ソース：http://www.lexpress.fr/actualite/monde/proche-moyen-orient/les-juifs-de-france-affluent-en-israel_1312553.html
＜L'Express誌＞

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2014年1月10日

フランス出身のユダヤ人、イスラエルに溢れる

　昨年一年間で、3,000人以上のフランス人が移住を目的としてイスラエルに入国した。イスラエル政府はこの移民の波をさらに奨励すべく、国策を練っている。


【写真キャプション】

　テルアビブ：3,120人のフランス出身のユダヤ人たちが2013年、イスラエルへ移住した。前年と比較すると63％も高い伸び率だ。Reuters/Nir Elias


【本文】

　Emmanuel Schwab（訳注：以下エマニュエル）は幸せなイスラエル人だ。彼はもともとストラスブルグ出身のイスラエル人だ。フランスを去り、イスラエルで暮らし、イスラエルの市民権を得る決断した彼には、未練も後悔もまったく見受けられない。それはちょうど今から1年前のことだ。「まさに今、元気いっぱいの国を見つけたんです。イスラエルの経済は活気があるし、人々もチャレンジングですから」と、テル・アビブに住んでいるエマニュエルは語る。


　彼はフランスのENS（訳注：高等師範学校、エリート校）で経済学と経営学を学んだ。最近、Dieudonné（ディウドネ）が起こした『quenelle騒動』で悩まされた26歳の彼は、「ここでは精神的に自由です。つまり、フランスのようにユダヤ人とイスラエルに対する敵対的な雰囲気にさらされることがないのです」と語る。

（訳注：Dieudonné（ディウドネ）はフランスのコメディアン。舞台プロデューサー、俳優業などにも携わる。反ユダヤ主義者として知られ、『quenelle（クネル）』と名付けた自分のひとり舞台で、反ユダヤ的パフォーマンスをやったことが社会的・政治的問題にまで発展している。ちなみに『quenelle』とはフランス料理で丸い棒状にした形の魚介類や肉類のすり身のこと）


　2013年に比べて63％上昇

　イスラエルへのこの新しい移住者エマニュエルは、2013年中にフランスを去った3,120人のユダヤ人のひとりだ。『alya』をするためにイスラエルに行くという表現があるが、これはイスラエルに移住するという意味だ。この alya が前年に比べ、63％も高い数字となっている！

　
　2005年以来、フランスからのイスラエルへの移住がこれぼどまでに盛んに行われたことはなかった。そしてここにきて初めて、フランス出身のユダヤ人の割合はアメリカ出身のユダヤ人を上回ったのだ。（アメリカ出身のユダヤ人の移住者は2,680人で、13％減）


　なぜこれだけ移住者が押し寄せてきたかということに関して、専門家たちの意見は一致している。フランス国内で2012年3月、トゥールーズで起きた殺人事件が尾を引き、一連のユダヤ人排斥運動が強まる不穏な空気が広がりつつあることがひとつ。そしてもうひとつは、フランスの失業率が最高値に達し、景気が低迷していることが挙げられる。それに対しイスラエルは『スタートアップ大国』の名を掲げて絶好調の勢いを見せている。若々しく、革新的な国としてイメージアップ作戦に力を入れている。


　このような現象をイスラエル・ネタニエフ政権も指をくわえて見てはいない。移民の受け入れを潤滑に進め、さらに奨励するような政策が準備されている。現在では医療関係・医療補助関係（めがね屋、光学器具関連の職業、自然治療専門医など）で認められていない分野の修了証書が、イスラエルでは認められることになるようだ。また税理士等の職種でも同じような待遇が適用されるようになる。さらに移住してきた人たちは住宅探しや求職のための補助金、家族手当なども受けることが可能になる。

　
　なぜここまで金を投入するのか？ 「これらのOlim （ヘブライ語で移民という意味）たちは、イスラエルにとってまさに潜在的な力になる人たちだからだ」と説明するのは、新しく移住してくる移民たちの雇用斡旋団体 Gvahim の会長Mickael Bensadoun氏だ。「彼らはたいてい、非常に学歴も高く、社会にも速やかに適応できる。移住は彼ら自身の選択でなされるわけだし、絶望的な状況から逃げるためにやってくるのとは違う。彼らの受けてきた教育の質やノウハウは非常に高く評価できるものだ」とも述べている。


　しかも、フランスのユダヤ人コミュニティー構成員数は50万人とヨーロッパでもっとも大きな割合を占めている。このユダヤ人の数は、アメリカでは500万人から600万人ほどだ。イスラエルとしては、今後2017年までの間に4万人ほどのユダヤ人を欧米から受け入れることを見込んでいる。旧ソビエトから大量にユダヤ人移民が入ってきた時代はもはや終わり、今や、対移民出資政策は歓迎される時代となったのだ。


　また、今回の移住ブームで新たな事実も浮かび上がった。宗教的・国民的な理由だけでなく、経済的な理由でイスラエルを移住先に選ぶという考え方が定着してきつつあるのだ。こうした考え方でイスラエルに移住するのはユダヤ人だけでない。ここ数年はアフリカ系の移住者たちにも見られる。しかし、アフリカ系移住者の多くは彼らの居場所を見つけることには苦労を強いられている。ここ数日間、何千人ものアフリカ系の移住者たちが、イスラエルの移民受け入れ政策に反対するデモをテル・アビブの街中で行っている。


　警告（訳注：この警告はL'Express紙のものです）：言うまでもなく、当頁の管理者憲章に対するいかなる違反行為も認めません。これらの行為には、差別的発言、外人に対する嫌悪の発言、もしくはある特定の人種に対する憎しみを促すような発言も含まれます。コメントをする場合は、冷静かつ節度を保った書き込みをするようお願いします。この警告に沿わないコメントは掲載枠から削除させていただきます。


zizolobel
フランスで何が起こっているのかがわかるね……。


Tzivah
イスラエルに来た人たちみんな、Mazal Tov（訳注：ヘブライ語で“おめでとう！”）！ そしてまた、新たに入ってくるんだな……


Pasto83
反ユダヤ主義が広まってきているからイスラエルにフランス系移民が増えているっていうのはまったく信じられないな。イスラエルに移住する最大の理由は、イスラエルにはある一定の人たちに有利なものがちゃんと用意されているからだよ。矛盾や先入観やタブーが蔓延しているフランスにはないような経済の活気と若々しさがあるからさ。

しかし当然ながら今回の移住ブームは、イスラエルの人々……中でも社会的に成功しているような人たちの間では不安を呼び起こす可能性もある。問題は、反ユダヤ主義ではなく、フランスが旧東ドイツ並に拒否反応を示しはじめたっていうことじゃないかな。


REBOUSSIE
> Pasto83
うん、いい分析だと思うわ。フランス人の民族大移動が他の国々にまで広がっていることを考慮すると、僕も君の意見に同感だな。そのうち、フランスの国民はいなくなっちゃうんじゃないか？


c2moiquile10
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No gobbledygook
> c2moiquile10 :
おいおい、反ユダヤ主義（antisémitisme)という言葉は、現代ではユダヤ人に対する差別と敵意を表現するために使われている言葉だぜ。まさに人種差別のひとつの表れだよ。反ユダヤ主義と反ユダヤ教主義を一緒にしちゃダメだろ。今は、誰でも無料で学べちゃうんだから、しっかり勉強しな。

↓

http://fr.wikipedia.org/wiki/Antis%C3%A9mitisme

（訳注：こちらが日本語版Wikipedia：http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%B8%BB%E7%BE%A9）


neshama
マジでテル・アビブって活力に満ちたすごい街だよ。人々はとても勤勉だし、自分の職業のことを熱心に語る。だから、若い新卒者たちがこの新しい国に心酔するのもわかるよ。なんたってチャンスを与えてくれるんだからね。

ただ残念なのは、こういった若者たちが経済的・宗教的理由で移住するっていうことかな。このままいくと、フランスにはいったい何が残るんだ？


Jacou974
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neshama
> Jacou974
こうした移住者たちがユダヤ教に絡んだ人たちだって誰が言った？ イスラエル国家設立以前に何があったか、忘れちゃだめだろ。あと、どっちの方が宗教的不寛容だったかも、その頭で思い出すことだね。


SilvioB
フランス人は、不動産関係でイスラエル人オーナーたちの懐を肥やすことに貢献してんのさ。少し前には、家賃の高さに対するデモが、この地中海の平和な国に動揺を巻き起こしただろ。そのうちテル・アビブはパリと同じぐらいに物価が高騰するだろうな。このこと自体は最も学歴の高い新卒さんたちにとっては怖いことでもなんでもないんだろうけどさ。


luxemburgburg
フランス人がイスラエルに移住するからって彼らを責めるのはやめようよ。世界は広いし、自分が生まれた国を出て暮らしてみたいって思うのは当たり前じゃないか。


No gobbledygook
L'express誌へ意見：
タイトルの『フランス出身のユダヤ人、イスラエルに溢れる』のことですが、小文字でユダヤ人のことを『juifs』と書いていますが、これは大文字で『Juifs』と書かなければいけないんじゃないのでしょうか？

L'express誌の解釈としては、3000人の人たちが、＜全員、100％、ユダヤ教の信者＞だということを表すために小文字で書いたのですか？ それとも私が勝手にそういう区別をしているのでしょうか？


LEXPRESS.fr
LEXPRESS.frからの回答：
親愛なるNo gobbledygook さん
はい、確かにフランス語において小文字で書く『juifs （ユダヤ人）』のことです。当誌の解釈は、小文字で書く宗教の『judaïsme（ユダヤ教）』にちなんで、juif（ユダヤ人）, chretien（クリスチャン）, musulman（イスラム教徒）と同様、あえて大文字にする必要はないと判断したまでです。


No gobbledygook
> LEXPRESS.fr
う〜ん……説明は理解したし、お互いに同じことを言っていたのだとは思うけど……。じゃぁ、なんで大文字で書く『Juif（ユダヤ人）』,『 Arabe（アラブ人）』があるんだ？


24 Novembre
> no-gobbledygook :
こんばんは！ 君はフランス語の勉強はやり直せばいいさ。なんていうか先生レベルの質問だったね！ あるいは極左翼的な指摘ともいえるけどw　でもまぁ、ものすごく分析しているね！

それはそうと、フランス領ポリネシアからフランスは早々に撤退すべきだったんだよ。1950年代と現代とでは、戦略的な場所違うからね。そちらではもうそろそろ雪が降る頃かぃ？ こっちも、そのうちそっちからくる雪が降るらしいけどな、俺は全然嬉しくないけど！


cabanetas
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No gobbledygook
> cabanetas
これは歴史でもなければ、ユダヤ人大量虐殺否定論でもない。Uchronieだ。

（訳注：Uchronieは、フランスの歴史改変のこと）


ところどころコメントが削除されていますが、ポイントは、フランス国内で広がる反ユダヤ主義台頭でユダヤ人が流出しているのか、あるいはイスラエルが現代版アメリカンドリームの国だから腐ったフランスから脱出が加速しているのかというところかと思います。


本日もよろしくお願いたします^^

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