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大そうじへの備え
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先日、10月11日に「日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)」が設立されました。海外の高等教育界に大きな変化をもたらしているMOOC(大規模公開オンライン講座)の動きに対し、国内でも主要大学や大手企業が大規模に連携して、この分野で本格的に活動開始する動きと言えます。 大学のオンライン講座の無料化を目指す「JMOOC」発足–ドコモがシステム開発(CNET Japan) http://japan.cnet.com/news/business/35038431/ MOOCに関して、1年前にどういう状況だったかちょっと確認してみたところ、コーセラへの東大の参加検討や今年3月に開催したBEATセミナーでコーセラのダフニー・コーラー教授の講演企画が動き出したのはもう少し後のことで、実は国内での動きがここまで来るのにまだ1年経っていないのでした。 BEAT特別セミナー 変革期を迎えた学習プラ
「ゲームの力を社会に活かす」という考え方は、以前より受け入れられてきた感がありますが、最近のゲーミフィケーションの流れを引っ張ってきた「ゲームの力をビジネスに活かす」ということは手放しで歓迎されていないところがあります。 一般からすれば、そもそもどちらもそんなに受け入れられてないだろう、という話になってしまいますが、教育から一歩離れて、マーケティングや組織活動にゲームを取り入れる、というフィールドを見てみると、そこには教育の分野とはまた異なる温度差が存在しています。端的に言えば、そこには「ゲーム」が持つネガティブなイメージが影響しているということなのですが、ではそのネガティブさというのはどこから来ているのでしょうか(外は暑いので、家の中にこもってそういうことを整理して考えてました)。 古典的なカイヨワの遊びの分類を援用すれば、遊びには競争、運、模倣、スリルといった要素があり、スポーツやギャ
今の職場に移って2か月半が経ちました。業務から学会からいろんなレベルの仕事が集中していて、なかなか本業の研究で攻めの活動を行い難い日々に追われています。 以前も決して暇ではなかったのですが、特任の立場で研究中心で仕事できた頃とはだいぶ違い、今は組織の運営や担当業務に関わる細かい調整や、各所からの依頼事項への対応が毎日発生します。学会の活動も査読や原稿の締め切りや、大会準備の作業依頼が常時入ってきて、学会関係の調整メールを送らずにすむ日はないような状況です。 少しでも時間を作って、このブログのように何か発信していく時間を増やしたいと思いつつ、何か発信する時に気を付けないといけない「シガラミ」のようなものが増えていることを少し前から感じています。 こういうことを書くと誰々が嫌な顔するんじゃないかとか、この人たちに失礼なんじゃないかとか、あれこれ気にしながら「政治的に適切な」文章を書こうとすると
※追記(1/27): この研究グループを統括する研究ユニットLudix Lab(ルディックスラボ)を設立しました。Ludix Labでの活動も順次お知らせします。 このたび、ゲームと学習に関する研究開発グループ”Gameful Learning Assessment & Technologies(Game-LAT)”を立ち上げましたのでお知らせします。 このグループは、先ごろ藤本が理事に就任した、NPO法人Educe Technologiesを活動母体としています。諸々準備中なため、ひとまずは当ブログで設立経緯や活動方針をお伝えします。 ◆Game-LAT設立経緯: 海外のシリアスゲームや教育系のゲーム研究分野の動向を見ていくと、すでに一つの市場として形成されていて、研究拠点が各大学で立ち上がり、専門の開発会社も数々起業しています。ゲーム研究で学位取得して活躍する研究者が増えており、シリア
先週16日に、「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップを開催しました。ご参加者の皆さまありがとうございました。 今回のワークショップは、教育分野のゲーム研究に関心がある院生や学部生たちと一緒にやっている勉強会、CLG(Community for Learning and Games)研究会のメンバーで企画しました。最初の公開イベントということもあって小規模な開催にしたのですが、おかげさまで定員の倍以上のお申し込みをいただきました。そのため、ご参加いただけなかった方も多数出てしまいました(申し訳ありませんでした)。 今回のワークショップの模様は、下記ツイートまとめをご覧ください。 「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップのまとめ http://togetter.com/li/228844 発表を担当したQuest to Learnの事例は、以前から興味を持っていたのですが、今
昨日、日経ビジネスオンラインの「超ビジネス書レビュー」で拙著を取り上げていただきました。 『シリアスゲーム』で社会問題を解決! ~マジメと娯楽は両立できる(日経ビジネスオンライン 超ビジネス書レビュー) http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110902/222404/ この本書いたのは、もう4年前になるのですが(もうそんなに経つのですね・・・)、ここ最近、ゲーミフィケーションがバズワード化して急に一般層へ広まりつつあるので、その流れで関心を持っていただく方もおられるかと思います。 それで最近もシリアスゲームとゲーミフィケーションの違いが分からないとか、同じものなのかとかという質問をいただいたり、ツイッターでそういうつぶやきを見かけたりすることもあります。 たしかに似たところもあるし重なっているところも結構あります。分かりにくいところが
今年も東京工芸大学で担当している「シリアスゲーム論」が開講しました。この授業も3年目になるので、これまでのスタイルからかなりバージョンアップを試みました。 授業の構成はこれまで通り、シリアスゲームに関する講義とデザインワークショップ、グループプロジェクトを基本にしてますが、今回は「クエスト型授業」というコンセプトを新たに取り入れました。 クエストというのは、ロールプレイングゲームなどではおなじみの、プレイヤーがあちらこちらに行って、敵を倒したり、アイテムを集めたり、村人に頼まれてお遣いをしたりといった、ゲームシナリオ上の目的達成のための活動です。ゲームによってはミッションとかタスクとか呼ばれたりします。 クエストを授業の文脈で言えば、要は「課題」のことです。とはいえ、課題や点数をクエストや経験値と言い換えてるだけではなくて(そういう安易な迎合には学生たちは手厳しいです)、授業デザイン的にか
慶應SFCの上山信一教授の研究会にお招きいただいて、ゲストスピーカーとしてシリアスゲームの話をしてきた。 今回SFCに行ったのは何年ぶりだっただろうかと記憶をたどってみてもなかなか思い出せず、帰りながらようやく、留学前のMCC時代、池田靖史教授の研究室に当時担当していたプロジェクトの打ち合わせで伺って以来だと云うのを思い出した。なので約7年ぶりのSFCだった。 SFCは昔のイメージほど遠くなかった。品川から湘南台まで50分で行けるようになっていて、都心からの距離がずいぶん近くなった感がある。湘南台の街は開発が進み、キャンパスも以前よりもずっとキャンパスらしくなっていた。キャンパスの中は何と言うか、学生の生活感が根付いた感じというか、以前のキャンパスの無機質な生活感のない感じから、だいぶ学生の生活するキャンパスという感じになったという印象を受けた。特に研究棟の二階の通路の柵に所狭しとびっしり
「ゲームの教科書」(馬場 保仁、山本 貴光著 、ちくまプリマー新書)を読んだ。 本書は、セガの「プロ野球チームをつくろう!」などの人気シリーズのディレクターとして知られる馬場保仁さんと、コーエーで「戦国無双」などを手がけたゲーム作家の山本貴光さんの二人によるゲーム開発の入門書。構成は次のようになっている。 第1章 ゲームってなに? 第2章 ゲーム開発ってどんな仕事? ゲーム開発の手順 ゲーム開発にかかるコストとリスク 或るゲーム開発者の一日 第3章 ゲーム開発者になるには? ゲーム開発者への道 なにを学んだらよいか 就職活動のためのヒント 第4章 一カ月でゲームを作ろう! ゲーム開発のプロセスや、ゲーム開発者の仕事の実際について、豊富な例や噛み砕いた表現を用いてわかりやすく解説している。開発の技術的な話に偏らず、単なる業界紹介にとどまらず、ゲーム開発の仕事をシンプルに説明していて、ゲーム業
「ウルティマ・オンライン」などの人気MMORPGのゲームデザイナーとして知られるRaph Koster氏が、以前行ったGames for Changeのスピーチについてブログで言及していた。 Games for Change Closing Address (Raph’s Website) 彼のウェブでは、このGames for Changeカンファレンスでの講演をPodcastで聞ける。英語も難しくないのでぜひ聞いてほしい。質の高いゲームタイトルを生み出すことのできるゲームデザイナーの立場から、ゲームズ・フォー・チェンジ、シリアスゲームの開発における重要なイシューを指摘している。たとえばこれ。 「ゲームが持つ潜在的な強みの一つは、複雑な問題を分析しやすい形で提示できること」(ラフ・コスター) おそらくいいゲームを作るゲームデザイナーからすればごく基本的なことなのだろうが、コスターが指摘し
今年度の藤本研究室のプロジェクトとして、コナミデジタルエンタテインメントさんとの共同研究で『桃太郎電鉄 教育版』の教育的効果の調査を行います。学校現場の先生方の教育実践がさらに充実して、これから導入したい方たちを後押しできるような研究を行いたいと考えています。調査に協力してくださる学校の先生方、この研究に参画したい研究者や学生の方々と連携して活動します。ご関心がある方はご連絡ください! –以下リリース文– 2024年4月24日 株式会社コナミデジタルエンタテインメント 国立大学法人東京大学大学院情報学環 株式会社コナミデジタルエンタテインメントと東京大学藤本研究室が 『桃太郎電鉄 教育版』の教育的価値の評価に関する共同研究を開始 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(本社:東京都中央区、代表取締役社長:早川 英樹)と国立大学法人東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区、学環長:目黒
シリアスゲームジャパンで開催中のサイバー勉強会のテキストであるゲーム研究書「Half-Real: Video Games Between Real Rules and Fictional Worlds」の著者、Jesper Juul氏が最近手がけたゲーム、「High Seas – The Family Fortune」がリリースされている(プレスリリース)。 このゲームは、テトリスやぷよぷよのような落ち物パズルゲーム、落ちゲーと呼ばれるジャンルのゲームで、カジュアルゲームパブリッシャーのGame Trustから発売されている。上記のゲーム紹介ページから無料デモ版がダウンロードできるので試してみてほしい。 テトリス以来、さまざまな落ちゲーがリリースされていて、市場には類似のゲームはたくさんある。このゲームも見た目はビージュエルド風で、あまり目新しさはない。だがプレイしてみると、このゲームのル
ゲームをプレイすると、さまざまな知識やスキルが身につく。これまでは、「何となく身についている気がする」感覚でしかなかったものが、ゲーム研究者によって徐々に概念的に整理されて、学術的な言葉で説明されるようになってきた。 最近、翻訳書が出たおかげで広まったのは、スティーブン・ジョンソンの「ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている」のなかで触れられている、「プロービング(probing、調査)」と「テレスコーピング」という認知的スキルだ。「プロービング」とは、ゲームを始めて、そのルールや目的、コツを理解するための調査行動、「テレスコーピング」とは、目的達成のための行動を構造化して順序だてる知的作業のことを意味する。 インベーダーやパックマンのような昔のアーケードゲームやテトリスのような単純なパズルゲームであれば、ルールも目的もすぐに理解できるため、プロービングもテレスコーピング
Serious Games Japanについて シリアスゲームジャパンは、シリアスゲームイニシアチブの支援を受け、日本のシリアスゲーム活動の推進のために設立されました。シリアスゲーム(公共政策、ヘルスケア、教育、経営等の多様な社会問題に対応するゲームまたはゲーム技術とその活用)に関心のある開発者と実践者のコミュニティの構築を目的として活動しています。 大手ゲーム会社を片っ端から訴えるなど、アンチ暴力ゲーム運動の先頭に立って活動していた弁護士、ジャック・トンプソン(Jack Thompson)氏に対し、9月25日、フロリダ州最高裁より同氏の弁護士資格の永久剥奪と罰金約4万3000ドルの支払いの命令が下されました。 トンプソン弁護士は、「グランド・セフト・オート」をはじめとする暴力描写を含むゲームを発売するパブリッシャー各社を訴えるなど、ゲーム業界の敵として知られていますが、このほかにもラッ
先日、本家のシリアスゲームML上で、「ゲームと学習に関わる名言をシェアしようぜぃ」という呼びかけがあって、何人かが自分のお気に入りの名言ストックを提供していた。 英語で書かれる著作では、その文章の伝えようとすることを端的に表したり例えたりするような、昔の偉人や専門家の名言がよく引用される。翻訳書などを読むとよく見かけると思う。大学院生なんかでも、ライティングのトレーニングを受けたアメリカ人はそうしたスタイルを身につけていて、見事な引用を駆使するのを目にすることがある。アメリカで作家や学者のような物書きを業とする人にとっては、この引用のスキルは標準装備のようなものだ。この引用の技の切れ具合で、教養の高さの示し、自分の文章の格調の高さを演出するというわけだ。その引用が見事だと、それだけで文章が格調高く見えて印象が良くなる(鼻につき過ぎると、キザっちくて嫌だけど)。そういう文化で育っていない身と
修了試験の合間に、テスト理論の専門家のDr. Suenが中国の科挙試験の歴史についての講義をやっていたので聴きに行ってきた。科挙試験というと、狭い土蔵のようなところに閉じ込められて、数日間ぶっ通しで丸暗記してきた四書五経を解答用紙に書き続けるとか、カンニングのテクニックがすごかったとか、断片的な知識しか持っていなかったが、今回の講義でテストのシステムから会場の作り、テスト社会化の影響など、かなり体系に理解できた。面白かったポイントをいくつかメモしておく。 ・隋の7世紀から清の20世紀初頭まで(元の時代に空白あり)、科挙試験は面々と続いて、現在の中国のテスト社会の文化はその流れにある ・科挙試験をモデルにアジア各国はもとより、ヨーロッパ各国でも試験制度が整備された ・各地の試験会場は数千人から数万人収容の施設で、カンニング防止のための厳しい監視体制が施されていた ・省レベルの試験では(科挙試
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