よく「海外おもしろCM」とかいうコーナーで、カンヌなどの受賞広告が、ワイドショーやバラエティーもので紹介されたりします。 「へ~!」ということも多いですが、「何? なんで?」と思うことの方が多いですね。
脳みそのスイッチを「海外文化解釈モード」に切り替えないと、理解できないし、おもしろくない、というのをたくさん見かけます。
数年前、カンヌに行って、ともかく3日間、ず~~~~~~~~~~っと世界の広告を見ていたときには、この「海外文化解釈モード」脳が、へっとへとになりました。
さて、「ふ」さんから、「これはどう?」とコメントいただきました、EvianのCMです。
これ、わかります?
私にはさっぱりわかりません。
映像としては、とてもよくできていて、見入ってしまうのですが、結局最後に残る印象は「???」です。 それでも、見入ってしまうんだし、それがEvianらしいことは覚えているので、それで広告の仕事はほぼできてる、という考え方もあるんでしょうが。
どうやら、Evianには、細胞を活性化したり、元気にしたり、加齢による健康上の問題を減らしてくれたり、肌がきれいになったり、筋肉や骨が丈夫になったり、頭の回転を良くしたりする効果があるんだそうです。 しかし、所詮、ただの水、薬ではないので、それらの効能を全面に出して叫ぶわけにはいかないんでしょうね。
それじゃぁ、ということで、「Evian = 若さのわき出る噴水・泉」と置き換えて(アイディア化して)、「若さがあふれる・取り戻せる = 人間が赤ちゃんのようになる」と表現に落とした、ということなんですね、きっと。 違うのかしら? 「Evianんで、いつまでも若々しく」って?
(まぁ、こうやって「論理的に」考えている時点ですでにダメなのかも知れませんが。)
こうやって、じっくり「解釈」すれば、わからなくもないんですが、通常のモードでは、何がなんやらさっぱりわやですわ。
何がだめなんだろう。 若さの象徴として赤ちゃんを使うことに、どう頑張っても越えられない壁があるような気がしますね、私には。 たとえ「Evianがあなたの身体に与える影響を見てみましょう」・「Evian飲んで、いつまでも若々しく」というコピーが付いていても、無理。 よく「日本人は文字通り考え過ぎ」とか言われますが、それですかね?
「消費者を信じましょう、彼らはオトナですから、わかってくれるはずです」と強くクリエーターに背中を押されても、これは買えません。
私だけですか?
まぁ、それでも、とてもよくできた映像ですから、評判にはなるんでしょうね。
AXEみたいに、海外にいくらでもものすごいいい広告があるし、Evianほど「難解」でもないのに、わざわざ、陳腐で安っぽくて、面白くもなんともない「日本オリジナルCM」でお茶を濁しているのも、問題だと思いますがね。 「世界で一番おもしろくないAXE広告賞」とかあれば、日本は毎年グランプリです。
お。