映画「聲の形」感想 6年2組の青い鳥 聴覚障害者へのいじめを扱ったとして話題になった読み切りから、連載、そして今回の映画化と、その度に頭をもたげてくる雑音がある。いじめの加害者と被害者が恋愛かそれに近い関係になる展開に対する憤りである。 雑音と言うとおり、私はこの感覚をまったく理解できないし、理解するつもりもなく、理解する価値もないと断言する。何故なら、この作品は読み切り版から一貫してコミュニケーションの可能性を少年少女の視点から描き続けているからである。 簡潔に言えば、いじめという現象もまた、小学生から中学生にとって、タイトルが語る通りに、コミュニケーションの一つの「形」に過ぎないということである。 もちろん、この考え自体に自分自身かなりの抵抗を抱いている。いじめ問題はそんな単純な問題に回収できることではないし、自殺に至る事件を身近に経験しそれらの報道にも触れている。だが、そこに囚われて