそれなりには対処できるように、自分が関わることには自分で問題を設定し、かつ、それを構造化しておく。そうすると、相手から不意に問題提起が行われた場合でも、最低限の答えが出せたりします。
たとえ相手が提示してきた問題が、自分があらかじめ設定した問題とは違っても、意外と大丈夫だったりします。
常に相手との関係性を考慮した問題設定さえされていれば、自分が独自に設定していた問題の答えが、相手の質問にぴったりはまる答えではないにせよ、最低限のアウトプットを迅速に出すことができます。すこしでも接点ができれば、そこから相手との共同作業でズレを埋めていく作業もスムーズにできたりします。
もちろん、これには相手とのある程度のコミュニケーションが成り立っていて、相手が何を求めているのかをなんとなく把握しておく必要はあると思います。
その上でようは自分で普段から問題意識をもっておくということです。
2.問題の構造化の方法、例えば、3C分析
自分で設定した問題を構造化しておく方法には既存のフレームワークを使うとよいでしょう。ここではいくつか例をあげておきます。まずは3C分析。
いわゆる市場のミクロ環境を把握するためのフレームワークですね。図にすると、こんな感じ。
ようは顧客を中心に自社、競合他社の関係を現状把握しておくんです。この自社の部分をクライアントに見立ててもかまいません。その場合、クライアントの競合を想定します。
この3者の関係において、自社と他社のサービス基準、顧客の要求、自社と他社のギャップなどを把握するとともに、マクロ環境の変化(法規制や人口、トレンドの変化など)を把握することで問題を構造化しておく。
そうすると、インプットされる情報の捉え方も変わってきて、何気なく耳にしたり目に飛び込んでくる情報から答えを導き出すためのヒントが得られたりします。これは3C分析を用いた構造化だけでなく、ほかのどんな方法を使った問題の構造化の場合でも共通でいえることです。
「わかる」ということは、ある意味でインプットされる情報がぴったりと自分の文脈にはまるということでもあったりするので、あらかじめ構造化されたシナリオがあれば、日々、目の前を流れる情報のなかに「これだ!」と思えるものが見つけやすくなります。
3.問題の構造化の方法、例えば、5W1H
いわゆる5W1Hなども問題を構造化するには役立ちます。これって誰が主要なプレイヤーとして関係するのか?
どんな時に必要とされるのか?
どこで、どんな風に使われるのか?
なぜ、これを購入しようと思うのか?
など、問題をブレイクダウンして考える際に、5W1Hを使うとあいまいな問題がより具体的な形で構造化できたりします。
4.情報に耳をそばだてる
先にも書きましたが、問題を構造化しておくと、同じように耳に入ってくる情報でも、問題意識がなく構造化もされていない場合とはまったく違って聞こえます。逆に言うと、問題意識をもたずにいくら情報摂取をしても、身体の準備ができていないために吸収できないのではないでしょうか。
情報の摂取量と吸収量は必ずしも比例しないのだと思います。
自分の身体のほうで外部に存在する情報を受け入れるための準備が整えられていないと、なかなかそれを有効活用することはできません。そのためにも普段から積極的に複数の問題意識を自分のなかにもっておくことが必要なんだと思います。
自分のなかで問題意識をもつということは、ところどころ穴の開いたストーリーを事前に組み立てておくことに近いのだと思います。穴が開いているのでまだ意味はなさなくても、ふとした偶然で穴にぴったりはまる情報さえ得られれば、探していた答えが得られたりします。
情報を活用するというのは結局そういうことなのかなと思ったりします。
5.焦って答えを探そうとしない
先に穴の開いたストーリーが埋まるのはふとした偶然だと書きましたが、結局、答えというのははりきって見つけようとしてもなかなか見つからないものだと思います。答えが見つかるかどうかはある意味、半分くらいは運です。
だから、焦って答えを求めても仕方がない。
半分くらいというのは、運でないほうの半分にここまで書いてきたような事前の準備として問題意識をもっていく自発的な努力も関わっているからです。
自分が設定しておいた答えは、相手から提示される問題それ自体に含まれるということだってすくなくありません。ただ、事前に準備がなされていなければ、相手からの質問はただの新たな質問になる。そして、答えられないと悩むことになる。
答えられない、わからないと悩むのは、実は答えがわからないのではなくて、たぶん、問題そのものがわからないんだと思います。
相手から提示される問題の答えがわからないなんてことは実は当たり前なのかもしれません。相手の問題を他人である自分が答えようなんてのは鼻から無理なのかもしれません。
結局、人は自分の問題に答えを見つけるのが精一杯なのかもしれない。だからこそ、相手に質問されて答えられないのを回避するには、相手の問題を先回りして、自分の問題を設定しておくことしかないのではと思います。
参考になるかわかりませんが、自分が普段どうやって物事を考えてるのかを整理するためにちょっとまとめてみました。
この記事へのコメント
通りすがり
でも自分の理解力が乏しく、実践の仕方が分かりません。
> 自分と付き合いがある人からどんな問題が出てきてもそれなりには対処できるように、自分が関わることには自分で問題を設定し、かつ、それを構造化しておく。
の具体例を出して頂けるとありがたいのですが。