著作権保護期間延長は「国民主導の政治」の結果なのか?

昨日のJASRAC創立70周年記念祝賀会において、鳩山首相が

著作権の保護期間を現在の「著作者の死後50年」から、欧米などと同等の「著作者の死後70年」に延長するために最大限努力するとの考えを示した。

「著作権保護期間70年への延長実現に最大限努力」鳩山首相が明言 -INTERNET Watch

という。

国民主導をうたいつつ、国民の意見を聞くこともなく著作権ロビイストの要求を安易に受け入れてしまうのかと愕然とした。が、小倉秀夫弁護士が「民主党への手紙」というエントリの中で、民主党にこの件について考えを伝えているのをめにして、少し気が変わった。まずは、国民の意見を伝えることから始めなければ、と。

民主党への意見・感想を伝えるための窓口があるのであれば、それを利用しない手はない。国民主導の政治を掲げる民主党が、「国民の声」を無視するはずもない。というわけで、送ってみた。

昨日の「JASRAC創立70周年記念祝賀会」にて、鳩山首相が著作権保護期間を現在の原著作権者の死後50年から死後70年に延長する案について「最大限努力することを約束したい。与野党を超えてできる限り共闘したい」と発言したとの報道を目にしました。

率直に言って、国民主導の政治をうたう民主党が、国民の意見に全く聞く耳を貸すことなく、既得権者のロビー活動を真に受けて、国民を害し、一部既得権者のみを利するような約束を軽々しくしてしまうことに、大変失望いたしました。

著作権とは、我々国民が文化を育み、そして享受するための権利であると解釈しています。著作権者に与えられる権利は、その目的に即してこそ与えられるべきであって、国民を害し、著作権者を利するためだけに与えられるべきものだとは思えません。

私は一国民として、世界のスタンダードに合わせるとか、JASRACの創立70年だからといった不確かな理由で、原著作権者死後51年から70年までの20年間にわたって、その作品を自由に利用する機会が剥奪されることを好ましいとは思いません。

著作権の保護期間延長は、国民の財産を奪い、権利者へと与えるということです。それでもなお、延長しなければならないと主張されるのであれば、それがいかにして文化に寄与し、国民の利益に繋がるのかを、それこそ事業仕分けにおいて要求したように、国民に向けて具体的に説明する責務があると考えます。


もちろん、祝典ということもあり、リップサービスの1つであったのかも知れませんが、それでも首相として、政治家として、政府・民主党を代表して、こうした主張をされているのであれば、国民との議論に耳を傾け、対話を通じてその方向性を定めていただきたいと願っております。国民主導の政治を掲げている民主党に期待しております。

最後の期待は特に皮肉でもなく、本当に期待しているので付け加えてみた。少なくとも自民党よりは期待できるかなと。

小倉さんのようにしっかりした文章でなくとも、「私はこう思っている」というのをざっくばらんに伝えるというのでも大切なのかもなぁと考えていて*1。

こうした意見が、1通、2通では大量の意見の中に埋もれてしまうのかも知れないが、それが100通、1000通、1万通と増えていくにつれて、無視しがたいものになるんじゃないのかな。ということで、皆さんも民主党への意見・感想を送ってみてはいかがでしょうか?もちろん、他の窓口にもね。

*1:罵倒のような建設的でない意見は論外として