うさぎには声帯がありません。
声を出すことが出来ません。
でも、全く声を出さないというこはありません。
声帯がないので、犬や猫のようには鳴かないのですが、怒った時や嬉しい時、
リラックスしている時、興奮している時なども短い声を出します。
鼻を鳴らしたり、喉を鳴らしたりと音を出すのです。
コロンの場合であれば、怒っていたり不満があったりしたときは
ウッ、ウッ、という短い声を出していました。
それで、あ~怒ってるんだな、ってわかることが多かったです。
逆にいっぱいナデナデされて気持ち良い時なども、短く鳴くウサギも
いっぱいいます。 ついつい声が出ちゃう?って感じでしょうか。
少し前にお友達のアレックス君が、ハーブボールでマッサージをしてもらってる時
気持ち良くて、クゥ、クゥ、って声を出していましたが →
ブログ☆(背景に大きな音が入っていて、アレックス君の声が聞きづらいかな)
そんな風に、優しい声を出す時もあるのです。
でも、普段、大声を出すということはないと思います。
そんなウサギが、旅立つときに鳴くという話しを何度か
聞いたことがあります。
鳴かないウサギが、最後に何と言ったのでしょうか………
コロンは旅立つ前に、キュ~!と声をあげました。
とても大きい声でした。
コロンはあの日、病院から帰ってきてから力なく、ずっと横たわっていました。
急性腎不全と診断され、もう起き上る力もないといった感じでした。
それでも何度か立ち上がることもあり、そのたび私とみのさんは、元気が出てきた?
良くなってる?って期待したものですが、尿も糞も出ていないコロンは
辛くて苦しくて立ち上がったのではないかと思います。
夜が過ぎ、夜中の3時頃になりました。
コロンの様子は変わらず、私は何も出来ずただコロンの横にいるだけでした。
頑張ろうね、コロン。って、ナデナデして声をかけるだけでした。
朝がくれば、夜が明ければ良くなるんじゃないか!って、そんな期待をしていました。
平日だったので、みのさんには仕事があります。
3時を過ぎたので、みのさんには寝室へ行って寝てもらうことにしました。
私はコロンのとなりに簡単に寝る場所を作り、横になりました。
コロンは落ち着いていました。 というより、容態は変わらずでした。
私はコロンのとなりで、ウトウトしていました。
どれくらい時間がたったのか、4時くらいだったと思います。
突然コロンが立ち上がりました。 動きました。
私はすぐに起き上ることができなくて、コロン?どうした?って
横になったままコロンに手を差し出し、コロンを見ていました。
ちょっと様子が違います。 どうした、コロン? 私は起き上りました。
コロンはケージの前で横たわっていましたが、立ち上がってウロウロし、
ケージの左側まで歩いていきました。
そして、そこでバッタリと倒れたのです。
手足を前に突き出し、それがピクピクと震えました。
ケイレンしたのだと思います。
病院から家へ連れてくるとき、先生にケイレンが出るかもしれません。
と言われました。
ちょっとはっきり覚えてないのですが、ケイレンが出たら危ないという
ようなことを言われたような気もします。
なので、私はとても驚きました。
一瞬にして頭の中にいろんなことが思い浮かびました。
手足をピクピクしているコロンを抱き上げてもいいのだろうか?
このままヘタに触らないほうが良いのだろうか? わかりません。
すると、コロンが キューー! と大きく鳴きました。
私はとっさにコロンを抱き上げました。
そして、コロンはもう一度、大声でキュー!と鳴きました。
私はコロンを抱きしめ、大声でみのさんを呼びました。
みのさんは寝室にいましたが、私の声に飛び起き
すぐにこちらへやって来ました。
私はコロンを抱きしめ、大丈夫だよ! 大丈夫だからねコロン!
怖くないからね! って言いました。
そしてコロンは、キュー!キュー!キュー! って3回鳴きました。
大きな声で、3回鳴きました。
そして、私の腕の中で息を引き取ったのです。
コロンは5回鳴きました。
コロンはなんて言ったのでしょうか?
前にも一度書きましたが
コロンの3日前に亡くなったお友達ウサギの、コロ助くん。
コロ助くんも亡くなる時、大きな声で3回鳴いたのだそうです。
飼い主のうさささんは、お別れを言ってくれたのだろうと言っていました。
私もそう思います。
とっても可愛がられていたコロ助くん。
きっとうさささんに、ありがとう!大好きだよ!って、お別れを言ってくれたに違いありません。
でも、コロンは?
コロンはお別れを言ってくれた?苦しんでいたのにお別れを言ってくれたの?
コロンの最後の声はとても大きく、充血した目を大きく見開いていました。
あの時は私も夢中だったけど、後から思ったのです。
もしかして、コロンは最後に苦しいよ! 助けてよー!って、
なっちゃん、助けてよー!って、そう叫んだのではないのか?………と。
私はコロンのあまりにも大きな、のどから振り絞るような声が
断末魔の叫びのように聞こえて、それはコロンの苦しみの叫びだったのでは
ないか?と思ってしまったのです。
最後までコロンを苦しませてしまった。
安らかに眠らせてあげることができなかった。
なんてことをしたんだろう!
それを うさささんに話しました。
うさささんは、それは違うよ。って言ってくれました。
コロンちゃんは苦しくて鳴いたんじゃないよ。
ウサギが最後に鳴くのは苦しいからじゃないんだよって。
コロ助くんは痛み止めを飲んでいたので、亡くなる時痛みを感じていなかった
はずだと言います。
そのコロ助くんがコロンと同じように3回鳴いたのです。
ということは、それは痛みで鳴いたのではない。
だから、コロ助と同じように鳴いたコロンちゃんは、痛くて鳴いたのではなく
コロ助と同じようにお別れを言ってくれたんだよ。
って、うさささんはそう言ってくれたのです。
うさささんの優しい言葉。 涙がこぼれました。
そうなのでしょうか? そう思ってもいいのでしょうか。
そうだったらどんなに嬉しいことでしょう。
最近になってね、ウサギの声帯をちょっと検索してみたらね、
ウサギが高くて大きい声を出して鳴く場合は
恐怖を感じた時や、病気で苦しい時に出す悲鳴といってもいいでしょう、
ってありました。
激しく「鳴く」時は相当な苦痛がある時です、というのもありました。
やっぱりそうだったのかな。
だって、コロンは苦しかったはず。辛かったはず。
最後の最後でとても苦しくて、だから、コロンは鳴いたのかな……
そして……コロンは自分がもう逝くのだと、それがわかったのかもしれない。
だから怖くて鳴いたのかもしれない……
なぜウサギは鳴くのでしょうか。
ウサギは何と言っているのでしょうか。
ウサギの最後の言葉。 それは何なのでしょうか。亡くなるときに、ずべてのウサギが鳴くわけではありません。
眠るように静かに旅立つ子もいるし
穏やかに最期を迎える子もいっぱいいるのです。
でも、亡くなる前にキューと鳴くというのも良く聞く話しで
それも3回鳴くというのです。
不思議だよね、なぜ3回鳴くのかしら。
鳴くその声も、きっと色々あるのでしょう。
コロンのように大きな叫び声のようだったり、
優しく小さくキューと鳴く、そんなこともあるのでしょう。
そして、コロンのように最後に起き上って、部屋を走ったり歩いたり
動き回る子もいると聞きます。
力なく寝ていたウサギが、最後に立ち上がるのです。
強い痛みで耐えられなくて走り回って、最後は痛みで心臓麻痺で
亡くなるのではないか、という話しも読みました。
それは事実かもしれません。
ウサギは自分の弱さを見せない動物。
死ぬ直前まで頑張って、その兆候を全く見せないウサギも実際多いのだそうです。
だから死ぬ時も、大丈夫だよ、ほら、元気に動けるんだよって
その姿を私たちに見せてくれたのかもしれないって……
そんなふうに話されている方もおりました。
そうかもしれません。
本当に病気で辛いときも、いつもと同じように過ごしているように見せたり
眠っているようにジッと動かずにいて、苦痛を訴えないウサギ。
だからこそ、私たちがそんなウサギをちゃんと見ていて
少しの異変でも気づいてあげなければならないのです。
私もそうすべきだったのに……気づいてあげられなかった。
ごめんね、コロン。 苦しませてゴメンネ。
でも、痛みや苦しみがあったとしても、最後にお別れを言ってくれるウサギも
また多いのだと思います。
不思議だけど、ウサギは自分で死期がわかっていて、自分が旅立つことが
わかっていて、だから最後に私たちに挨拶をしていく、それもあるのです。
私たちにはその子が死んでしまうなんてわからない。
だからその時は気づかなくても、後になってわかる。
あれは、あの子の最後の挨拶だったのだと。
そんな時、きっとあの子たちは言っている。
「ありがとう」って。
育ててくれてありがとう。いっぱい可愛がってくれてありがとう。
いつも一緒にいてくれてありがとう。 大好きだよ。
きっとそう言っている。
5回鳴いたコロン。 なんて言ったのか、本当のことはわからないけど……
コロンが倒れて一回目に鳴いたのは、なっちゃん! と私を呼んだのかもしれません。
2回目に鳴いたのは、みのさん! と呼んだのかもしれません。
そして、最後に3回鳴いたのは、
私たちに、お別れを言ってくれた……そんな風にも思います。
コロンをお家で看取ることが出来たこと、
コロンが私の腕の中で逝ってくれたこと、それがせめてもの救いです。
私にとっての救いです。
虹の橋へ旅立ったコロンは、今では痛みも苦しみもなく元気になって
お友達と一緒に野原を走り回っているのだと思います。
もう苦しい鳴き声を出すことはないよね。
そう祈っているよ、コロン。
by なっちゃん
ありがとうございます。