CA1775 – 大学図書館のサービスとしての文献管理ツール / 林 豊

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カレントアウェアネス
No.313 2012年9月20日

 

CA1775

 

 

大学図書館のサービスとしての文献管理ツール

 

関西館図書館協力課:林 豊(はやし ゆたか)

1. はじめに

 文献管理ツール(1) (2)とは、論文や図書を中心とした様々な文献のメタデータとフルテキストを手軽に管理・整理することができるソフトウェアやサービスのことである。英語ではReference Management ToolあるいはCitation Management Tool等と呼ばれている。文献管理ツールには、無料のものや個人で購入するもの、大学等の機関で導入するものがある。

 文献管理は、ノートやカードといった紙ベースのツール、あるいはワープロソフトや表計算ソフトのような汎用アプリケーションを用いて行われることも多い。しかしながら、世界で流通する学術情報の量は近年劇的に増加しており、また、電子ジャーナルに代表される電子資料や安価なスキャナの普及から電子化されたフルテキストをメタデータと一緒に管理することが自然になってきている。このような状況における文献管理ニーズに応えることが文献管理専用のツールの意義のひとつである。

 本稿では、このような文献管理ツールと大学図書館の関わりについて述べる。まず主要なツールとして、EndNote、EndNote Web、RefWorks、Mendeleyの4種類を紹介し(3)、続いて文献管理ツールの基本的な機能について整理する。そして、大学図書館のサービスにおける文献管理ツールの位置づけや実施されている主なサービス、今後の課題や展開について述べる。

 

2. 主要な文献管理ツール

2.1 EndNote / EndNote Web

 EndNote(4)(5)は、Thomson Reuters社によって販売されているPC用のソフトウェアである。1988年にバージョン1がリリースされたという歴史のあるツールで、現在の最新バージョンはX6となっている。2006年に登場したウェブ版のEndNote Web(6)は、EndNoteを購入するか、あるいは同社の学術文献データベースWeb of ScienceやJournal Citation Reportsを導入することで大学図書館等でも無料で利用できるようになる。EndNoteとEndNote Webの間では情報を同期させることができる。EndNoteは全世界で200万人が導入、EndNote Webは国内で230機関(7)が導入しているとされる。

 

図1 EndNote Webのスクリーンショット

図1 EndNote Webのスクリーンショット

 

2.2 RefWorks

 2002年に登場したRefWorks(8)は、RefWorks社によって販売されている文献管理用ウェブサービスである。同社は2008年1月にProQuest社に買収された。2009年に卒業生プログラム(9)が開始され、2011年8月にはインタフェースを含めて大幅に機能が拡張されたRefWorks2.0がリリースされている(10)。世界中で2,000以上の機関と300万人の個人ユーザが導入し(11)、日本国内の国立・私立総合大学ではあわせて十数万人が利用しているとされる(12)

図2 RefWorksのスクリーンショット

図2 RefWorksのスクリーンショット

出典:SUNMEDIAより提供。

 

2.3 Mendeley

 Mendeley(13) (14) (15)は、2007年創業のMendeley社によって開発されているソーシャル機能を特徴とした文献管理ツールである。ウェブ版のMendeley Webとデスクトップ版のMendeley Desktopが提供されており、いずれも無料で利用することができる(有料プランあり(16))。2008年にデスクトップ版のバージョン0.5.8が初めて公開され、現在の最新バージョンは1.6となっている。2012年8月時点で約187万人のユーザが存在する(17)。当初は個人向けのツールであったが、2012年1月にSwets社から学術機関向けバージョンのMendeley Institutional Edition(Mendeley機関版)(18)が発表され、日本の農林水産研究情報総合センター等5か国6機関が導入している(19)

図3  Mendeley Desktopのスクリーンショット

図3  Mendeley Desktopのスクリーンショット

出典:Mendeleyの公式Flickrページより転載(20)

 

3. 文献管理ツールの基本機能

 ここでは文献管理ツールの最も基本的な機能および、上述のツールの対応状況について紹介する。それぞれのツールの細かい機能やそれらの比較については各ツールのカタログや比較表等(21) (22)を参照されたい。

 

3.1 インポート

 文献管理ツールを使うにあたって、まずはツール上にメタデータを取り込む必要がある。方法は主に次の4種類である。

(1)手動作成
 ツール上で1件ずつ手動作成する。入力の際にGoogle Scholar等の文献データベースから情報を補完する機能を持つツールもある(23)

(2)外部ファイルからの取り込み
 文献データベースから複数件のメタデータを外部ファイルとして出力し、取り込むことができる。広く対応されているファイル形式にはBibTeX形式(24)やRIS形式(25)等がある。また、RefWorksは、電子ジャーナルの新着論文を通知するRSSフィードから取り込むこともできる。

(3)文献データベースからのダイレクトエクスポート
 文献データベースには、ダイレクトエクスポート機能として、ワンクリックで文献管理ツールにメタデータを出力する機能を持つものがある。例えば国立情報学研究所(NII)のCiNiiではEndNote Web、RefWorks、Mendeleyに、国立国会図書館サーチではRefWorksに対応している。また、ウェブブラウザ上で表示している論文のメタデータをワンクリックで取り込む機能を提供しているツールもある(26)

(4)論文PDFからの取り込み
 EndNote(バージョンX4以降)とMendeley Desktopではツールに取りこんだ論文PDFからメタデータを自動抽出することが可能である(27) (28)

 

3.2 管理・閲覧

 インポートしたメタデータは一般にフォルダ分けやタグ付けによって管理することができる。

 ツールによっては論文のフルテキストをPDFファイル等で取り込み、その内容を全文検索することも可能となっている。4ツールの対応状況は以下の表1のとおりである。

 

表1 各ツールのPDF取込・全文検索対応状況
 PDF取込PDF全文検索
EndNote○(X4以降)
EndNote Web×
RefWorks
Mendeley

 

出典:各ツール提供元のウェブサイトの情報を基に筆者が作成(29)

 

 ウェブで提供されるEndNote Web、RefWorks、Mendeley Webでは、インターネットに接続すれば、アップロードしたPDFファイルをどこからでも閲覧できる。

 

3.3 参考文献リストの作成

 文献管理ツールには、登録したメタデータを、指定したフォーマットで整形された文献リストとして出力するという便利な機能が備わっている。論文投稿先の学術雑誌によって、指定される参考文献のフォーマットは様々である。出力可能なフォーマットの数や、対応していないフォーマットを自分で作成できるかどうかはツールによって異なる。4ツールの対応状況は以下の表2のとおりである。

 また、これら4ツールとも、Microsoft WordやOpen Office Writer等のワープロソフト用のアドオンを提供しており、論文執筆の際に簡単に文中へ引用情報を挿入できるようになっている(31)

 

表2 各ツールの参考文献フォーマット対応状況
 対応フォーマット数フォーマットの自作
EndNote5,000以上
EndNote Web3,700以上×
RefWorks3,200以上
Mendeley1,180以上

 

出典:各ツール提供元のウェブサイト等の情報を基に筆者が作成(30)

 

3.4. その他の機能

 取り込んだメタデータやフルテキストを他ユーザと共有する機能を持つ文献管理ツールもあり、EndNote Web、RefWorks、Mendeleyでは共有が可能である(32)

 また、携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器への対応については、EndNote WebとRefWorksはモバイル用のサイトを用意し、MendeleyはiPhone/iPadアプリを提供している(33)

 

4. 大学図書館のサービスとしての文献管理ツール

4.1. サービスにおける位置づけ

 商用の文献管理ツールを契約している大学図書館は国内でも少なくないが、その理由は何であろうか。

 大学図書館の第一義的な使命は、大学内の研究者や学生の研究・学習活動を支援することである。大学図書館は、従来、OPACをはじめとするデータベースによる資料検索や、複写・図書館間相互貸借(ILL)・電子ジャーナル等の文献提供サービスを行ってきた。それらに加えて文献管理ツールを導入・提供することで、利用者の学習・研究における一連のサイクル―すなわち、文献検索、文献入手、文献管理、レポート・論文執筆―をトータルにサポートすることができる(34) (35) (36)

 また、文献管理ツールを用いたサービスは、大学図書館による情報リテラシー教育の一部として位置づけられている(37)。学生は、ツールの使い方を学ぶことを通して、参考文献の管理方法にとどまらず、必要な文献を正しく引用し、それらに基づいてレポートを執筆するという基本的な流れを身につけることができる(38)

 その他、医療現場で行われている「科学的根拠に基づく医療」(Evidence-Based Medicine:EBM)(39) (40)や、それに対する大学図書館員のサポートにおいて文献管理ツールが活用されているという報告もある(41) (42)

 このように、利用者の研究・学習活動を支えるために大学図書館は文献管理ツールをサービスに取り入れている。図書館に対して文献管理ツールに関する支援を期待する利用者のためにも(43)、積極的にサービスを展開していく必要がある。

 

4.2 文献管理ツールに関する取組

 それでは、大学図書館は文献管理ツールに関して具体的にどのようなサービスを提供しているだろうか(44)

 よく見られるのは利用者向けの講習会で、国内でもいくつかの事例報告がある(45)。北川(46)は、京都大学医学図書館で文献管理ツールの利用指導を情報リテラシー教育のひとつと位置づけ、2006~2007年に、EndNoteやWeb of Science、EndNote Webの講習会を行った事例を報告している。利用者のニーズについて、2002年頃からEndNoteの講習会を希望する声があり、2007年頃からはPubMedよりもEndNoteの講習会を希望する声が多くなってきたと振り返っている。矢田ら(47)は、広島大学と九州大学で2010年に行った、文献管理ツールを扱ったオンライン講習会(ウェビナー)について報告している。それぞれWeb of ScienceにEndNote WebとRefWorksを組み合わせた内容である。

 また、無料のものを含めた様々な文献管理ツールの機能を紹介・比較するウェブページや資料を作成している大学図書館もいくつか見られる(48)。これらは、利用者の参考になるだけではなく、カウンターで対応する図書館員のスキルアップ等の役にも立つだろう。

 システム面での取組としては、文献管理ツールの利用環境の整備のため、OPACやリンクリゾルバからのメタデータのエクスポート機能、学外から利用するためのリモートアクセス環境(EZProxyやShibboleth(49)等)、MyLibraryからの貸出履歴のエクスポート機能(50)等を開発・提供している。

 今後の展開が期待されるものとして、Mendeley Institutional Editionで提供される統計機能がある(51)。大学図書館側で、学内利用者にどのような雑誌・文献が多く利用されているか、彼らの執筆した論文がどれくらい一般のMendeleyユーザに利用されているか等を確認することができるというものである。このような情報が蔵書構築等へ活用されることが想定される。

 

5. おわりに

 学術情報の爆発的な増加や電子化の進展といった背景のもと、研究者や学生は効率的な文献管理方法を必要としている(52)

 今日の文献管理ツールには、メタデータのインポートや管理、参考文献リストの出力のような従来から存在する機能に加え、電子化されたフルテキストを併せて管理・検索する機能や、ソーシャルネットワークを活用した共同作業機能等の便利な機能を備えるものも登場している。ウェブベースで提供される文献管理ツールも増え、大学の内外を問わずどこからでも、また、スマートフォン等のモバイル機器からでも、ツールにアクセスすることのできる環境が整ってきている。

 大学図書館では、利用者の研究・学習を支援するために、これまでに培ってきた文献管理に関わるノウハウを生かし、講習会や情報リテラシー教育、利用環境の整備等のサービスを展開している。

 世の中には本稿で紹介した以外にも様々な文献管理ツールが存在する(53)。無料やオープンソースのものでも十分な機能を備えているツールを用いれば、予算の限られた大学図書館でも利用者の文献管理を支援することが可能になっている。一方で、有料ツールを導入する大学図書館はその意義が問われることになるだろう。なぜ文献管理ツールを導入するのか、自館の一連のサービスにおける位置づけを改めて明確にすべきである。

 また、大学図書館で導入した特定の文献管理ツールが、幅広い学術分野における研究者・学生のニーズや利用シーンに必ずしもフィットするとは限らない。それは利用者にとってあくまで選択肢のひとつであり、場合によってはソフトウェアではなくアナログなツールを用いることが適切であることもあるだろう。情報リテラシー教育やレファレンスサービスを通して利用者の文献管理ニーズに接する大学図書館員は(54)、ひとりひとりの利用者が無理なく継続できるような文献管理の手段を提案することが求められる。そのためには、世の中に存在する様々な文献管理方法を知り、今後も進化を続ける文献管理ツールについて学び続けていく必要がある。

 

(1) 『医学図書館』54巻3号(2007年9月)で「文献管理」特集が組まれており、次の論文では著者の経験も交えて1980年代以降の文献管理方法の変遷について述べられている。
讃岐美智義. 特集, 文献管理: 文献整理の変遷と展望. 医学図書館. 2007, 54(3), p. 219-222.

(2) 2011年12月6日に国立情報学研究所(NII)において第2回SPARC Japanセミナー2011「今時の文献管理ツール」ワークショップが開催された。その発表資料はMendeley、EndNote、RefWorks、TogoDocという各ツールの現状についてまとめられており参考になる。
“2011年度第2回SPARC Japan セミナー2011「今時の文献管理ツール」ワークショップ”. 国立情報学研究所.
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2011/20111206.html, (参照2012-07-02).

(3) 本稿では、国内の大学図書館でも広く導入されているEndNote、EndNote Web、RefWorksに加えて、後述する機関版のリリース以降、大学図書館での講習会が開催される等、今後の展開が期待されるMendeleyを取り上げた。海外では有名ではあるものの国内の大学図書館では目にすることの少ないZotero等のツールは割愛した。

(4) “Thomson Reuters Endnote”. Thomson Reuters.
http://www.endnote.com/, (accessed 2012-07-02).

(5) EndNoteは文献管理ツールの代表格であり、書籍で取り上げられることも多い。
讃岐美智義. 超!文献管理ソリューション: PubMed/医中誌検索からクラウド活用まで. 学研メディカル秀潤社, 2011. 319p.
讃岐美智義. デジタル文献整理術 : 最新EndNote活用ガイド. 第5版, 克誠堂出版, 2012, 250p.
冨澤康子. EndNote 100の裏ワザ. 秀潤社, 2009, 239p.

(6) “USACO EndNote Web”. USACO.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/endnote_web.html, (参照2012-07-02).

(7) 堀切近史. “研究ワークフローを支える文献管理・論文作成支援ツール「EndNote」”. 国立情報学研究所. 2011-12-06.
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2011/pdf/2/2_horikiri.pdf, (参照2012-07-02).

(8) RefWorks.
http://www.refworks-cos.com/RefWorks2.0/, (accessed 2012-07-02).
“RefWorks”. SUNMEDIA.
http://www.sunmedia.co.jp/e-port/refworks/, (参照2012-07-02).

(9) RefWorks契約機関の卒業生は、契約が中止されない限り、卒業後もそのままサービスを利用し続けることができる。
“RefWorks Alumni Program”. RefWorks.
http://www.refworks.com/content/products/alumni/content.asp, (accessed 2012-07-02).

(10) “2011年8月のアップデート”. SUMEDIA. 2011-08-19.
http://www.sunmedia.co.jp/e-port/refworks/2011/08/20118.html, (参照 2012-07-30).

(11) “About RefWorks-COS”. RefWorks.
http://www.refworks-cos.com/about/, (accessed 2012-07-02).

(12) 川畑篤之. “インターネットベース学習・教育・研究支援ツールRefWorksのさらなる可能性”. 国立情報学研究所.
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2011/pdf/2/3_kawabata.pdf, (参照2012-07-02).
刊行後に川畑氏から提供された情報による。

(13) Mendeley. http://www.mendeley.com/, (accessed 2012-07-02).

(14) Mendeley社CEOのヘニング(Victor Henning)は2011年に数度来日して講演を行っている。
“【アカデミック・リンク・セミナー no.6】新たな文献管理技術が切り拓く研究・教育の未来”. 千葉大学アカデミック・リンク・センター.
http://alc.chiba-u.jp/seminar/report006.html, (参照2012-07-02).
崎山直樹. Mendeleyの可能性を探る:歴史学研究の立場から. SPARC Japan Newsletter. 2012, 13, p. 8-9.
http://www.nii.ac.jp/sparc/publications/newsletter/pdfper/13/sj-NewsLetter-13-4.pdf, (参照 2012-08-20).
“2011年度第2回SPARC Japan セミナー2011「今時の文献管理ツール」ワークショップ”. 国立情報学研究所.
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2011/20111206.html, (参照2012-07-02).

(15) ヘニングはMendeley開発の経緯・思想について、「音楽の世界におけるiTunesのように,PDFファイルをインポートするとすべての研究論文が自動的に整理され,自分に必要な情報が抽出されるようなソフトウェア」や「学術研究版の Last.fm,すなわち学術情報を管理してデータを集約し,ユーザーにお勧めのペーパーがあれば推薦し,最終的には学術コンテンツにアクセスできるような支援をしたい」と語っている。
ヘニング, ビクトール. 研究者コミュニケーションを根本から変える文書管理の変革:Mendeley CEOが語る学術情報流通の将来. 情報管理. 2012, 55(4), p. 253-261.
http://dx.doi.org/10.1241/johokanri.55.253, (参照2012-07-02).

(16) 現在、有料プランには個人向けとチーム向けの2種類がある。個人向けプランでは“Plus”“Pro”“Max”の3種類が用意されている。月額料金はそれぞれ4.99ドル、9.99ドル、14.99ドルで、Mendeley Webで使用できるファイル保存スペース(無料プランでは1GB)が2GB、5GB、無制限となる。
“Upgrade”. Mendeley.
http://www.mendeley.com/upgrade/, (accessed 2012-07-28).

(17) Mendeleyトップページ(未ログイン状態)下部にユーザ数が表示されている。
Mendeley. http://www.mendeley.com/, (accessed 2012-08-20).

(18) “Setting new standards in research collaboration”. Swets.
http://www.swets.com/mendeley, (accessed 2012-07-02).
“【Mendeley Institutional Edition (メンデレー機関版)】”. Swets.
http://www.swets.co.jp/library/mie.htm, (参照2012-07-02).

(19) “Leading universities adopt Mendeley data to accelerate research analytics by 3 years”. Mendeley Blog. 2012-08-07.
http://blog.mendeley.com/design-research-tools/leading-universities-adopt-mendeley-data-to-accelerate-research-analytics-by-3-years/, (accessed 2012-08-08).

(20) “Mendeley Screenshots”. Flickr.
http://www.flickr.com/photos/mendeley/3848559063/, (accessed 2012-08-21).

(21) 複数の文献管理ツールの機能を比較した表には例えば以下のものがある。
“EndNote / EndNote Web機能比較一覧”. USACO. 2011-07-19.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/images/ENweb_compare.pdf, (参照2012-07-02).
“文献管理・論文作成支援ツール比較表”. 慶應義塾大学信濃町メディアセンター. 2012-03-15.
http://www.med.lib.keio.ac.jp/pdf/ug/EN-RW_comp.pdf, (参照2012-07-02).
“Compare Mendeley”. Mendeley.
http://www.mendeley.com/compare-mendeley/ , (accessed 2012-07-02).
“Comparison of reference management software”. Wikipedia. 2012-07-24.
http://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_reference_management_software, (accessed 2012-07-24).

(22) 米国西ミシガン大学図書館のマリノ(William Marino)は、文献管理ツールを評価・比較する方法として、細かな機能に注目するのではなく、より抽象的な観点からの8つの方法を提示している。すなわち、「環境を知る」「利用者を知る」「ソフトウェアの目的を理解する」「システム・ブラウザ要件を考える」「あらゆる人にアクセシビリティを保証する」「自分の環境に重要な機能を見極める」「ベンダによるサポートを考える」「総保有コスト(TCO)を考える」。文献管理ツールのアクセシビリティについて論じている論文は少ないと思われる。
Mariono, William. Fore-cite: tactics for evaluating citation management tools. Reference Services Review. 2012, 40(2), p. 295-310.
http://dx.doi.org/10.1108/00907321211228336, (accessed 2012-07-02).

(23) Mendeleyの“Search by Title”機能等がある。

(24) “BibTeX Format Description”. BibTex.org.
http://www.bibtex.org/Format/, (accessed 2012-07-27).

(25) “RIS Format Specifications”. Reference Manager.
http://www.refman.com/support/risformat_intro.asp, (accessed 2012-07-27).

(26) RefWorksは“RefGrab-It”、Mendeleyは“Web Importer”という名称でブックマークレットを提供している。また、EndNoteはブラウザ用プラグインを提供している。
“RefGrab-It”. RefWorks.
http://www.refworks.com/refworks/bookmarklet.asp, (参照 2012-07-02).
“Import citations into your digital library using the Mendeley Web Importer”. Mendeley.
http://www.mendeley.com/import/, (accessed 2012-07-02).
“What’s New in EndNote X4”. USACO. 2010-07.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/manual/Whats_New_X4_Win.pdf, (参照2012-07-02).

(27) EndNoteではデジタルオブジェクト識別子(DOI)を含むPDFのみが対象とされている。
“What’s New in EndNote X4”. USACO. 2010-07.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/manual/Whats_New_X4_Win.pdf, (参照2012-07-02).

(28) Mendeleyでは日本語の場合に抽出に問題が生じることもあるとされ、株式会社アトラスから「日本語論文 to Mendeley」というサービスが提供されている。
“日本語論文 to Mendeley”. 株式会社アトラス.
http://addon.ej-labo.jp/mendeley/top, (参照2012-07-02).

(29) EndNote WebではEndNoteと併用の場合のみ、Mendeleyではデスクトップ版のみ可能。
“What’s New in EndNote X4”. USACO. 2010-07.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/manual/Whats_New_X4_Win.pdf, (参照2012-07-02).
EndNoteと併用の場合のみ可能。
“USACO EndNote Web”. USACO.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/endnote_web.html, (参照2012-07-02).
“RefWorks:添付ファイルの検索機能について”. SUNMEDIA. 2009-05-18.
http://www.sunmedia.co.jp/e-port/refworks/2009/05/post_1.html, (参照2012-07-02).

(30) 堀切. 前掲.
“Output Styles”. EndNote.
http://www.endnote.com/support/enstyles.asp, (accessed 2012-07-02).
“Output Style List”. RefWorks.
http://www.refworks.com/content/products/output_style.asp, (accessed 2012-07-02).
“APA, MLA Citation style and format”. Mendeley.
http://www.mendeley.com/citationstyles/, (accessed 2012-07-02).

(31) “各バージョンとのワープロソフトアドイン対応表(2011年9月現在)”. USACO.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/word.html, (参照2012-07-02).
“EndNote Web(文献管理ソフト)の利用方法”. トムソン・ロイター.
http://ip-science.thomsonreuters.jp/products/wos/support/webcast/ENW2_JPN/, (参照2012-07-02).
“Write-N-Citeをダウンロードする”. RefWorks.
http://refworks.scholarsportal.info/Refworks/WNCDownload.asp, (参照 2012-07-02).
“Reference Manager”. Mendeley.
http://www.mendeley.com/features/reference-manager/, (accessed 2012-07-02).

(32) “What’s New in EndNote X5”. USACO.
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/manual/WhatsNew_X5_Win.pdf, (参照2012-07-02).
“RefShare―学術情報・研究成果の共有・公開モジュール―”. RefWorks.
http://www.sunmedia.co.jp/e-port/refworks/refworks/refshare/, (参照2012-07-02).

(33) “EndNote Web 3.4 Mobile”. EndNote Web.
https://www.myendnoteweb.com/touch/EndNoteWeb.html, (accessed 2012-07-02).
“RefWorks Mobile”. RefWorks.
http://www.refworks.com/mobile/, (accessed 2012-07-02).
“Mendeley – Reference Manager (Lite)”. App Store.
http://itunes.apple.com/jp/app/mendeley-reference-manager/id380669300, (参照2012-07-02).

(34) 片岡真. “【事例報告】学術情報マネージメント、ERMS、次世代OPAC”. 広島大学学術情報リポジトリ. 2009-01-29.
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/ZZT00002/090129_kataoka.pdf, (参照2012-07-02).

(35) この一連のサイクルのサポートには大学図書館によるライティング教育も含まれる。
赤井規晃. 大学図書館とライティング教育支援. カレントアウェアネス. 2011, 310, p.2-4.
http://current.ndl.go.jp/ca1756, (参照 2012-07-02).

(36) 米国ペンシルベニア州立大学図書館のチルドレス(Dawn Childress)は、次の論文の結論部分で、利用者は文献管理にとどまらず、Personal Information Management(PIM)をも支援して欲しいと感じており、図書館側は、データキュレーションサービス等の形でそれに応えつつあるとしている。
Childress, Dawn. Citation Tools in Academic Libraries: Best Practices for Reference and Instruction. Reference & User Services Quarterly. 2011, 51(2), p. 143-152.
http://rusa.metapress.com/content/h53nq3gt83772x61/fulltext.pdf, (accessed 2012-07-02).

(37) 北川昌子. 特集, 文献管理: 文献管理ソフトEndNoteおよびEndNote Webの講習会開催事例. 医学図書館. 2007, 54(3), p. 223-228.

(38) 長谷川智史. 情報リテラシー教育ツールとしてのRefWorks : RefWorksの活用事例から. 薬学図書館. 2010, 55(3), p. 243-246.

(39) 大谷によると、EBMは1991年にカナダの医師ガイアット(Gordon Guyatt)により提唱されたもので、推進者のサケット(David Sackett)は「研究結果からの最善のエビデンスと、臨床的な専門技能および患者の価値観を統合するものである」と定義している。そして、EBMは以下の5つのステップにより実践されるとしている。(1)臨床上の疑問の定式化。(2)エビデンスレベルの高い情報の収集。(3)検索結果の批判的吟味。(4)実際の臨床への応用。(5)ステップ(1)~(4)の評価。
大谷裕. 特集, PubMed使い倒し: PubMedの基本的な使い方およびエビデンスに基づいた文献の検索. 情報の科学と技術. 2010, 60(7), p. 258-264.

(40) 山口直比古. 特集, 図書館における医療・健康情報の提供: EBMと図書館員. 現代の図書館. 2005, 43(4), p. 193-198.

(41) 北川は、EBMに基づく診療ガイドラインの作成チームに文献検索担当として図書館員が参加したことがあり、そこでEndNoteが用いられていたとしている。
北川昌子. 特集, 文献管理: 文献管理ソフトEndNoteおよびEndNote Webの講習会開催事例. 医学図書館. 2007, 54(3), p. 223-228.

(42) 須賀は、EBMを実践するプロセスにおいて、文献データベースで最新の「科学的根拠」を検索し、文献を吟味する際に文献管理ツールが役に立つとしている。
須賀万智. 特集, 文献管理: 科学論文作成における文献管理ソフトEndNoteの活用. 医学図書館. 2007, 54(3), p. 229-231.

(43) 米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校図書館のレファレンス担当であるカーン(Kern)とヘンスリー(Hensley)は、図書館で文献管理をサポートする理由について、図書館員はこれまで文献管理における専門知識・技能を提供してきており、学生や教員は文献管理ツールについても図書館員が疑問に答えてくれるという期待を持っているからであるとしている。また、文献管理は図書館員の専門性をより広範な研究プロセスの中に組みこんでいくきっかけであるとも述べている。
Kaye Hensley, Merinda. Citation Management Software: Features and Futures. Reference & User Services Quarterly. 2010, 50(3), p. 204-208.
http://rusa.metapress.com/content/k7tv4m7660n4438n/fulltext.pdf, (accessed 2012-07-02).

(44) 国内では図書館における文献管理ツールの利用支援サービスについての大規模な調査は見られないが、北米では2009年に111のARL加盟館を対象に行った調査がある。それらの図書館のウェブサイトを通じて、文献管理ツール(EndNote、RefWorks、EndNote Web、Zotero)の導入状況や、提供サービスの内容を調査したものである。それによると、86館(77%)が1つ以上の文献管理ツールを導入し、80館(72%)が講習会等何らかの利用教育を行っていたという。
McMinn, H. Stephen. Library support of bibliographic management tools: a review. Reference Services Review. 2011, 39(2), p. 278-302.
http://dx.doi.org/10.1108/00907321111135493, (accessed 2012-07-02).

(45) 内藤みよ子ほか. 文献管理ソフトを使った利用教育. 看護と情報. 2004, 11, p. 67-70. http://ci.nii.ac.jp/naid/110006373627/, (参照2012-07-02).
三谷三恵子. 慶應義塾大学看護医療学図書室におけるRefWorksの活用. 医学図書館. 2007, 54(3), p. 232-235.

(46) 北川は、EndNoteの講習会を希望する声に対して、個人が購入した特定のソフトウェアの講習会を開催することは「図書館の性格上,公共性を欠くのではないかと思われた」と振り返っている。
北川. 前掲. p. 223.

(47) 矢田俊文ほか. ウェビナーを活用したデータベース利用者教育. 情報の科学と技術. 2011, 61(12), p. 501-506.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008799216/, (参照2012-07-02).

(48) 例えば以下のものがある。
“ヘルプ:文献管理ツール(RefWorks/EndNoteWeb)を使う”. 京都大学図書館電子リソース.
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/erhelp/citation.html, (参照 2012-07-27).
“文献管理・論文作成支援ツール比較表”. 慶應義塾大学信濃町メディアセンター. 2012-06-15.
http://www.med.lib.keio.ac.jp/pdf/ug/EN-RW_comp.pdf, (参照 2012-07-02).
“リンク集”. 聖路加看護大学図書館.
http://quilt.slcn.ac.jp/modules/cclinks/index.php?CatID=27, (参照 2012-07-27).
“Citation Managers Comparison”. University of Wisconsin-Madison Libraries. 2012-07-23.
http://www.library.wisc.edu/citation-managers/comparison.html, (accessed 2012-07-28).

(49) RefWorks、EndNote WebはShibbolethを利用した「学術認証フェデレーション」に対応している。
“IdP, SP一覧”. 学術認証フェデレーション.
http://www.gakunin.jp/docs/fed/participants, (参照2012-07-02).

(50) “きゅうとMyLibraryの利用”. 九州大学附属図書館. 2012-05-20.
http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/support/mylibrary_riyo.html/, (参照2012-07-02).

(51) “Announcing the Mendeley Institutional Edition – powered by Swets”. Mendeley Blog. 2012-01-12.
http://blog.mendeley.com/academic-features/announcing-the-mendeley-institutional-edition-powered-by-swets/, (accessed 2012-07-02).

(52) 栃内新. 文献管理から解放されることを夢見る科学研究者. SPARC Japan Newsletter. 2012, 13, p. 5-7.
http://www.nii.ac.jp/sparc/publications/newsletter/pdfper/13/sj-NewsLetter-13-3.pdf, (参照 2012-08-20).

(53) 例えばCiteULike、Connotea、JabRef、Papers、Reference Manager、Zotero、ReadCube、iPapers、TogoDoc等がある。
“Comparison of reference management software”. Wikipedia. 2012-07-24.
http://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_reference_management_software, (accessed 2012-07-02).
ReadCube. http://www.readcube.com/, (accessed 2012-07-28).
iPapers.
http://ipapers.sourceforge.net/iPapers.html, (accessed 2012-07-28).

(54) 例えば次の論文では、ツールの調査、先行文献調査、スタッフへの聞き取りを通じて、レファレンス、講習会、サポート・トラブル対応、スタッフのスキルアップにおけるベストプラクティスが提示されている。なお、先行文献レビューでは、文献管理における図書館の役割をテーマとした文献は少ないとされている。
Childress. op. cit.

[受理:2012-08-21]

 


林豊. 大学図書館サービスとしての文献管理ツール. カレントアウェアネス. 2012, (313), CA1775, p. 8-13.
http://current.ndl.go.jp/ca1775

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