西洋医学は臨床試験を無視するか軽視します。なぜなら敵対し迷信として軽蔑する漢方が経験的立証の医療であり、臨床試験も同じ経験的立証だからです。
合理的に考えて正しいものは、実際にやってみてうまくいかなくても気にしない、それが西洋医学を含む西洋の合理主義なのです。
合理的思考を重視する西洋の合理主義を我々は見習わなければなりません。しかし、合理的思考で出された答えが全て正しいとするところに西洋の合理主義は重大な欠陥を持っているのです。
なぜなら合理的思考をするのは神様ではなく、間違いを犯す人間だからです。どんなに合理的に正しく見える理論も、経験的立証が十分でないものは、何かを見落としたか何かを錯覚した一方的理論つまり机上の空論である可能性があるのです。
経験的立証を軽視する西洋医学ですが、なぜかイギリスだけは臨床試験に力を入れる国です。狂牛病を発見したのもイギリスであり、現在日本だけで大量使用されている睡眠薬の危険性を発信しているのもイギリスです。
アメリカは大国の驕りなのか何も怖がりません。銃も怖がらなければ、狂牛病も怖がりません。睡眠薬の規制もまだ十分ではありません。それでもアメリカの睡眠薬の使用量は日本の使用量の3分の1以下なのです。
イギリスが狂牛病を発見しなければ、今でも狂牛病は原因不明の病気として何の対策も採られず、その犠牲者数は甚大なものになっていたはずです。
西洋医学が経験的立証を無視して多くの犠牲者が出た例として、白米による脚気が挙げられます。漢方によって脚気の原因は白米とされていましたが、明治時代に西洋医学によって漢方は否定され白米は安全とされました。そのため延べにして100万人以上の犠牲者が出てしまいます。
西洋医学にとって脚気は触れられたくない恥部であり、今でも白米の危険性は問われず、原因不明の死亡の中には脚気によるものがあるようです。
西洋医学が脚気に対する大失敗を仕方がないものとして全く反省しなかったために睡眠薬という新たな恐怖が現実のものになっています。
白米を食べても睡眠薬を飲んでもすぐに悪い症状は出ません。数ヶ月以上続けて約半数の人に突然悪い症状が現れ命を落とすこともあるのです。睡眠薬による犠牲者数は脚気による犠牲者数をはるかに上回っている可能性があります。
今まで睡眠薬の一ヶ月以上の臨床試験は行われませんでした。長期にわたる臨床試験を行ったのはイギリスだけであり、自殺者や病死者が出ています。
有名人の自殺、病死、事故死、事件死などで原因のはっきりしないものは多く、睡眠薬が原因である可能性があります。睡眠薬がよく処方されるお年寄りの事故が多いことも気になります。
西洋医学を信じ頑固に白米を安全だと主張した森鴎外は一生反省をすることはありませんでした。しかし脚気と同じ二大国民病と言われた結核で死亡しています。これは天罰です。
睡眠薬を頑固に安全だと主張している人も森鴎外のように天罰を受け永遠に汚名を残すことになるのです。
白衣を着れば神様や天使になれるわけではありません。多くの知識で難しく考えさえすれば正しい答えが出るわけではないのです。
人間はもともと何も知らないのですから馬鹿なのは仕方がありません。しかし自分が馬鹿だと謙虚に認められなくなったときに、その人は本当の馬鹿になってしまうのです。