« 論理や実利ではなく感情ないし羨望の問題 | Accueil | Never EverがITSJに! »

08/04/2007

著作権等管理事業者は内規を押しつけることが許されるのか。

 著作権等管理事業法第13条は1項で「著作権等管理事業者は、次に掲げる事項を記載した使用料規程を定め、あらかじめ、文化庁長官に届け出なければならない。」と規定した上で、同4項で「著作権等管理事業者は、第一項の規定による届出をした使用料規程に定める額を超える額を、取り扱っている著作物等の使用料として請求してはならない。」と規定し、さらに第16条で「著作権等管理事業者は、正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならない。」と規定しています。

 このような法の規定ぶりからすると、著作権等管理事業者は、使用料規程に規定されている使用料の算定方法のうちどれを選択して使用料を算定するのかについての内規を、著作物等の使用者に押しつけてはいけないということになるはずです。

 今日、某著名著作権等管理事業者の某支部の窓口にお電話したら、その辺のところがわかっておらず、使用料が不当に高くなるコースを押しつけようとしてくるので、非常に不快になりました。

 本部もその方針を貫こうということなら、

第二十条 文化庁長官は、著作権等管理事業者の事業の運営に関し、委託者又は利用者の利益を害する事実があると認めるときは、委託者又は利用者の保護のため必要な限度において、当該著作権等管理事業者に対し、管理委託契約約款又は使用料規程の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
という規程がありますので、この命令の発動を促さなければいけないかもと思ってしまった今日この頃です。

Posted by 小倉秀夫 at 02:13 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: 著作権等管理事業者は内規を押しつけることが許されるのか。:

Commentaires

実際のところは、自分もけんさんとそれほど意見が違ってもいないつもりではいます。

ただ、最近の公取委の大活躍を見るにつけ、だったらこの領域もきちん国民の納得できる話でやってもらえないものかなぁ、役目じゃないのかなぁ。とまず思ってしまうのです。本来出てくるわけ無い金額、840万だの1600万だので生活押しつぶされてる人がいるわけですからね。SWANさんにしても、あれだけ声を上げても行政はほぼ何もしてくれなかったですしね。民主党川内議員だけです。こんなあからさまにおかしい事件なのに政治関係で動いてくれたのはたった一人だけ。

国民は声を上げてますが変わっていく兆しはほとんど感じられませんね。元凶はいつまでも愚鈍に居座る感じです(世界から取り残されながらですがw)結局エネルギー使って、しょうもない使用規程の微々たる箇所を変えさせる程度が限界の感じがしています。何年もこんなばかばかしい事に関わるぐらいなら、利用者側には別の方法がある気がします。

Rédigé par: コマプ墨田 | 8 août 2007, 18:18:56

どうもです。
JASRAC使用料規程がデタラメであるなら、
国民として認めなければいい、変えさせればいい、と
言っているだけでして、
落ち度というのは何か違いますね。

変えるにはどうすればいいか、ただそれだけです。

Rédigé par: けん | 8 août 2007, 00:27:57

けんさん、お久しぶりです。
小倉先生サイトにおじゃましてお会いするとはw

自分の結論では、JASRAC使用料規程がそういうデタラメを可能に出来るように(目的で)書かれてるから、ということになります。他の公共料金では絶対あり得ない代物だと思います。万が一あんな規程が上がってきたら文化庁以外の監督官庁なら絶対許可しませんでしょう。要は文化庁が公共料金だと認識していないもので、国民の正当な利益と安全を守るための仕事に真剣に取り組んでいないんでしょうね。利用者側の承認があるとかいっても、上部組織が勝手にOK出すだけで、不利益を被る少数業種の現実的利用者は排除されてますし。

利用者側の落ち度は事の要点じゃない気がします。

Rédigé par: コマプ墨田 | 7 août 2007, 18:11:32

個人的感覚では、使用料規程にある「このやり方で支払いたい」というのは、
ごくごく当たり前の使用者の行動で、それを拒否するのは規程違反以外の何者でも
ないですよね。
この問題は、使用料規程をよく知らないために、JASRACに丸め込まれてしまう
使用者が多いこと、また理不尽なことをされても声をあげない、文句をいわずに
泣き寝入りしてしまう使用者が多いために、結果としてJASRACを甘やかして、
図にのらせているだけ、という構図だと思っています。

使用料規程をよく知り、JASRACに言い負かされずに、
なにかおかしいことがあったら、国に、文化庁に、公正取引委員会に、
(詐欺行為があれば)警察に、というアクションを起こさない限り、何も
変わらないだろうと思います。

Rédigé par: けん | 7 août 2007, 09:11:11

訂正(二段目末) ×そしてあのです。 ○そしてあの結果です。

Rédigé par: コマプ墨田 | 5 août 2007, 16:17:33

この習性はJASRACの常識で、彼らには何ら問題意識無いですね。といいますか、JASRACを成り立たせる主たる柱の一本と考えた方がいいくらいです。

ビートルズ逮捕時件、名古屋ライブハウス逮捕時件の場合、元々ダラダラと不明瞭な定義を連ねる使用料規程にある各種算定方法を駆使して、本来の利用者権利内容は伝えず(問われているのに虚偽説明+隠蔽工作←SWAN事件、銀河のほとり事件他)、考えられない高額料金を導き出して利用者を限界まで追いつめます。そしてあのです。

過去利用分を徴収するにしても、包括契約換算で行えば、840万円とか1600万円なんて金額は到底出てきませんです。小倉先生の以前の記事でのご指摘通りであれば、使用料換算で徴収する場合3年分が限度のはずです。過去利用分に対しても罰則的要因は無いはずです。国民生活に向けられたかくも恐るべき行為がどうして違法ではないんでしょうね? こんなものは独占禁止法の問題だとしか思えないのですが? しかも極度に悪質な気がします。

内閣府の定義により、JASRACの使用料規程は一般の公共料金と同じ扱いに成るはずです。最近利用者から公式にこのことを指摘された文化庁は、<①当初これを否定>し、さらなる言及を受けて<②内閣府に確認>し、<③その結果事実を認め>ています。つまり文化庁はこれまでその認識が無いままJASRACに対応していたということですね。ビックリ仰天です!文化庁は他省庁が国民生活の安全を守るために徹底して行っている公共料金への監視を怠っていたと思わざるを得ません。公正取引委員会も文化庁の監視が十分成されていると信じてこの領域への監視を緩めているのでしょう。政府機関の怠慢が重なっています。

Rédigé par: コマプ墨田 | 5 août 2007, 12:26:39

L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.