Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

事業仕分けを毎年やるのは時間の無駄

2010-04-20 10:20:21 | ãã®ä»–
今週末から事業仕分けの第二弾がスタートする。事情はよく知らないが、厚労省の独自仕分けも
先行実施中だ。論文一本6千万で話題となった労働政策研究・研修機構も含まれている。
「なぜこんな高コストなのか」と仕分け人が突っ込んでいたが、理由は簡単。
やっている仕事ではなく、働く人の都合100%でコストが決められているからだ。
現状では厚労省で不要となった官僚の養豚場なので、えさ台が高くつくのも仕方ない。

さっさと民間委託しておっちゃんは役所に引き取らせ、捨扶持で資料整理でもやらせておくとよい。
そんなの送り返されても若手も迷惑だろうが、民間はどこだってそうなのだから我慢するべきだ。
何より、そういう状況が厚労省内部でも出現することで、労働市場全体をパッケージで認識できるように
なるのではないか。というわけで民主党はがんがん攻めるといい。選挙を前に貴重なポイント稼ぎになるだろう。

ところで、一連の仕分けを見ていて思うのは、攻め手も守り手も大変なエネルギーをともなう作業である
ということだ。
向こうだって食い扶持がかかっているわけだから全力で抵抗するのは当然で、あらゆる手段を使って
天下りを維持しようとしてきたし、これからもそうするはずだ。

一度、溜まり切った膿は出さなければならないとしても、毎年こんなことを繰り返すのは実に無駄である。
天下りをばれないように偽装したり、それを掘り返す作業のために、役所や政治家に給料を払っている
わけではないのだ。彼らにはもっと他にエネルギーを使うべきことがあるだろう。

つまり、仕分け自体、対症療法の一つなのだ。
本丸は「天下りしたくていてもたってもいられない」というインセンティブを無くすことで、
それには組織内で流動化を進める以外にはない。

実は、公務員制度改革では、今でも民主党に割と期待している。
自治労は公務員制度改革に乗り気でないそうだが、キャリアとノンキャリの格差廃止等、メリットも
少なくない。ちゃんと説得さえすれば、説得できない話ではないだろう。
そして、官僚の人事制度が望ましい方向に進めば、大手の民間に少なからず影響するはずだ。
はっきりいって何一ついいことをしていない鳩山政権だが、宝物は足元に転がっている。