アラン・クーパーは『About Face 3 インタラクションデザインの極意』のなかで、ノーマンが『エモーショナル・デザイン』のなかで示した、脳機能の3つのレベルとそれに対応した3つのデザインスタイル、
- 本能的デザイン:外観
- 行動的デザイン:使うことの喜びと効用
- 内省的デザイン:自己イメージ、個人的満足感、想い出
にあわせて、ペルソナの定義の一部としてモデル化するユーザーのゴールを、以下の3タイプに分けて考えることを提案しています。
- エクスペリエンスゴール
- 本能的認知プロセスと関わっている。ユーザーがどのような感じを求めているか。
- エンドゴール
- 行動的認知プロセスと関わっている。ユーザーが何を知りたいか。
- ライフゴール
- 内省的認知プロセスと関わっている。ユーザーが誰になりたいか。
これは「なるほど」と思いました。
自分でもいつもペルソナのゴールを定義する際に、どうも設定するゴールのレベルが一定させられないなと感じていたからです。実際にはこの3タイプの区別ができていなかったために、複数のペルソナを作る際にタイプの混在が見られたり、デザインの目的とは不釣合いなゴール設定になってしまうこともありました。
今後はゴール設定の際は、この3タイプを意識しようと思います。
アラン・クーパーは、ゴールに3タイプあることを示したあと、次のように言っています。
ペルソナ、ゴール、シナリオを使えば、本能的、行動的、内省的認知プロセスに訴えかける力を持ち、それらを調和のとれた全体にまとめ上げるデザインを作ることができる。アラン・クーパー『About Face 3 インタラクションデザインの極意』
まさにそのとおりですね。
関連エントリー
- デザイン・シンキング
- ハードウェアとソフトウェアのデザインを統合する
- 『About Face 3 インタラクションデザインの極意』を買いました。
- エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために/ドナルド・A・ノーマン
- デザイン言語2.0 ―インタラクションの思考法/脇田玲、奥出直人編
- デザイニング・インターフェース ―パターンによる実践的インタラクションデザイン/Jenifer Tidwell
- ペルソナを描く目的は人とモノとのインタラクションをデザインすること
- 行動の痕跡を観察しインタラクションをリデザインする
この記事へのコメント