Tahiti 80 プロモーション来日決定!
"23日に発売になったコンピレーション・アルバム、ジーンズ共に絶好調のTahiti 80の今年3度目(来日公演を入れると4度目)のプロモーション来日が正式に決定しました。今回はグザヴィエとペドロが来日します。大阪、東京でのリーバイス(R)ストアでのイベントに加えて、京都にて“Fantastic Plastic Machine”とのクラブ・イベントも行います。"http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information/A014663.html「tahiti80」と「FPM」が共演するというのが個人的に気になったので、その辺りの事をなんとなく書いてみようと思います。
一般にはあまり知られていませんが、ディスコブーム以降から「daft punk」が登場する以前のフランスには、独自の音楽シーンというものはほとんど存在していないと言っていいような状態だったそうです。
実際フランスの若者たちはイギリスやアメリカで人気のバンドやポップスターに夢中で、同郷であるにもかかわらずフランス人ミュージシャンになんて見向きもしなかったようです。
もちろんヨーロッパの音楽の中心ロンドンでもそんな彼らが相手にもされなかったのは言うまでもありません。
しかし「daft punk」がそのファーストアルバムで高い評価を受けるようになると状況は一変し、海外も第二の「daft punk」を探してフランスのアーティストたちに眼を向けるようになります。
そうして翌年、翌々年と出てきた大ヒットを飛ばしたのが「
air」、「
cassius」と言った面々です。
さすがは芸術の国、蓋を開けてみれば素晴らしい才能がたくさんいたというのが事実のようです。
もちろん「tahiti80」もそんな国、フランスのバンドの一つです。
そしてデビュー盤が海外に紹介されるや否や、日本やアメリカでかなりの人気を博しています。
特に日本での彼らの人気は海外のローカルなバンドでしかなかった事実からすれば異常とも言えるものです。
(カラオケに彼らの曲がいくつか入っていたのを見たときはさすがに驚きました。)
僭越ながらその人気の理由を分析してみれば、彼らの音楽は他の洋楽に比べてメロディが良く動くので、一般に洋楽と比較してメロディの派手な曲の多い傾向のある邦楽を聴いている日本人の感性に合うのかもしれません。
またそのセンチメンタルなコード感も日本人好みと言えると思います。
そしてそういった派手なメロディやセンチなコードを使うとどうしても野暮ったくなってしまいがちなところですが、やはりそこはフランス出身、上手く小洒落た感じに昇華しています。
その絶妙なバランスこそが、彼らが日本でここまで受け入れられている要因だと勝手に思っています。
そして彼らと「FPM」との接点ですが、ライブのために来日した際に「tahiti80」の面々がたまたま耳にした「FPM」の「why not?」をいたく気に入り、ホテルではそればかりリピートでかけてはしゃいでいたそうです。
おそらくその事が「FPM」の耳に入った事から話は進み、「tahiti80」はバンドにもかかわらずこの「why not?」のremixを行うに至ったようです。
これ以外に彼らが他のアーティストのremixを担当していることはないと思われるので、「tahiti80」がremixの仕事をするのはもしかしたらこれが最初で最後かもしれません。
(ちなみにそのトラックはFPMのアルバム「
zoo」に収録されています。)
ただ余談ですがこうして海外では認められるようになったその一方、いまだ母国フランスでは「franz ferdinand」や「eminem」のポスターはいたるところで見ても、彼らのCDは販促用のポスターどころか売り場の端の方で扱われているような状況らしいです。
- 2005/11/28(月) 18:22:40|
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いまやヨーロッパのクラブシーンの中心にいるといっても過言ではないのがこの「
mylo」。
デビュー盤がリリースされて1年もたたないうちにフジロックに招かれていたことからも、彼の勢いがどれほどのものかをうかがい知ることができるかと思います。
ただ自分が彼の存在を意識したのはちょうどそのフジロックの少し前、本国で大ブレイクしてから遅れること半年以上という体たらくでした。
それというのも自分は「
daftcrew」と呼ばれる「
daft punk」を中心としたコネクションに属するアーティストたちの音楽が非常に好きだったのですが、2年位前から彼らのリリースする作品になんだかパワーダウンを感じたことから「このムーブメントももう終わりかな」なんて思いクラブミュージックから遠ざかってしまっていたためです。
(もちろんそのとどめとしてdaft自身のあの3rdアルバムがあるわけですが・・・)
そして「
mylo」、彼のアルバムを聴いてみてまず感じたことは、彼の音が意外にも先に触れたようなフランスのハウスシーンの音を継承しているように聴こえたことでした。(「
mylo」はスコットランド出身。)
強いて言えば「in my arms」に見られるようなサンプリング素材をフィルター処理した質感は「
daftcrew」に属する「
demon」、そのセンチメンタルなコード感やボコーダー、シンセ使いは「
ernest saint laurent」に近い感じを受けます。
またクリックハウス的なトラック等もフレンチシーンの昨今の流行でもあります。
(このアルバムに多く収録されているダンスミュージック以外のトラックについては、多くの人が示唆しているとおりもう一人今のクラブシーンを語る上で無視できない存在「
royksopp」の影響であると本人も認めています。
彼もまた「
daftcrew」の重鎮「
alan braxe」と親交があること等興味深い事実が多々あるのですが、詳しくはまた別の機会に触れてみたいと思います。)
そしてそれを裏付けるため「
mylo」と「
daftcrew」との接点を探ってみると、まだ「
mylo」の出世作「destory rock & roll」が話題になる前の2003年頃、「
daftcrew」の末っ子「
aloud」のヒット曲「rockyⅩⅢ」のremixを担当していたことがわかりました。
(実はこの12インチを購入していたのですが、当時「
mylo」の事はまったく意識していませんでした。)
また先日彼がリリースしたmixCD「
drop the DJ mix」にはずばり「
daft punk」の「robot rock」、そして「
daft punk」の片割れ「guy-manuel」の弟「
play paul」のトラックが収録されています。
とどめにはインタビューでも影響を受けたアーティストにはちゃんと「
daft punk」の名をあげてくれていました。
ただ一方で彼の音楽は今まであったものをより洗練させたものであり、やはり「prodigy」、「the chemical brothers」、「underworld」、そして「
daft punk」と言ったシーンに名を残していった人々に比べると強烈なオリジナリティの不足を感じえないのも事実です。
ただそのデザインワークのセンスのよさ、(いちいちジャケのデザインが格好いい!)また何よりも彼の出世作でありアルバムタイトルにもなっているトラック※1「destroy rock & roll」に歌詞において、さまざまな大物アーティスト達を「destroy」の言葉と共に名指しした過激な姿勢が、パンクを生んだ国イングランドで支持される要因になったと考えられるかもしれません。
以上のことから、すぐに消えると評したイギリスの音楽誌の評にもそれなりの信憑性はあります。
しかし彼の登場によって今まである一定の人たちの支持を受け、単発のヒットはいくつか飛ばしながらも決してシーンの中心に来るまでには至らなかった「
daftcrew」を中心としたハウスミュージックシーンが、ヨーロッパのクラブカルチャーの震源地ロンドンの中心に位置しているという状況は個人的には十分に意義深いことです。
また近日来日が予定されているようなので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに自分もフジロックに行けなかったので、今回見に行く予定です。
http://www.higher-frequency.com/j_news/november05_d/16/1.htm >1月12日(木) LIQUIDROOM, Tokyo _ 18:00~
>ADV: Y 5,300
>Line Up : Mylo, SHINICHI OSAWA (MONDO GROSSO), TAKAYUKI SERINO (GANBAN NIGHT)
「
mylo」のインタビュー
http://www.higher-frequency.com/j_interview/mylo/index.htm「
mylo」の公式サイトの視聴ページ(アルバムのヒット曲などを視聴できます)
http://www.mylo.tv/mylo/music.php※1)
個人的にはこの「destroy」のメッセージは個人的にはリスペクトの裏返し、洒落のようなものであると解釈しています。
実際に「destroy」と名指ししている「prince」に関しても
彼自身のmixCDでトリに使っていることからもわかります。
むしろそうでなければ「prince」の方が
彼のmixCDに楽曲使用の許可を出すことなどありえないでしょう。
(ただ「prince」は「the space cowboy」によってremixされ、おそらく「one more time」以降最大のクラブヒットとなったトラック「I would die 4 you」によって多大な恩恵を受けたので、クラブシーンに対して寛容になっていると考えることはできます)
またこの「destroy」と言う言葉はpunkの代名詞「sex pistols」によって連呼されていたものと言うよりは、彼「
mylo」はオックスフォード大学で哲学を専攻していた事実からも現代のフランスの哲学者ジル・ドゥルーズがその著書「アンチ・オイディプス(l'Anti-Oedipe)」において繰り返し記述されていたものからその着想を得たという可能性も大いに考えられると思います。
ここも誤解が多いのですが、現にそのドゥルーズの「destroy」も「エディプス・コンプレックス(le complexe d'OEdipe)」に向けられたものであっても、その概念を提唱した精神分析学者フロイト自身への批判では決してないからです。
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- 2005/11/24(木) 16:48:16|
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記念すべき初投稿です。
とりあえず先日行ったイベントのセットリストをベースに一時間ぐらいのmixを作ってみました。
実はDJmixをweb上にアップするのは著作権的にちょっと・・・と思い二の足を踏んでいたのですが、割とそのアーティスト自身も結構web上にmixをアップしているようなので、思いきってやってしまおうと思います。
もちろん怒られたらすぐにやめます(笑)
http://ecrits.x0.com/music/20051117_dj_play.mp32007 2/6追記
サーバスペースの都合上削除しました。
- 2005/11/21(月) 15:03:22|
- djmix
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