『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、東京・渋谷駅周辺など最近の再開発が露呈させている日本社会の深刻な問題について考察する。 * * * ある種の混沌や雑多さを内包する"若者の街"だった東京・渋谷の駅周辺で急速に再開発が進み、ずいぶんスマートな印象になりました。また先日、久々に訪れた吉祥寺でも一部のエリアが再開発され、「整えられた」ように感じました。 渋谷と吉祥寺とでは再開発の目的が違うでしょうが、経済合理性や利便性を最優先し、コモンズ(共有空間)が減少したという点は共通しているように思います。 新たな商業施設に入る店舗は、ラグジュアリーブランドからチェーン店まで、大手資本が中心です。地域の小さな商いは淘汰され、日本中どの都市も同じような顔つきになっていく――そんな実感を持っている人は決して少なくないでしょう。 ITの圧倒的