これは、会社の後輩である郁美が実際に体験した話だ

先月末、郁美は仲良しの妹と二人で箱根湯本の古い温泉旅館に二泊の予定で宿泊した

その旅館は、文豪が定宿にしていたという由緒ある場所で、情緒溢れる雰囲気だったという

二人は温泉や食事を堪能し、夕食後は部屋で寛いでいた

しかし、階下へ行ってお土産を見たり、館内を探索したりしようという話になり、まずはロビーがあるー階へと降りる事にした

階段を下りる途中、仲居さん達と何人もすれ違い、広間にはビールケースやスリッパが並び、襖の向こうからは宴会の賑やかな声が聞こえて来た

「宴会だね」、「そうだね」と話しながらロビーに到着すると、そこはとても静かで従業員の姿もなかった

二人はお土産や旅館の歴史が書かれたパンフレットを見たり、庭を散策したりして過ごした

その後、肌寒くなり部屋に戻る事にしたが、ここから奇妙な事が起こり始めた

二人の部屋が見つからない

旅館は大きくもなく複雑な造りでもないのに、どうしても辿り着けないのだ

「この歳で迷子なんてね」と冗談を言いながら、仲居さんを探そうと周りを見渡すと、妹が「なんか変じゃない？」と口にした

その一言で郁美も違和感に気付く

あれほど賑やかだった宴会の声が消え、人の気配もなくなっていたのだ

二人は廊下を行きつ戻りつしながら部屋を探したが、ますます混乱が深まるばかりだった

「こんな所に廊下あったっけ？」、「部屋のドアのデザイン違うくない？」とお互いに不安を口にする度に、廊下や階段の様子がさらに不確かなものに感じられた

踊り場に飾られた盛り花や絵画も記憶とは異なり、まるで場所そのものが変化しているかのようだった

恐怖が膨らむ中で、二人が迷子状態から抜け出せたのは、ある初老の女性との出会いがきっかけだった

茄子紺色の丹前を羽織ったその女性が「どうかなさいましたか？」と尋ねて来たのだ

二人が「自分達の部屋が見つからない」と訴えると、彼女はただ笑いながら去って行ったそうだ

それに落胆しつつ部屋探しを再開した直後、二人はようやく自分達の部屋に無事戻る事が出来た

部屋で一息ついた郁美が先ほどの女性の不親切を愚痴ると、妹がこんな事を言った

「あのおばさんが戻してくれたんだよ」、「えっ？」、「あの人が去る時、空気が変わった感じがしたんだ。ぽにょ〜んって歪んだみたいに。あの人、そういう係なんだと思う」

妹に霊感はないそうだが、勘が鋭い彼女は何かを感じ取ったのかも知れない

結局二人は、「怖い思いをした旅館に二泊もしたくない」と翌日の宿泊をキャンセルする事にした

「何か不手際が？」と尋ねる従業員に、「なんかちょっと怖くて」と伝えると、不思議と納得したような様子で「承知しました」と返事があったという

後日、地元のタクシー運転手にこの話をすると、「その旅館の周辺ではよくある事だよ」と教えてくれた

迷った人々が元の場所に戻る直前、朗らかな初老の女性に出会うという所が共通しているらしい

「磁場が狂っているからだと説明する人もいますが、そのおばさんがどんな関係なのかは解りませんね」と運転手は笑っていたという

多分、同じような体験をした人が箱根湯本へ旅行で行った人の中にいるのではないだろうか？

これまで箱根湯本には数え切れないほど足を運んでるけど、残念ながらこの話は一度も聞いた事がないなぁー

でも、この旅館が本当に実在するなら泊まってみたい気持ちはあるよ

なんとなくワクワクするよね

それと、その朗らかなおばさんにも会ってみたい

きっと良い思い出になると思うんだ

記事No.1368

シャロン・ストーン

本名

Sharon Yvonne Stone

誕生日

1958年3月10日

国籍

アメリカ合衆国

身長

174 cm

職業

女優

主な出演映画作品

「トータル・リコール」

「氷の微笑」

「クイック&デッド」

「カジノ」

「マイ・フレンド・メモリー」

「スフィア」

「グロリア」

「キャットウーマン」

「ブロークン・フラワーズ」

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」

来歴

アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身のアイルランド系アメリカ人

子供の頃のIQが154と非常に高かった事も有名である

飛び級により、15歳で高校に進学した年に奨学金を得て、州立エディンボロ大学演劇科に進むが中退している

その後、ミス・ペンシルベニアコンテストで優勝し、ニューヨークでフォード社のファッションモデルで成功を収め、念願の映画デビューを果たす

（1980年にウディ・アレンの作品「スターダスト・メモリー」で映画デビュー）

以降B級作品で活躍していたが、1990年の「トータル・リコール」でアーノルド・シュワルツェネッガーの相手役で注目されるようになった

さらに1992年、同じくポール・バーホーベン監督の「氷の微笑」では、セクシーでミステリアスな小説家を演じ、一躍世界的なセックスシンボルに躍り出た

取調室で足を組みかえるシーンは、数多くのパロディー作品に登場している

同年、日本では銀座ジュエリーマキ、1995年にはヴァーナルのCMキャラクターに起用されていた

1996年の第53回ゴールデングローブ賞のドラマ部門において、映画「カジノ」で主演女優賞を受賞している

2004年の第56回エミー賞のドラマ・シリーズ部門において、「ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル」でゲスト女優賞を受賞した

2021年、回想録「The Beauty of Living Twice」を出版し、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった

私生活

作品でヌードや性行為を何度も演じる事があったが、実は本人は身持ちが固く、実際には性的な事には真剣かつ慎重に考えるタイプであり、本人としてはあまり乗り気ではなかったようだ

助監督と1984年に結婚するが、1987年に離婚している

その後、ジャーナリストと1998年に結婚するも、2004年にやはり離婚している

三人の養子（すべて男子）がいるが、2008年には長男ローアンの親権裁判で敗訴した

映画「トータル・リコール」の公開から間もない時、ロサンゼルスのサンセット大通りで事故に遭った

シャロンは事故後すぐに家に帰り、脳震盪を起こしてい事には気付いていなかった

目が覚めた時には完全に麻痺状態にあり、三日間もの間床の上に横たわり泣くしかなかった

最終的にシャロンが病院に行けた時、その脳震盪は肩と顎の骨の脱臼と複数の肋骨の骨折、三つの椎間板の圧迫によるものだと診察された

2001年には脳卒中で倒れ、脳出血が9日間続き、回復に7年もの歳月を要した

助かる見込みは1％しかなかったと、シャロン当時を振り返っている

また2020年には、自宅のキッチンで落雷を受けて吹き飛ばされ一時気を失い、母親が車で病院に連れて行ったが、幸い命に別状はなかった

長い間、「メンサ」の会員であるとの噂があったが、IQの高い人々の為のいかなる団体にも属した事がないと2002年に公言している

2019年、登録していた出会い系アプリにて、複数のユーザーから偽物と判断され、アカウントが停止される出来事があった

後日、シャロンのファンらが運営会社に掛け合い、アカウントの停止処分は解除されている

チャリティー活動

悪役や気の強い女性を演じる事が多いが、本人は慈善実業家としてチャリティーなどにも熱心である事でも知られる

エイズ治療研究を支持したり、同性愛者に対する権利運動にも参加している

2005年、スイスで行われた世界経済フォーラムのダボス会議において、蚊帳がない為に、マラリアで命を落としている毎月15万人もの子供についての報告を受けて、自ら1万ドルの寄付を宣言し、30人以上のビジネスリーダーから総額100万ドルの寄付金を集め、コンテナ12個分の蚊帳をタンザニアへと送った

2009年11月20日東京、イタリアのジュエリーブランド「ダミアーニ」と共同で手掛けるチャリティ・プロジェクト「シャロン・ストーン フォー ダミアーニ」に関して記者会見を行った

これは、シャロンは米国エイズ研究財団のグローバルアンバサダーを務めており、アフリカに綺麗な水を供給する事が目的だった

また、二人の娘を交通事故とエイズで失った老夫婦の「孫がいなくて寂しい」との声を聞き、その夫婦と養孫縁組をし、正式に自分の祖父母としたエピソードは涙を誘う

個人的超絶美女度

★★★★★★★★★ 9

記事No.1367

2005年、仕事の都合で引っ越した先は、本厚木駅から少し離れた家賃67,000円のマンションだった

不動産屋は「家具付きでこの価格はお得ですよ」とやけに推して来たが、その時は単にラッキーだとしか思わなかった

実際に住んでみると、妙に住人の出入りが激しい事に気付いた

夜遅く帰宅しても、廊下で誰かとすれ違う事はほとんどなかった

奇妙な静けさ……

しかし、その時はまだ俺はあまり気に留めてはいなかった

最初の違和感は時計からだった

置き時計が次々に壊れ、時間が狂う

新品を買っても数日でおかしくなり、アラームをセットしていないのに、急に鳴り出す音に目が覚める事もあった

6つ買い替えたうち、動いているものは1つだけになった

それだけではない

住み始めてすぐ、体調が急激に悪化した

頭痛、吐き気、倦怠感に襲われ、眠りが浅くなった

医者を何件も回り、ようやく「睡眠相後退症候群」と診断され薬を処方されたが、症状はまったく改善しなかった

マンションのロビーから廊下に掛けて設置された大きな鏡が、特に気になり始めたのはその頃だ

ある日、目の端に映る黒髪の女性に気付いた

顔立ちが整ったショートカットの女性

何度も視界の端に入るが、振り向くと誰もいない

その女性が出るのはいつも鏡の近くだけで、廊下や部屋には現れない

疲れのせいだと思い込もうとした

けれどある時から、パソコンの挙動がおかしくなった

設定が勝手に変わったり、使用時間が異常に長かったり……

友人に相談すると、「これ、半年前に買ったやつだよな？どうしてこんなに使い込まれてるんだ？」と言われた

身に覚えのない数字に、背筋が冷たくなった

ある朝、金縛りにあった

もう慣れた現象だと半ば諦めていると、「起きなさい、起きなさい、起きなさい……」という声が頭の中に響いた

耳ではなく、脳に直接届く感覚だった

目を開けると、部屋には誰もいない

気のせいだと思い込みたかったが、どうしてもショートカットの女性の姿が頭を過る

これはさすがにおかしいと思った俺は、大家に相談しようと決めた

「前に住んでいた人、どんな人だったんですか？」と聞くつもりだった

ただ、心のどこかで答えが予想出来てしまうのが怖かった

「ショートカットの素敵な女性でしたよ」と言われたらどうしようと……

結局、その質問を口に出せないまま俺は引っ越しを決めた

その後、あのマンションに何があったのか知る事は出来なかった

自分の症状や体験が病気によるものだったのか、あの部屋に住んでいたからなのか、答えを見つけられないまま、俺は今も厚木の街に住んでいる

この話とはまったく関係ないのだが、年齢を重ねるにつれ、ショートカットの女性を美しいと思うようになった

ストレートのロングヘアが至高だと思っていた、若い頃の自分はもうどこにもいない

人間、変われば変わるものである

記事No.1366