ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

amazonが挑むO2O時代の決済基盤

2012å¹´09月29æ—¥ | è²¨å¹£ã€ãƒã‚¤ãƒ³ãƒˆ
amazonがついにリアルな世界の決済に進出する可能性についてCnetが伝えている。記事の内容自体はあまり中身のないものだけれど、火のないところに煙は立たず、近いうちに現実となるのだろう。

 アマゾン、モバイル決済進出のうわさに新情報 - CNET Japan

日本のネットの世界で決済手段というと「Yahoo!ウェレット」「楽天ID」「amazon」だろう。このうち楽天IDはネット上のショッピングモール「楽天市場」を通じて多くの商店(出店者)に対して開放されている。Y!ウェレットはY!ショッピングやY!オークションを通じて、出店者(B)や出品者(C)に開放されている。

この中ではamazonがもともと自分たちが販売主体だったこともあって、もっとも閉じている。もちろん「Amazonマーケットプレイス」を通じて、出店/出品することも可能だけれど、他の2サービスに比べるとどうしてamazonの自社色が強い。

しかしこれらの決済手段もリアルな世界では全く使われていない。リアルな世界で使われているのは相変わらずの現金とクレカ、そして電子マネーだ。

2011年度の電子マネーの決済総額は2兆円を超えた。特に伸びの高いのが流通系の「WAON」と「nanaco」だ。WAONは単独でも1兆円を突破、nanacoは前年度比19.2%増の6億万件の利用件数を達成した。特に特徴的なのは、Suicaなどの交通系やEdyなどでは1回あたりの決済金額が800円前後なのに対して、流通系は2,000円と非常に高額なこと。流通系の電子マネーがSCやスーパーなどの日常的な買い物にも使われてきたことを示しているのだろう。もちろんそれだけの販促施策の結果ともいえるが。

しかしこれら電子マネーもネットの世界ではというと存在感は薄い。Suicaでは「モバイルSuica」でネット決済が可能なものもあるし、Edyでは早くからネット決済の分野にも参加していたし、楽天の傘下に入ってからは楽天市場との連携も強化されている。

しかし電子マネーの多くはFelicaを利用しており、カード側に金額をチャージする方式。つまりレジが目の前にあるリアルな店舗ではその場でカードから引き落とせばいいけれど、ネットの場合はそうはいかない。Felicaポート付きのPCを持っていれば別だけど(そんな人は数えるほどしか知らないが)、そうでなければサイト上で購入をして、支払方法で電子マネーを選択して、メールでケータイに通知して、アプリを立ち上げて…といったようにSTEPが多く複雑だ。

これまではそれぞれの得意分野で棲み分けができていたのだろうが、これから先はそうは行かない。ネットの世界とリアルな世界の境界が曖昧になり、いやむしろ「境界」を設けることすら意味のないことになってきている。EC市場の比率はこれからも高くなっていくだろうが、これまでと同様のペースで伸び続ける保証はない。日本という市場全体が縮小していく中で、互いが互いを取り込まねば成長は期待できない。

特に先の3IDに見られるようなネット決済は、今後、リアルな世界への進出はしやすい環境にある。そもそもネット決済IDはセンター型で管理を行っており、オンラインで繋がってさえいればPCの前だろうとリアルな店舗だろうと利用はできる。

利用者がスマホを持っていることを前提とするなら、その場で商品についているバーコードやタグを読み込みサイト上から決済を行うということも可能だろうし、レジ前で支払うというのであればその場でID/PWの入力が必要になるだろうが、NFCや専用のアプリを使えばID/PWの入力作業を省略化/簡略化することもできるだろう。

店舗側にとってどれだけ設備投資を抑えて導入することができるのか、また利用者にとってどれだけ容易に利用できるのか、そうした環境の整備が鍵を似きることになるのだろう。

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