◆ルーピー、英語で『loopy』ですが、意味は「気が狂う」とか「頭が変な」という直訳になってしまいます。実際には動詞、名詞である『loop』の形容詞形であり、言動が巡り巡って『自失状態になる』や『盲目状態になる』というニュアンスの方が正確です。
このルーピーを当時の鳩山由紀夫元首相に対して使用したのはワシントンポスト紙の2010年4月17日付けのコラムでの事でした。沖縄の普天間基地移設交渉の決定事項を、一方的に根底から無駄にさせてしまった鳩山由紀夫氏の不誠実な行動を揶揄して、核安全保障サミットでの日米首脳会談をアメリカ側が拒絶した事を風刺しています。
“By far the biggest loser of the extravaganza was the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Japanese Prime Minister Yukio Hatoyama.”
【なんといっても、この首脳外交レースショーで最低最悪の敗者は、哀れにして、さらに(複数の米政府当局者の言葉を借りれば)「ますます頭がイカれてきた」日本の首相、鳩山由紀夫だった。】
と、コキおろされています。コラムを担当した同誌のアル・ケイメン氏は『現実から浮遊した』という意図で鳩山氏をルーピー呼ばわりしたのだと語っているそうです。
鳩山由紀夫元首相のアメリカ合衆国での皮肉は辛辣を極めており、当時の様子を日本の時事雑誌の週刊文春は2010年4月22日号で『バカが専用機でやってきた』とアメリカ政府内では公言されている、との記事を掲載しました。
◆次にカンチョクトですが、これは日本テレビ系列で放送中の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の、毎年恒例の大晦日の特別番組『ダウンタウンの笑ってはいけない』シリーズの、2010年12月31日放送の『笑ってはいけないスパイ24時』の番組内で登場した言葉で、菅直人氏を指しています。
発言したのは元コメディアンで画家のジミー大西氏で、自民党政調会長の石破茂氏との日本の時事会談風景をコメディで演じている最中の事でした。
シナリオ無しの対談形式で石破茂氏の『現在の日本の首相は?』との問いに、ジミー大西氏が『か…カン…チョクト』と回答したのが出典です。単純にジミー大西氏が首相のフルネームの読み方を知らずに、記憶していた漢字を音読みにしただけなのです。しかしその後、石破茂氏の説明も虚しく、ジミー大西氏は数度に渡り『カン・チョクト』を連呼し、最後には菅夫妻を『仮面夫婦!』と断じて、石破茂氏を絶句させました。
この一連の会話があまりにも菅直人首相を痛烈に風刺しており、ネット上で実況的に大絶賛され、衝撃的な笑いを提供してくれたのが今日現在まで色あせる事無く語り継がれている訳で、ジミー大西氏の伝説的な天然ボケとして語り継がれる事でしょう。