バカに厳しいバカばかり

自戒の念も込めてそういうタイトルにしました。

王監督の手術成功、静養に思うこと

2006å¹´07月18æ—¥ 22時44分57秒 | ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ã‚¹ã§äºŒè¨€ä¸‰è¨€
「王監督は胃がん」 手術医会見 体調、極めて良好 (産経新聞) - goo ニュース

 プロ野球ソフトバンクの王貞治監督(66)の胃の摘出手術を行った慶応大医学部外科の北島政樹教授と消化器外科チームが18日、東京都新宿区の慶応大信濃町メディアセンターで記者会見し、王監督が胃がんだったことを明らかにした。

 北島教授によると、胃がんは胃の上部から中部にかけて約5センチあった。医師団は「リンパ節1カ所に転移していたが、切除した。肉眼上では(他の臓器への)転移はない」と語り、手術は成功した。

 17日午前9時40分から始まり、午後6時47分まで続けられた手術は、腹腔(ふくくう)鏡により胃をすべて摘出した。王監督は18日朝、北島教授から「傷は痛みますか」と聞かれると「全くないです」と元気そうに答えていたという。術後の体調は極めて良好だという。

 手術は、腹部を切らずに行う腹腔手術を採用、腹部に開けた複数の穴から内視鏡や器具を体内に入れ、その映像を観察しながら行った。

 王監督は5日、本拠地ヤフードーム(福岡市)での西武戦で指揮を執った後、胃に腫瘍(しゅよう)があるため休養して手術することになったと発表。6日に入院し、手術に必要な各種検査を受けていた。

■10日前後で退院

 北島教授の話 「けさ話をしたときは『痛みはない』と言っていた。一般の方よりは回復は早いと思う。社会復帰についてはご家族と相談したい。責任感の強い方なので(医師団の方から)抑えていかないといけない。一般的に10日前後で自宅静養に移れると思う」



そういえば、私が、生まれて初めて直接言葉を交わすことの出来た「スター」が、ほかならぬ巨人・王選手だった。

通っていた小学校に、何かのきっかけで王選手が来校されたときの話である。前シーズンに756号ホームランを達成された時期で、それはもう、当然のように全校職員・生徒が校庭に集められての歓待ぶり。で、確か各学年から1人ずつ、「王選手への花束贈呈係」と「質問コーナーの質問係」が選ばれたのだが、当時「国語が得意」なことになっていた私は、なぜか学年の代表として、朝礼台の王選手に質問を読み上げる栄誉にあずかったわけである。

何を質問したのかは、緊張していたため思い出せない。直接朝礼台で握手のできる花束贈呈係の生徒が、ひたすらうらやましかった。質問係は、マイクを用いるのに全校生徒から離れた横の隅に集められており、結局一番王選手から離れた場所に待機していなければならなかったからである。

その何ヶ月か後、今度はウチの父親が知人の伝で、王選手のサイン色紙を入手してきてくれた。800号を達成直後の秋頃の話で、色紙には、別にキリの良い数字でも何でもないのだが、確か「通算803号」と添書きされていたので、ひょっとするとホームランを打った試合明けに頂いた色紙だったのかも知れない。

私は基本的に運動苦手な小学生で、野球への関心は淡白な方だったのだが、さすがに王選手だけは別格であり、一度直でお会いしているという勝手な親近感もあってか、色紙はずーっと部屋の本棚の一番上の段に大事に飾っていた。

全く関係ないが、どれくらい野球に淡白だったかといって、そのまた3年後に、家族でハワイ旅行に行ったとき、同じホテルに引退後の野村・現楽天監督が泊まっておられて、色紙がないのでノートか便箋かに「生涯一捕手」の添書き付サインを頂いたのだが、帰国の荷造りの間にどこかに紛れさせてしまったほどである。思えば礼儀やモノの有難味を知らない小学生であった。多少子供心に「なんかこの人月見草っぽい」という印象が、保管を疎かにさせたのか。

とまあ、それほど野球に淡白な私ですら、語ろうとすれば色々語れることも尽きないほどに、野球ファンにもそれ以外の人にも、無数の人々の人生にさまざまな記憶を「与え続けて」きた王監督である。近いところではWBCというのもあった。

野球選手や監督という仕事は、もちろん請われて就き、請われなくなったら終わりの仕事で、それが王監督の長年生きてきた道でもある。しかしさすがにあれだけの、多分日本野球界の誰よりも、無数の人の生に彩りを「与え続けて」きた人が、こうやって静養に入ったとき個人的に思うのは、「早期復帰に期待」とか「ゆっくり休んで」とか、どちらも確かに気遣いの言葉ではあり、それが王監督のモチベーションに繋がるのかも知れないが、この状況で、まだそういう「請う立場」からの言葉をかけること自体、なんぼなんでも「貰おうとしすぎ」かという逡巡はなくもない。

なので、別にさしたる具体的なイメージがあるわけではないけれども、再度戦う日常への復帰であれ、別の何かであれ、治癒後の王監督には「完全に自由な野球人生の選択」を周囲が準備できれば良いなあと、何となく思うところではある。

もう一人のプロ野球の巨星であり、メガ球団の役職にいるが故か、未だ「請われて晒される」役割から完全に自由でない、長嶋・巨人終身名誉監督の現在の姿を見るにつけ、ことさらそう思う。


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