待合室に入ります。 静かです。
朝から一緒のスタッフさんが少しお話しをしてくれました。
コロンが成仏するためには、私たちが元気になることが一番だそうです。
すぐにはムリでも、すこしずつでも元気を取り戻していく。
亡くなった子は元気になった私たちを見届けで、成仏するのだそうです。
ということは、私たちが前を向かいないとコロンは成仏できないってことになりますね。
それはダメですよね。
亡くなった子たちは、私たちに感謝してくれているそうです。
なぜなら、殺処分されてしまう子も多くいるから。
動物たちが、その現実を一番わかっている。
だからこそ、お迎えして一緒に暮らして、お見送りをしてくれることに
感謝してくれているのだそうです。
感謝しているのは私たちの方なのにねぇ。
かわいい子と暮らす事。 ずっとそばにいてくれてありがとうですよね。
スタッフさんご自身も、昨年12歳まで生きたラブラドールを亡くされたそうです。
そのため、半年くらいは気持ちがおかしかったと言います。
とてもお辛かったことでしょう。 それを乗り越えてこられたんですね。
でもだからこそ、こうして愛する子を亡くしてしまった私たちの気持ちがわかり
寄り添ってくれるのだと思います。
30分、ぼんやりコロンを思っていました。
みのさんは一度外へ出て行きました。
火葬場の煙突から煙が出ているんじゃないか?
コロンが天へ上る姿が見えるんじゃないか?
そう思ったようですが、今の火葬場は煙突もなく煙が出ないようになっている
ところが多いようです。
周りは普通に住宅街だったりしますから、周りへの配慮が必要ですよね。
この火葬場のまわりは静かでした。

コロンの骨上げが始まりました。
コロンの骨は二つのトレイに乗せられてきました。
一つにはお顔部分、手足部分、肩甲骨など。
もう一つにはあばら骨など体全般といったところでしょうか。
担当してくれたお姉さんが、しっかりとどの部分なのかを説明してくれます。
コロンの骨を見た時、悲しみは消え、目の前のコロンを
しっかりと見て、真剣に話しを聞きました。
コロンの骨はきれいに残っていて、お顔が鼻筋から頭へと
すっとした細長い形で(頭蓋骨)
私には顔(頭)が、とても小さく見えました。
普段はモフモフの毛で覆われているのでわからないけど
ウサギの体は小さいんだなぁって改めて思いました。
小さいねぇ…… ってつぶやいたら
骨上げをスタッフのお姉さんが
「いや、大きいですよ」 と言い、私は何のことかわからず…??
コロンの骨?は大きいのだそうです。
コロンの骨壺は大きく (といっても掌に乗るサイズですが)
普通のウサギさんだと、これよりもう一回り小さいサイズ、
それよりもう一回り小さいサイズの骨壺に収まるウサギさんも
いるといいます。
ウサギちゃんでこの大きさの骨壺は久しぶりです、と言っていました。
骨太ということでしょうか? と聞くと
お姉さんは う~ん と考えて、「ごっつい」 んですね! と言いました。
私はなんだかちょっと笑ってしまいました。
コロンの体重は1.86㎏ 相当大きいです。ネザーちゃんなのですが……
でも、お友達などにそんなにあるようには見えないね~?なんて
言われることもあったし、確かにお肉はいっぱいついていましたが
この体重はもしかして骨が太いからじゃないか?なんて思ったこともありました。
お姉さんは ごっつい! って表現していましたが
私はコロンの骨が大きく太かったこと、ゴツかったこと、
なんだかとっても嬉しくなりました。
お顔(上部)があって、右と左の下あごがありましたが
そこに歯が付いていました。
肩甲骨は二つありますが、とても薄いものでした。
あばら骨もしっかりしていました。
本当に小さい小さい爪もありました。
骨壺にはコロンの名前のシールが貼られます。
この名前のあるほうが正面となります。

初めにみのさんと二人でコロンの手足の骨を骨壺に納めました。
箸渡しですね。二つの箸で静かにそっと納めます。
そのあとは体部分を納めていきますが、もうお箸は使わず
手でも大丈夫ですよ、と言われました。
でも骨はもろいので大きい部分をそっと持ち上げ入れました。
細かくなってる部分だと手についてしまうので、そこはスタッフの方が
まとめて納めてくださいました。
頭の部分は一番上に収めるため最後ですが
それは私が手で納めました。
骨壺に張ったコロンの名前シールが正面を向いていますが
それと同じ方向にまっすぐ正面を向くように、そっと納めます。
次に左右の下あご部分を収めました。
手足、体、顔……生前生きていた姿と同じようになるよう
納めるのですねぇ。
最後の最後に、のどぼとけ を納めます。
これはみのさんが納めました。 お顔の近くに置きました。
コロンの喉仏はしっかりと残っていました。
喉仏は座禅を組み手を合わせている御坊様の姿をしていると言われますが
コロンの喉仏もその形を残していました。
私は初めて喉仏を見たと思います。
念仏を唱える御坊様の姿でしょうか? それを後ろからみているようです。
御坊様の頭(剃髪している丸い頭)がピョコンとしていて
その下にはお坊様の背中が続くような形。
それはまるで袈裟を着た御坊様の後ろ姿でした。
横側から見てみると、本当にお坊様が両手を合わせているように見えます。
骨がこんな形にうまくなっているのですねぇ。 不思議ですねぇ。
喉仏がお坊様の頭で、体部分は、のどから両肩へ続く骨なのだそうです。
私は感動していまいました。
コロンの体には仏さまがいらしたんだと嬉しくなりました。
喉仏は人間でも動物でも、哺乳類には存在するようです。
私たちの体の中にも仏さまはいるのですね。
綺麗に喉仏が残っていると、「生前、良い行いをしていた。」とされている、と
うさ友さんがブログに書かれているのを読みました。
コロンもそうだったんだと嬉しくなりました。
コロンはとっても良い子でしたもの。
私たちをいっぱいいっぱい幸せにしてくれたんだもの。
良い行いをいっぱいいっぱいしてきた事に間違いありません。
すべて収まった骨壺を骨壺袋に入れ、すべてが終わりました。
私はコロンの骨を胸の前でしっかり抱えました。
コロンはとても小さくなりました。

車でも最寄り駅まで送ってくださいました。
雨は降っています。
車の中でコロンをしっかり抱きかかえ、お家に帰ろうね!って言いました。
出来るだけ、まっすぐお家に帰ってあげてください。
そう言われました。
車は火葬場より近い駅ではなく、もう少し離れた駅へ向かっているようでした。
大きい駅だったので交通の便もあると思いますが
火葬場からすぐに駅へついてしまうのも、ちょっと気持ち的に辛いので
少し車の中でコロンを思い落ち着ける時間があったのは良かったと思いました。
私たちの気持ちを整えようと、少し遠くの駅まで連れていってくれる配慮なのか?
とも思いました。
駅に着いたとき、なんだかお腹がすいているのを感じました。
朝食べていないのもありますが、何日かぶりに感じた空腹でした。
とってもとっても悲しいけど、コロンを火葬して骨上げ出来たことは
気持ちの中で一つの区切りがついた気がします。
コロンとまっすぐお家に帰りました。
玄関を開けたとき、コロンただいま~! と元気よく言ったのですが
言ったあとに涙があふれました。
いつもはお家に帰ればコロンが待っていてくれていました。
そこにコロンの姿がありました。
でももう、コロンの姿を見ることは出来ないのです。
悲しいです。辛いです。
でも、四十九日の間はコロンはお家にいるそうです。
コロンもきっと私たちと一緒にお家へ帰ってきているはずです。
コロンが空へ昇るまで、まだ少し一緒にいられるのですね。

by なっちゃん

ありがとうございます。
