Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

「内定取消! 終わりがない就職活動日記」

2010-04-11 10:11:32 | æ›¸è©•
内定取消! 終わりがない就職活動日記間宮 理沙日経BP社このアイテムの詳細を見る



内定取り消しに追い込まれてしまった女子学生のルポ。日経BPで連載していた著者のものだ。
基本的には以前書いたとおり、“ツケ”はどこかで誰かが払わないといけないので、
「二か月分の基本給+取消証明書」のような明確なルール化をしてしまった方が良い。※
誰が悪いというよりも、そういう合理的な判断をしないまま、ただ「頑張れ!諦めるな!」しか言って
こなかった政治も司法も経営も労組もみんなに責任がある。

そういう意味では、どことなくそういった社会の矛盾をえぐり出す旅のように読めなくもない。

何の変哲もない女子大生が、ある日突然、内定辞退の強要という理不尽な目にあう。
「おまえなんて辞めちまえ!いらねえんだよ!」「そ、そんな…」
彼女は仲間を集め、大学就職課という頼れるバックアップも手に入れ、悪の黒幕たる人事担当者に挑む。
激しい戦いの末、ようやく彼女らは悪に勝利する。だが、残ったのは一枚の謝罪文のみ。
「すいませんでした、やっぱり内定出します」なんて事にはならない。その余裕が無いから取り消したわけで。
というか、今さら本人たちもイヤだろう。

ハリウッド映画的に言えば、敵味方の屍が累々とする中、「俺たちはいったい何のために戦ったんだ!?」
みたいな一抹の寂寥感を感じさせてくれるエンディングだ。いや、それだけ良く出来たルポですよ。
というわけで、やはり争いは非効率だということで、ルール化は必要だろう。

しかし。本書に出てくる企業の人事担当取締役は、なぜにここまでマッチョなのか。
「内定取り消しなんてしちゃいけないんだ、だから辞退に追い込むんだ」というコンプライアンス意識が
高い人なのはわかるけども、ここまでしちゃうと逆に高リスクだ。
恐らく、企業としてギリギリの瀬戸際にある会社なのだろう。
実は、内定取り消し理由の25%は倒産である(厚労省発表)。「業績の悪化」と倒産でほぼ100%。
50人以上の内定取り消して3カ月後に潰れた日本綜合地所のように、三途の川の手前でうろうろしているような
会社が大半だと思われる。

こういう状況で「取消企業の社名公開」なんてやられたら、売り掛け金や債権の取り立てが一斉に来て
間違いなく川を渡る羽目になる。ということで、人事部には人事部なりに焦っていたのではないか。

根本にメスを入れないまま、規制のみで押さえつけようとすれば、歪みは必ず形を変えて、より立場の弱い
部分に顔を出す。大手から中小へ、正社員から非正規、若者へ。22歳の女性というのは、もっとも
歪みの押しつけられやすい存在と言える。
本人がこういった経験をばねに、構造的な課題にまで理解を深めてくれることを祈りたい。


※それでも、新卒カードは失うことになるが。

4月10日(土)のつぶやき

2010-04-11 00:32:33 | ãã®ä»–
02:04 from twitterfeed
4月9日(金)のつぶやき: 02:23 from twitterfeed
4月8日(木)のつぶやき: 09:40 from web
新党の政策は「3本柱」で、(1)経済の回復と成長(2)財政再建と税制の抜本的改正(3)安全保... http://bit.ly/cwaDXY
12:45 from web
月刊誌斜め読み:VOICE5月号。塩野七生インタビュー、72歳とは思えない視野の広さ。: リーダーの覚悟は顔に出る、最近だと小泉さん、今は小沢さんしかいない。正社員既得権及び新卒一括採用の見直しも必要。「3年で辞める若者」に文句を言うより、そういう人材を採る器を持て。
12:47 from web
一方で西尾幹二「愛国心なき経営者は職を去れ」は凄いな。トヨタがこけたのは愛国心が足りないから、っておいおい…。保守はこういうのがいいの?というか、これって保守なの?
12:53 from web
渡辺喜美と菅義偉の対談。方向性は良いのだが、やはり渡辺氏の霞が関認識は引っかかる。高橋洋一氏の影響だろうが、「財務省は増税するために成長率を低くしている」って本気で思っているのなら重症だ。どの官僚も破たん回避のために脂汗流してますよ。この点は与謝野さんの方が現実的。
13:03 from web
文藝春秋5月号:与謝野、園田の結党宣言。「このままでは日本が崩壊する」という危機感で平沼氏と一致。最後のご奉公。首長新党の山田寛・中田宏・齋藤弘の鼎談もあるが、こちらは財政再建を前面に出している。こっちと組めば良かったのでは?でもなぜ全員“ヒロシ”なのか。
13:07 from web
宇都宮日弁連会長「弁護士の貧困」もかなり痛い。「国が弁護士合格者を増やしたから、食いぶちが減って過払い金ピンハネみたいなケースが増えた」って…。この手の人はなんでいつも既得権死守で入口だけ締めようとするのか。
13:17 from web
今月はこれが収穫だな。「あと4年、財政と年金は同時に破綻する」(田代秀敏):内国債だから海外投機筋は手が出せないというのは神話。国債CDS市場でいくらでも仕掛けられる。
13:23 from web
個人金融資産1400兆といってもネットでみると1000兆、民間に押し付けてもあと500兆しか余力なし。高齢化で取り崩しが増えるから、2013年頃には枯渇。
13:29 from web
そういう諸々への対応策が、郵貯の限度額引き上げ。もちろん、究極の対症療法だけど。菅さんが消費税増税に言及したり、与謝野さんが最後のご奉公とか言い出したのはこういう事情が見えているからだろうな。
by joshigeyuki on Twitter