【備後路続編】…海が見えた、海が見える、五年振りに見る尾道の海は懐かしい… 汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が、提灯のように拡がって来る 私は涙が溢れていた』の書き出しは、芙美子の小説「放浪記」の一説である。
小生は、三年越しに見る尾道の海だが、今回の旅の目的は、親族が眠る菩提寺「千光寺」の墓参と、秋冷の瀬戸内の美味三昧も楽しみの一つである。
新幹線で大凡90分、備後の国「福山」に着く。駅前から車で「しまなみ道路」に入り、尾道大橋を渡り、向島町を抜けて因島大橋を渡って、水軍のふるさと因島インターチェンジを降りる。
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しばし車を進めると、因島水軍城の山麓に着く。因島水軍城は昭和58年に築城された、全国でもめずらしい城型資料館で、村上水軍は南北朝から室町戦国時代にかけて、この辺りの海路を制覇し、水軍王国として活躍していました。八幡大菩薩の旗を掲げ、朝鮮半島から中国、東南アジアまでその名を轟かせています。本丸には武具、遺品、古文書などの歴史資料が展示されており、展望台を兼ねる隅やぐらは船の資料館ともなっています。
水軍城を後に、海岸線へハンドルを切れば、大きなクレーンと共に「石田造船」と書かれた船形のドックが目に入り、訪問してみれば、快くドック内をご案内つきで見学をさせていただきました。
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ご案内くださった方の説明では、当 造船所は他社には真似できないユニークなクルーズ船やお客様に合わせた「夢の船」を造船し提供されているとのこと。また、地方自治体のバリアフリー船の建造や日本の海を守る数多くの官庁船の改造修繕実績を持っているとのお話もお聞きすることができました。
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瀬戸内の落日もまじかとなり、鞆浦のホテル「鷗風亭」に今夜の宿をとる。
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翌日、国道2号線を経て、坂の町「尾道」に入る。長江口のロープウェイ乗り場近くのパーキングに駐車。山頂の千光寺公園まで大よそ5分にて到着。
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展望台から眺める尾道水道に架かるしまなみ大橋、水道を挟んで向島ドックが模型のジオラマのように見える。
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山頂から少し山を下った処に千光寺があり、その墓地で永眠する親族の墓石に線香をたむけて山を下りる、これで今回の旅スケジュールも終り、福山から新幹線のぞみ号で帰路についた。
(千光寺は、33年振りの「千手観世音菩薩」御開帳期間中。本年128日まで)