バカに厳しいバカばかり

自戒の念も込めてそういうタイトルにしました。

「長者番付」廃止を悼む

2006å¹´03月28æ—¥ 13時02分38秒 | ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ã‚¹ã§äºŒè¨€ä¸‰è¨€
「長者番付」廃止決まる 今年から 個人情報保護などで (産経新聞) - goo ニュース

参院本会議が二十七日開かれ、高額納税した個人や法人の公示制度を廃止する所得税法など一部改正法案が賛成多数で可決された。「長者番付」が今年から姿を消す。

 公示制度は昭和二十五年から始まった。現在では所得、法人、贈与など各税について、一定額を超える申告をした個人、法人の税額、申告所得などが管轄の税務署で掲示される。導入当初の目的は、第三者による脱税情報の奨励だったが、その後、高額納税者への顕彰の意味合いも加わった。

 毎年五月には、上位百人の高額納税者が国税庁から公表され、メディアもスポーツ選手や芸能人などジャンル別の番付を掲載してきた。バブル時代には「土地長者」「株長者」という言葉を生み、十六年分では、ファンドマネジャーが百億円の報酬を得てサラリーマン初のトップになった。 しかし、個人の住所が公示されるため空き巣などの被害もあり、プライバシー保護の観点から廃止を求める声もあった。また、延滞税を覚悟で確定申告の期限後に申告する「公示逃れ」や、国税当局に寄せられる脱税情報の減少など、制度の形骸(けいがい)化が顕著になっていた。

2006年 3月28日 (火) 02:42



11月に書いたこのブログの過去記事で、政府税調が長者番付廃止を提言するという報道に関して、

パチンコだの貸金だの健康食品だのITベンチャーもどきだの芸能関係者だの、そういう類の商売で銭をかすめている方々が、いかに日本経済に深く巣食っているかを、年に1回国民の皆さんが再確認して気を引き締めるためだけでも、長者番付の存在意義は十分と思う私にとっては、痛恨の極みというか「つまんない提言するなバカ」というのが正直な感想。

と書いたものだが、そんなささやかな思いもむなしくあっさり廃止となったわけである。

ここ十数年来、長者番付の面子の変遷を見れば見るほど、個人情報保護が大事とか、脱税者の密告という所期の目的が機能しなくなっているとか、それ相応の大義名分は解るにしても、それとは違う部分で、なんか「どういう類の人間が、どうやってこの日本で儲けているのか、君たち貧乏人は余り考えなくていいから」と言われている気がして、残念なのが偽らざる心境である。この1年だけをとってみても、にわか株成金やら、あれこれの経済犯・経済犯まがいやらに、凄まじく関心の強まった年であり、こんなに長者番付が楽しみな年度もなかったのではないかという気がするし。

あとこれも過去記事とカブっているのでしつこいようだが、例えば一説に「食わず嫌い王」で1人1本600万なんていうのは、事実なら、本来どう考えても対価のあり方としてノーマルでないのは自明なわけである。が、一方でもとをただせば、その出所は、花王だの日産だののスポンサーの広告費であり、その広告費は必ずモノやサービスの値段に転嫁されるものであり、そういう値段付けたモノやサービスを黙って貧乏人が買うことで、巷間発表される企業業績の良し悪しやら、引いては国の経済規模や好不調に全部繋がっている部分もある。

そういう言わば、知らず知らず「食わず嫌い王」の経済に取り込まれているかも知れない己を省み、しかしその中で、実際には全く伺い知らぬところで決められているであろう諸々の動きに思いを致すと同時に、更に言うならそもそも日本自体が、多分にそういう実と虚の混ぜこぜになった金の回し方で、経済大国とか自称しているだけなのかもとか、ボンヤリとではあっても、1年に1回考えられる機会というのが、貧乏人にとっての長者番付の効用でなかったかと思い返すわけである。

それだけに、残念というか腹立たしい。単に人の財布を詮索するのが大好きだったというのも、正直半分以上はあるが。


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