察して察して/小林さんちのメイドラゴン8話感想
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また風邪ひいたorz 明後日また用事なのですが、前倒しで感想書く余力は残っているだろうか……？
＞拍手返信：雪光さん
＞＞確かに同化ではなく等価として見ると、コミケ会場のコスプレや独特の空気に対するトールの反応、完全には理解出来なくても通じる気持ちに味わい深さが出るのだと思えます。
一緒にはなれないという冷徹な事実はあっても、それでも、むしろだから近づいて行ける温かみがあっていいですよね。季節の移り変わりにしても、そこにきちんと時間を重ねているのが感じられますし。
＞＞「今この瞬間のここにしかないもの」。このフレーズに万感の思いと哀愁のようなものが凝縮されているような気がして堪らんです！じんわりきてしまう温かさがいいですな～
このフレーズは本当に上手いこと言ったなと思います。ええ、おっしゃるように凝縮されているのでしょう。過去も未来もどうでもいいというEDの歌詞を自然と連想しちゃいますねー。
小林さんちのメイドラゴン 第8話「新たなるドラゴン、エルマ！（やっと出てきましたか） 」
©クール教信者・双葉社／ドラゴン生活向上委員会
遠足に行くので弁当を作ってほしいとねだるカンナ。小林さんとトールはどちらが作るのかをかけて勝負することになり……？ 7話は様々なものが等価になっていくお話でしたが、8話は等価なものであっても表し方で重みは変わってくるというお話。
今回は冒頭で「遠足弁当試合 三番勝負！」とぶちあげられますが、「三」という要素は他からも見出すことができます。1つにはルコアの乳を翔太が夢の中で3回に渡って誤認すること、もう1つには「翌日」「翌日」「日曜日」と日付変更テロップが3回あること（他の場面でも日付は変わっているのに）。一方で「勝負」も3回あって、1つには小林さんとトールの弁当の勝負、2つにはトールを連れ帰ろうとするエルマとの勝負、3つにはトールとエルマの小林さんへの接近具合だって勝負だと言えます。後ろ2つは多分に一人相撲ですが。
どの勝負にだって負けられない強い気持ちはあるわけですが、それは全てが腕力勝負になるわけではもちろんありません。まるで殴り合いでもするかのようだった小林さんとトールの勝負はあくまで弁当作りだし、トールを連れ帰ろうとするエルマとの勝負は1人ワープやクリームパンといった場外部分で決着するし、トールとエルマの小林さんへの接近対決を制したのは腕力的な熱線ではなくトールと小林さんの腹を割った話し合いでしたし。ひとくちに勝負と言ってもその「形」は様々です。
「形より中身」とはよく言われることであり、例えばトールと小林さんの喧嘩が距離が近づいたからこそであるという「中身」や、トールの作った美味しそうなサンドイッチやクリームパンの「中身」などで証明されるわけですが、今回の話では同時に「形」も重要な要素として語られています。弁当勝負では味よりも収納性・好み・この世界の食物であるかが重視され、エルマの撃退に用いられるズルい手段は「秩序を重んじてあげた」「ギブアンドテイク」という形で正当化される。カンナやトールが覚えた「犬猿の仲」「オフィスラブ」という言い回しも、その表現（形）を得たことで単なる説明や追求よりも上手いこと言った具合になります。
トールも小林さんも心の中で互いのことを大切に思っているけれど、それは適切な「形」を持たなければけしてプラスに働きません。エルマに対抗しようとしたトールのお節介は見事に空回りするし、小林さんは小林さんで人に求められることに慣れておらずトールに上手く応えてやれない時もある。大事なのは少しでも適切な形にしようとすることと、相手の表現したそれを察してあげようとすること。弁当勝負の時を皮切りに様々に変わっていた2人の影の形がラストで共に小さな丸「形」になる様子に、彼女達の通じ合ったものを感じられた回でした。
普段着と同じ着方なのに、来ている服が違うと途端にエロスになってしまう不思議。眼鏡をかけるだけで魅力が数倍増しになる不思議。これも「形」の成せる技か。
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