サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
iPhone 16e
www.fben.jp
著者 御厨 貴 、朝日新聞出版 カミソリ後藤田。そして、ミスター司法行政。団塊世代の私にとって、この二人は、「敵」陣営のカリスマ的ご本尊でした。でも、今の若い人には、どれだけ知られているのでしょうか・・・・? 後藤田正晴は、東大法学部を出て警察庁長官になり、その後は内閣官房副長官となったうえ政治家となって、内閣官房長官から副総理まで歴任した。 矢口洪一は京大法学部を出て、裁判所に入ったものの、裁判所の中では「裁判をしない裁判官」として司法行政一筋に歩んだ。最高裁判所事務総長から最高裁判所長官になり、ミスター司法行政と呼ばれるほどのプロになった。 矢口は、裁判の本質は精緻な判決を書くことにあるわけではない、と言う。 後藤田は、常識さえあれば勤まるのが警察だ。秀才はいらない。秀才はかえって邪魔になる。性格が偏っているやつも邪魔だ、と言った。警察は、軍隊のような先手必勝ではない。後手(ごて)で、
(霧山昴) 著者 竹内 浩史 、 出版 LABO 弁護士を16年間したあと、2003年4月から今も裁判官をつとめている著者が裁判所の内情をつぶさに明らかにしている本です。 16年間の弁護士生活のなかでは市民オンブズマン活動にいそしみ、情報公開請求も取り組みました。そして青法協(青年法律家協会)の会員であり、愛知県支部の事務局長を5年間つとめました。 裁判官になってからは、実名を出して「弁護士任官どどいつ」というブログを20年間続けています。裁判官が実名でSNS発信しているのは先日、不当にも罷免された岡口基一元判事と2人だけでした。もう1人だけ匿名で発信している若い裁判官がいるそうです。「駆け出し裁判官nonの裁判取説」です。 著者が大分地裁につとめていたとき、村上正敏所長に呼びつけられ、ブログをしていることについて「査問」されたとのことです。この村上所長は、著者が異論を述べると、あとで「君
著者 有馬 哲夫 、 出版 文春新書 児玉誉士夫と聞くと、戦前は帝国陸軍のスパイの親玉として中国大陸でさんざん悪いことをして巨財を成し、戦後はその巨財をもとに自民党を背後で操っていた薄汚い右翼の黒幕というイメージがあります。果たして、その実体はどうだったのか、興味深く読みすすめました。 児玉の最終学歴は商業学校の夜間部に2年通っていたこと。児玉は1929年、赤尾敏の主宰する国粋主義団体「建国会」に入り、青年部の部長になる。昭和天皇の車に駆け寄って直訴状をつき出し、懲役6ヶ月の刑を宣告されて下獄した。その後、1931年5月には大蔵大臣爆破事件に関わり、懲役4回月の実刑も受けた。その後もクーデター未遂などで刑務所に入っていて、1937年4月に出所してきた。そして、中国大陸に工作員として派遣された。 中国における児玉機関が秘密工作をするときには、三井物産、王子製紙、東洋綿花など、三井財閥系の
(霧山昴) 著者 郷路 征記 、 出版 花伝社 統一協会(教会ではありません)と35年にわたって対峙・対決してきた著者が安倍元首相を殺害した山上容疑者の母親の置かれている状況を深く深く突っ込んで解説しています。これを読むだけでも、この800円の小冊子(ブックレット)を読んだ甲斐は十分にあります。 統一協会が対象とする人は次の3条件を備えている人。その1、預貯金が100万円以下の人は誘わない。お金のない人を誘うのはムダなこと。目標は100億円の預貯金のある金持ちをゲットすること。その2、素直な人に限る。何事も疑ってかかる人はコスパが悪い。その3、宗教心があること。あの世を全然信じないような人はダメ。占いを信じる人ならOK。 印鑑販売に始まり、氏名判断をする。このときのトークは、運勢があなたの人生に影響している。先祖の悪霊が家系を通じて、あなたの不幸につながっている、というもの。霊界や因縁の話
著者:手塚 英孝、 発行:新日本出版社 『蟹工船』ブームは単なる一過性のものではなく、現代日本の病根を反映したものとして、幸か不幸か、まだまだ続きそうです。 小林多喜二が小樽高等商業学校で第二外国語にフランス語を選択し、フランス語劇としてメーテルリンクの「青い鳥」に山羊に扮して出演したこと、このフランス語劇が一番人気をとったことを初めて知りました。私も大学でフランス語を第二外国語でとりました。そのころはストライキに入って授業もなくなっていましたし、外国語劇というのもありませんでした。ちなみに舛添要一厚労大臣は私と同じクラスで、そのころから右翼でした。弁護士になって、八王子セミナーハウスでのフランス語強化合宿に参加したとき、フランス語劇に出演したことがあります。このとき、私はセリフ覚えが悪くて、とても役者には向かないことを実感させられました。 小林多喜二と芥川龍之介とは同じ時期の作家だったの
著者:全国原理運動被害者父母の会、出版社:れんが書房新社 勝共連合が大学内で活発に活動していたというのは昔の話だと思っていましたが、どうやら違うようです。教祖の文鮮明はソ連のゴルバチョフや北朝鮮の金日成とにこやかに握手したり、今や反共の闘士でもなく、アメリカで脱税して刑務所に入っていたような典型的な詐欺師だと思うのですが・・・。 この本によると、なんと、原理運動にのめりこむ学生が九州で増えているというのです。オウム真理教と同じで、悩める学生に巧妙に近づいて欺しているようです。 九州ブロックの統一協会の学生信者数は、ここ数年で何倍にもふくれあがっている。全国的に信者は大幅な増加傾向にある。ええっ、そうなんですか・・・。信じられません。 統一協会は40年にわたってマインドコントロールを続けているので、とても巧妙だ。時代とともにマインドコントロールの方法も変えている。 統一協会に入信しやすいタイ
「女たちの戦争と平和資料館」 編著 、 出版 合同出版 「朝日」叩きは異常です。済州島から「強制連行」があったかどうかだけが「慰安婦」問題ではないことは明らかです。にもかかわらず、「吉田証言」の嘘でもって「慰安婦」問題そのものがなかったかのようなキャンペーンは異常です。こうやって思想統制、マスコミ操作をしていくのかと思うと、背筋に冷たいものを感じます。 日本軍がアジア各地へ侵略し、ひどいことをしたのは厳然たる事実です。それに目をつぶって、「美しい日本」だなんて、それこそ愛国心の欠如そのものではないでしょうか。あるがままの日本をきちんと受けとめ、少しでも住みやすい社会を目ざして努力することこそ、今を生きる私たちの責務だと私は思います。 この本は、たくさんの資料と豊富な写真、そして加害者と被害者双方の証言によって、「慰安婦」問題を全面的に明らかにしています。60頁あまりの、カラー図版が満載で
著者 高野 隆・松山 馨ほか 、 出版 現代人文社 「本庄保険金殺人事件」の真相、をサブタイトルとする本です。 八木茂被告人に対する死刑判決は誤りだと訴える弁護人による本です。この本を読むと、たしかに、弁護人の言い分はなるほど、もっともだと思わせる主張です。 共犯者の主張(自白)で、私がもっともおかしいと思ったのは、トリカブトで毒殺した被害者の体を洗って、死後硬直した遺体に革ジャンバーを着せたというところです。両手を広げたマネキン人形に革ジャンバーを着せることは不可能です。そして、死体を川に放り込んだあと、「遺体捜索」として、「放り込んだ」地点よりも上流部分を「探した」というのです。これは、まるでマンガです。常識的にみて、ありえないことが書かれた「自白」は、疑うしかありません。 しかし、裁判所は証拠を何も見ていない世間が有罪だという判定をしているなかで無罪にする勇気はありません。そこに
著者 久芳 崇 、 出版 吉川弘文館 実に面白い、知的興奮を覚えさせる本でした。 なにしろ、秀吉の朝鮮出兵のとき、数千人もの日本兵が捕虜となって中国大陸に連れ去られ、一部は中国皇帝の前に引き出されて公開処刑の対象となったものの、その大半は中国軍に組み込まれて、鉄砲隊として反乱軍退治などに活躍したというのです。しかも、長篠の戦いで輪番による鉄砲の連続一斉射撃(三段撃ち)がなされたという従来の通説に対して、現実には技術的にそんなことはありえないという最近の有力説を覆すような中国の兵法書が紹介されています。そこに載っている三段撃ちの図解を見て、腰が抜けそうになりました。 中国の史料によると、鉄砲の輪番射撃の戦術が、日本では少なくとも16世紀末の時点で存在していたこと、朝鮮の役の後に中国・明王朝に伝播していたことがうかがえる。 朝鮮の役において、数千人をこえる日本兵捕虜(降倭)が発生
著者:ロバート・ジェラテリー、出版社:みすず書房 ヒトラー独裁といっても、それは多くのドイツ国民の最後までの支持なしにはありえなかったし、ドイツ国民は強制収容所の存在、そして、そこでの囚人虐待を知っていたという本です。ドイツ国民は何も知らなかったという従来の通説とは異なりますが、当時のマスコミ報道をふくめて資料を丹念に掘り起こしていますから、説得力があります。目を背けてはいけない事実です。 いま日本で、75歳の人が後期高齢者として保険料の年金からの天引きそして医療費の大幅な制限が始まり、多くの人が怒っています。でも、それを決めたのは小泉元首相でした。小泉フィーバーに乗っていた人々が、いま手痛いシッペ返しをくらっているとも言える事態です。スケールは断然違いますが、事の大小はともかくとして、ドイツでも日本でも、本質的には似たようなものだと私は思いますが、いかがでしょうか。 ヒトラーが1933年
著者 坂上 遼、 出版 講談社 これは警察小説ではありません。実際に起きた事件を丹念に追って再現した本です。菅生事件についての本は何冊も読みましたが、私にとって決定版と言える本です。 1952年6月1日の深夜、大分県菅生村(現竹田市)で駐在所が爆破され、現場付近で地元の共産党員ら3人が逮捕された。しかし、新聞発表によると現場で逮捕されたのは2人だけ。1人が消えていた。実は、この1人こそ現職の警察官であり、「爆破」事件を企図した張本人であった。駐在所の「爆破」自体が警察の仕掛けた「内部」犯行であり、共産党員2人はシンパを装った警察官に騙されて現場におびき寄せられただけだった。 この本は、当時、中国共産党にならって無謀な軍事路線をとっていた日本共産党の内情をあきらかにし、裁判所の法廷において弁護人たちが苦しい尋問を続けていたこと、そして、犯罪を引き起こした張本人である警察官(市木春秋こと戸高公
著者 ポリー・トインビー、デイヴィッド・ウォーカー、 出版 東洋経済新報社 イギリスについて書かれた本です。初めにイギリスの富裕層の暮らしぶりの一端が紹介されます。 3675万円の時計、94万円のショール、60万円のバッグなどの広告が富裕層向けの新聞広告にあるそうです。買う人がいるわけです。 1997年に労働党が政権についてから、上位10%のもつ個人資産が全体に占める割合は、47%から54%に増えた。 イギリスとアメリカでは、親が裕福だと子どもも裕福になる傾向にある。 1979年、サッチャー政権は誕生すると同時に、所得税の最高税率を83%から60%へ引き下げた。1988年にはさらに40%へ下げられた。 イギリスの億万長者54人の資産合計は18兆9000億円であるのにもかかわらず、所得税として納めたのは、わずか22億円ほどでしかない。うち32人は所得税をまったく納めていない。高額所得者たちに
著者:峯山政宏、出版社:彩図社 北大理学部を出た日本人の若者が海外で寿司職人となって一旗上げようと、いま世界最先端のドバイで渡って体験した悪夢のお話です。世の中、何ごとも表があれば裏があるというわけですが、このドバイの話は、ちょっといくらなんでもひどすぎる。そう思いました。ドバイは地獄だという英文タイトルのとおりです。大金持ちにとっては天国のような国なのですが・・・。 ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)の一つ。いま大変な建設ラッシュのため、世界のクレーン車の25%が埼玉県ほどの面積しかないドバイに集まっている。ドバイの経済成長率は16%。いくらでも入れ替えのきく外国人労働者は奴隷のように扱われる。出稼ぎ労働者のために職場環境をよくしようという発想はない。高層ビル建築現場に働く外国人労働者の賃金は105ドル。一流ホテルの従業員であっても、月給3万円もあればいいほうだ。 著者は東京の江戸前寿司
日弁連委員会ニュース(2月1日号)に、争いのない強盗殺人事件での裁判員模擬裁判において、裁判員の衝撃的な発言が紹介されています(鍛冶伸明弁護士)。 長いあいだ法曹三者において常識としてきたことが通じないというのです。なるほどと思いましたので、紹介します。(な) 「これまでの一般的な情状弁護にやり方では通用しないことが明らかになった。 本事件の被告は、事件当時21歳であり、前科もありません。また、事件については深く反省している。この場合、弁護人としては、最終弁論で、『被告人は反省している。若年で、前科もない』と指摘する。裁判官が被告人に有利な事情として考慮してくれたはず。 弁護人は、最終弁論において、これらの事情を酌量減軽すべき事情のひとつとして当然のように指摘した。評議では、裁判官もこの点を取上げて、『若いし、前科もないのだから、酌量減軽すべき』と述べていた。 しかし、ある裁判員は、『前科
選択的夫婦別姓の早期実現を求める会長声明 国際連合の女性差別撤廃委員会(以下「委員会」という。)は、2024年10月29日、女性差別撤廃条約の実施状況に関する第9回日本政府報告書に対して、総括所見を発表した。 委員会は、一部の積極的側面を評価しつつも、多くの懸念と勧告を示し、その中でも過去3回にわたり勧告してきた「結婚後も女性が旧姓を保持できるように、夫婦の姓の選択に関する法律を改正すること」(選択的夫婦別姓制度の導入)が実現されてないことについて、4回目の勧告を行った。 第8回報告までの審査では、民法の規定のうち、女性の婚姻適齢を男性と同じ18歳に引き上げること、女性が婚姻前の姓を保持できるよう夫婦の氏の選択に関する法規定を改正すること、及び女性に対する離婚後の再婚禁止期間を全て廃止することが勧告されていたが、今回唯一改正されていない選択的夫婦別姓の導入について、2年後までに書面で報告を
2025.03.20~袴田事件 無罪判決を受けての報告~ 「袴田事件弁護団事務局長 小川秀世さん 講演会」2025.02.15精神保健当番弁護士32周年記念シンポジウム「滝山病院事件に学ぶ私たちに必要なこと」2025.02.07市民とともに考える憲法講座 第十五弾「武器としての国際人権」藤田早苗氏講演会2025.02.01【県下一斉無料法律相談】 令和7年2月1日(土)~2月14日(金)2025.01.22呉服購入トラブル110番(無料電話相談)2025.01.17養育費・ひとり親110番(弁護士による無料相談・2025年1月)2025.01.16弁護士による行政ホットライン(2024年度第9回)2025.01.09LGBT無料電話法律相談(2025年1月)2025.01.08海外との取引に関わる弁護士・企業法務担当者のための「国際仲裁の使い方」セミナーのご案内2024.12.23【子ども
著者:福田誠治、出版社:朝日新聞社 フィンランド教育の成功というサブタイトルがついています。いやー、実に良い教育ですよ。こんなに伸び伸びとした教育を受けることができたら、本当にどの子もすくすくと学力が伸びると思いますね。今の日本では全国どこでも中高一貫の学校がもてはやされていますけれど、私は大いに疑問です。なにより、それがうまくいったとしても、格差を拡大させるばかりで、日本社会は現在のアメリカ社会のように暴力が横行する、すさんだ社会になってしまうでしょう。それも私は心配です。 世界学力調査でフィンランドはずっと世界一位を誇っています。この本は、人口500万人の小国フィンランドが教育の力によって世界のIT産業の先端にいる秘密を探っています。フィンランドの面積は日本とほとんど同じで、宗教はルター派キリスト教徒が85%。 フィンランドでは高校間格差はほとんどないので、たいてい地元の学校に進
(霧山昴) 著者 平川動物公園 、 出版 新潮社 鹿児島市にある動物園には現在18頭のコアラがいて、みんな名前がついています。同じような顔と形をしていて、いったいどうやって見分けるのかなと不思議な気になりますが、一頭一頭、食べる好みも違うそうです。 そういえば、東北の金華山の野生の鹿もずっと観察している人は見ただけで区別できるし、母と子まで見分けられるそうです。コアラだって、じっとじっと見比べていたら、きっと違いが分かるようになるのでしょうね。 ちなみに、名前は、たとえばツムギ、ユメ、インディコ、スターです。タイヨウ、アラタ、ノゾム。アーチャーもいます。あまり規則性がないように思えますが、本当は何か命名ルールがあるのでしょうか...。 コアラはオーストラリアの東側に棲み、固有種。毛が灰色の北方系と茶色の南方系がいて、日本にいるコアラのほとんどは北方系コアラ。 コアラは、とても繊細な生き物で
著者:週刊金曜日、出版社:別冊ブックレット 電通はクライアントを3つに分けている。まずは広告売上げが年に100億円をこえる企業。トヨタ自動車(年に1000億円)、松下電器産業、花王、NTT。これらの企業のためには電通はエース級の社員でチームをつくり、全社をあげて取りくむ。 次のランクは、大塚製薬、明治乳業、三共製薬、KDDIなどの中堅どころの企業。このランクがもっとも層が厚い。落としても代わりの社を取れば問題なしという扱い。 最後のランクは、いつ関係が途切れるかわからない会社。電通は粗利を支えるため、ためらうことなく引き受ける。 テレビ局にとっては電通が最優先。スポンサーが降りたりして空きが出ると、テレビ局は、まずは電通用にスポット枠をとっておく。 田原総一朗の妻が死んだとき、そのお通夜の葬儀委員長は電通の成田豊会長だった。 小泉首相にワン・フレーズ・ポリティックスをアドバイス
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『福岡県弁護士会 不安を、安心に。』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く