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大そうじへの備え
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大気と真空との差圧を利用した、大気圧を駆動源とする空気加圧技術を実装 輸液バッグを挟むようなサンドイッチ型空気バッグ機構により、重力による吊り下げ点滴と同等な吐出性能を達成 無電源で動作するため災害時にも活用でき、患者の移動制限を緩和する「吊るさない点滴」が医療機器として登録 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)工学計測標準研究部門 チョン カーウィー 上級主任研究員、土井原 良次 研究グループ長、古市 紀之 研究グループ長、嶋田 隆司 副研究部門長、入江工研株式会社(以下「入江工研」という)加藤 良浩 四国事業所技術顧問、郡司 貴雄 医療機器事業部 製造業責任技術者、唐澤 ルリ子 技術グループ第1技術係は、無電源で輸液バッグを加圧可能な機構を開発しました。この技術を搭載した「吊るさない点滴」が入江工研によって製品化され、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMD
発表・掲載日:2024/10/28 「便器のふたを閉めて流してください」は衛生的か? -トイレ水洗時に生じる飛沫の見える化と飛散ウイルスの定量測定に成功- ポイント 便器のふたの開閉による違いなどを考慮し、水洗トイレ洗浄時に発生するエアロゾルの空間分布を測定 トイレを使用した後の水洗で、どの程度ウイルスが飛散するかを推定 水洗トイレ使用時の衛生管理に重要な科学的根拠に基づく知見が明らかに 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)センシングシステム研究センター 福田 隆史 総括研究主幹、安浦 雅人 主任研究員、河合 葵葉 リサーチアシスタントは、国立大学法人 金沢大学 理工研究域フロンティア工学系 微粒子システム研究グループ 瀬戸 章文 教授と共同で、水洗トイレから発生する飛沫(ひまつ)の挙動を、湿度制御下における粒径分布・空間分布といったさまざまな観点から捉え、可視化し
発表・掲載日:2024/06/10 湧水に浸すと発電できる「湧水温度差発電」 -流れ去る湧水の熱エネルギーを電気として有効利用- ポイント 湧水と大気の自然な温度差から発電できる技術を考案 電池なしで湧水の温度を計測し、無線通信で自動的なデータ収集に成功 地域資源である湧水の保全と持続可能な利用に貢献 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門 応用電気標準研究グループ 天谷康孝 研究グループ付、地圏資源環境研究部門 地下水研究グループ 井川怜欧 上級主任研究員、国立大学法人 茨城大学 大学院理工学研究科 一ノ瀬彩 助教は共同で、湧水と大気の温度差を利用した「湧水温度差発電」が可能なことを実証しました。発電した電力を用いることで電池なしで湧水の温度を計測し、無線通信で自動的にデータ収集することに成功しました。この技術は、固体の熱と電気の相互変換作用であ
みなさん、お待たせしました。ブルーバックス探検隊、ただいま帰ってまいりました!(あれ、どこか行ってたっけ? なんてツッコミはやめてください) 少しお会いしない間に世界は大変なことになってしまいましたが、また元気を出して、おもしろ研究をご紹介していきます。 新シリーズのトップバッターは、生命のサイエンスど真ん中の研究です。私たちの細胞の中にあるミトコンドリアは、大昔には独立した生物だったことはみなさんも聞いたことがあると思います。それがいつしか、ほかの生物の細胞に入り込んでしまうまでのプロセスとは、どのようなものだったのか? 私たちの祖先は何をしたのか? 生命進化の大きな謎に迫ります。 2020年7月14日掲載 取材・文 深川 峻太郎、ブルーバックス編集部 「ドメインが、1つ減るかもしれない」だって!? われわれ人類は数ヵ月前から、それはもうウンザリするほど毎日、ウイルスと向き合って暮らして
発表・掲載日:2019/08/23 能登半島北部周辺に刻まれた日本海発達の歴史 -20万分の1地質図幅「輪島」(第2版)を刊行- ポイント 国土の基本情報である「輪島」地域の20万分の1地質図幅を57年ぶりに全面改訂 最新の研究成果に基づき、海から陸に至る切れ目のないシームレスな地質情報として整備 地質情報の空白域であった浅い沿岸海域に発達する活断層を明確化 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)地質情報研究部門【研究部門長 田中 裕一郎】情報地質研究グループ 尾崎 正紀 上級主任研究員、海洋地質研究グループ 井上 卓彦 主任研究員らは、20万分の1地質図幅「輪島」を全面改訂し、57年ぶりに第2版として刊行した。 能登半島北部とその周辺海域にあたる「輪島」地域は、1993年能登半島沖地震や2007年能登半島地震などを引き起こした活断層帯が能登半島
量子ドットとは? 量子ドットとは、直径2~10ナノメートル(nm)程度のとても小さい半導体の結晶のことです。この非常に小さな半導体微粒子に紫外光を照射すると、発光します。さらにこの微粒子を大きくしたり小さくしたりすることで、発光する色を変えることができます。しかも発光が強く、色ごとに発光させることができるため、美しい画面が作れるという特徴があります。現在では液晶パネルに用いられ、テレビやパソコンのディスプレイなど表示装置に使用されています。 2023年のノーベル化学賞は「量子ドット」の発見と合成方法の発明について、アメリカのマサチューセッツ工科大学のムンジ・バヴェンディ博士、コロンビア大学のルイス・ブルース博士、ナノクリスタルズ・テクノロジー社のアレクセイ・エキモフ博士の3人に贈られました。量子ドットは、ナノスケールの半導体微粒子のことです。3人の研究者らが、この半導体微粒子がサイズごとに
発表・掲載日:2023/12/19 日本語に強い大規模言語モデル「Swallow」を公開 -英語が得意な大規模言語モデルに日本語を教える- 要点 日本語能力に優れビジネスにも安心して活用できる大規模言語モデルを公開 継続事前学習により大規模言語モデルの日本語能力を改善 高度な日本語処理が求められる多くの場面で、生成AI技術の利活用を推進 東京工業大学(以下、東工大) 情報理工学院 情報工学系の岡崎直観教授と横田理央教授らの研究チームと国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)は、日本語能力に優れた生成AIの基盤である大規模言語モデル「Swallow」を公開した(公開リンク)。本モデルは現在公開されている日本語に対応した大規模言語モデルとしては最大規模であり、オープンで商用利用が可能であるため、ビジネスに安心して用いることができる。 東工大と産総研の研究チームは、英語の言語理解や対
レベル4自動運転車両の道路交通法上に基づく特定自動運行の国内で初めての許可 車内にも遠隔地にも運転者がいない状態での自動運転(特定自動運行)が可能 ドライバー不足や交通弱者への対応と地域の活性化に交通手段として貢献 国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、2021年度より経済産業省および国土交通省の「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(テーマ1:2022 年度に限定エリア・車両での遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組))」を幹事機関として受託し、永平寺町におけるレベル4の無人自動運転移動サービスの社会実装に向けて、ヤマハ発動機株式会社、三菱電機株式会社、株式会社ソリトンシステムズとともに研究開発を進め、福井県吉田郡永平寺町(以下、永平寺町)、まちづくり株式会
発表・掲載日:2023/04/12 わが国最大の巨大噴火の全体像が明らかに -阿蘇4火砕流の詳細な分布図と地質情報を公開- ポイント 約9万年前に発生した阿蘇4火砕流の初めてとなる詳細な分布図を公開 九州6県および山口県に及ぶ阿蘇4火砕流堆積物の分布範囲を図示 地域の防災対策や国土利用への活用に期待 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)活断層・火山研究部門大規模噴火研究グループ 下司 信夫 研究グループ長、宝田 晋治 上級主任研究員、星住 英夫 研究主幹(研究当時)らは、阿蘇4噴火により噴出した大規模火砕流の分布図を公表・出版しました。産総研 地質調査総合センターのウェブサイトからダウンロードが可能です (https://www.gsj.jp/Map/JP/lvi.html)。 従来の地質図では把握が困難であった火砕流の詳細な分布、堆積物の層厚および特徴、日本列島全
量子もつれ、この言葉をきいて「それはね…」と説明できる人は、世界中のなかでも少数派ではないでしょうか。2022年のノーベル物理学賞は「量子もつれ」を研究してきた仏サクレー大学のアラン・アスペ博士、米クラウザー研究所のジョン・クラウザー博士、オーストリア・ウィーン大学のアントン・ツァイリンガー博士の3氏に贈られました。 言葉を聞いても、どのようなものかまったく想像がつかない量子の世界。恥ずかしながら今回の受賞がどのようにすごいのか、想像すらできませんでした。そこで、受賞の大きな理由となった「量子もつれ」がどのようなものか、大学で物理学を学んだことがない人でも理解のヒントになる情報を提供することを目的に、コラムとしてご紹介します。 【注】本記事は産総研マガジン編集部が理解できた限界のところまでをコラムにしています。学術上不十分かもしれませんが、その点ご了承の上、お読みいただけますと幸いです。
講談社ブルーバックス編集部が、産総研の研究現場を訪ね、そこにどんな研究者がいるのか、どんなことが行われているのかをリポートする研究室探訪記コラボシリーズです。 いまこの瞬間、どんなサイエンスが生まれようとしているのか。論文や本となって発表される研究成果の裏側はどうなっているのか。研究に携わるあらゆる人にフォーカスを当てていきます。(※講談社ブルーバックスのHPとの同時掲載です。) 7万年前に出現して以来、さんざん地球を痛めつけてきた人類はいま、さまざまなところでしっぺ返しにあい、これまでのやり方の見直しを迫られています。現代ではなくてはならない道具となった冷蔵庫も、その1つ。もう従来の「冷やし方」は許されなくなってきているのです!そして日本には、世界に先駆けて破壊的イノベーションを起こそうと燃えている研究者がいます。 2023年2月24日掲載 取材・文 深川峻太郎, ブルーバックス編集部
ペロブスカイト太陽電池とは? 太陽光のエネルギーを直接電気に変換して利用する太陽電池。いまでは一般家庭にも多く導入されるまでになりました。太陽電池は原料として使われる半導体によってさまざまな種類がありますが、この10年で急速に開発が進んでいるのが、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を用いる「ペロブスカイト太陽電池」です。塗布や印刷技術で量産でき、ゆがみに強く軽い太陽電池の実現が期待されています。 ペロブスカイト太陽電池は、塗布や印刷技術で量産できることから低コスト化が期待できます。また、ゆがみに強く、軽量化が可能であるので、これまでシリコン太陽電池では設置できない場所に設置できることが期待されます。性能面でもすでに、シリコン太陽電池に匹敵するエネルギー変換効率を達成しており、本格的な実用化に向け世界中で研究が進んでいます。ペロブスカイト太陽電池とはどのようなものなのか、実用化に向
発表・掲載日:2023/01/18 光を99.98%以上吸収する至高の暗黒シート -触れる素材で黒さ世界一、秘密は漆に似た成分と光閉じ込め構造- ポイント 従来の暗黒シートと比べて可視光の反射率が一桁低く、レーザーポインターの光も消えて見える カシューオイル黒色樹脂の表面に微細な凹凸構造を形成し、くすみもぎらつきも少ない深い黒を実現 明るい場所でも沈む圧倒的な黒さにより、視覚表現にこれまでになく高いコントラストを提供 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門 応用光計測研究グループ 雨宮 邦招 研究グループ長、清水 雄平 主任研究員、光放射標準研究グループ 蔀 洋司 研究グループ長と、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(以下「量研」という)量子ビーム科学部門 越川 博 主幹技術員、八巻 徹也 研究企画部長は、漆類似成分のカシューオイル黒色樹脂
発表・掲載日:2022/12/21 統合失調症の脳における「意味関係の乱れ」を発見 -AI技術の応用により脳活動から思考障害のメカニズムに迫る- ポイント AI技術を使った脳活動の解析により、統合失調症患者の脳では、ものの意味関係が乱れていることを捉えることに成功しました。 統合失調症では、脳内意味ネットワーク構造が無秩序になっているために、妄想などの思考障害が生じると考えられます。 本研究結果は、統合失調症の病態理解や新規診断・治療法の開発につながることが期待されます。 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医学分野の高橋英彦教授、松本有紀子助教、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT (エヌアイシーティー))の西田知史主任研究員、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の林隆介主任研究員、大阪大学大学院生命機能研究科の西本伸志教授、京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座(精神
発表・掲載日:2022/10/18 全国文化財情報デジタルツインプラットフォームの構築 -デジタル技術で埋蔵文化財を記録・可視化し、歴史を未来へつなげる- ポイント 文化財デジタルデータと3次元地理空間情報を統合表示するプラットフォームを開発 地下から地表までの状況を一体的に見ることができ、街づくりと文化財保護の両立を図る ドローンLiDAR利用など調査方法の高度化により掘削以外での3次元情報を収集。調査方法の革新 地理空間の専門知識は不要、文化財データの集積を進めることで街づくり・インフラ整備に貢献
発表・掲載日:2022/09/12 紀伊半島南部の橋杭岩(はしぐいいわ)周辺で巨大津波の証拠を発見 -巨礫の移動から南海トラフ沿いの1707年宝永地震津波よりも大きな津波が来襲したことを解明- ポイント 橋杭岩周辺に散らばる巨礫は過去の巨大津波の証拠 歴史上最大の1707年宝永地震による津波を超える規模の津波が存在したと推定 南海トラフ沿いの巨大地震津波の定量的な解析に貢献 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)活断層・火山研究部門 海溝型地震履歴研究グループ 行谷 佑一 主任研究員および地質調査総合センター 連携推進室 国内連携グループ 宍倉 正展 グループ長と、法政大学 文学部 前杢 英明 教授、株式会社環境地質 越後 智雄 東京支店長による研究チームは、和歌山県串本町にある名勝橋杭岩の周辺の地質痕跡から、南海トラフ沿いで過去最大とも呼ばれる1707年宝永地震の津
理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター微生物材料開発室の加藤真悟上級研究員、大熊盛也室長、産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門地圏微生物研究グループの金子雅紀研究グループ付らの共同研究グループは、好気条件で容易に培養可能な、数百ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)サイズの絶対寄生性ナノアーキア(古細菌)[1]のリソース化に成功しました。 本研究成果は、「微生物ダークマター」(機能未知の未培養微生物群の総称)の代表格である、寄生もしくは共生性ナノアーキアのさらなる培養・リソース化への足がかりになるだけでなく、ナノアーキアの謎に包まれた生態学的役割や、初期生命の進化過程の解明にも貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、国内の酸性温泉から、細胞サイズが数百nmのナノアーキアを培養することに成功しました。このナノアーキアは、宿主となるアーキアの細胞表面に付着し、
全固体電池とは? 電池は、正極(+)と負極(-)の異なる二つの活物質と、その両方に接している電解質から構成されています。これまで電解質といえば液体でしたが、それを固体にして、すべて固体で構成した電池を「全固体電池」と呼びます。安全性、寿命、出力など多くの点で、電解液を用いた電池を上回る性能を持つことに大きな期待が寄せられていますが、実用化についてはまだ開発途上です。しかし近年は特に電気自動車(EV)の電源として注目を集め、自動車メーカー、電池メーカーをはじめ、多くの企業が開発に取り組んでいます。 自動車がガソリン車から電気自動車(EV)へと転換していくのに伴い、脚光を浴び始めたのが電池です。中でも期待が大きいのは全固体電池。従来のリチウムイオン二次電池(LIB)に比べ、全固体LIBは、温度変化に強い、発火リスクが小さいといった安全面に加え、EVの充電1回当たりの走行距離が長い、ガソリン車の
実験室で大腸菌を昆虫共生細菌に進化させることに成功 大腸菌が単一突然変異でカメムシの生存を支える必須共生細菌になる 常識を覆し、共生進化が迅速かつ容易に起こりうることを示す 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門生物共生進化機構研究グループ 古賀 隆一 研究グループ長、森山 実 主任研究員、深津 武馬 首席研究員 兼 ERATO深津共生進化機構プロジェクト 研究総括は、国立大学法人 東京大学 大学院理学系研究科 古澤 力 教授、国立大学法人 東京大学 大学院総合文化研究科 若本 祐一 教授らと共同で、共生細菌なしでは生きられないチャバネアオカメムシから共生細菌を除去し、かわりに高速進化大腸菌を感染させて実験室で継続的に飼育維持することにより、数ヶ月から1年ほどの短期間のうちに、広域転写制御系に生じた単一突然変異により、大腸菌が宿主カメムシの生存を支
サイトマップ このサイトについて プライバシーポリシー 個人情報保護の推進 国立研究開発法人産業技術総合研究所 Copyright © National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) (Japan Corporate Number 7010005005425). All rights reserved. Copyright © National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) (Japan Corporate Number 7010005005425). All rights reserved.
発表・掲載日:2022/06/30 複数のAIを活用し、複雑な材料データからさまざまな機能を予測する技術を開発 -配合条件の選定から成形加工・評価までの材料開発を大幅に加速- NEDOの「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」で産業技術総合研究所、先端素材高速開発技術研究組合、日本ゼオン(株)は、複数の人工知能(AI)を用いることで複雑な構造を持つ材料のデータを処理し、高速・高精度にさまざまな機能を予測する技術を開発しました。 今回開発したマルチモーダルAI技術は、母材・添加剤・充填剤といったさまざまな配合を持つ材料(複雑材料系)に対して、深層学習(ディープラーニング)を適用する新しい技術です。画像や分光スペクトルといった異なる複数のデータを計測・統合することで、従来のAI技術を適用できなかった複雑材料系も、2万分の1以下の時間で高精度に異なる複数の特性の予測が可能になります。これは、
発表・掲載日:2022/06/13 大量の実画像データの収集が不要なAIを開発 -数式からAIが自動学習、人の判断を経た学習と同程度以上の認識精度を実現- NEDOの「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」において、今般、産総研は、数式から自動生成した大規模画像データセットを用いて人工知能(AI)の画像認識モデル(学習済みモデル)を構築する手法を世界で初めて開発しました。 本手法は、AIが学習で使用する大量の実画像やそのプライバシーの確保、ラベル付けコストなど商業利用の際の課題を解消するとともに、実画像や人の判断を経た教師ラベルを用いる現在の手法と同程度以上の画像認識精度を実現しています。今後、自動運転や医療、物流などさまざまな環境のAI構築で応用が期待できます。 また産総研は、この技術の詳細を、2022年6月19日から24日まで米国・ニューオーリンズで開催される国際会議IE
量子コンピュータとは? 量子コンピュータは、物質を構成する原子や電子などの「量子」の持つ性質を利用して情報処理を行うコンピュータです。量子の運動は「量子力学」に支配されており、量子の世界においては「量子重ね合わせ」というまかふしぎな現象が発現します。この0と1の重ね合わせ状態を用いて並列計算を行うコンピュータが量子コンピュータなのです。 スーパーコンピュータを使っても膨大な時間のかかる計算を、はるかに短い時間で行うことができるのではないか?と期待される量子コンピュータ。現在、量子コンピュータに対して世界中の政府や産業界から大きな期待が寄せられています。しかし、量子コンピュータを用いることでスーパーコンピュータなどの「古典コンピュータ」よりも高速に計算できる問題は限られています。また、量子コンピュータの社会実装までには最低でも20〜30年の長い時間が必要だと考えられています。期待ばかりが先行
発表・掲載日:2022/05/12 水/氷の界面に2種目の“未知の水”を発見! -水の異常物性を説明する“2種類の水”仮説の検証に新たな道- 発表のポイント 氷と水の界面に、通常の水より低密度な水を発見 密度の異なる2種類の未知の水の流れやすさの測定に成功 水の異常物性の解明と水の関わる多くの分野に影響を与える画期的な成果 水は、ありふれた存在ですが、特異な物性を示す奇妙な液体であり、多くの自然現象を支配しています。 東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授、東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授と産業技術総合研究所環境創生研究部門の灘浩樹研究グループ長を中心とする研究グループは2年前、水と高圧氷注1との界面にできる、通常の水と混ざり合わない高密度な未知の水(高密度水)を発見しています※。今回、一般的に知ら
発表・掲載日:2022/03/22 複数のAIアクセラレータを搭載した実証チップ「AI-One」の動作を確認 -従来比45%以下の短期間で低コストのAIチップ設計・評価が可能に- NEDOは「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業」に取り組んでおり、産業技術総合研究所、東京大学と共同で、ネットワークの末端などに使われるエッジ向けAIチップの設計を容易にするために、東京大学浅野キャンパス(東京都文京区)内に整備を進めている「AIチップ設計拠点」で、AIチップに使用されるAIアクセラレータ開発のための評価プラットフォームの構築を進めています。このたび、本評価プラットフォームの実証チップである「AI-One」において、仕様が異なる6種類のAIアクセラレータを同一チップに搭載し、その試作チップを評価した結果、設計通りの周波数での動作を確認しました。 AIチップを開発する中小・ベンチャー企
リチウム金属と単層カーボンナノチューブシートを組み合わせた負極は、リチウムデンドライトの成長を大きく抑制 リチウム金属単独の負極に比べ5倍の電流密度と循環容量、20倍以上の寿命を実現 単層カーボンナノチューブシートは量産可能で、次世代電池の実用化を加速 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)ナノチューブ実用化研究センター 周 英主任研究員らは、日本ゼオン株式会社(以下「日本ゼオン」という)山岸智子研究員と共同で、スーパーグロース単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を用いて作製したシートにより、リチウム金属の充放電時に発生するデンドライト(樹枝状結晶)を抑制する技術を開発した。この技術は高エネルギー密度で、大容量のリチウム金属電極(負極)の実用化に貢献する。 リチウムイオン二次電池において、リチウム金属は既存の負極材料(グラファイトなど)と比較して極めて高いエネルギー
GaNトランジスタとSiCダイオードのモノリシック化に成功 回路異常動作時に起こるGaNトランジスタ耐圧破壊の問題を解決 モーター駆動や太陽光発電用パワーコンディショナーなどへの応用に期待 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)先進パワーエレクトロニクス研究センターパワーデバイスチーム 中島 昭 主任研究員、原田 信介 研究チーム長は、ワイドバンドギャップ半導体である窒化ガリウム(GaN)を用いた高電子移動度トランジスタと炭化ケイ素(SiC)を用いたPNダイオードの両者をモノリシックに一体化した、ハイブリッド型トランジスタの作製および動作実証に世界で初めて成功した。GaNとSiCのデバイス試作を両立できる独自の一貫製造プロセスラインの構築によって、ハイブリッド型トランジスタの実現に至った。試作したハイブリッド型トランジスタは、GaNの特長である低いオン抵抗およびSiC
発表・掲載日:2021/11/20 酸化物系固体電解質材料を用いた電極で全固体電池の室温作動に成功 -高エネルギーで安全な酸化物系全固体リチウム硫黄電池の実現に大きく前進- ポイント 次世代リチウムイオン電池向けの新たな電極を開発 正・負極を組み合わせた試験電池において室温で実用レベルのエネルギー密度を実証 有毒ガス発生の危険性が少ない安全な酸化物系全固体電池の早期実用化が期待 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)先進コーティング技術研究センターエネルギー応用材料研究チーム永田 裕 主任研究員、秋本 順二 首席研究員(兼)チーム長は、次世代リチウムイオン電池である酸化物系全固体電池向けの高容量正極および負極を新たに開発し、リチウムイオン電池の長年の課題であった安全性の大幅な向上に道筋をつけることができた。 可燃性の有機電解液を用いる従来のリチウムイオン電池に対し、難
昆虫と共生細菌が助け合って農薬を解毒する仕組みを初めて解明 共生細菌の一つの遺伝子が、昆虫の農薬抵抗性に重要な因子であることを特定 共生細菌の農薬分解遺伝子を標的にした新たな害虫防除法の可能性 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という) 生物プロセス研究部門微生物生態工学研究グループ 菊池 義智 主任研究員 (兼)国立大学法人 北海道大学 大学院農学院 客員准教授、環境創生研究部門 環境機能活用研究グループ 佐藤 由也 主任研究員らは、国立大学法人 北海道大学(以下「北大」という) 大学院農学院 博士後期課程(当時) Jang Seonghan 氏、公立大学法人 秋田県立大学(以下「秋田県立大」という) 生物資源科学部応用生物科学科 竹下 和貴 助教と共同で、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構【理事長 久間 和生】(以下「農研機構」という)と協力し、害虫が腸
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