今週のPick-up! 9/23
秋の大型連休も終わり、やっと涼しさが安定してきましたね。
やっぱり、真夏のあつーい季節に凍りつく寒さの映画館で見るよりも、中も外も適度に涼しい今くらいの季節がベストですね。
映画館に行く道中も楽しめたり。
今週は、24本の公開作品があり、しかも、かなりレベルの高い予告編が多かったです。
邦画では、『謝罪の王様』と『そして父になる』の秋の目玉両作品の予告は、どちらもテイストは違えど引き込まれました。
『地獄でなぜ悪い』のノリもよかった。
また、先週も多かったように、ドキュメンタリが多いのも秋の特徴。
『ビートルズと私』の愛情たっぷりの予告は、思わずニヤリとしてしまいました。
海外の映画では、スペインのパニック大作『ラスト・デイズ』は、ハリウッドリメイクがあるのではないか、というほどのスケール感を感じましたし、
『タンゴ・リブレ 君を想う』のアルゼンチンタンゴとヨーロッパ映画の濃密なドラマ感は、秋の長夜の気持ちを引き込みました。
そんな中、特に印象的だった3つの予告を紹介します。
1 『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』
先程紹介した作品たちの上質な雰囲気に対して、この映画は・・・
ひどすぎて、なんと言ったらいいのか・・・
とりあえず、見て欲しい。
これは、製作者はブラックユーモアのつもりなのか、サイコ映画のつもりなのか、まったく分からない。
何一つ感情移入ができない予告。
何一つ、そういったものを期待していない予告。
それでも、一体なにがどうなっているのか、この映画は、果たして何が本質なのか、そういったものを見て見たい、とは思う。
劇場へはいかないけど。
予告も、チグハグ。
ただ、そのチグハグさが妙にマッチしていて、単にチグハグなのか、それとも、予告に現れていない意図があるのか、気になってしまう。
新しい予告のスタイルだといえる。
これは、すごい。
いい悪いではなく、すごい。
2 『椿姫ができるまで』
これは見たい!とオペラが好きでもない俺が感じてしまった。
どこか『This Is It』に通じるものがある。
愛情と才能、アイディアが詰まった制作過程が垣間見れるドキュメンタリー。
本編の素晴しさは、当然として、それ以上に、全体の雰囲気がすごくいい。
その雰囲気を伝え、この舞台にほれ込んでいる人が作っているのも伝わってくる。
とっても魅力的な予告。
魅力的、という言葉がぴったり。
きっと、この舞台本編を見るよりも、俺にとっては魅力的なのだろうとも感じた。
この映画を見た後には、この舞台がみたくなるのかもしれないけれど。
3 『クロニクル』
この予告は、とにかくすごい。
今までの予告たちでダントツに飛びぬけている。
圧倒的。
これだけで、短編です、と出してもいいくらい。
ブレアウィッチのカメラワーク手法を使いながらも、超能力を安っぽくなく描いたCG技術、小さすぎず、でも、違和感のないスケール感。
何よりも、予告だけでストーリーを語ってしまい、さらに逆戻しを予告で行ってしまう、そんなすごい発想が今まであっただろうか。
このアイディアは、本国の予告自体がそのようで、アメリカ人からも絶賛が巻き起こっているようだ。
言葉がでない。
すばらしいの一言。
唯一の不安要素は、これだけ素晴しい予告の映画が、日本では、首都圏2週間限定公開であること。
どうゆうことだろう?
予告ができすぎているパターンがあるのだが、それの究極形・・・ではないことを祈るばかり。
<今週の大作>
『謝罪の王様』
『そして父になる』