博覧強記の料理人、美味の迷宮を東奔西走す! 日本の「おいしさ」の地域差に迫る連載。 前回からの続き、ラーメン編3回目です。 とんこつラーメンが日本中で人気になるまでには、各地でさまざまな“混乱”が引き起こされたようで…? 辺境から見たラーメン③ とんこつ遺伝子 大学進学で鹿児島を離れ京都にやってきた僕は、そこでそれまでとは全く異なるラーメン文化に触れることになります。まず目指したのは醤油ラーメンの店でした。なぜなら、僕は鹿児島には存在しなかった澄んだ黒いスープの醤油ラーメンにずっと憧れがあったからです。 雑誌のグルメ記事でその存在を知ったのは以前にも書いた通りです。しかしそのイメージはあくまで東京の醤油ラーメンであり、京都のそれは全くの別物であることをすぐに知ることになります。 京都の醤油ラーメンは、鹿児島のラーメンよりむしろパワフルでした。醤油の色に染まったクリアなスープ自体は確かにイメ