原発問題

 ï¼Šã€ŽåŽŸç™ºã‚¼ãƒ­ã€è‘—者 小出裕章　を複数回に分け紹介します。６回目の紹介

『原発ゼロ』著者小出裕章

原発を廃絶させるまで、私は闘いたい。

　 原発は、都会では引き受けることができない寛大な危険を抱えています。「原子力マフィア」はまさか大事故は起きないだろうと高を括り、人々に対して「原発 は決して大事故を起こさない」と嘘をつきました。それでも不安を払拭できない彼らは、原発を過疎地に押し付けたのです。私は破局的な事故が起きる前に原発 を廃絶させたいと活動してきましたが、福島第一原発事故が起きてしまいました。私の人生すべてが否定されてしまい、自分の非力を無念に思わずにはいられま せんでした。しかし、この事故を忘れまいとする人々もまだ大勢いてくれることを、本当にうれしく思います。被害者の苦しみを少しでも減らし、嘘をついてき た巨大な権力を処罰するために、私自身も決して挫けずに闘いたいと改めて思います。

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＊＊『原発ゼロ』著書の紹介

 ã‚´ãƒŸã¯ã‚‚ともとの所有者に返すのが原則

　日本の政府は今、躍起になって核のゴミを埋め棄てにする場所を探しています。福島県内の除染で出た放射能のゴミの保管場所をつくるために、福島第一原子力発電所周辺の土地を国有化する動きもそうですが、最近になって国は、これまでとってきた公募制ではなかなか手が挙がらず最終処分場がつくれなかったために、これからは国の方から積極的に地域を指定するような方針をとるように変わってきました。

それでまず着手したのが、今現在、国内１１都県に仮置きされている、福島第一原子力発電所の事故で汚染された「指定廃棄物」の最終処分場建設地の選定です。指定廃棄物というのは、１キログラムあたり８０００ベクレルを超える放射性廃棄物のことで、総量は、２０１４年１月２１日付け『朝日新聞』の記事では、２０１３年８月末時点で約１３万２０００トンとなっています。

　環境省は宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の５県に一ヵ所ずつ最終処分場をつくる計画で、２０１４年１月には、最初の候補地として宮城県内の３つの市と町の国有地を提示しました。国有地と県有地の中から最終処分場を建設できそうなところを選び、住宅地や水源との距離、自然環境の保全度合いなどを点数化して絞ったそうですが、会議に出ていた地元の首長たちからは強い反発がありました。

これに対し、宮城県の村井嘉浩知事は、「地域を代表する町長、市長として当然の発言だ」（『NHKニュースウェブ』（２０１４年１月２０日）と理解を示しながらも、提示された３カ所のいずれかで、高度に汚染された放射能のゴミを引き受ける方針です。

　しかし、私は福島の事故でばらまかれた放射性廃物については、どこの地域や行政も、引き受けていはいけないと思います。ここに改めて私の放射能のゴミの処理原則を挙げますと、①放射能のゴミがある場所で、②可能な限りのコンパクトにして、③他のものと混ぜずに閉じ込める、ということになります。

　放射能のゴミはすでに広範に散らばってしまっていて、すでにそのゴミのある場所で閉じ込めることはできなくなっています。そうであれば、責任のある場所に集めて閉じ込めるのがいいと私は思います。ではその場所はどこかといえば、事故が発生したところは東京電力福島第一原子力発電所です。そして広範囲に飛び散った放射性物質はもともと、そこの原子炉の中にあったものです。だから、そこへ返す。

汚染というものの正体は、もともと東京電力福島第一原子力発電所の原子炉の中にあった放射性物質で、東京電力のれっきとした所有物なわけですから、東京電力に返すというのが私は正しいだろうと思います。ただし、本当ならば、福島第一原子力発電所の敷地に返すのがいいのですが、今あの場所は、多数の作業員が放射能を相手に命がけで闘っている場所ですから、そこへ新たに放射能を持ち込むというのは多分できないと思います。

そこで私が提案するのは、福島第二原子力発電所という広大な敷地がすぐ南にありますので、そこを放射能のゴミ棄て場にするということです。なるべく汚染物を汚染されたエリアから持ち出さないようにするためにも、日本全国あちこちの地域や都道府県で引き受けてしまうというのではなくて、ぜひとも東京電力に返すというような方策を探ってもらいたいと願います。

　殊に東京電力は、福島第一原子力発電所の事故が収束していないというのに、もう福島第二原子力発電所を再稼働させるというようなことを言っているわけです。周辺の何十万、何百万の人たちにこれだけの苦難を押しつけながら、自分だけは無傷でまた原子力発電所を再稼働させるというようなことは、私は正しいこととは思いません。

ですから、まずは福島第ニ原子力発電所を放射能のゴミ棄て場にする。それでも足りなければ、東京電力はもう一ヵ所、柏崎刈羽原子力発電所という厖大な敷地を持っていますので、そこを放射能の次のゴミ棄て場にする。もっと言えば、もし、この放射能のゴミの移送を私にやらせてもらえるのであれば、東京電力本社の会長室、社長室、重役室、役員室から順に、核のゴミで埋めていきます。そして、そこで集中的に管理をするというのがよいと思います。それが一番道理にかなったことだと私は思いますし、東京電力に責任をとらせる一つの方法です。

※続き『原発ゼロ』著書の紹介は、12/7(月)22:00に投稿予定です。

原発ゼロ (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-3)