ARB / BOYS & GIRLS
昨日はARBの話を書いたが今日もARBの話を書こうと思う。
昨日も書いたがARBらしい時代は凌、一郎、サンジ、キース時代だと思う。何故なら、この当時に作られた曲をいつの時代も多く演奏されていたし、ファンの聴きたいと求める曲もこの当時に作られた曲が多いからである。石橋凌がいくら田中一郎のことが許せなくても凌本人がいつの時代も歌っていることからもわかると思う。
その中でもアレキサンダーラグタイムバンド(略してA.R.B この名前は当時の事務所がアイドルバンドとして売ろうとしてつけたバンド名でバンドメンバーがつけたバンド名ではない)からARBとし再始動したアルバム(アレキサンダーラグタイムバンド時代から数えるとセカンドアルバム)BAD NEWS とARBのセカンドアルバム(サードアルバム) BOYS & GIRLS はバンドとして一本立ちした重要なアルバムである。まあ、バンドをはじめたばかりの時にもともとがプロでもない石橋凌に作曲、作詞させた曲が多いという(凌以外はプロとして活動した経験があった)珍しいバンドだが、BAD NEWSから本格的に凌、一郎コンビの曲が確立した(一部例外があり、元サンハウスの柴山俊之(菊)さんが作詞している曲がある)。凌の歌詞はいつも世論云々の前に日常で実際に起こっていること、日々の生活のことが多く歌われている。アイドルバンドで売る、ということが無謀な歌詞の内容であった。ファーストアルバム アレキサンダーラグタイムバンド から歌詞の内容がそうなのだからアイドルバンドとして売れるはずがない。
幻の曲 銀行マン は発表前当時、関西で起こった銀行強盗事件でアルバムに収録されることが控えられた(ARBとして1990年代に解散した後に発売されたライヴアルバムの初回プレス限定盤ではじめて収録された。ネット配信で現在は購入できるので今は初回プレス盤を購入しなくても聴くことができる)。歌詞の内容は、昔からの夢は銀行ギャングになることだった。行員(銀行マン)にまじめに働いていないで俺に協力して盗んだ金を山分けしよう、とけしかける歌詞である。この内容は当時起こった事件と少し違うが、ストックホルム症候群になって人質が銀行強盗に協力していた(見張りをしていただけだが)ことは有名である。このバンドにいわくが付いてまわるきっかけはこのことから始まる。後に放送禁止になった曲 マーダーゲーム も発売当初、残酷な歌詞だから、という理由で放送禁止になったのだが、数年後、サカキバラ事件で似たような事が起こった。臭い物に蓋、ではないが、影響があるかもしれないからということで当時放送禁止になったわけではないが、数年後に実際に事件として起こった事を知ると背筋が凍る。放送禁止になった当時はこんな事件は起こるはずがない、と思われていただろうが、現代社会ではもっと残虐な事件が起こっている。アルバム BAD NEWS に収録されている BAD NEWS 曲があるが、この歌詞もいわく付きである。この曲は戦争やクーデターが起こる状況や起こった後の街の風景を歌っている。ある自衛隊の部隊がクーデターを起こそうとしていたことはあまり世間的に知られていない。石橋凌の著書 表現者 でこのことが詳しく書かれている。部隊がクーデターを起こす前に国が事態を察知してクーデターを起こそうとしたことをもみ消したことで世間一般に知られなかった。今からクーデターを起こそうとしていた時に部隊の隊員達はARBの曲 BAD NEWS を聴いていたそうだ。
アルバム BOYS & GIRLS はいつも不完全燃焼な毎日から抜け出そう、飛び出そう、といった歌詞の曲が多い。あとは戦争反対を歌う反戦歌と当時の世情を歌った曲である。
タイトル曲 BOYS & GIRLS は恋愛の歌ではない。少年、少女達よ、そのまま何もせずに大人になってもいいのか、という問いかけの歌である。これは単純に少年、少女、と訳さずに大人の男女の方にも問いかけた歌である。ARBファンのことを ARBキッズ という。本当のキッズ、という意味とファンという意味で使われて言われる。この曲は当時のバンド少年、少女の間では有名な曲だったらしいので、題名を知らなくても曲を聴けば聴いたことがある、という人もいると思う。とても味のある曲である。ぜひ一度聴いてみてほしい。
ダディーズ シューズ は凌が小さいときに亡くした父親に対してささげた歌でもある。凌の好きな歌である。Naked Body、赤いラブレターはアルバム発売当時制作されたショートムービーの中でライヴ演奏されている。このショートムービー内でこの曲が使われている。このショートムービーは今でいうプロモーションビデオとも違い、ショートムービー仕立てで制作されているので日本のバンドでは珍しいものであると思う。舞台は古びた映画であるが、途中ミュージカルのようにダンサーが出てきたりするので石井相互監督が当時制作していたパンクっぽい映画の匂いがする。最後のシーンで凌が映画館から出るとアルバムBAD NEWSに収録されている曲 ナイフ&ミラー がながれてゲートルを巻いた兵隊が行進する映像と行進する足音が鳴り響き軍艦島が映る。確か軍艦島で制作されたはずだ(詳しくは忘れたが)。その足音が戦争やクーデターが近づいている警鐘のように感じてそのシーンを見るといつも不気味に感じる。
発(ハッパ)破 は何かやってやろう、とみんな一発狙っている、という曲である。それは、夢であったり、金だったり、地位や名誉であったりすることを発破という言葉で表している。私はこのアルバムを手に入れて初めて聴いたが、この曲がとても気に入った。若いバンドメンバーの勢いと凌の歌に絡みつくように一郎のコーラスとカッティングギター、サンジのベースがとても良い。
Believe in R&R はどうせ生きるなら毎日つまらなく生きるのはごめんだね、という曲である。この曲は田中一郎のソロアルバムで聴いた事があったがアレンジが違ったので始めて聴くに等しかった。
Naked Body は無機質な人間が増えていることへの警鐘にも感じる。この曲を聴くと曲が作られた当時がそうなのであれば今の社会は異常ではないか、と思う。いつも生身のお前がいい、という歌詞があるが、単純にMaking Loveのことを歌っているわけではないと思う。この曲で一郎はレゲエ調に裏でカッティングしているがそのギターサウンドが良い。サンジはモコモコとした独特のベースサウンドを出している。
赤いラブレター は赤紙のことを歌っている反戦歌である。赤いラブレターをマダムが次々と若い男達に送って、お前達は男らしく勇敢である、といって誘惑して(だまして)ピストルを手渡す、という歌詞である。火遊びのように戦争を始めて、いつも死ぬのは戦争とは無関係の弱い人間ばかりだ、と歌っている。先に書いたショートムービーの中で、パトロン達、という歌詞を、アメリカが、と変えて歌っている。これもその時代、時代によって凌は歌詞を変えて歌っている。いかにも反戦歌、というものより、さらりと歌われるこの曲の歌詞はとてもインパクトがあり、戦争の始まりはいつもこのように一部の人間の思わくで起こる場合もある、ということを考えさせられる曲である。ライヴでこの曲を演奏する前に凌が、戦争反対、徴兵反対、とそのとき、そのときによって叫んで始める。ファンの間でも好きな曲に上げる方が多い曲である。ここでもサンジのベースが光っている。
エデンで1・2 は毎日夜の8時半になればどこからか人が集まり馬鹿騒ぎが始まるという歌である。赤いラブレターが終わって間髪を入れずに曲が始まるので歌詞の内容の違いと世界観の違いに拍子抜けするがそこがまた面白い。
Mr.ダイナマイト も一発狙ってやろうぜ、という曲である。世間から今は鼻ツマミもの扱いされているかもしれないが、そうではなくて俺達が時代を作って今までの常識を吹き飛ばしてやろうぜ、と歌っている。自分の座る席がないのなら上に座っているやつを蹴飛ばして席を奪い取ってやればいい、と歌っている。
ウイスキー・マン は凌の好きな歌手 トム ウェイツ について歌われているそうだ。そうだ、というのは、私のマイミクシィもペテルソンさん、hahahaさんが教えてくれた。今度、機会(チャンス)があった時にはあんたを真似て歌ってみせる”どうにかなれ!!”とガラガラ声で という歌詞はトム ウェイツのことだそうだ。
悲しき3号線 は敷かれたレールを走るのではなく、死ぬまでシャウトして自分の道を突き進め、と歌っている。この曲もこのアルバムを手に入れてから聴いた曲である。この街には悲しみ以外何もない、と歌っているのだが、都会に出て行った友人達のことを思っていつも聴いている。速いテンポと違い歌詞の内容は深い。
Just a 16 は16歳でバイク事故で亡くなった、アキコ、という名の少女の歌である。この当時、暴走族が世間で問題視されていた。アキコという少女の心の闇を誰も知らないし、知ろうとしなかったのではないか、と歌われている。それは、当時、闇雲に公道をただ走る、少年、少女のことを歌っているのだと思った。アキコの笑顔がテレビで流れた 名前しか分からないと男が言っていた、という歌詞があるがこの歌詞は今でもあてはまると思う。また、結局だれもアキコのことを知らないし、俺も知らない、というような歌詞が何度も出てくるが、彼女の気持ちを誰も知らなかったし、知ろうとしなかった、ということがここでもわかる。
私はかつてJFN系列のFMラジオの深夜放送で放送されていた番組のパーソナリティーNORIKO(浅野典子)さんのことをこの歌を聴くと思い出す。彼女は関東で有名な暴走族キラー連合の総長だった。そのことはシャコタン・ブギに書かれている。ここでいうシャコタン・ブギは後年発表された同名漫画ではなく、写真家、冒険家、エッセイスト、小説家の戸井十月さんが実話をドキュメント小説として書いたシャコタン・ブギの話である。小説の主人公はNORIKOさんの当時の彼女の生き方、雰囲気を書いている。彼女は道路交通法で見せしめのため少年刑務所に入ることになる。当時、集団暴走行為を取り締まる法律がなかったので、日本で一番大きい暴走族のリーダーを捕まえて集団暴走行為をやめさせるように警告するために法律ができた。
彼女のラジオを聴いていてわかったことは、当時の彼女は父親に自分の友人を自宅に招くたびに、友人が悪い、と友人を悪く言われることに腹が立った、ということだった。自分(NORIKOさん)のことを責めずに付き合う友人がお前を不良の道に引き入れた、と言われた時が一番腹が立ったそうだ。自分に直接気持ちをぶつけてきて欲しかったそうだ。
Just a 16の歌詞とリンクするが、結局のところ何故そうなったのか誰かが知ろうとしていたら状況も変わっていたのかもしれない、という話である。NORIKOさんは浅野典子という本名で女優をしていた時期があるので見たことがある人もいるかもしれない(私は当時小さかったので彼女が出ていたドラマを見たことがないので知らないが)。現在はアフリカの子供達を支援する活動を行っている。ちなみに彼女は当時の新宿ロフトに出演していた多くのバンドと面識があり、凌(と奥さんの原田美枝子さん)とももちろん友人である。また、映画監督として売れる前のBOOWYの氷室京介さんを起用してショートムービーを制作していることはあまり知られていない。
ARBやTHE ROOSTERSの話をしたら話が尽きないが、今日はこの辺にしておこうと思う。彼らの全盛期のライヴを観てみたかったということをいつも思うのである。
ARB/BOYS & GIRLS(CD)
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昨日も書いたがARBらしい時代は凌、一郎、サンジ、キース時代だと思う。何故なら、この当時に作られた曲をいつの時代も多く演奏されていたし、ファンの聴きたいと求める曲もこの当時に作られた曲が多いからである。石橋凌がいくら田中一郎のことが許せなくても凌本人がいつの時代も歌っていることからもわかると思う。
その中でもアレキサンダーラグタイムバンド(略してA.R.B この名前は当時の事務所がアイドルバンドとして売ろうとしてつけたバンド名でバンドメンバーがつけたバンド名ではない)からARBとし再始動したアルバム(アレキサンダーラグタイムバンド時代から数えるとセカンドアルバム)BAD NEWS とARBのセカンドアルバム(サードアルバム) BOYS & GIRLS はバンドとして一本立ちした重要なアルバムである。まあ、バンドをはじめたばかりの時にもともとがプロでもない石橋凌に作曲、作詞させた曲が多いという(凌以外はプロとして活動した経験があった)珍しいバンドだが、BAD NEWSから本格的に凌、一郎コンビの曲が確立した(一部例外があり、元サンハウスの柴山俊之(菊)さんが作詞している曲がある)。凌の歌詞はいつも世論云々の前に日常で実際に起こっていること、日々の生活のことが多く歌われている。アイドルバンドで売る、ということが無謀な歌詞の内容であった。ファーストアルバム アレキサンダーラグタイムバンド から歌詞の内容がそうなのだからアイドルバンドとして売れるはずがない。
幻の曲 銀行マン は発表前当時、関西で起こった銀行強盗事件でアルバムに収録されることが控えられた(ARBとして1990年代に解散した後に発売されたライヴアルバムの初回プレス限定盤ではじめて収録された。ネット配信で現在は購入できるので今は初回プレス盤を購入しなくても聴くことができる)。歌詞の内容は、昔からの夢は銀行ギャングになることだった。行員(銀行マン)にまじめに働いていないで俺に協力して盗んだ金を山分けしよう、とけしかける歌詞である。この内容は当時起こった事件と少し違うが、ストックホルム症候群になって人質が銀行強盗に協力していた(見張りをしていただけだが)ことは有名である。このバンドにいわくが付いてまわるきっかけはこのことから始まる。後に放送禁止になった曲 マーダーゲーム も発売当初、残酷な歌詞だから、という理由で放送禁止になったのだが、数年後、サカキバラ事件で似たような事が起こった。臭い物に蓋、ではないが、影響があるかもしれないからということで当時放送禁止になったわけではないが、数年後に実際に事件として起こった事を知ると背筋が凍る。放送禁止になった当時はこんな事件は起こるはずがない、と思われていただろうが、現代社会ではもっと残虐な事件が起こっている。アルバム BAD NEWS に収録されている BAD NEWS 曲があるが、この歌詞もいわく付きである。この曲は戦争やクーデターが起こる状況や起こった後の街の風景を歌っている。ある自衛隊の部隊がクーデターを起こそうとしていたことはあまり世間的に知られていない。石橋凌の著書 表現者 でこのことが詳しく書かれている。部隊がクーデターを起こす前に国が事態を察知してクーデターを起こそうとしたことをもみ消したことで世間一般に知られなかった。今からクーデターを起こそうとしていた時に部隊の隊員達はARBの曲 BAD NEWS を聴いていたそうだ。
アルバム BOYS & GIRLS はいつも不完全燃焼な毎日から抜け出そう、飛び出そう、といった歌詞の曲が多い。あとは戦争反対を歌う反戦歌と当時の世情を歌った曲である。
タイトル曲 BOYS & GIRLS は恋愛の歌ではない。少年、少女達よ、そのまま何もせずに大人になってもいいのか、という問いかけの歌である。これは単純に少年、少女、と訳さずに大人の男女の方にも問いかけた歌である。ARBファンのことを ARBキッズ という。本当のキッズ、という意味とファンという意味で使われて言われる。この曲は当時のバンド少年、少女の間では有名な曲だったらしいので、題名を知らなくても曲を聴けば聴いたことがある、という人もいると思う。とても味のある曲である。ぜひ一度聴いてみてほしい。
ダディーズ シューズ は凌が小さいときに亡くした父親に対してささげた歌でもある。凌の好きな歌である。Naked Body、赤いラブレターはアルバム発売当時制作されたショートムービーの中でライヴ演奏されている。このショートムービー内でこの曲が使われている。このショートムービーは今でいうプロモーションビデオとも違い、ショートムービー仕立てで制作されているので日本のバンドでは珍しいものであると思う。舞台は古びた映画であるが、途中ミュージカルのようにダンサーが出てきたりするので石井相互監督が当時制作していたパンクっぽい映画の匂いがする。最後のシーンで凌が映画館から出るとアルバムBAD NEWSに収録されている曲 ナイフ&ミラー がながれてゲートルを巻いた兵隊が行進する映像と行進する足音が鳴り響き軍艦島が映る。確か軍艦島で制作されたはずだ(詳しくは忘れたが)。その足音が戦争やクーデターが近づいている警鐘のように感じてそのシーンを見るといつも不気味に感じる。
発(ハッパ)破 は何かやってやろう、とみんな一発狙っている、という曲である。それは、夢であったり、金だったり、地位や名誉であったりすることを発破という言葉で表している。私はこのアルバムを手に入れて初めて聴いたが、この曲がとても気に入った。若いバンドメンバーの勢いと凌の歌に絡みつくように一郎のコーラスとカッティングギター、サンジのベースがとても良い。
Believe in R&R はどうせ生きるなら毎日つまらなく生きるのはごめんだね、という曲である。この曲は田中一郎のソロアルバムで聴いた事があったがアレンジが違ったので始めて聴くに等しかった。
Naked Body は無機質な人間が増えていることへの警鐘にも感じる。この曲を聴くと曲が作られた当時がそうなのであれば今の社会は異常ではないか、と思う。いつも生身のお前がいい、という歌詞があるが、単純にMaking Loveのことを歌っているわけではないと思う。この曲で一郎はレゲエ調に裏でカッティングしているがそのギターサウンドが良い。サンジはモコモコとした独特のベースサウンドを出している。
赤いラブレター は赤紙のことを歌っている反戦歌である。赤いラブレターをマダムが次々と若い男達に送って、お前達は男らしく勇敢である、といって誘惑して(だまして)ピストルを手渡す、という歌詞である。火遊びのように戦争を始めて、いつも死ぬのは戦争とは無関係の弱い人間ばかりだ、と歌っている。先に書いたショートムービーの中で、パトロン達、という歌詞を、アメリカが、と変えて歌っている。これもその時代、時代によって凌は歌詞を変えて歌っている。いかにも反戦歌、というものより、さらりと歌われるこの曲の歌詞はとてもインパクトがあり、戦争の始まりはいつもこのように一部の人間の思わくで起こる場合もある、ということを考えさせられる曲である。ライヴでこの曲を演奏する前に凌が、戦争反対、徴兵反対、とそのとき、そのときによって叫んで始める。ファンの間でも好きな曲に上げる方が多い曲である。ここでもサンジのベースが光っている。
エデンで1・2 は毎日夜の8時半になればどこからか人が集まり馬鹿騒ぎが始まるという歌である。赤いラブレターが終わって間髪を入れずに曲が始まるので歌詞の内容の違いと世界観の違いに拍子抜けするがそこがまた面白い。
Mr.ダイナマイト も一発狙ってやろうぜ、という曲である。世間から今は鼻ツマミもの扱いされているかもしれないが、そうではなくて俺達が時代を作って今までの常識を吹き飛ばしてやろうぜ、と歌っている。自分の座る席がないのなら上に座っているやつを蹴飛ばして席を奪い取ってやればいい、と歌っている。
ウイスキー・マン は凌の好きな歌手 トム ウェイツ について歌われているそうだ。そうだ、というのは、私のマイミクシィもペテルソンさん、hahahaさんが教えてくれた。今度、機会(チャンス)があった時にはあんたを真似て歌ってみせる”どうにかなれ!!”とガラガラ声で という歌詞はトム ウェイツのことだそうだ。
悲しき3号線 は敷かれたレールを走るのではなく、死ぬまでシャウトして自分の道を突き進め、と歌っている。この曲もこのアルバムを手に入れてから聴いた曲である。この街には悲しみ以外何もない、と歌っているのだが、都会に出て行った友人達のことを思っていつも聴いている。速いテンポと違い歌詞の内容は深い。
Just a 16 は16歳でバイク事故で亡くなった、アキコ、という名の少女の歌である。この当時、暴走族が世間で問題視されていた。アキコという少女の心の闇を誰も知らないし、知ろうとしなかったのではないか、と歌われている。それは、当時、闇雲に公道をただ走る、少年、少女のことを歌っているのだと思った。アキコの笑顔がテレビで流れた 名前しか分からないと男が言っていた、という歌詞があるがこの歌詞は今でもあてはまると思う。また、結局だれもアキコのことを知らないし、俺も知らない、というような歌詞が何度も出てくるが、彼女の気持ちを誰も知らなかったし、知ろうとしなかった、ということがここでもわかる。
私はかつてJFN系列のFMラジオの深夜放送で放送されていた番組のパーソナリティーNORIKO(浅野典子)さんのことをこの歌を聴くと思い出す。彼女は関東で有名な暴走族キラー連合の総長だった。そのことはシャコタン・ブギに書かれている。ここでいうシャコタン・ブギは後年発表された同名漫画ではなく、写真家、冒険家、エッセイスト、小説家の戸井十月さんが実話をドキュメント小説として書いたシャコタン・ブギの話である。小説の主人公はNORIKOさんの当時の彼女の生き方、雰囲気を書いている。彼女は道路交通法で見せしめのため少年刑務所に入ることになる。当時、集団暴走行為を取り締まる法律がなかったので、日本で一番大きい暴走族のリーダーを捕まえて集団暴走行為をやめさせるように警告するために法律ができた。
彼女のラジオを聴いていてわかったことは、当時の彼女は父親に自分の友人を自宅に招くたびに、友人が悪い、と友人を悪く言われることに腹が立った、ということだった。自分(NORIKOさん)のことを責めずに付き合う友人がお前を不良の道に引き入れた、と言われた時が一番腹が立ったそうだ。自分に直接気持ちをぶつけてきて欲しかったそうだ。
Just a 16の歌詞とリンクするが、結局のところ何故そうなったのか誰かが知ろうとしていたら状況も変わっていたのかもしれない、という話である。NORIKOさんは浅野典子という本名で女優をしていた時期があるので見たことがある人もいるかもしれない(私は当時小さかったので彼女が出ていたドラマを見たことがないので知らないが)。現在はアフリカの子供達を支援する活動を行っている。ちなみに彼女は当時の新宿ロフトに出演していた多くのバンドと面識があり、凌(と奥さんの原田美枝子さん)とももちろん友人である。また、映画監督として売れる前のBOOWYの氷室京介さんを起用してショートムービーを制作していることはあまり知られていない。
ARBやTHE ROOSTERSの話をしたら話が尽きないが、今日はこの辺にしておこうと思う。彼らの全盛期のライヴを観てみたかったということをいつも思うのである。
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