ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

僕らが本当に「電子マネー」に期待しているもの

2005å¹´04月16æ—¥ | è²¨å¹£ã€ãƒã‚¤ãƒ³ãƒˆ
BCN総研が電子マネーの普及度などの調査を行ったようだが、その結果を見ていると結局、電子マネーといってもそれは「貨幣」としての流通度を期待していないのではないか、という気になってくる。本来、「貨幣」というのはより広く流通できる方がいいに決まっている。このレポートが記載しているように、「利用可能な店舗や場所の拡充」というのは「貨幣」として期待されることの当たり前の条件である。しかし果たして僕等は本当にそのようなことを期待しているのであろうか。

電子マネー、利用したくない理由のトップは「セキュリティ面が不安」

まず利用している電子マネーの種類については、「Suica」が45.7%とトップで、次いで「Edy」(38.4%)、「WebMoney」(32.9%)、「ビットキャッシュ」(9.9%)とのこと。まぁ、これは当たり前といえば当たり前の結果なのだが、もしかしたら「おや?」と思った人も多いのではないだろうか。そもそも「Suica」はJR東日本沿線が中心だし、最近ではテレビCMをやったりしているが、マスプロモーションや話題性というところでいくと「Edy」の方が多いだろうし、事実、提携しているコンビニの数などは「Edy」が圧勝だろう。また2位の「Edy」と3位の「WebMoney」との差が5ポイント強というのも意外なのではないだろうか。

また利用場所については、「電車・バス等の交通機関」(41.8%)が最も多く、「インターネットショッピング」(37.1%)、「コンビニエンスストア」(31.2%)、駅構内の店舗(21.2%)と続く。

交通機関と駅構内というのは実質「Suica」なのだろう。以前、も書いたが、JR絡みの交通機関部分で「Suica」を利用したということは、JRとしては(人件費の削減やとりっぱぐれを防ぐという意味はあるにしろ)収入が増えるわけではない(料金徴収手段が都度払いから先払いに替わっただけだ)。しかし大前研一ライブで指摘があるように、「駅」という立地条件のよさを活かして、周辺部分でも利用者を増やすというのはまさに「強み」を活かしているといえるだろう。

大前研一 ニュースの視点「苦戦する百貨店をしり目に、集客力で一人勝ちする鉄道」

2位の「インターネットショッピング」についてはその詳細がわからないので一概に言えないが、「WebMoney」が主流なのではないか。ネットゲームのようなデジタルコンテンツ分野では「WebMoney」や「ビットキャッシュ」のシェアが高いし、またこの両者はリアルな場では見かけない。

そう考えると、「通勤代」という明確なターゲットを想定した「Suica」はまずそのターゲット通りに利用者にも「通勤の時に便利だから」という明確な理由を与え導入を促進したといえるし、また「WebMoney」はインターネットというセキュリティに不安がある利用場所において、事前に「WebMoney」として支払い、それ以上の被害はありえないという安心感、匿名での利用が可能という安心感から導入を促進したといえる。つまり「Suica」にしろ「WebMoney」にしろ、現時点で「電子マネー」といわれるものは、「貨幣」としての流通性・汎用性を高めることよりも、利用用途を特定することで「便利な貨幣の代替品」としての地位を作っているのではないだろうか。

我々がもとめているのは「貨幣」ではなく、「便利さ」や「安心感」なのだ。

そう考えるとドコモが実施している「ドコモコイン」というのは面白い存在なのかもしれない。

この「ドコモコイン」というのは、企業などのノベルティとしてユーザーに「ドコモコイン」といわれるポイントを付与し、そのポイントを利用することで携帯の料金に充当できるというものだ。つまり、企業などがあなたの通話料金を一部立て替えてくれますよ、というもの。

ユーザーにとっては非常にメリットが大きそうなサービスだが、よく考えてみるとドコモユーザーにしかメリットはないし、しかも利用用途はドコモの通話料金だけということでメリットはかなり限定的だ。汎用性ということでいえば、「Edy」あたりでもらえた方がよほど使い勝手がいい。

しかしこの「ドコモコイン」、何が凄いといってわかりやすいことだ。名称がまず「ドコモでの貨幣」を想像させるし、これをもらって何が得か、誰でもイメージがつく。まさに「利用用途を限定」することでユーザーへの訴求をはかっているのだ。

我々は「電子マネー」の貨幣性に注目して、どうしてもそのような可能性に言及してしまうが、実はユーザーが潜在的に(本来的に)求めているものというのは、実は「可能性」ではなく「分かりやすさ」なのではないだろうか。


Felicaをめぐる兄弟喧嘩?!「suica」と「Edy」

電子マネー「Edy」普及のキーとしての「ポイント」制

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