サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
www.the-journal.jp
安倍晋三官房長官などが統一教会系の「天宙平和連合(UPF)祖国郷土還元日本大会」に祝電を送ったことが話題となっている。総裁選前に、これを政治問題化させようという動きもあるが、過大評価である。安倍氏からの祝電を報じたのは韓国の「世界日報」5月14日付。統一教会系の新聞である。大会は5月後半に国内12か所で開かれており、13日に福岡で行われた集会で安倍氏の祝電が披露された。この「天宙平和連合祖国郷土還元日本大会」は、統一教会の文鮮明教祖と妻の韓鶴子が共同総裁で、合同結婚式の儀式も行われている。霊感商法を行い、最高裁でも違法と認定された合同結婚式を催す統一教会は、反社会的集団だ。 その集会で本人が挨拶したのなら国会でも問題となるだろう。しかし、祝電となると問題はまた違う。国会議員の地元事務所が依頼を受けたならば、祝電を送るかどうかはそこで判断するのが通例だ。結婚式や葬式への電報とほとんど同じ水準
民主党惨敗の責任は言うまでもなく解散を断行した野田総理にある。「解散権は総理大臣の専権事項」と言って一人で断行したのだから責任も一人で負うべきだ。ところがその姿勢が全く見えない。 衆参「ねじれ」に苦しんだのは民主党だけではない。07年の参議院選挙で大敗した自民党もそれから2年間「ねじれ」に苦しんだ。09年に政権を奪った民主党が「ねじれ」に直面したのはその翌年の参議院選挙だから、「ねじれ」に苦しんだ期間は同程度である。しかし両党の対処の仕方は全く異なる。 07年7月の参議院選挙で自民党が大敗した時、安倍総理は選挙敗北の責任を取らずに退陣を拒否した。それまで参議院選挙に敗れて「ねじれ」を作った89年の宇野総理、98年の橋本総理が責任を取って退陣したのとは対照的である。民主党の菅総理も参議院選挙敗北で「ねじれ」を作ったが退陣を拒否したので安倍、菅両氏の対応は共通している。 しかしその後の経過は対
私が大政局の中盤と位置付けた総選挙は自公の圧勝となった。自公の議席数は7年前の郵政選挙に匹敵し、自民294、公明31と合わせて衆議院の3分の2を超えた。国民が自民党に過半数を超える議席を与えたことで消費増税、原発再稼働、憲法改正は容認された事になる。 与党は衆議院のすべての常任委員会で過半数を占め、すべての法案を可決する事が出来る。参議院で否決されても衆議院で再議決できるので国会運営はオールマイティになる。それが選挙無効になるかもしれない憲法違反の総選挙の結末である。その事の意味を国民は重くかみしめるべきである。 違憲状態を承知の上で解散に踏み切った野田総理の責任は重い。「ねじれ」によって政策の遂行が困難な時、これまでの総理は自らの首を差し出して政策を実現させた。内閣総辞職をする代わりに政策を遂行させてもらったのである。これに対して解散は、政策遂行の行き詰まりを打開するため議員全員の首を切
民自公の3党合意がもたらした総選挙が近づいてきた。私の言う大政局一歩手前の中盤の山場が近づいてきたことになる。メディアは選挙情勢ばかりを報道しているが、政治の帰趨はそれで終わらない。選挙後がいよいよ本番の始まりである。 何のために国民が投票に行かなければならないかと言えば、民自公3党が協力して消費増税法案を可決させたからである。協力の条件が「国民に信を問う」であった。だから国民に問われているのは消費増税の是非と3党合意に対する信任である。本筋はそういう話である。 本筋から導き出される選挙の構図は、民主党、国民新党、自民党、公明党という消費増税賛成勢力vs反対した政党との戦いである。前者が選挙で過半数を獲得すれば国民は消費増税を認め、3党合意を支持した事になる。後者が過半数を得れば消費増税は廃止される。それが本筋である。 ところがそうした構図にしたくないのが民自公3党である。自公は自分たちを
14日の党首討論で野田総理は選挙制度改革の実現を条件に「16日に解散する」と発言した。これに自民、公明の両党が協力する姿勢を打ち出したことから、12月16日総選挙の流れが固まった。しかしこの選挙は選挙制度改革を条件にしているとは言え、あくまでも憲法違反の状態の中で行われる違憲総選挙である。 野田総理の発言に沿う形で民主党はこの日に選挙制度改革法案を国会に提出した。法案の中身は、小選挙区定数の0増5減、比例代表定数の40削減、また比例定数の35議席に中小政党に有利な比例代表連用性を適用すると言うもので、通常国会でいったん提出して廃案になったものを取ってつけたように再提出した。 しかしこの法案を16日までに取りまとめる事は事実上不可能である。従って今国会では憲法違反状態を解消する0増5減だけを実現させ、消費増税の見返りとして国会議員が身を切る定数削減は次期通常国会で実現させる事を確約すれば解散
石原東京都知事が突然辞職した事でメディアが大騒ぎしている。まるで私の言う来年夏までの「大政局」を操る中心人物になると見ているかのようだ。一体日本のメディアはどこを見て何を判断しているのだろうか。「尖閣購入」という「茶番」を演じて行き詰まった政治家が、先の見通しもないまま次なる茶番に突き進んでいるだけではないか。 昨年4月に石原氏が4期目の東京都知事に当選した時、私は「石原東京都知事当選の憂鬱」と題するコラムを書いた。「立候補する事は150%ない」と言ったにもかかわらず、自民党幹事長を務めていた息子への自民党内からの批判をかわすため、政治に対する意慾より家庭の事情で都知事選に立候補したからである。 従って当時の石原氏は既に政治家として「プッツン」していた。見識を疑わせる発言を繰り返している。3月11日の東日本大震災に対し「我欲に縛られた日本への天罰」と発言した。「文学者か評論家ならいざ知らず
遠隔操作ウィルスなどを使って他人のパソコンから犯罪予告を行った事件が波紋を広げている。現代では知らないうちに自分のパソコンが「乗っ取られ」、他人の犯行に利用される恐れがある。誰でもが犯人に仕立て上げられてしまうのである。 その犯行の犠牲者が5人いる。そのうち4人は逮捕され、1人は大阪地検によって起訴までされた。全員が身に覚えのあるはずもなく、犯行を否認したが、その中の2人は後に捜査機関に犯行を認める供述をした。 「就職試験を落ちたのでむしゃくしゃしていた。不採用の知らせを受けた当日にやった」とか、「楽しそうな小学生を見て、自分にはない生き生きさがあり、困らせてやろうと思ってやった」とか犯罪予告の動機を語ったとされる。それは取り調べを担当した捜査機関の見事な空想の産物である。 なぜなら真犯人と見られる人物からTBSや弁護士にメールが送られ、4人の犯行でない事が分かってきたからである。真犯人の
ジェームズ・リカーズ著『通貨戦争』(朝日新聞出版)に興味深い記述があった。2010年9月7日、尖閣諸島沖で中国の漁船と日本の海上保安庁の巡視船が衝突し、漁船の船長が逮捕された時、中国政府は船長の釈放と日本の謝罪を要求してレアアースの対日輸出を全面停止した。これに対し日本政府は9月15日に外国為替市場で日本円の価値を突然下落させて反撃したというのである。 『通貨戦争』によれば円は人民元に対して3日間で約3パーセント下げ、日本政府がこの円安政策をとり続けていけば、中国の対日輸出は、インドネシアやベトナムなどに比べて不利になった。それから数週間で船長は釈放され、日本は形式的な謝罪を行い、円は上昇し始め、レアアースの輸出は再開された。 「中国は輸出禁止によって日本を攻撃し、日本は通貨安政策で反撃したのである」。「深刻な事態への発展は避けられたが、両国は教訓を学び取り、次の戦いに備えてナイフを研ぐこ
シリア国内にはまだ国際電話がかかる。だから、ほぼ数日おきに現地の友人たちと話している。首都でも、政府軍のヘリが機銃掃射だけではなく、ミサイルを撃ち始めた。夜間は銃声で眠れないという。内戦はだぶだぶと血の海を広げている。 シリアには四半世紀行き来してきた。現地の友人たち(シリア人、パレスチナ人)の大半は昔からのアサド嫌いだ。その友人たちの多くが、最近は政府軍を非難しない。最大の理由はいまの段階で現体制が倒れれば、サダム・フセイン体制が倒された後の凄惨なイラクの二の舞になると考えているからだ。イラクでもフセイン政権が倒れた直後は、現地では歓喜の声が溢れた。それから二年ほどが経ち、爆弾テロが猛威を振るい始めた。現地では「サダムの時代の方がましだった」という嘆きばかりを聞かされた(雑誌「atプラス」13号の拙稿参照)。 日本では「アラブの春」で一括りされがちだが、エジプトやチュニジアでの政権打倒劇
オリンピックやスポーツに一喜一憂することは、もう、ほとんどありませんが,忘れられないシーンがいくつかあります。 <1968年、メキシコシティー。挿入写真は生前のノーマン。写真はヘラルド紙より。> 東京から4年後,1968年にメキシコで開かれたオリンピック大会でアメリカの黒人選手が表彰台でアメリカ国旗に拳をかざす姿もそのひとつ。覚えている人も多いかと思います。政治とスポーツは別物だという戯れ言を聞くたびにこの写真を思い出してしまいます。 かなり,しっかり脳裏に焼き付いた写真が数日前の新聞に載っていたのは、この3人のうちの一人が先日,心臓発作で死亡したからでした。 アメリカ国歌の流れるお立ち台で黒い手袋,右の拳をあげるのは金メダリストのトミー・スミス,銅メダリストのジョン・カーロスは左の拳をあげています。スミスとカーロスはこの抗議行動のため、メキシコ大会から放り出され,オリンピックからも追放さ
国民に13.5兆円の負担を強いる消費増税法が成立した。民主、自民、公明の圧倒的多数の賛成によって成立した。成立に至る過程を見れば、国民生活より民主、自民、公明の政略的思惑が優先された結果である事が分かる。 野田総理にすると、「ねじれ」がある限り予算の執行を可能にする赤字国債発行法案に自民党が反対する事は必定で、昨年の菅総理同様に就任1年程度で自らの首を差し出し、自民党に譲歩を求めなければ予算執行が出来ない運命にあった。その壁を乗り越えるには自民党を自分の側に引きずり込む必要がある。 また国際金融市場では、日本の財政赤字を口実に投機筋が「空売り」を仕掛けてくる恐れもあり、財政健全化に取り組むパフォーマンスをして見せる必要もあった。そのため「待ったなし」とも言えない消費増税を「待ったなし」とフレームアップし、消費増税を選挙公約に掲げる自民党に協力を迫ったのである。 一方、多数の浪人を抱える自民
従って検察が事件にならない事案を摘発するのも、不起訴にするしかなかったのも予想通りで、また検察が不起訴にしたものを検察審査会が強制起訴に持ち込み、無罪の判決に対して検察官役が控訴するのも不思議ではない。目的は高裁で有罪にすることではない。小沢氏の政治的復権を遅れさせるところにある。 従って一連の事件の主戦場は検察の捜査や裁判の場というより、国民に対する情報操作の場に置かれている。御用評論家を動員して「小沢は終った」と言わせ、メディアにガセネタを書かせて「小沢はクロ」の心象を国民に与え、民主主義に無知な国会議員に「政治的道義的責任」を追及させるのが一連の事件を仕掛けた側の狙いである。 仕掛けた側は小沢一郎氏の政治力によって統治構造を変えられるのを恐れ、最高権力者になるのを阻止しようとした訳だが、その連中が攻め込んできているのは国民の意識である。国民が情報操作にマインドコントロールされるか、そ
2009年の3月に東京地検特捜部が小沢一郎氏の公設第一秘書を逮捕した時、私は「東京地検は有罪にする見込みがあって強制捜査に乗り出したのではなく、政権交代がかかった選挙を前に、その推進力である小沢氏の政治力を削ぐ事を狙っている」と言った。 有罪にならなくとも、メディアを煽って「小沢批判」を広げ、小沢氏の政敵たちに「議員辞職」や「証人喚問」を要求させて、小沢氏の政治生命が断たれれば仕掛けの目的は達成される。すると仕掛けに乗って「小沢は終った」と発言する御用評論家や御用ジャーナリストがぞろぞろ現れてきた。仕掛けたのは統治構造が変えられる事を恐れる勢力で、政権交代が実現しても統治構造を変えられないようにするのが目的である。 小沢氏は「55年体制」以来の統治構造を次々に壊してきた。政権交代のない構造を変えるため中選挙区制を小選挙区制に代え、官僚支配の国会を象徴する「政府委員制度」を廃止させ、自民党に
検察審査会から強制起訴された小沢一郎氏の裁判が結審した。来月26日に判決が言い渡される。裁判の過程で浮き彫りになったのは検察の犯罪的な捜査手法である。検察は思い込みから小沢氏の裏金捜査を始めたが、不都合な証拠は隠し、都合の良い証拠だけをメディアに流して国民に「小沢クロ」の心証を与え、それでも起訴が出来ないと検察審査会に嘘の証拠を示して起訴に導いた。 証拠を改竄する権力がこの国に存在する事が裁判で明らかにされた。普通の国なら民主主義に対する冒涜だと国民やメディアが騒ぐところである。強制力を持つ捜査機関が暴走する事を民主主義社会は許さない。国民はそのために代表を選んで立法府に送り込み、行政権力や司法権力を監視させるのである。ところがこの国はまるで違う。 国民から選ばれた政治家を「巨悪」(ということは国民は巨悪なのだ)、それを摘発する検察を「正義」と考えるマインドコントロールに冒され、国民は民主
小沢裁判で、裁判所から求められていた証拠の開示を拒否した検察について「民主主義とは無縁のところで育成されてきたのではないか」と書いたが、それは検察だけの話ではない。政治家にもメディアにも民主主義とは無縁の思考をする者がこの国にはいる。 小沢一郎氏の第14回公判で、東京地裁の大善文男裁判長は石川知裕衆議院議員ら元秘書の取り調べ段階での供述調書の大半を証拠採用しなかった。そして「強力な利益誘導があり、嘘の供述に導く危険性の高い取り調べだった」、「圧力をかける取り調べは、個人的なものではなく、組織的なものだったと疑われる」と東京地検特捜部の捜査手法を批判した。これまでの裁判経過をたどれば当然と思える判断である。 メディアは「これで小沢元代表有罪へのハードルは高くなった」とする一方、元秘書らの裁判では同じような理由で供述調書が証拠採用されなかったにも関わらず、三人の秘書全員が有罪判決を受けた事から
3月11日に発生したフクシマ原発事故で設置された政府の「原子力災害対策本部」が議事録を作っていない事が判明した。国家としてあるまじき行為、民主主義の根幹が否定された話である。ところがメディアは騒がない。日本は極めて静かである。本質的な問題を直視しようとしない国は「愚者の楽園」と言うしかない。 昨年5月に書いた『場当たりポピュリズムの末路』というコラムで、私は「大震災の発生直後からの政治の対応にどうしようもない違和感を感じてきた。理解できない動きの連続に唖然としてきた。それを想定外の事が起きたからという言い訳で政権は切り抜けてきたが、とてもそれだけで納得できるものではない」と書いた。 その違和感の正体がここにある。この問題を報じたNHKによると、事務局を務めた原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しくて議事録を作成出来なかった」と釈明したという。国民をバカにするのにも程がある。そんなデタラメ
昨年は年初に「地殻変動の年」という一文を書いた。昨年の干支は「辛卯(かのとう)」で、生物が死滅し新たな世界が開かれる意味だった事と、中東各地で民衆が蜂起し磐石と思われた独裁体制が次々と倒れる情勢にあったからである。冷戦の終焉と同様の構造変化が起る事を予感して「地殻変動」という言葉を使った。 ところが3月に、文字通り東北の太平洋沖の海底で地殻が変動し、大地震と大津波が東日本を襲った。それにより東京電力福島第一原子力発電所が壊滅的打害を受け、日本は深刻な放射能汚染にさらされる事になった。我々は国家のエネルギー政策を根本から見直し、国の統治のあり方も見直さざるを得なくなった。 年末、世界で唯一「冷戦」が終焉していない朝鮮半島で独裁者が急死した。世襲による権力継承がどのような結果をもたらすかいまだ不明だが、チュニジアの独裁政権崩壊で始まった一年は北朝鮮の独裁者の死によって幕を閉じた。 今年の干支は
この裁判が終ったら、結論が有罪だろうが無罪だろうが、立法府は国政調査権に基いて検察組織を徹底調査し、民主主義国家にふさわしい捜査機関に作り変える必要がある。日本が民主主義国家たらんとすれば、それは立法府の当然の使命である。 一昨年の3月に私は『予言が現実になった』というブログを書いた。小沢氏の大久保隆規公設第一秘書が西松建設事件で突然東京地検に逮捕されたからである。07年の参議院選挙に自民党が惨敗した時、私は「自民党は民主党の小沢代表をターゲットにスキャンダルを暴露するだろう」と予言した。それが私の知る自民党のやり方であり、それ以外に政権交代を阻止する手立てはないからである。その予言が現実になったのである。 しかし大久保秘書の容疑は政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で、しかも西松建設からの献金を実体のない政治団体からの献金と偽ったというものである。ところが政治団体には実体があり、検察の言
外国と交渉する時、国内が一つにまとまる方が交渉力は強まると思われがちだが、政治はそんな単純なものではない。むしろ意見が一つだと相手を篭絡するのが難しくなる。多様な意見を背にする方が「したたかな交渉」が出来る。TPP参加を巡って国内の意見が二分された事は、野田政権にとって「足かせ」のように見せながら、実は交渉の舞台づくりに役立っているのである。 日米貿易戦争の歴史は長いが、80年代半ばまでの自民党政権は実に「したたかな交渉」を行なってきた。アメリカから強いバッシングを受けると、それに譲歩して負けたフリをしながら、実利だけはしっかり確保した。その結果、世界最大の金貸し国の地位をアメリカから日本が奪い、1985年には日本が世界一の金貸し国になり、アメリカは世界一の借金国に転落した。日米交渉で煮え湯を飲まされ続けたのはアメリカである。 日米貿易戦争の最前線にいた通産省の天谷直弘氏は「町人国家論」を
鈴木宣弘氏(東京大学教授) 「TPPをめぐる議論の間違い」 (1)TPPはアジア太平洋地域の貿易ルールになるから参加しないと日本が孤立する これは間違いである。米国は、自らはNAFTA(北米自由貿易協定)などで「米州圏」を固めつつ、アジアが米国抜きで「アジア圏」を形成することには強い懸念を表明してきた。米国が以前から提唱しているAPEC21ヵ国全体での自由貿易圏FTAAPは、その実現をめざすというよりも、ASEAN+3(日中韓)などのアジアにおける連携の試みを攪乱することが主たる目的と考えた方がわかりやすい。 TPPの推進も、FTAAPの一里塚というよりも、ASEAN+3などのアジア圏形成を遅らせるのに好都合なのである。米国自身、「これは対中国包囲網だ。日本は中国が怖いのだから、入った方がいい」と説明している。中国も韓国もインドネシアもタイもNOといっているTPPに、もし日本が入れば、アジ
■お知らせ THE JOURNALも賛同している「TPPに反対する人々の運動」が、10月31日18時半から東京都文京区で緊急シンポジウムを開催します。講演には、慶大教授の金子勝氏も登壇します。お近くの方はぜひご参加下さい! 【詳細】http://bit.ly/nDGenf ───────────────────── 全国農業協同組合中央会(全中)は25日、与野党の国会議員356人の協力を得て、TPPの交渉参加に反対する国会請願を衆参議長に提出した。政務三役など請願に参加できない議員を除くと、事実上、国会議員の過半数がTPP交渉参加に反対したことになる。また、野党第一党である自民党も約8割の議員が交渉参加反対の立場を明確にした。請願に賛同した全議員の名簿は下記の通り。 ■TPP交渉参加反対に関する国会請願の紹介議員一覧 (↓の画像をクリックすると拡大します) (全中ホームページより)
初公判での小沢一郎氏の陳述は、私がこれまで書いてきた事と軌を一にするものであった。私が書いてきたのは以下の事である。事件は政権交代を見据えてその推進力である小沢氏の政治的排除を狙ったものである。しかし十分な材料がないため捜査は無理を重ねた。目的は有罪にする事ではなく小沢氏の排除であるから、メディアを使って無知な大衆を扇動する必要がある。大衆に迎合する愚かな政治家が小沢排除の声を挙げれば目的は達する。 民主主義国家における検察は、国民の代表である国会議員の捜査には慎重の上にも慎重を期さなければならない。それが国民主権の国の常識である。国家機密を他国に売り渡すような政治家や、一部の利益のために国民に不利益を与えた政治家は摘発されなければならないが、その場合でも国民が主権を行使する選挙の前や、政治的バランスを欠いた捜査をやってはならない。民主主義の捜査機関にはそれが課せられる。 ところが一昨年、
まず、西松建設の国沢幹雄元社長に対する検察側冒頭陳述を引用する。 〈すなわち、岩手県下または一部秋田県下の公共工事の受注を希望するゼネコンは、小沢事務所に対し、自社を談合の本命業者とする「天の声」を出してほしい旨陳情し、同事務所からその了承が得られた場合には、その旨を談合の仕切り役に連絡し、仕切り役において、当該ゼネコンが真実「天の声」を得ていることを直接同事務所に確認のうえ、当該ゼネコンを当該工事の本命業者とする旨の談合が取りまとめられていた〉 これが大久保元秘書らに対する判決で、こうコピペされていた! 〈岩手県等の公共工事の受注を希望するゼネコンは、小沢事務所の担当の秘書に対し、談合において本命業者となることの了解を与えてほしい旨の陳情に赴き、当該秘書の了承が得られると、鹿島建設の仕切役にその旨を連絡していた。連絡を受けた仕切役は、当該秘書に確認を取るなどした上で小沢事務所の意向に沿っ
(※これは、あくまでもいま分かっている情報を元にした拙速分析です。判決の全文を読んだ後に訂正する部分があるかもしれません。あらかじめご了承ください。また、事実関係の間違いや誤解は指摘していただけると助かります。よろしくお願いいたします) 問題とされたふたつの政治団体は西松建設がその社名を隠して政治献金を行うための隠れ蓑だったとする論法は、私にも違和感はない。その理由も丁寧に説明されている。したがって、大久保隆規元秘書が寄付の主体が西松建設であるということを認識していたというのも、普通に納得できる。 ところが、ここから先、迷走が始まる。 判決は〈岩手県や秋田県では、公共工事におけるいわゆる本命業者の選定に関して、小沢事務所の意向が決定的な影響力を持っており、その了解がなければ本命業者になれないという状況であった〉と、何の根拠も示さず断定しているのだ。その上で、大久保氏が「天の声」の発出役を務
外国人ジャーナリストから、次のような質問を受けることがある。50年間で1000万人の移民を受け入れる能力が、今の日本社会にあるのか。歴史的にも、江戸期265年間の「鎖国政策」に代表されるように、移民の受け入れも外国人との共生もほとんど体験したことがないのだから、それだけの度量の大きさを日本人に期待できるのか。もっともな疑問である。 続きを読む "移民国家・日本の50年後の未来像" »
ジェーン・ケルシー氏(オークランド大学教授) 「異常な契約──TPPの仮面を剥ぐ」(7/22) 「自らの課題は自らが決定しなければならないということを強調したい」「異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ」の著者・ジェーン=ケルシー(オークランド大学教授)氏の講演が7月14日憲政記念館で開催されました。 TPP参加表明9ヶ国による会合(ラウンド)は7回を終え、米国、ペルーの2回を残して、11月のオバマ大統領の故郷・ハワイAPECに臨みます。 >>続きを読む ------------------------------------------------------------------------------------- 鈴木宣弘氏(東京大学教授) 「『想定外』では逃げられない原発とTPP報道」(7/17) 今回の震災でようやく実現できるような大規模化政策が全国モデルとして展開できるはずがありま
何度も述べて来たように、菅直人前首相の人格・資質・能力には大いに問題ありとしても、直ちに引きずり下ろさなければならないほどの大失策があった訳ではなく、その意味では、やらずもがなの民主党代表選ではあったけれども、まあともかくも、小沢一郎代表の傀儡という以外に特に意味のない海江田万里にならなかったのは、不幸中の幸いだった。海江田が第2回投票で敗れた相手が、前原誠司元外相ではなく野田佳彦前財務相だったのはいささか意外だったが、前原は国民の間で人気投票をすれば圧倒的な人気があるが、党内では言動の余りの軽さを嫌う者が少なくないのに対して、野田は逆で、一般には印象が薄いが、党内では黙々と地道に与えられた仕事をこなして決して偉ぶらない人柄を悪く言う者はほとんどいない。その違いを野田自身、金魚とドジョウに喩えたのだろう。派手に対する地味の勝利と言える。 ●幹事長人事のしたたかさ 地味であっても引っ込み思案
民主党代表選挙で野田佳彦氏が新代表に選出された。民主党は政治未熟であるが故に退陣に追い込まれた菅直人氏に代わって、自公との大連立と増税を掲げる野田氏を代表に選んだ。この時期に大連立と増税を掲げるのはそれも相当に政治未熟と言わざるを得ない。その事を理解出来ない政治未熟児が民主党には215人もいた事になる。 まず野田氏は「ねじれ」のために大連立が必要だと言うが、本当に「ねじれ」があるのか良く現実を見た方が良い。参議院は与党110議席に対して野党は132議席である。確かに22議席野党が多い。しかし権力を持つ与党から野党に出て行く者はいないが、権力を持たない野党には権力に入るか、権力に働きかけて自分たちの政策を実現させたい思惑がある。表で与党を批判しても与党にすり寄る可能性があるのが政治の常識である。 もうすぐ権力が手に入りそうな大野党はすり寄るより解散・総選挙を求める。しかし小政党はそうではない
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ニュース 報道 | The JOURNAL - あなたの"知らないニュース"がココにある!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く