『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ02』 その3 層を明らかにするリアリティー〜現代日本の根本基盤をあきらかにするには、日米同盟の構造をどう炙り出すかで決まる


評価:★★★★☆星4つ半 まだ完成していないので未確定
(僕的主観:★★★★★星5つ)


『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ01』 その1 地球が滅びた後の、滅びゆく人類を描くことと説教劇の相性の悪さ
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110714/p1

『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ02』 その2 キャラクター固有の動機を一人称で説明すること
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110715/p2

続き

えっと、とはいえども、僕は、02の『THE DAY AFTER』は、かなりおもしろかったです。それは、いろいろなもう少し構造的に脚本が弱いというところがありながらも、02は、マブラヴシリーズの最大の魅力である説教劇の、さらにもう一歩踏み込んだ「層を明らかにするリアリティー」と僕が読んでいるマブラヴワールドのオリジナルコアの重要な部分が素晴らしく展開していた点にあります。かつて、マブラヴオルタがあまりに素晴らしすぎて、毎日寝ないで感想を書いた(笑)時に、僕は、僕が最も見たい物語として、クーデター編に物凄い感動をした、という記事を書いています。あっ、4-2書いてないや(笑)。きっとどこかに記事が残っているが、、、今度探してみよう(苦笑)。それの続きというか、同じ発想で書かれているんですね。そこに僕はしびれました。いろいろ書きましたが、ここの部分は、素晴らしかった!!!。すべてを打ち消すほどに。


『マブラヴオルタネイティヴ』 吉宗鋼紀監督 その4-1 クーデター編は傑作だ!http://ameblo.jp/petronius/entry-10043127518.html


このクーデター編の素晴らしさは、どこかの記事で書いたことがあったんですが、、、忘れちゃったなー。日本社会は、愛国・・・パトリオッテイズムの概念がうまく根付かなかったがゆえに、屈折して「ありえなかった日本」というバーチャルな部分でそれを補完するという作法があって、それが、こうしたオルタなどのエンターテイメントの領域に屈折してあらわれて、その屈折込みでこの領域をみるとすごく面白いですって話。どうも僕は、このあたりの物語にすごく反応するようで、村上龍の僕の中で三部作として位置付けている作品群『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『希望の国のエグソダス』などを本当に愛してやみません。その他、『ヒュウガウィルス』『半島を出よ』などなど。それと似たもので、アニメーションでは『コードギアス-反逆のルルーシュ』とか。


『太陽の黙示録』 かわぐちかいじ著 何をもって日本人というか?http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110427/p4

『コードギアス・反逆のルルーシュ』  谷口 悟朗監督 僕の愛する設定の全てがここに(笑)
http://ameblo.jp/petronius/entry-10026483668.html

『コードギアス・反逆のルルーシュ』  谷口 悟朗監督 僕の愛する設定の全てがここに(笑)②
http://ameblo.jp/petronius/entry-10026541068.html



この最も凝縮した傑作の一つが、マブラブオルタのクーデター編だと僕は思っています。現時点でその最高峰にあるといえる『五分後の世界』と並ぶと思うんですよ。それは、さっき言った「層を明らかにするリアリティー」だから。

ちょっと長めに引用してみたいと思います。

だから、僕は、いまの「僕」につながる世界をリアリティある形で見たいという欲求を持っています。リアリティあるとは、なにも「生の無味乾燥な現実」を見たいということではありません。生の現実は、肩こりに悩み、世界に何の影響も与えられないで満員電車に乗るくたびれ始めたサラリーマンです(笑)。けど、同時に、大企業のトップを目指し、世界を変えてやると意気込むビジネスマンでもあり、、、世界史の偉大なプレイヤーである日本人の一人でもあります。ようは、モノはいいようということです(笑)。




そして、ここでいうリアリティとは、「生のリアリティの断片」ではなくて、「層を明らかにした総体のリアリティー」なんです。



えっとね、「層を明らかにする」とは、友人とアジアの安全保障について話していて、「なんでこんな意味のないマクロな話が面白いのだろう?」と話したら、「全体のことがわからないと、目の前でやっていることの意味や価値がわからなくなる」という回答をいただいた。えっとね、セカイ/世界って僕は、「層」になっていると思います。「層」とは、レイヤーがいくつもあるという意味で、自分の「いまのいる現在位置」ともう一つ深い層に入らないと、「見えない/わからないもの」があると僕は思うのです。単純に云うと、たとえば、僕は課長だとします。そすると、なにをいっても、部長とか役員になってみないと、その層の情報は全然入ってこないのですね。もちろんこの辺の情報は、可視的なものなので、一般的になんとなく想像はつくと思います。need to knowですね。


けれども、たとえば、日本の安全保障は、日米同盟(日米安全保障条約)に基づくという吉田茂首相が構築したアングロサクソンとの同盟によって形成されています。これは日本社会の戦後60年以上(半世紀以上)の巨大な構造です。僕たちの人生の過半が依存するスキームです。が、、、このことを明示的に理解している人はいますか?、このことをトータルでどういうふうに日常の行動や組織の戦略に落とし込んでいる人がどれだけいるでしょうか?。これを、簡単な言葉でちゃんと説明できる人は?。いや、反語的に聞いていますが、僕は少なくとも大衆レベルでは全く自明的でない(=不透明)と思います。指導層でさえもね。マクロの構造というのは、目の前の生の現実に覆われて、非常に体感しにくくなって、忘却されやすいものなのです。


たとえば、学問的にでも政治でリアルに勉強したり体験することも可能ですが、これを物語でコンパクトに表現すると、どうなるか?。物語とは、ある種の『嘘と簡素化をして相手に伝えるためのメッセージ凝縮装置』だと僕は思っています。では、現代日本社会の現実を見事に表現しているというと、僕は村上龍の現代日本の本質を突く傑作の三部作(いまのところ4つ出ているが最後のは少しまだ甘い)と読んでいる『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『希望の国のエグソダス』『半島を出よ』なんですよね。これは大傑作ですよ。日本を代表する小説家は、いまもってW村上こと村上春樹と村上龍だと僕は思っていますが、それは都市文明の孤独(=ナルシシズムの檻の地獄)という全世界に通じるテーマを共有しているからです。


とりわけ、村上龍さんは、日本の現代問題をストレートに題材しているだけにわかりやすい。ここでは、今の現代日本の抱える構造的問題点の本質が凝縮されて、コンパクトにわかるように(=感情移入の力を使って我々に告発してくる)なっている。本来ならば、層が深すぎて、もしくはマクロの層は複雑すぎてわかりにくくて、個人では体感できにくいものを、物語の力を使って我々に体感させてくれるわけです。そうすると、先ほどの歴史の連続性の果てにいる自分(=縦軸)と、いまという時間の空間の広がりのマクロまで届く複雑な層を体感させてくれること(=横軸)が体感できるようになるわけです。




物語を評価する時の時間軸として過去〜日本社会を描くとき
http://ameblo.jp/petronius/entry-10012793578.html




そこに、「層を明らかにした総体のリアリティー」が立ち現われてくるのです。さっきのitoyuさんとの会話もここにつながります。僕らは「無味乾燥な生の現実の世界」に生きています。けれども、近代の人間は、ある種の物語・・・ロマンの世界をも同時に生きています。けれども、忘れてはいけないのは、ロマンは所詮ロマンです。ロマンは、常に現実に試され続け壊され続けるものなのです。


えっとね、、、、この層を明らかにするって部分の具体的なものが、最近よくわかってきました。これは、クーデター編を何回もやりこんで、そして、samuuraiさんという人の『帝国戦記』というマブラヴのSSを読みこんでいて、わかってきたのですが、、、、この辺の内容を文章で表したものって、↓なんですよ。ちなみに、『帝国戦記』は、このへんの日米同盟の政治的な部分が、よぉく描かれていて、僕はすごい好きです。

Muv-Luv 帝国戦記
http://mai-net.ath.cx/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=muv-luv&all=7678&n=0&count=1


つまりね、、、、日本の戦後…1945年以降の日本社会を描写しようとすると、なによりも日米同盟の本質を描かなければならない!ってことが、やっとわれわれには、「可視化」されるようになってきたんですよ。これって、昭和天皇が亡くなられて、そしてかなりの時間が過ぎ去って、本当の意味で「昭和」という時代が歴史になりつつあるからなんだろうと思います。最近は、個人的にですが、昭和初期の日本について、結構冷静に右側も左側もバランス良く見れるようになってきた気がします。クリント・イーストウッド監督(アメリカ人の中のアメリカ人)が『硫黄島からの手紙』なんていう素晴らしい映画を撮るくらいだものね。


硫黄島からの手紙(字幕版)

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そんでもって、その本質というのは、アメリカと同盟組んで戦争をすることを、どう描くか?ってことになるんですよ。ある意味、覇権国に対する属国でもあり、かといって対等な独立国同士でもあり、そして同じような大陸型の派遣国家の中国大陸があり、、、と東アジアの地政学的な状況とグローバルな米国の戦略とのバランスがすべて詰まってくる。日本の内政的視点で言うと、クーデタ編に凝縮されているような、日本の統合のシンボルとしての皇室についての問題や、なによりも、アメリカの戦略と日本の生き残りという二つの部分の重なる点と反発しあう点のあぶり出しってのが、重要な部分になります。この部分は、戦争をしている時に、非常にクリアーというかあからさまに表に出てくるのですが、戦争をしていない状況だと、この「目に見えない圧力」がよく見せません。


響中尉とまりもちゃんの相対しているものは、この「日米同盟」というものを、為政者・・・権力者として、状況に責任を持ちコントロールしている立場から語ったものでした。これがとても見事。層を明らかにする時の層っていろいろあるんですが、

1:自我の層(ナルシシズムの檻)

2:関係性の層(ハーレムメーカー?)

3:公の層

という感じで、ようは、個幻想、対幻想、共同幻想の順の話なんですが、3の公の部分が、現代日本では日米同盟になるんですよ。ちなみに、この辺のがあからさまに出るのは、日本では、226などのクーデターがらみでの日本の対外交戦略の混乱時にすごくよく出ます。外部(=アメリカ)が日本の内政に介入するには、日本のこうした極端な組織ごとの共同体化につけ込む分断統治が一番効くからです。


さて、さっき上で上げた、響くんの動機の話ですが、


3)日米同盟をベースにアメリカ人兵士たちと命をかけた戦いを通して、戦友になったこと


というのがあります。この政治的効果を使用するまりもちゃんの戦略眼もなかなかですが、日本社会における米国への強い信頼、そして米国の日本への強い信頼は、現場レベルでは絶対に深くあります。だって、もう60年近くも太平洋の覇権と平和を日米同盟によって守ってきたわけですよ。アメリカにとって、最重要級の重要な同盟国であるにきまっているわけですよ。さまざまな欺瞞や覇権国家の独善的な驕りがあってさえ、その部分の事実は存在します。人間同士の紐帯は、そういったマクロで形成されるわけではなく、現場の人間同士の交流で形成されるからです。


シアトルの日本人居留区を租界としてアメリカに借りうけることによって、BETAとフランス・カナダ軍の対防衛戦力として日本人兵士の血を捧げるという構図は、使うアイテムこそ違うけれども、まさに日米同盟の構図と同じです。その中で、国内の日本人市民の暴発を抑え込みながら、アメリカの横暴さに同盟国として誠実な至誠を尽くさなければならない、というほとんど無理な状況を支え切る神宮司まりも少佐が、目をかけている響中尉。この構図は、この隠れているリアリティの政治的なものを、非常にあからさまに出してくれます。僕は、マブラブオルタの魅力のコアの一つは、説教劇(=自我の解体劇)であって、それはすなわち、現実を直視せよ!というメッセージなんだと思います。けど、現実、リアリティというのは、層を成すとても複雑なもので、なかなか「体感的(=一人称主観的)には理解できません。それを、丁寧に解体して、一人称的に翻訳するところに、この作品群の素晴らしさの一つがあります。そこで、日本社会における「権力構造のリアリティ」というのは、日米同盟なんですよね。それをベースにしか、日本をどう統治するのか?という権力者の苦しみと苦悩は理解できません。311以後でけではなく、そもそも日本社会は、世界史にかかわることを抑えてWW2以後国家を運営してきたので、「自分が権力者であったら?」という「責任を取る立場の人間の苦悩」というものを全く理解しようということがなく、ひたすら国家権力を解体する仕組みばかりが伸長してきました。それは、WW2の反省として、行き過ぎたナショナリズムや民族主義への手綱という意味で、歴史的には不可避のトレンドであったとは思います。しかし、「世界の統治」「歴史の担い手」として権力をどう制御うするか?どう行使するか?という技術や発想に非常に欠ける国民を育成してしまったのは間違いないと思うのです。ようは、「責任を取る」ということは、理想論ばかり言っていても、かといって動物用のように欲望に振舞って現実的に生きるのでもなく、理想と現実のはざまで苦悩するってことを、理解しないければならないと思うのですが・・・それを、本当に分かりやすく体感させてくれる02のTDAのシナリオは素晴らしかったと僕は思います。



響中尉の動機がないと言いましたが、固有の、個人のものがないだけで、彼が、中間管理職として、チームのリーダーとして、誠実で好感のもてる若き成長途上の有為な人材であることは、好感をもって感じられます。逆に固有のキャラクターがないために、「どこにでもいるまじめな若手中堅社員」という記号を獲得しているともいえます。だから、若いサラリーマンには、物凄いぐっと来る話だっっと思うんですよ。『憧憬』なんかも、結局は、中堅社員にとって、責任をとることとは?そのがんばる原点は何だったのか?ということを思い出させる構造になっていて、02は、基本テーマが全部そろっていますよね。この響中尉-神宮司少佐のラインが、とても見事な「層を明らかにする」説教劇になっているのは、言い換えればマブラヴの本質の魅力にリンクしているのは、具体的に自分がいかに「ものが見えていないか」を体感させてくれる、、、それも冗長に、ベタにその背景を一人称で体験させながら説明してくれる点にあります。


こういう「ものが見えていない!」と他者に、理知的に抽象的に説教することは、誰にでもできることで、ふつうは嫌われるだけで何の効果もありません。けれども、マブラヴシリーズは、「人類が滅びかけていて戦争をしている最前線である」という構造的背景があるがゆえに、日常的な「逃げ」が許されずに、どうしても「死を感じながら生を燃やす」という生き方の正当性が証明されてしまう舞台設定があります。これは、ある意味、現代日本には311が起きる前まではファンタジー効果(=あり得ない世界を見たい)だったんですが、現在では微妙に両義的ですね。とはいえ、もともと一部の年齢層が上の人々がマブラヴに強烈にはまった部分である「現実を直視すること」の素晴らしさと過酷さを見せてくれるという魅力部分であって、311以後の感覚とそれはおほぼ同じはずです。まぁ、これを「どのようにとるか?」は受け取る人の現実への姿勢をすごく反映します。けれども、マブラヴオルタで過去に分析したように、非常に丁寧に自我のナルシシズムを見事に解体してくれる物語なので、ちゃんと付き合っていると、すべての欺瞞と幻想をはぎとってくれます(笑)。


これがなんでうまいのかというと、、、繰り返しですが説教を一人称で具体的に体験させてくれるからです(言葉ではだめなんです)。01の説教が、カチンとくる可能性が高いと思うんですが、あれって、言葉で説明しているだけだからです。体験させたあげないと、今の世代は理解しない。今回の響中尉-神宮司少佐の流れで行くと(本編は、武-夕子博士)、広い政治的視野を持たなければならないと説明した後、アメリカとの政治交渉の場につれて行き、響中尉の原体験(=アメリカ軍とともに命をかけて戦った)ということが、政治交渉の場でどのように利用されて、外交戦で相手側の情報を勝ち取るかを体験させたりします。また、ただ単に、目の前のことだけで「正しいか、正しくないか」と考えずに、広い視野でどう現実を「自分でコントロールしなければならないか」という「為政者の視点」を、学べと言っておき、その後「わがまましほうだいに、くれくれ叫ぶ」民衆の前に単身身をさらして、実体験させたりします。


これって、ある意味、すごく冗長で、怖いほど丁寧なんですよ。たとえば、植民地や軍事基地をたくさん持つ欧米の官僚や軍人の若手には、いや、日本の官僚など公にかかわる若手のエリートには、ここまで一人の重責がかかってシンプルでわかりやすいことはないにしても、似たような体験はたくさんあるはずです。そういうようなものを、見事に追体験させてくれている。そして、それを順に追っていくと、シアトルの租界地区・・・アメリカによって貸与されている自治区を日本がどう運営するか?それは、日本の独立と誇り・・・そしてまさに生存にかかわることで、、、というマクロの構造があぶりだされるように合っています。ああ、これは、うん、マブラヴだって思いました。02はそういう意味では、大満足のレベルを僕にももたらしてくれました。



そして、「何にものものが見えていない」状態から、一歩一歩そういったマクロの仕組みを実体験していくうちに、その責任をすべて背負う神宮司少佐が、どれほどものすごい過酷な重責を一身に背負っているか、というのが見えていくことになります。これは、社長が、次の社長を教育するような感じですね(笑)。



もちろん、、、たとえば、この構造が、本当は響中尉で語るべき動機の部分が、まろもちゃんの動機によって代弁されてしまっているというような問題もあります。なんといっても彼女は、本編の主要キャラクターですからね。けど、今後リリアも生きているでしょうし、響くんが作り上げたチームも含めて、この後の話で、何らかの共通の目的で・・・って、この過酷なマクロ背景を想像するだに、まぁほとんど一つしか思い浮かびませんが、それを成し遂げるためには、響くんを主体に目的に向かってチームをそろえていくということが演出上必要なわけで、、、そうすると、響くんのキャラの弱さは、問題になってしまいます。まぁ、大陸横断の話もありますし、それまでに彼が軍人としてあそこまでの矜持を作り上げたエピソードも語られていないので、もうひとなみ作って、本当の意味で柚香との関係とかを強固なものにするはずなので、そこで語るんでしょうけどねー。大陸横断の話が明らかにされないと、その関係は欺瞞ですから。まぁ、この世界に白銀武が生きているかどうか、このデイアフターをどれくらいの長さまで作るのか?というのが僕にはわからないので、この先どうなるかは分からないですがね。


まぁ、とはいえ、02で響中尉とまりもちゃんの上司と部下の教育というものを通す部分は、素晴らしく魅力的でした。



もうひとつは、僕は、次世代の物語、、、というよりは、この2010年代って「絆」と「叙事詩(=神の視点・三人称)」がテーマになりうると予測しているんですが、この02で、とても意識してチームビルディングの部分が描かれているのが良かった。響くんの小隊が、一つの仲間として、チームを形成していく流れがはっきりとテーマにあって、そのために、自己をさらけ出さなきゃいけない(=自分の弱みを直視して仲間にいえるかどうか)ってのもうまく描かれていて、「絆(=チームビルディング)」がちゃんと意識されてて、いいなと思いました。ただ、響自体に固有の動機がないゆえに、「さらけ出す自己が見えない」という部分があって、そういう意味では、もう一歩な感じがします。まー03があるので、ここでいってもしゃーないことではあるんですが。だって、03でそれが出れば、この問題点は意味をなくしてしまうので。



ということで、クロニクルズの02は、素晴らしかったです。たぶん、これ、売り上げも悪くないんじゃないかなーと思います。。。まぁ損益分岐がどれくらいかわからないんですが・・・。とにかく、次が素晴らしく楽しみです。やっぱり、クロニクルズは、シェアワールドなので、増えれば増えるほど胸にぐっときます。うまく言葉で説明できませんが、このコンセプトは、ほんとこの商材に合っていると思いますよ。ああーはやく次が出ないかなーと楽しみです。その前に、君がいた季節かもしれませんが!。

『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス(Muv-Luv Alternative Total Eclipse)』 吉宗鋼紀著 1−4巻 みんなへたれなんだよ、成長というのは自分のスタート地点がどこでも、へたれな自分をたたきのめしてあがくことなんだよね
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100116/p1

マブラブのシェアワールドとしての楽しみ方〜オリジナルとその他の可能性を追求した同人的物語群の補完機能
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110101/p2

Muv-Luv [another&after world] 小清水 著 シェアワールドとしての楽しみ方
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100612/p1

『マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス』 イシガキタカシ著 唯依ちゃんがねーもーかあいーんですよっ♪
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100603/p5

とりあえず、ゆいーーーーーーと叫んでみます。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100304/p1

『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ01』 その1 地球が滅びた後の、滅びゆく人類を描くことと説教劇の相性の悪さ
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110714/p1

『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ02』 その2 キャラクター固有の動機を一人称で説明すること
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110715/p2

『マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ02』 その3 層を明らかにするリアリティー〜現代日本根本基盤をあきらかにするには、日米同盟の構想をどう炙り出すかで決まる
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110715/p5